少年サンデーS 201207
今回からスキャンの方法少し変えてみました。シャープにはなってると思うけどどうかなぁ...
次号から本誌で短期集中連載していた『ちいさいひと』の連載(実質島流し)
加えて険持ちよ先生の『My Sweet ウマドンナ』の連載が始まります。
サンデーS 2012年7月号 p899
『ちいさいひと』はコンセプト自体は良いんですが、内容がワンパターンで、
かつ人物描写がほぼ同じような構図ばかりといった欠点がありました。
『ジオと黄金と禁じられた魔法』(通称:『ジオとと』)よりはマシですが...
ノンフィクションだとどうしてもある程度パターンが絞られるってのはあるでしょうけど、
その辺りを工夫しない限りはサンデーSでも厳しいんじゃないかな、と思います。
『My Sweet ウマドンナ』は日本中央競馬会(JRA)公式のギャルゲー。
『CINEMA KEIBA/JAPAN WORLD CUP』で調子に乗ったJRAが、
さらなる競馬ファン獲得のために放ったブラウザゲームで、ネットでも結構評判になってました。
個人的にはいいコンテンツ引っ張ってきたなーと思いますね。
折角提携できたんですから、クラサンでも公開して、かつJRAのサイトにリンク貼ってもらって
読者を引っ張ってくるような工夫が出来ればいいんですが。もちろんクラサンからもJRAへのリンクを貼る。
リンク以外でも上手く連動できるといいんですけどね。
険持先生の力量が問われますが、成功すれば本誌昇格、アニメ化も視野に入るだけに是非頑張って欲しいところ。
『モンキーターン』の実績があるからサンデーでやり易かったってのはあるんでしょうかね?
今月号も『ケンイチ』のエロクリアファイルが付録で付いてましたが、個人的には微妙かなぁ...
松江名先生はいい仕事してますが。
サンデーS 2012年7月号 付録
二層式にすることで更なるエロさを追求したのでしょうが、
肝心要の露出度が高い2,3枚目を見ようとすると、覗きこまないといけないという不便さが引っかかります。
コンセプト自体はいいんですが、方法自体にはちょっと問題あるかなと。
あんまりいいアイデア無いですが、差分の紙を挟み込む方式の方が良さそうな気はします。
その紙を無くしそうですけどもw
○ WONDERLAND MUSEUM
ちょい甘目。
『WONDERLAND MUSEUM』 サンデーS 2012年7月号 p52 浦山慎也
内容的にも細かいボケツッコミはテンポあっていいですし、構成もいいです。
ただ、肝心のストーリーがイマイチな点が残念。
特に左目を開けない・人を助けない原因になった回想シーン、視野を確保する為のロジックが微妙です。
ここに意外性なり、共感なり、説得力なりを出せれば。
プロトタイプの読切が載った2011年8月号の記事にこう書きましたが、
良さはそのままに、ロジックはそれなり以上にできていたと思います。
読者への紹介を兼ねて秘密をペラペラ喋るシーンでは一抹の不安を覚えましたが、
その後にしっかり「記憶を消すから」という理由をちゃんと描いてる辺りに好感が持てました。
この辺りは今月のゲッサンの『パピヨンの風』で書いてることと同じですね。
最大の課題は、あまり見栄えのしない人物でしょうね...
これでも昔に比べれば良くなってますし、絵自体は上手いと思うんですが。
連載続ければ見栄えも良くなっていくとは思いますけども。
内容的には枷が転送の条件だけでこの先何とかなるのか?って所ですね。
ガンダムAGE 〜追憶のシド〜
あれ、意外と悪くない...
宇宙空間なのにも関わらず平面的に戦ってるのは失笑ものですが、
読者に感じ取って貰うべき内容をセリフに起こしてみたり(「救世主、格好いいです」とか)
やたらと説明口調なセリフだとか、唐突に起こる場面展開とか。
このように前回指摘した問題が、かなりマイルドになってると思いますね。
◎ 湯神くんには友達がいない
twitter
主人公が野球のエースってことは、『サンスポット!』がやらされた作品ではなく、
作者自身がやりたいと思ってた作品なんだなと思ったり思わなかったり。
『湯神くんには友達がいない』 サンデーS2012年7月号 p130 佐倉準
主人公のキャラがいいですね。この厄介さw
その理屈っぽい厄介な面と、優しい面を交互に出してるのでメリハリも出てます。
地味と言えば地味ですが、これも味。作者の能力を存分に発揮できる作品になりそうです。
○ PLUG
「恋を教えて下さい」と迫るシーンはウケるんじゃないですかね。
個人的には刺さる箇所ではないんですけど。
『PLUG』 サンデーS 2012年7月号 p258 こじまたけし
むしろその後でチカが嫉妬してるシーンが個人的には刺さります。
電脳にダイブした後のシーンが、いかにもローテクな人の発想だなぁと言うのはありましたが...
◎ ロック
twitter
絵は完璧、設定もかなり良く、伏線などストーリー展開も悪くないとなりゃ◎付けてもいいくらいなんですが...
