妄想少女 (読切) 汐里

★★★★★
妄想少女週刊モーニング 2013年52号 p336 汐里 講談社

第64回ちばてつや賞 大賞受賞作です。
なぜこの漫画の紹介をするのかと言うと、



高田康太郎
そういや許可出たんで告知。今週のモーニングにスタッフさんでヘルプきてくれてる汐里さんのちばてつや賞大賞受賞作「妄想少女」が載ってます。
link


高田康太郎
ゼウスの種の飯島先生からのご紹介でしたので、ゼウス歴の方が長い方です。機会があれば読んでみてね!
link
こういう事です。 妄想少女週刊モーニング 2013年52号 p335 汐里 講談社 主要キャラが3人出てきますが、その3人の微妙なすれ違いがコメディに上手く昇華されてると思います。 主人公は恋に恋する感じで、 妄想少女週刊モーニング 2013年52号 p348 汐里 講談社 担任のセクハラ行為を嬉々として受け入れます。 担任は担任で、主人公に対してセクハラ行為をしても何も言い返さないことをいい事に、 どんどんエスカレートしていきます。 ここまでは主人公と担任との関係が噛みあってるのですが、 妄想少女週刊モーニング 2013年52号 p345 汐里 講談社 そこで3人目が登場。 女装して女子高に忍び込み、セクハラシーンを盗撮。 写真を添えた偽書疑心で二人の関係を終わらせることに成功します。 3人とも表面上はマトモだけれど、内面は変態的という共通点を持ちつつ、 妄想少女週刊モーニング 2013年52号 p365 汐里 講談社 立場の違い、視点の違い、変態性の違いなどをきちんと描いてるあたり、 キャラクターを表現する力はかなりあると感じました。 さらには3人の微妙な視点や性癖の違いを上手くストーリーと絡めています。 これは文句なしに素晴らしいですね。

「ダメな僕。それでも『そんなアナタが好き』と言ってくれる女の子はいないかな」と<承認>を求める男の子。そんな具合に自分のことしか考えていない男の子に愛想を尽かし、心の奥底を打ち明けても<理解>してくれる男性を求める女の子。これでは、噛み合うはずもありません。
『日本の難点』 p40 宮台真司 幻冬舎新書

日本の難点 (幻冬舎新書)

日本の難点 (幻冬舎新書)

偽書の効果もありますが、主人公が心の奥底を打ち明けた途端去っていくといった辺りも良く出来てるなと。
主人公は自分の本心を打ち明けたシーンだったんですが、
担任にとっては最後通牒と受け止められる。
以前から『ロールプレイ』『カップリング』『ミスディレクション』が大切だと書いてますが、
この3要素を実に上手く使いこなしてるなぁという見方を私はしました。
絵も見栄え含めて連載レベルに達してるように思えますし、大賞も納得の作品でしょう。
むしろ今までどっかで受賞歴ありそうな気がしますが... 名前変えたのか、その辺りは分からず。