ゲッサン201407

8月末まで微妙に忙しいので、暫く更新が遅れがちになると思われます。
何とか今週末までに『ころクラ』とゲッサンminiを、
7/6頃にサンデーSの記事が上がればなぁと希望的観測。


ゲッサン 2014年 07月号 [雑誌]

ゲッサン 2014年 07月号 [雑誌]

MIXの単行本が発売の月なので、当然ながらMIXが表紙。
...なのは妥当な判断だとは思うのですが、なにゆえ2号連続?
ゲッサン2014年7月号 p12

来月新連載、門司雪先生の『アイドルマスター ミリオンライブ』でもなく、
(ゲッサンで新連載表紙だったのは『MIX』『時坂さん』『タケヲちゃん』等、割と少なめ)
ゲッサン2014年7月号 p706

小学館青年コミックフェアに採り上げられつつ、来月コミックが出る『ころクラ』でもない。
さらに言うなら、7/18にドラマが始まり、単行本も7/11に出る『アオイホノオ』でもなく、
アニメが始まる『信長協奏曲』でもないという。


実際の効果がどれほどあるかは別として、
ドラマやアニメの宣伝として雑誌の表紙を使うくらいの互酬性を発揮しても良かったんじゃないかと。
心意気ですよ心意気。
という事で、個人的には来月は島本和彦先生と石井あゆみ先生のコラボ表紙であるべきだったかなぁと。
たとえ既出絵であっても。
今月の表紙に関しては、まぁいつものあだち先生だなぁとしかw それがいいんですけどね。


※追記:
よく見たら2号連続表紙ではなく、2号連続カラーでした...
次号は『信長協奏曲』が表紙のようです。
すげー勘違い... お詫びして訂正を。


余談になりますが、ゲッサンが「青コレ」の対象作品になってるのも興味深いなぁと。
新人コミック大賞だとゲッサンは少年漫画に分類されているのですけども。
実際の購買層でみると、ゲッサンは少年誌より上なのかもしれません。
単純に、GXとスピリッツ/月スピではフェアをするには範囲が若干狭いという事情なのかも。


ふだつきのキョーコちゃん

ちょくちょく出てくる動物の仕草がいちいち可愛いんですよね。
これは『キョーコ』にも共通してる事ですが。
からかい上手の高木さん

今回の『高木さん』記事でこう書きました。今回の『キョーコ』でもこういったシーンが。
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2014年7月号 p15-16 山本崇一朗


生物学的に言うと、哺乳類で背中に子供を背負うのは霊長類やクマといった
ある程度手が発達している動物か、樹上生活をするコアラなどに限られるとは思うのですが、
(確証はありません。少なくとも例外としてアリクイがいます。)
正直この可愛らしさを見せつけられたら、そんな事どうでもいいと思っちゃいますねw


動物の仕草に関しては『高木さん』の記事でも引用しましたけど、

犬がギャグテイストなのはまぁいいんですが、
しっぽを振ったり、顔を舐めたりと何かしら表現できる余地もありそうですし。
ゲッサン201401

と第5-6話で批判したのが良くなっているように、

ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2014年1月号 p311 (1巻 p147) 山本崇一朗

ゲッサンの記事は基本的に画像サイズを25%にしてるのですが、
文字はともかく、それを20%にしても何ら問題のないような絵で、
3コマで済むような内容を丸々1p使ってればそりゃスカスカに思えますわなぁ。
このシーンが何かしらの伏線になってるならともかく...
いやまぁ絵がシンプルなのは決して悪いことではないんですが。
ゲッサン201401

こう批判していたようなシーンが
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2014年7月号 p33 山本崇一朗

こんなに素晴らしく。二人が楽しんでることを描写しつつ、 (つまり萌え)
次のページへのリズムの変化と伏線をも伴っているんですよね。
そして、伏線の行き着く先であるオチも
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2014年7月号 p35 山本崇一朗

「小学生か!!」だけで終わらせるのではなく、「幼稚園児か…」といったように二の矢のあるツッコミ。
ネタ的には池に落っこちるという、単独では面白くも何ともないものですが、
演出の力で面白さへときっちり結びつけられているのではないかと。
ナチュラルにやってる訳ではなく、ロジカルに考えてこういう結果になっているでしょうから、
この面白さは持続する筈です。36pでも全く問題ナシ。
後は1話完結以外のストーリーで1話目のクオリティ低下をどう抑えられるか。
山本先生の課題は最早そこだけでしょう。


