ゲッサン201410

ゲッサン 2014年 10月号 [雑誌]

ゲッサン 2014年 10月号 [雑誌]

残念ながらアニメは予想通り爆死気配を漂わせてますが、
ドラマは月9で主演:小栗旬、ヒロイン:柴咲コウ、主題歌:ミスチル
フジテレビ開局55周年記念プロジェクトに恥じないラインナップだとは思います。


個人的には俳優が誰になるかより、監督・脚本が誰になるのかが気になっていて、
『信コン』の場合には特に演出が鍵になると踏んでいたのですが、
演出の仕事の方が多く、『LIAR GAME』で漫画のドラマ化経験もある
松山博昭監督は意外と適材なのかもしれません。正直分かりませんけども。
少なくとも脚本は『ガチ☆ボーイ』の西田征史氏なら、酷い事にはならないと思っています。


月9のドラマでは『ビブリア古書堂の事件手帖』(2013)が平均視聴率11.33%、
同じ小栗旬が主演の『リッチマン、プアウーマン』(2012)が12.36%らしいので、
せめてこれらの数字以上は取って欲しいところ。
ちなみに、『HERO』2期は今のところ平均20.61%らしいです。

アニメは爆死、ドラマは爆死とまでは行かないまでも不振に終わり、
映画化はいつの間にか無かったことに... てな事になりそうで戦々恐々としています。
ゲッサン201406 #1

さすがに映画はちゃんとやるみたいですが、視聴率的には13〜14%程度になると予想します。
これだと失敗の部類に入るんですけどね。


ゲッサン的には視聴率よりコミックへの波及効果がどれほど出るかですが、
ポロロッカする視聴者はアニメよりドラマの方が割合的に少なそうなので、
アオイホノオ』よりはさすがに上でしょうけど、『マギ』の半分も行かないんじゃないかなぁ。
まぁ『マギ』の半分くらい増刷が掛かったなら、ゲッサン的には成功と言い切れるのですけども。


信長協奏曲
信長が当時の常識とはかけ離れた考え方をすることを、
現代風の解釈をして今の人間には共感できる事に置き換える。
この漫画の趣のうちの1つですが、
信長協奏曲ゲッサン2014年10月号 p18 石井あゆみ

正にそんなシーンだったと思います。


信長協奏曲ゲッサン2014年10月号 p20 石井あゆみ

結局のところ表情なんだと思いますが、短い方が女性らしいというのも不思議なもんですね。


第13保健室

漫画にとって必要なことを、漫画の中でキャラが自主的に動いたりするような、
何らかの仕掛けがあればいいんですけどねぇ。
ゲッサン201405

連載前にこう書きました。
『第13保健室』 ゲッサン2014年10月号 p50 あおやぎ孝夫

キャラ漫画にとって最も必要なことは、読者に対してキャラをアピールする事ですが、
保険医たちが生徒に対してアピールするのを通じてそれが出来る。
このブログで言うところの、「メタ的な構造」になっています。
ぶっちゃけ、番号が付いてる段階でこうなるだろうと予測はしてたのですけども、
(だったら書いとけよって話ですがね)
後はキャラを掘り下げるだけなので、お話は作りやすくなっていると思います。


ただ問題が1つあって。
普通のラブコメだと...例えば『キョーコ』だと男性の読者が感情移入するケンジへの
日々野さんやヒカリのフラグが立つことによってドキドキ感が出せるのですが、
この漫画だと男性が完全にmobなので、そういった関係性を使えません。
だからその点を解決すべき...男性が感情移入できるキャラを入れろと言うのではなくて、
それを踏まえてどうキャラの魅力を出していくか。
あずまんが大王』のように、男性が木村先生以外ほぼ登場しない萌え漫画もあるので、
(ちよパパが男性がどうかは意見が分かれるところですが)
要はやりようだと思います。


◎ ひとりぼっちの地球侵略
素晴らしい。
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2014年10月号 p110 小川麻衣子

この、伝わらないもどかしさ。
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2014年10月号 p125 小川麻衣子

まぁ、岬一の説明スキルを考えると、喋っても伝わったかどうか怪しいですけどねw
話を進めてる内容にも関わらず、コメディとしても読める辺りはさすがだなと。


他にも希の決意、ビシャホワの真の姿など、面白さにバラエティがあるのも相変わらず。
単純に読んでて楽しい上に分析のしがいがある漫画ですわ。


アイドルマスター ミリオンライブ!
ちと甘めですが。今回は34p。
アイドルマスター ミリオンライブ!ゲッサン2014年10月号 p146 門司雪

キャラ漫画にとって仕草や表情は最も重要な要素のうちの1つですが、
その変化をきっちりコメディに落とし込めてる感ありあり。
笑いながら怒ったりといった、1つの表情で二つの感情を表現する演出ができれば、
もう少し上を行くことが出来ると思うのですが。


このブログで何度も言及している、「ロールプレイ」や「リトマス法」の要素がきっちり入っているためか、
キャラがきちんと描かれている印象も受けます。
何か、いきなりレベル上がった感が...