読みにくさ(特にバトルシーン)が台無しにしちゃってる感。
モノローグが全く無いってのはアリと言えばアリなんですが、
ベストの表現がモノローグではなかったから使わなかったのか、ハナから選択肢に無かったのかが気がかりです。
前回こう書きましたが、モノローグ導入でかなり自然な感じになってると思います。
『ロック』 サンデーS 2012年7月号 p306 五味秀数
このシーンなんかいいですね。
キャラ描写の一番の基本はそのキャラが何が好きで何が嫌いかを描くことだと思いますが、
この前のシーンから続いてこの流れは非常に良かったと思います。
惜しむらくは読みにくさ(特にバトルシーン)が多少マシになったとは言え、
まだまだ改善の余地がある事でしょうか。
とは言えこれも時間の問題。今後も期待できそうです。
◎ G
カッコ悪い格好良さが出てると思います。
◎ 氷の国の王子様
キャプテンのキャラもいいですね。
まぁ一番大切なのは王子なんですけど、その辺りも完璧。
ある意味本当の王子だったのかw
○ 中巌寺家の隠密
◎ 今際の国のアリス
やっぱこうでないとねー。
◎ KING GOLF
熱血描写はさすがだなと思いました。(2回目)
○ ノゾ×キミ
3人目はどんどん新キャラ入れていく方針だったのか。確かにこの方がいいですね。
◎ AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜
いやー本当にコレ面白いというか、楽しいなぁ。
前回同様の感想になりますが、イタさをちゃんと笑いに持っていけてますねぇ。
『AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜』 サンデーS 2012年7月号 p545 原作/田中ロミオ 漫画/星野倖一郎
この天丼、原作ではどういう風にやってんだろ...
電脳怪奇譚 サイバーワン
うーん、表面上盛り上がってるように見えるけどそれが全然伝わってこない...
ともだちテトラ
二つ目の回想の挟み方がちょっと唐突かなぁと。
内容的にも個人的にはイマイチ。絆を描いてるのはいいんですが、それ以外がねぇ。
二ノ前しいの使い方
前回も書きましたが、エロで頑張る(キャラが)時は個人的にイマイチ。
情けない感じは悪くないと思うんですけどね。
◎ CRIMSONS 紅き航海者たち
ミズダコ、鮫に勝てるのなw すげーわ。
基本的には天敵らしいですが、成長しきったら勝つこともあるのだとか。
食べるためではなく、卵を守るためってのもリアリティありますし。
「可能性」のロジックは素晴らしいと思いました。
◎ 青いね芝くん!
相変わらずネームが多いですが、それでも前回よりはメリハリが効いてると思います。
内容的にもいいです。
○ クックドッポ
『アリス』を見てるような裏切り展開。
やっぱこうでないとねー。
◎ 動物がお医者さん!?
いやー素晴らしい。
今までで一番、会心のデキだったと思います。
ただ、以前この漫画を批判した記事に沿った内容なので、個人的な好みにマッチしまくっていて、
最早客観的に見れないレベルなので、客観的にどうかは判りませんけども。
あえて批判的な事を書くと、
『動物がお医者さん!?』 サンデーS 2012年7月号 p753 富士昴
このシーン自体は悪くないんですが、ちょっと勿体無かったなと。
こういう所で萌えに繋がるような演出をしてくれたらなぁ。
何回も書いてますが、構成的にはこの漫画完璧に本誌レベルなので、キャラにファンが付くようにさえなればねぇ...
今回でもキャラ描写はかなり良くなってはいるんですけども。
このシーン含め、その辺りはまた別記事で書きます。
芸術捜査班!!!
ようやくお約束とワンパターンの峻別が出来てきた感じはします。
ただまー面白いか?って言われると...
意外性がある訳でもなし、ロジックに唸る訳でもなし。
そこがダメならキャラの幅を広げる方向しか無いと思うんですが、ソレも無いですしねぇ...
○ 太陽の友達の友達(読切) 熊野股鍵次
twitter
イントロからのギャップ、フラフラフラワーの気持ち悪さは凄くいいんですが、
その後ほぼ(一応1コマだけ可愛らしいのありますが)キモイ一辺倒なのはちょっとどうかと思いますねw
これだけギャップ出せてるのに、それを一回こっきりってのはちょっと勿体ないです。
『太陽の友達の友達』 サンデーS 2012年7月号 p818 熊野股鍵次
画像 (グロ注意!)
とは言え相変わらずインパクトありますし、ギャグも切れてます。
サンデーはギャグ作家の層が薄いので、それを埋めてくれる期待の星であることは間違いないでしょう。
クラサン基準だと★4。
◎ おじさんメランコリー(読切) 井上素子
名前見て、誰?って思いましたが、漫画読んであの人かと。
『なみだ水彩』に関しては以前記事を書きました。
『おじさんメランコリー』 サンデーS 2012年7月号 p823 井上素子
まんカレ入選と書いてありますし、間違いないでしょう。
前作同様、一見雰囲気の良いごくごくフツーの漫画ですが、
これまた前作同様、パラダイムシフトと言うと大げさですが、起承転結の転の箇所で逆転してるんですよね。
前回はロールプレイでしたが、今回はポジティブとネガティブ。
それをちゃんとキャラの特徴と結びつけつつ、16pできっちり収めてる辺りは本当に素晴らしいなと。
伏線もしっかりしてますしね...
クラサン基準では★5。
このクオリティで、まだ作者が20歳前後ってのはちょっと信じ難いです。
新撰組秘闘 ウルフ×ウルブズ
正直なところ、尻すぼみ感満載。
初めは結構期待してたんですけどね...
見栄えのする絵、そこそこやれてるコメディ、テンポのある演出と良い所があるのは確かなんですが、
厨二バトルと謳っても微妙なバトルシーン、ロジックが足を引っ張った感があります。
『新選組秘闘 ウルフ×ウルブズ』 週刊少年サンデースーパー増刊号2011年12月号 p83 森田滋
作画で一番ヒドかったのはこのシーンでしたが、今はここまでヒドくはないです。
というか大分改善されてます。
ロジックは結局改善されず。目の付け所は悪くないとこもあったんですけどね...
厨二心をくすぐるほどの必殺技や演出も少なく、かと言って歴史的背景を上手くアレンジしたフィクションもなく。
そういう意味では、今考えると同人ぽかったのかも。
個人的にも客観的にみても無印。
この作品は失敗だと思いますけど、これを糧に次の作品でリベンジして欲しいですね。