◎ ハレルヤ オーバードライブ!!
この漫画も佳境に入りつつあるのかなぁと。個人的には7割くらい進んだ印象。
物語の終わらせ方の1つとして、「最初に戻る」方法がありますが、
『ハレルヤ オーバードライブ!!』 ゲッサン2014年7月号 p56 高田康太郎

それを予感させるような新キャラが登場し、
それを期待させるようなセリフも飛び出る。
『ハレルヤ オーバードライブ!!』 ゲッサン2014年7月号 p56 高田康太郎

今はメタりかという「場」をいかに維持するかが最大の懸案ですが、
今回の話でバトンを渡す後輩が現れたので、彼らの為にもメタりかを潰すわけにはいかないという、
新たな理由が増えました。
『ハレルヤ オーバードライブ!!』 1巻 p28-29 高田康太郎

恐らく、『ハレルヤ』はこういう終わらせ方をするのでしょうねぇ。


◎ ひとりぼっちの地球侵略
いやー今回も良いシーンが目白押し。
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2014年7月号 p87 小川麻衣子

岬一の男の子なシーン2つに加え、
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2014年7月号 p118 小川麻衣子

既に暗示されていた現実が暴かれる。
王道やらせても小川先生面白いなーとは思うのですが、
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2014年7月号 p102 小川麻衣子

個人的に一番気に入ったのはこのシーン。
侵略者を単なる悪者として描くのではなく、彼らなりの正義があると表現する。
リコのモノローグの辺りにも端的に表れてますが、キャラの視点がきちんと描かれている。
だからこの漫画は面白いんでしょうね。
そして、多角的な視点を意識できてるからこそ、多様な需要をも意識できる。
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2014年7月号 p97 小川麻衣子

シリアスな展開であっても、リコの可愛らしさやラブコメ的な要素はきちんと抑える。
月刊誌だと漫画の方向性としては、読者層をなるべく広く取るか、ニッチを掘り下げていくか、
もしくはその中間でいくかといった見方があると思うのですが、
この漫画は幅広い読者に受け入れられるように、ちゃんと工夫されているなぁと毎回感心します。
アイラがリコに何をしたのかも気になります。


ぼくらのカプトン
クオリティが下がってる訳ではないのでしょうけど、個人的には今回もひとつ。


○ アサギロ


◎ あやしや
清蓮隊長のドSっぷりが素晴らしい。
『あやしや』 ゲッサン2014年7月号 p225 坂ノ睦

そして柊隊長と仁との共同戦線も興味深いところ。
元々鬼導隊は一枚岩とは到底言えない組織ですが、ここに対立構造が生まれた訳で。
さらには、柊隊長と仁との関係に最近影が薄い咲がどう絡んでいくか。


第13保健室
チラリズム接触プレイがあるにはあるんですが、どうも露骨で...
まぁこの辺りは趣味の問題なので、刺さる人には刺さるのかもしれませんけども。
キャラ萌えに繋がる感じもしませんしねぇ。


アオイホノオ
アオイホノオゲッサン2014年7月号 p280 島本和彦

打率が出世に響くとは思えませんが、効率的な仕事をする事が出世に繋がるというのはあると思います。
少なくとも自分が知ってる範囲では、ヒット作を出す事も評価される1つのポイントでしょうが、
連載をどれだけ立ち上げるかが一番評価されるとかだったような...
例えば『神のみぞ知るセカイ』のヒットだと、連載当初からの担当だった石橋さんではなく、
連載始まる直前まで担当していた野村敦司さん(現・ガガガ編集長)の評価が上がるとかそんな感じで。
確かゲッサンの市原編集長は週刊少年サンデー編集部時代の実績がかなり上位で、
市原さんを上回れる人と言ったら、坪内さんくらいしかいないんじゃないかなぁ。
もちろんキャリアの長さに差はありますが。


アオイホノオゲッサン2014年7月号 p283 島本和彦

恐らくコレは本当の話なんでしょうねぇ。実際の原稿もある訳ですし。
読者は兎角現時点での完成度にのみ注意が行きがちで、
実際私も、例えば森茶先生のデビュー作『おとめジェノサイド』を酷評しましたが、
最終的には『BULLET ARMORS』という連載作品へと繋がった訳で。
どうポテンシャルを見抜くか。たまには本人が考えた訳ではないギャグに反応してしまう事はあれど、
少なくともそのセリフが素晴らしいと思う感性は持っていた作家を引き当てた訳で。
批判も欠点を批判的に書くのは比較的楽なのですが、
長所になりそうな所を肯定的かつどう伸ばすかを考えながら批判するってのはかなり難しいです。
想像力が必要になりますし、経験も必要になってきますから。


