ゲッサン201302

今月の表紙は個人的に良かったなと。
小田嶋さんがデザインした『銀塩少年』のようにシンプルなものが好きってのはあるんですが、

銀塩少年(2) (少年サンデーコミックス)

銀塩少年(2) (少年サンデーコミックス)

あえて空間を作り、そこに意味がある感じが非常にいいです。
QUOカードのレイアウトと比較して見ると、デザイナーさんがあえてこうしたんですかね。
デザインに関しても素人なんですが、冬なのでフォントをシアン系にするのは当然として、
雪の結晶は銀色を使いつつ、色の付いてるところは銀色ではなく白色にしてる辺りも気が利いてるなぁと。
ゲッサン2013年2月号 表紙

ゲッサン2013年2月号 p7

以前、小川先生が表紙の時にこう批判したことがありましたが、

少し残念なのは表紙ですね...
モノブラウンで統一して、ワンポイントだけカラーっていうのは確かに映えるのですが、
それが表紙になるとタイトルやら何やらで別の色も混じるだけに、ワンポイントカラーのインパクトが消える気がします。

ゲッサン2011年2月号 表紙

ある程度デザイナーさんに仕事ができる余地がある方が、いい表紙になるのかもしれませんね。
この表紙も文字が邪魔にならないようにしつつ、ちゃんと判別できるようにと気遣われてはいるんでしょうけど。


アオイホノオ
この映像では、漫画で読んで面白い感じにするのは難しいかなぁとは思いました。


◎ ひとりぼっちの地球侵略
よくいるタイプのキャラと言われればその通りなんですが、
GAN☆KON』の三峰さんのようなキャラと、そういう展開が出てきました。
GAN☆KON』 1巻 p11 菅原健二

『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2013年2月号 p61 小川麻衣子

キャラデザインはともかく、どっちにファンが付きそうかって考えると、明らかに古賀さんだろうなぁと(苦笑)
このキャラに限らず、会話が見てて楽しいです。


ぼちぼちキャラが増えてますが、『ハレルヤ』のようなキャラの多面性を引き出す構造でなければ、
それほどキャラを増やす必要は無いかなぁという気もします。
今のところ多面性を引き出す傾向が出ているようには見えますけども。


◎ ハレルヤ オーバードライブ!
やー素晴らしい。サブキャラ回は特に外しませんなぁ。
書き出すと止まらなくて時間ないので、現時点では詳しく書きませんが、
男性と女性の思考の違いが初めて顕著に表現された回のような気がします。

話を聞かない男、地図が読めない女

話を聞かない男、地図が読めない女

『ハレルヤ オーバードライブ!』 ゲッサン2013年2月号 p83 高田康太郎

やはりキャラのバラエティの根本は性差だと思うんですよね。「あるある」ネタであるが故に、共感へと結びつきますし。


◎ あやしや
立場や視点、持ってる知識が違うキャラが自分の正義のために行動するが故にバラエティが出てると思います。
だからこそミステリーも作りやすくなってるんでしょうなぁ。


○ ぼくらのカプトン
柴田先輩かっけー。


○ VANILLA FICTION


◎ ちろり
こういう雰囲気漫画でも枷は重要なんですなぁ。
『ちろり』 ゲッサン2013年2月号 p302 小山愛子

ぶっちゃけ画材のことは良くわかりませんが、恐らくコピックから水彩に変えたんですかね?
以前よりは良くなってるんじゃないかと。
個人的にはアナログの良さを生かしつつ、レトロかつ新しい印象が出る何かが出来ないものかとか思ったりもしますけど。


○ アサギロ


ここが噂のエル・パラシオ
謎で引っ張るのはいいんですが、それで面白くなってるかと言われると、それほどという感じが。
次回以降にやるのかもしれませんけども、読んでて上手いことミスリードしたなぁという展開にならんもんでしょうか。
先が全く読めない展開というのもひとつの方法ではあるんですが、ヒントくらいは欲しいかなぁと。


○ Blood Rose (短期集中) 梅内創太


月曜日は2限から
本当にどーしよーもないネタは無くなりましたし、ポテチネタは不覚にも笑ってしまいました。
どれだけボツ喰らってるか分かりませんが、力は付いてきてるように見えますね。
まだ予断は許せませんけども。