◎ あやしや
いやー、こちらも素晴らしい。
『あやしや』 ゲッサン2014年10月号 p185 坂ノ睦

ひとつの謎があり、それを解くのに楽と花の個性が発揮される訳ですが、
その中で楽の野暮ったい仕草が出てる辺りはいいなぁと。


一旦話を中座して引っ張ってる所も、謎を引っ張ってより興味を持たせつつメリハリになってますし、
肝心の意外性は内容的にも絵的にも素晴らしいものでした。
謎が解けたにも関わらず、謎が深まるこの感じ、いいですなぁ。


ふだつきのキョーコちゃん
やってる事は基本的に
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2014年10月号 p208 山本崇一朗

からの
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2014年10月号 p210 山本崇一朗

というミスリードを伴った意外性と、
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2014年10月号 p212 山本崇一朗

天丼。
ほぼこの二つのパターンだけなんですけど、きちんと面白いんですからねぇ。


テーマはヒカリが女らしくなろうですが、
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2014年10月号 p226 山本崇一朗

ヒカリのボーイッシュなキャラを表現するにはセオリー通りのストーリーですし、
女らしさを意識しなくなった途端に女らしさを垣間見せた後に、
そのギャップとなる暴力的なところを出して締める所もセオリー通りだなぁと。
細かい所ですが、さんざん座り方を突っ込まれた後、また元の座り方に戻ってるにも関わらず、
突っ込まれてない辺りもツボ。
この辺り、気づく人には気づけな描写でいいですなぁ。
また、キョーコだけがヒカリの秘密に気づいている辺りも、今後の展開を面白くさせそうです。

特に変わった事をしてる訳でもないのですけど、
基本的なことをきっちり抑えればちゃんと面白い漫画になるんだなぁと改めて。
ゲッサン201409

前回こう書きましたが、今回もその感想は変わらず。
もう完全に軌道に乗った感があります。


ハレルヤオーバードライブ
こちらも素晴らしい。
ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2014年10月号 p257 高田康太郎

誰かに好きって言う時は……
それはその人の自信のなさや恥ずかしさや…
自分の全部をひっくるめてさらけ出すことだと思うんだ。


だから結果はどうあれ…
受け取った時はちゃんと答えるべきだと思う。
自信がなくたってね。

いやー、名言ですよこれは。
ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2014年10月号 p259 高田康太郎

そして小雨の言うとおり、説得力が見事に無いw
と、一旦コメディに落としこんでの
ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2014年10月号 p265 高田康太郎

この展開。見事です。
そして、
ハレルヤオーバードライブ!』 2巻 p165 高田康太郎

元々冬夜はハルと付き合うならバンドに入ってもいいという条件と付けていましたが、
その辺りは曖昧になったままでした。
ティアドライブを抜けるにあたって、「ケジメを付ける」とはこのことを指すのですが、
この辺り律儀というか不器用というか...といった冬夜のキャラがよく表現出来ているのではないかと。
ハルに対して何を頼んだのかも気になるところです。


ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2014年10月号 p253 高田康太郎

さらにはこのシーン。このシーンもまた冬夜の不器用さが現れているのですが、
ハルには自分をさらけ出せても、バンドのメンバーにはさらけ出せないという、
冬夜の微妙な立ち位置をも表現してるのではないかと。この辺りの対比はお見事。


こうして、冬夜はリリーパスカルに入ることを決意する訳ですが、
ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2014年10月号 p271 高田康太郎

彼にもまだわだかまりは残っています。
こういうシーンをちょっと挟む辺りはニクいですなぁ。


とまぁ何枚も画像を引用したくなるぐらい素晴らしい回だったんですが、
ここんところ何度も書いているように、どうも話が重い点が不安です。
ここらで入部予定のあの3人組に一瞬でも明るい空気を作って欲しいところ。


◎ ちろり
個人的に他人が占いを楽しむ事は否定しませんが、占いを信じてはいないので、
占いの話になると正直あまり面白いとは思わないのですが、
『ちろり』 ゲッサン2014年10月号 p292 小山愛子