◎ VANILLA FICTION
いやー素晴らしい。
『VANILLA FICTION』 ゲッサン2014年7月号 p340 大須賀めぐみ

ドクロへのエールですが、読者へのエール、そしてゲッサンへの投稿者へのエールにもなってます。
この間、大須賀めぐみ先生の読切を読む機会があったのですが、
(wikiに書いてませんが、少年サンデー超増刊2003年2月号に掲載。コピー取るべきだった...)
今とは全く違うというか、面影の欠片もないような絵柄で、かつ内容も微妙でした。
正直言って最近の受賞作の方がよっぽどレベルが高いのではないかと。
そんな大須賀先生...と言っては失礼かもしれませんが、実際自分が信じて進んだ道だからこそ、
こう言い切れるんだと思います。
で、この後のシーンが恐らく次回の伏線にもなってるんでしょうね...


久々の残虐シーンには迫力がありましたし、
『VANILLA FICTION』 ゲッサン2014年7月号 p350 大須賀めぐみ

このネタばらしは初期設定で組み込まれていたからってのもありますが、
意外性と説得力に富んでいました。
個人的には今までで一番面白かった回ですね。


月曜日は2限から
内容的には客観的に見るといつもの感じ、個人的には元に戻って微妙な感じ。
体操服は『高木さん』と、校舎に侵入はマツセ先生の読切と被ってるんですが、
何かしら原因があるのかなぁ。


◎ LES MISERABLES
単なる自己紹介なのにも関わらず、この神々しさ。
凄すぎて笑ってしまいます。


放課後さいころ倶楽部
別記事で。一応訂正すべき箇所だけ上げますか。
コレ、単行本の修正間に合うのかなぁ...
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2014年7月号 p457-458 中道裕大


「手札に黄色があればバタリオン…!!」(ポーカーで言うところのフラッシュ)
と言ってるので、青ではなく黄色ですし、描かれてる数字が5・6なので、
「店長は青の4・5!」ではなく「店長は黄色の5・6!」が正解。
最後の手札に黄色の3以外にもう一枚3があるので、4・5ならスカーミッシャーが完成しますし、
そもそも「4と7は全部場に出とるー!!」と言ってる訳ですから、5・6でないと辻褄が合いません。
そして、これに伴い「ホストやったら合計値で負け…」のセリフも
10だと9+6+6 = 5+6+10 = 21 となる可能性はあるので、
10も場に全部出てるか、同点だと先に陣形完成されてるから負けと修正する必要もあります。


あと『バトルライン』持ってないので確認はできないのですが、もう一箇所怪しい所が。
基本カードのみの縛りだとカードは全部で60枚、フラッグは9本。
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2014年7月号 p455 中道裕大

この画像から、この時点でジョージの場にあるカードはジョージからみて左から
3/2/3 3/3/2 ?/?/3 と並んでいます。
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2014年7月号 p459 中道裕大

そして、この画像ではジョージからみて左から
?/2/3 ?/?/2 2/3/3 と並んでいます。
二つの画像を照合すれば、ジョージの場の最終的な並びは
3/2/3 3/3/2 2/3/3 となるはずです。 (p460で左6列の並びを確認できます。)
店長が先攻で、かつ最後は場にカードを出さずに投了したので、
場には(3*9-3)*2 = 24*2 = 48枚ある計算になります。
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2014年7月号 p458 中道裕大

そして投了時、店長もジョージも手札は6枚づつ。
48+6+6 = 60 と、ちょうど山札がない状態になっています。


...という事はデスネ、ジョージは場の48枚と手札の6枚、計54枚のカードを把握してる訳ですから、
ジョージが9を置いた後に、山札から最後の1枚を引いた時点で、
ジョージは店長の手札6枚の中に黄色の3が残っていると分かる訳ですよw
要するに、ジョージは店長がわざと負けたことも分かるという。
...こういう意図で漫画描いたんならそれはそれでアリなのかもしれませんが、
たぶん違うんじゃないかなぁ(苦笑)


M スーツ 2030
★★★★★
客観的に見ればもう少し評価を下げるべきなのかもしれませんが、
『M スーツ 2030』 ゲッサン2014年7月号 p458 中原開平