◎ まちにまったおとなりさん (読切) 山本崇一朗
2012年7月号掲載『からかい上手の高木さん』、11月号掲載『恋文』とラブコメの読切を発表していた山本先生は
今回もラブコメ
p数が8p→16p→32pと倍々になってますが、内容も倍々とは言いませんけど確実に面白い作品描いてくれるなぁと。
『まちにまったおとなりさん』 ゲッサン2013年2月号 p454 山本崇一朗

ツンデレキャラはギャップがあるから受けるというのは常識でしょうが、
単にギャップがあるのではなく、ギャップの出し方に意外性があった方が不意を付けて効果的なんだなぁと改めて思いました。
初めに人外だという描写、そして力が人間の数十倍で、血を吸い、札を剥すと...という風に
話の展開をリードしてるが故に、札を実際に剥した際のミスリードが活きるんでしょうなぁ。


読切3本共当たりだったので、これは本物でしょう。
もう一話完結の読切を描く意味が見出せないので、次は連載を見据えた短期連載で読んでみたいですね。



若木民喜
@koutensugano 読ませないってのも色々あって、「想像もできない」ものと、「まず想像させておいて裏切る」ものと、「何パターンか提示しておいて、そのうち何を選ぶか、ないしは選ばないか」というもの・・・ボク的には展開そのものより、展開の前の議論が大事なんじゃなかろうかと。
link
以前何度か引用したつぶやきです。 今までは読切なので (しかもその前はp数も限られてるので) 最もシンプルな意外性の出し方がベストチョイスでしたが、 短期集中や連載になれば、この方法だけだと展開を読まれる可能性もありますし、単調になる恐れもあります。 その辺りを含め、どう連載に向けて対応策を打てるかといった所でしょうか。 連載用の設定も煮詰める必要があるでしょうしね。 六角少女関係 (読切) マツセダイチ 意義はある読切だとは思いますが、単体でみれば正直イマイチ。 長くなったので別記事で。かなり批判的に書きますので、マツセ先生は覚悟するか読まない方がいいじゃないかな。 迷宮入り探偵 (実質短期連載) かんばまゆこ 個人的にはネタ的に前2作よりは微妙。 子供じゃなくて (読切) 瀬戸ミクモ 8pならいい仕事できますね。印つけてもいいくらいの出来ではあります。 『子供じゃなくて』 ゲッサン2013年2月号 p530 瀬戸ミクモ 女性らしさは相変わらずいい意味で出てるので、どうやって男性からの支持が得られるようにするかでしょうか。 「やおい」に陥らないよう注意する必要はあるでしょう。 6のトリガー まぁありがちではありますが、悪くはなかったかと。印つけるほど面白いとは個人的に思いませんでしたけども。 天丼は3回でちょうどいい感じでした。 アダンタイ 妖怪の魂云々の話になってますが、そういう内容にするのが遅かった感。 絵は割といいんですけどねぇ。 リンドバーグ デカけりゃいいってモンでもないですが、やはりそれだけでも迫力が出ますわなぁ。 戦闘の駆け引きも見てて気持ちいいですし、キリオがスラスラ理屈を言ってるのが受け売りって描写も個人的には好きです。 2〜3巻までが今に比べるとイマイチだったって事はありますが、 宣伝すればもう少し売れても不思議じゃないクオリティになってると思うので、その点では少し残念です。 信長協奏曲 前回同様、単なる歴史上の事実を述べたに過ぎないのに、それが信頼の証へと受け取られる描写も良かったのですが、 信長協奏曲ゲッサン2013年2月号 p669-670 石井あゆみ 今回はここも素晴らしかったですね。 下克上の準備が結果的に信長が利する形になり、恭順の意を示すためにもそれに従わざるを得ない。 ◎ ツール・ド・本屋さん 最近面白いという以上に楽しい漫画になってきました。 ローカルネタあり、作家さんいじりあり、ギャグあり、交流ありとバラエティ溢れる題材を上手く料理してるなぁと。 『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2013年2月号 p699 横山祐二 そしてあたりまえなことの有難み。次号に防寒対策も出るでしょうけど、このネタもいいですね。 ほんと、始めた頃とは漫画のクオリティが全然違いますわ。 来月に出る単行本読んだら、改めてそれが分かるんじゃないかと。