ゲッサンmini マイナス1 (ゲッサン201410別冊付録)
繁忙期は過ぎてたんですが、怠けてましたw
なので僕はゲッサンルーキーたちの情熱にもっともっと応えなければなりません。すなわち彼らの活躍の「場」である「ゲッサンmini」の拡充です。来年のどこかのタイミングから、なるべく毎号付けたいと考えています。
『ゲッサン編集部こぼれ話』 第47杯目 ゲッサン2013年12月号 市原武法
去年の段階から予告されていたゲッサンminiの拡充が、
ゲッサンminiプラス / miniマイナス という形になりました。
ゲッサンmini マイナス1 (ゲッサン2014年10月号別冊付録) p1
皆様に好評の別冊付録「ゲッサンmini」が今月号から「プラス」と「マイナス」二つのminiにリニューアルされました!「プラス」は今まで通りのゲッサンらしさを、「マイナス」はアンチゲッサンっぽさを表現できたらいいなあと思っています。そして新人作家さんたちがゲッサンで表現できる幅がもっともっと広くなってくれたら僕は本望です。今後は「プラス」が隔月、「マイナス」は不定期で付けていき、いずれは毎月交互に別冊が付く体制にしたいと考えています。
これからの「ゲッサンmini」に是非ご期待くださいませ!
『ゲッサン編集部こぼれ話』 56杯目 ゲッサン2014年10月号 p717 市原武法
少年誌か青年誌か曖昧なゲッサンではありますが、
和風テイストな漫画が『信長』『アサギロ』『ちろり』『あやしや』に加え、
『タケヲ』が終わる替わりに来月から『嘘つきは殿様のはじまり』が新連載したり、
スポーツものが『MIX』だけだったりと(一応『カプトン』もカウント出来なくはないですが)
ジャンル的にみても偏りがちなだけに、こういった企画は個人的に大賛成。
雑誌のカラーがある事自体は悪いことではないのですけども、
現状は「月刊市原」と揶揄されるような雑誌である事は確かでしょう。
個人的にはたまたまそれが合ってるんですけども。
知識体制がこの資源を有効に扱うならば、少なくとも二つのことをなし遂げうるに違いない。先ず第一に、この体制下では生産的な対立が起こるだろう。然るべき場所、然るべき時期において、新たなアイデアが触発されて出てき、新たに討論が繰り広げられ、こうして思想の研究のための実り多い議論設定が行われる。第二に、この体制は、それが培った対立を解決できるのでなければならない。先ず培養してから次に選別しなければならない。どの新しいアイデアが研究に値するか、どの議論が継続する価値があるか、どの信念が「一般的受容」と当然の利用の正式範囲に入れられるかが、決められなければならない。この選別は、仕事の半分のうちでもより困難なほうである。我々は皆、毎日朝飯前に三つの新しいアイデアを持つことができる。問題は、それがほとんどと言っていいくらい下らないアイデアであるということである。困難なのは、誰がいいアイデアを持っているかを突き止めることである。対立意見を効果的に述べ、そこから選択するという平和的方法が欠けている場合は、幾百万という我々のアイデアはただそこにあるだけで、それぞれが自己の優位性を主張するが、決定の仕様がなく、収束することもなく、ただ分裂と漂流あるのみである。
(強調部分は原文では傍線)
『表現の自由を脅すもの』p106 Jonathan Rauch著 飯島良明訳 角川選書
何度か引用している文章ですが、先ず培養してから次に選別する。
この過程を経ずして新しい試みは成功しませんし、新しい試みなしではいずれ衰退します。
miniマイナスも試行錯誤を重ねていくことになるでしょうが、
第1号はサスペンス・ミステリー漫画が並んでるだけなので、
それがアンチゲッサンか?という疑問は残ります。
あとまーデータベースは正直微妙かなぁ...
ガード下のいつもの店で 大須賀めぐみ
★★★★★
ゲッサン2014年7月号に掲載された中原先生の『M スーツ 2030』と若干被ってる気もしますが、
『ガード下のいつもの店で』ゲッサンmini マイナス1 (ゲッサン2014年10月号別冊付録) p9
8pでちゃんと面白い漫画描いてくる辺りは流石だなぁと。
瓜秦興示郎の検診 鳴海アミヤ
★★★★★
2014年7月号に掲載された『家族』はともかく、
2014年3月号『雨追さん家に行ってみた。』2012年7-12月号『銀の王』と
サスペンスに挑戦するものの後一歩足らない感じだったのですが、今回はほぼ完璧。
『瓜秦興示郎の検診』 ゲッサンmini マイナス1 (ゲッサン2014年10月号別冊付録) p16-17 鳴海アミヤ
キャラの特徴がきちんと描かれてますし、伏線や意外性、ロジックも納得のいくもの。
絵の見栄えも完成された感があります。
設定をもうちょい足せば、そのまま連載に移行できそうです。
嗤う店主 中原開平
★★★★★
仕草やアングルに気を遣ったりなど、意識が変わった印象を受けます。
『嗤う店主』 ゲッサンmini マイナス1 (ゲッサン2014年10月号別冊付録) p62 中原開平
その弊害かどうか分かりませんが、いくら何でも頭デカすぎやしませんかね?
『嗤う店主』 ゲッサンmini マイナス1 (ゲッサン2014年10月号別冊付録) p63 中原開平
このシーンなんかはいいパースの付け方しているように見えるのですが、
それに引きずられる形で他のシーンでも頭がデカくなってるのかなぁ。
何にせよ、相変わらず絵の見栄えに課題は残りますが、キャラ描写は良くなってきてるのではないかと。
内容的には『瓜秦興示郎の検診』と被ってる感があるものの、こちらの方が上。
伏線、駆け引き、意外性、どれをとっても素晴らしいんじゃないかと。
やはり面白い作品が描ける人ではあるんですけどねぇ...
池淵沼 得津宏太
★★★☆☆
絵の見栄えはもひとつですが、まだまだこれからでしょう。
『池淵沼』 ゲッサンmini マイナス1 (ゲッサン2014年10月号別冊付録) p107 得津宏太
シュールな所は味でした。
小さい化け物はいい感じでキモいのに、大きい方はそうでもない辺りは勿体無かったかも。
細かい所ですが、「ムシャムシャ」と擬音を使ってますけど、
骨を噛み砕いたような音にした方がより恐怖感が増したのではないかと。
食糧事情 藤井ゆづる
★★★★☆
かなり甘め。冷静にみれば★3でしょうけども。
『食糧事情』 ゲッサンmini マイナス1 (ゲッサン2014年10月号別冊付録) p118 藤井ゆづる
内容的にはベタな茶番すぎて微妙と言えば微妙なんですが、
オチがしっかりしている分読後感は良いです。
今宵貴方とハーブティーを 花城黒和
★★★☆☆
ちと厳し目。
『食糧事情今宵貴方とハーブティーを』 ゲッサンmini マイナス1 (ゲッサン2014年10月号別冊付録) p135 花城黒和
背景の描き込みは素直に賞賛モノですが、頑張る方向間違っているような...
キャラの線の強弱は欲しいですね。
世界観を重視したためか、読者との駆け引きが物足りないのも残念です。
絶対悪 麻貴早人
★★★☆☆
『絶対悪』 ゲッサンmini マイナス1 (ゲッサン2014年10月号別冊付録) p173 麻貴早人
大統領のキャラは立っているんですが、それだけですなぁ。
何が善で何が悪なのか、作者に哲学的な素養が無いからか、その辺りもチープ。
前面に押し出す必要は無いですが、背後にはちゃんと思想を漂わせて欲しい気がします。
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