このシーンで思わず声出して笑ってしまったので、個人的にはこの評価。
ある程度伏線張ってるので読める人には読めたのかもしれませんが、私には読めませんでした。
やっぱ意外性は大事。
『M スーツ 2030』 ゲッサン2014年7月号 p504 中原開平

課題である絵の見栄えも、瞳の描き方が変わったことが一番特徴的でしたが、かなり良化傾向。
連載復帰への第一歩としては良い作品だったんじゃないでしょうか。


第三世界の長井
第三世界の長井ゲッサン2014年7月号 p541 ながいけん

がらくたストリート』的な面白さというよりは、トンデモ本的な面白さというべきだったのかも。
一部の理論は非常に説得力があるものの、結論がトンデモな感じになってますし。
ただまートンデモ的なものの現象だけをひたすら出してた今までの話は、
個人的に面白くなくても仕方なかったのかなぁとも思います。
今読み返すとまた違った印象になるかもしれませんけども。


くちびるに歌を
この歌詞というか手紙を読んで泣かずにはいられないですわなぁ。
見せ場はきっちり描けたんじゃないかと。


○ ドン・バルバッツァの息子達 (短期集中) 梅内創太
ちと辛目ですが。
拳銃突きつけられた後の脱出方法には個人的に若干不満はありますけども、
『ドン・バルバッツァの息子達』 ゲッサン2014年7月号 p609 梅内創太

主人公2人のキャラはそれなりに立ってますし、大筋の展開もまーまー。
あと1歩という所までには辿り着いた感がありますね。


省エネガール、犬を飼う。 佐伯幸之助
★★★☆☆
正直評価し辛い作品ですねぇ...
6pで収める話としてはほぼ完璧な構成ですし、
絵柄を多少変えても全く違和感なく。この辺りはさすがだなぁと。
ただまー個人的に面白いかと言われるとまた話は別で。


○ 終末風紀委員会
何とか3〜4巻くらいまでは続けさせて貰えそう?
少なくとも今回は悪くなかったです。
どーしよーもないくらいベタなネタが出ることがキャラの特徴ってのは、便利ですなぁw


家族 鳴海アミヤ
★★★☆☆
こっちも正直評価し辛い作品ですねぇ...
『省エネガール、犬を飼う。』とネタ被ってるんですが、
編集者が違う作家にも似たような事を言ってるが故に被るんでしょうかね?
後でどの編集者がどの作家さんを担当してるのかちゃんと調べておかないとなぁ...
ポメラニアンにリアルな可愛らしさがあったのは確か。


◎ ちろり
ちと甘めですが。
ゲッサンmini 6に掲載された『夜』のリメイクでしょうか。
『夜』にはあった対比の美しさが、音の要素を入れたことで薄れた点は少し残念。
音と光との結びつきを、怖いときと安心した時の両方で、綿密な繋がりとして出せていれば、
もう少し味わいが出たんじゃないかなぁとは思います。


○ 錦田警部はどろぼうがお好き
ちと甘目。このシリーズの中では一番微妙だったかなぁ...
キャラの良さで間は何とか持った印象。ネタ的にはもひとつ。


信長協奏曲
まぁ今回は起承の段階なので。


◎ ツール・ド・本屋さん
『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2014年7月号 p750 横山裕二

久々にキマシタワー。やっぱコレやってくれないとねぇ。
今回はルート的に大阪にも来るみたいなんで、そういう意味でも期待。


『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2014年7月号 p741 横山裕二

あと、このシーンに絡めて。
ゲッサン編集部こぼれ話』 ゲッサン2014年7月号 p735

「この作家陣を5人(一人は編集長だし)で担当するのは無茶だな」と心底痛感しました。

えー、何を今更
もちろん映像化案件やゲッサンmini等の影響はあるでしょうけど、
少なくともこのブログでは2013年7月の段階で懸念を示していましたし、
去年のマチ★アソビの際に編集者の星野さんに直接伺ったところ、

「もう1人欲しいのは確かだけど、今も十分回ってる」的なお答えが。
マチ★アソビ meets ゲッサン!ハルタ!2013

との回答があったので、この段階で既に予兆はあった筈です。
欲しいのは即戦力でしょうから、経験者を中途採用もしくは業務委託という事になるのかもしれませんが、
そういう人材いるのかなぁ...
私は正直言って興味はありますけど、経験も無いしオッサンだしで、
能力云々のはるか手前でとても採用されるような人材じゃないですからねw
(刷り上がりのチェックくらいはやった事ありますが)
ネットの片隅で責任の無い立場で説得力のない事をgdgdと書いてるのが一番いいんでしょうなぁ。