からかい上手の高木さん

今月は通常のminiに加え、ゲッサン本誌、週刊少年サンデーと豪華三本立てでした。

本誌出張が『キョーコ』ではなく『高木さん』と書いたのは、
個人的には『高木さん』の方が好きだからというのが最大の理由ですけども、
読切出張なら一話完結の『高木さん』の方が適しているというのが選ばれた原因でしょう。
ゲッサン201406 #1

先月こう書きましたが、『キョーコ』も1話目がリバイバル掲載されていました。
まぁ描き下ろしの理由としては当たってるという事でw



山本崇一朗(単行本一巻発売中 ラフネーム1本終わったー。
サンデーに載せてもらってストックが減ったから取り戻さないとなー。
がんばろ
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山本先生、原稿描くのは結構早い方なのかもしれませんが、 内容的に薄くなる傾向があるので、個人的にはあまり2本立てを頻繁にはやって欲しくないところ。 休載が必要だとは思いませんし、今回くらい宣伝効果が期待できるならまた話は別ですけどね。 余力はネームの直しなり、 作画しながらでは鑑賞できない字幕の映画に費やすなどのインプットに使って欲しいです。 まだまだ先のある作家さんですし。 で、『高木さん』は連載時に第何話と書かれていないので、どれが先かは分からないのですが (と言うか後先あんまり関係ない) 一応サンデー本誌掲載分から。 内容的には今月載った3本のうち、一番微妙な回がサンデー本誌に載った印象ですが、 恐らく『高木さん』のストックの中から単独でも理解し易い回を選んだのだと思われます。 そういう意味では一番サンデー本誌掲載に適した回だったのかもしれません。 からかい上手の高木さん週刊少年サンデー2014年28号 p524 (1巻 p108) 山本崇一朗 いやまぁそれでも十分面白いんですけどね。 そして何故か1巻に掲載されているという。 1巻の表紙もそうなんですが、最近突っ立ってるだけではない描写が増えてかなりいい感じ。 絵を描かない人なのであくまで想像ですが、 キャラを描く際の基礎中の基礎として「ちゃんとキャラを真っ直ぐ立てられるか」があると思います。 真っ直ぐ立てられないという事は、それだけバランスが悪いという事ですし、 「これだと横に倒れるよ」という事にもなりかねません。 からかい上手の高木さん』 1巻 p1 山本崇一朗 なので、真っ直ぐ立てられるように矯正し、常にそう描けるようなバランス感覚を身につける。 これは絵を描く為にはやらなければならない事でしょう。 ただし、前提が違えば結果も違わなくてはなりません。 最近このブログで書いてることですが、「前提を疑え」。 『BE BLUES!』 週刊少年サンデー2014年28号 p303 田中モトユキ 意図的に身体を傾けることによって「横に倒れる」のではなく、動きを閉じ込めることができる。 ひいては絵の躍動感に繋げることができます。 全編キャラがほぼ正面棒立ちだった『ジオと黄金と禁じられた魔法』は例外中の例外でしょうし、 スポーツやアクション漫画ではあまりそういう事は無いのですが、動きが少なくても成り立つ漫画では、 基礎から脱却できず単に立たせてるだけの漫画が多い気がします。 個人的には、5人立っていれば一人くらいは休めの姿勢でいて欲しいです。 ひょっとしたら、どう仕草を可愛らしくするかを追求することで 最初のような画像が増えているのかもしれません。 接触プレイにもなってますし、仕草を描写する方法の1つなので当然萌えにも繋がります。 元々動きが苦手な作家さんではありますが、 少しづつ克服できてきてるなーというのがこういったディテールからも窺い知れる気がします。 この回は内容的にはギャグ薄めでしたが、 駆け引き多め、オチもきっちり締めてたのでこの漫画的にはまーまーな回だったように思います。 次にゲッサン本誌掲載分。 からかい上手の高木さんゲッサン2014年7月号 p318 山本崇一朗 個人的には3本の中ではピカイチ。何と言ってもオチが綺麗に決まりましたし。 もちろん、 からかい上手の高木さんゲッサン2014年7月号 p316 山本崇一朗 この漫画最大のウリである萌えシチュも味がありました。 そして、細かいところですが からかい上手の高木さんゲッサン2014年7月号 p314 山本崇一朗 ちょくちょく出てくる動物の仕草がいちいち可愛いんですよね。 これは『キョーコ』にも共通してる事ですが。

犬がギャグテイストなのはまぁいいんですが、
しっぽを振ったり、顔を舐めたりと何かしら表現できる余地もありそうですし。
ゲッサン201401

以前『キョーコ』5-6話でこう批評しましたけど、
ふだつきのキョーコちゃん』 1巻 p173 山本崇一朗

マヌケ面はともかく、割とそこにいるだけだったこの回と比べれば雲泥の差。
とは言っても、ウリウリが出てくる『キョーコ』8話からは動物の仕草もきちんと描かれていたのですが。


最後にmini掲載分。
からかい上手の高木さんゲッサンmini 8 (ゲッサン2014年7月号付録) p9 山本崇一朗

こちらをサンデー本誌に掲載するという手も無くはないとは思うのですが、
しょっぱなにイカつい先生が出てくることと、
今後このキャラを使うとすれば、
サンデー本誌を読まなかった読者に対してもう一度説明する必要が出てくるので、
この回はゲッサン掲載が正解だとは思います。


今まではほぼ高木さんと西片くんの遣り取りのみでストーリーを進めてきた漫画でしたが、
単行本のおまけを含め、若干その辺りを変えてきました。
高木さんと西片くんだけで話を進めるという縛りは、ベクトルとしてはマンネリへと繋がるので、
多少の変化は歓迎です。
からかい上手の高木さんゲッサンmini 8 (ゲッサン2014年7月号付録) p18 山本崇一朗

ただし、個人的にはロールプレイ的な要素は『キョーコ』でやってもらうとして、
『高木さん』のメインは高木さんと西片くんの遣り取りで、コメディとシチュエーション的な萌えに特化した、
1話完結の作品であるべきだと考えています。
どこから読んでも楽しめるジャンルの作品ですし。


余談ですけど、単行本の1.2.3.5.6話とおまけ漫画に出てくる3キャラは
『歩いて下校』 ゲッサンmini 1 (ゲッサン2013年4月号別冊付録) p71 山本崇一朗

以前ゲッサンminiに掲載された読切『歩いて下校』のキャラで、
帽子を被ってるのがサナエ、眼鏡の委員長がユカリ、ボケキャラがミナです。