こういう筋の通った、心理学的な話ならまた別です。

それが答えだ! (アルバム・バージョン)

それが答えだ! (アルバム・バージョン)

聡子がちょっと可愛そうw


○ 月曜日は2限から。
gdgdした展開にgdgdした内容。いい意味で。


○ BOY MEETS! (短期集中) きゅっきゅぽん
『BOY MEETS!』 ゲッサン2014年10月号 p363 きゅっきゅぽん

きゅっきゅぽん先生の独特の絵柄はそのままに、見栄えが若干向上してるようには見えます。
雰囲気も相変わらず良いです。
...という当たり障りのない事しか言えないくらい、相変わらずよく分からない漫画を描きますねw


○ 終末風紀委員会
序盤ということもあってか、可もなく不可もなく。


○ ぼくらのカプトン
ちと甘め。最近微妙でしたけど、今回は3本ともまーまー。


アオイホノオ
アオイホノオゲッサン2014年10月号 p491 島本和彦

wikiによると、在学当時から島本先生は有名人だったらしいですが、
本当にこういう話があったのか気になるところです。
しかしまー4分のアニメに1万2万ですか...
今でも薄い本なら1,000円とかする事を考えると、買う人は買うんでしょうなぁ。


○ VANILLA FICTION
ちと厳し目ですが。
スリルとサスペンスあっての漫画ですが、だからこそかけがえの無さを表現するのも大事。
なので、そこに物足りなさを感じてしまうのも致し方なし。


放課後さいころ倶楽部

今はまだ蜘蛛の巣の縦糸を張る段階ですが、
キャラがある程度増えていけば、横糸を張って網にしていく段階へと入っていけると思います。
キャラとキャラとが点から線に、線から面に...
人と人との関係性を築きあげ、その延長上でコミュニティを築いてゆく...
ボードゲーム業界に必要なのはこの「結束型」から「橋渡し型」への転換ですが、
放課後さいころ倶楽部』でもその辺りを描ければ、より面白い作品になると思います。
The Structure of "After School Saicoro Club" #3

以前こう書きましたが、
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2014年10月号 p562 中道裕大

マキとミキの関係性を強化しつつ、キャラの新たな魅力を掘り起こすことに成功したと思います。


今回のゲームは『もんじろう』

学習サイコロ もんじろうプラス

学習サイコロ もんじろうプラス

以前中道先生がtwitterで言及したのは確かですが、まさかコレで来るとはw
確かに、お話は作りやすいですなぁ。ルール説明ほぼ皆無ですし。


○ アサギロ


○ 鉄楽レトラ
ようやく、ちょっと明るい話に。
明るければいいって話でもないですけど、暗いの続きよりはマシでしょうし。


クラッシュガール (読切) 得津宏太
★★★☆☆
『クラッシュガール』 ゲッサン2014年10月号 p667 得津宏太

正直面白いとは思いませんでしたが、セリフ少なめの7pならこれくらいが限界でしょうなぁ。


◎ LES MISERABLES
『LES MISERABLES』 ゲッサン2014年10月号 p708 原作:ヴィクトル・ユーゴー 漫画:新井隆広

この駆け引きと、テナルディエの捨て台詞が気持ちよかったです。
ワインを差し出す時に「ボナパルトに」と言うのも時代感があっていいですなぁ。


◎ 愛と勇気の…共同まんが♥
初めてこの企画が嵌った感。
この企画、ネームはゲッサンWEBにupされるので後々まで残るのですが、
(例えば今回のネームはコチラ。)
原稿は恐らく単行本に収録されることも無いでしょうからやむを得ずupします。
全部引用するのは引用とは言わないのであまりしたくは無いのですけども...
『愛と勇気の…共同まんが♥』 ゲッサン2014年10月号 p716 原作:モリタイシ 漫画:小川麻衣子

感想としては編集長と同じ、「ありがとうありがとうモリ先生!」という事で。
思わずtwitterでモリ先生にReしそうになりましたが、
連載作品に関して何も発言してないのにこの企画でReするのはどうなのよ?と思って自重しましたw


◎ ツール・ド・本屋さん
あーやっぱこの感じ、いいなぁ。
で、この調子だとやっぱ今年の『マチ★アソビ』は3月頃に掲載という事になりそうで...w
『信コン』の時期が時期だけに致し方ないとは思いますけど、
来年はもうちょっとタイムリーに近づける方向で何とか。