ゲッサン201507 #2

枕はコチラに。



○ 恋情デスペラード
1話目よりは良かったかなぁと。
私のアントンシク先生への期待に比べれば、まだ物足りないのも確かですけど、
設定やら何やらから多少開放された分のやりやすさはあったのかも。


『恋情デスペラードゲッサン2015年7月号 p56 アントンシク

壁ドンの萌えシチュ+後への伏線という、一つのシーンに2つの意味を持たせていたり、
トラブルで目的達成となったのでご都合主義な印象を受けなかったり、
一話目よりも描き込みが大分スッキリして見やすくなっていたり。
さらには殺陣の格好良さも前回以上。

以前アントンシク先生は『Amazon Blues』という『ドラゴンズクラウン』アマゾンの同人誌を
出したことがあるのですが、
アマゾンの空中戦スキル・デッドリードライブを見てるかのようなこのシーンは素晴らしい。
『恋情デスペラードゲッサン2015年7月号 p62 アントンシク

私はアントンシク先生に触発されて、アマゾンで無限の天廊150Fくらいまで行ったんですが、
このシーン見たらまたやりたくなってきたな...

ドラゴンズクラウン - PS Vita

ドラゴンズクラウン - PS Vita

構造的な問題は1話目にも書きましたが、

共感しにくく、かつ憧れも抱きにくい主人公キャラ
キャラ人気の受け皿が主人公だけ
一話完結で新規の門戸を開いている代わりに縦軸がない

まぁこの辺りが問題になるでしょうね。これの手当となると

共感できるキャラか憧れを抱くようなサブキャラを同行させる
縦軸はサブキャラが別の目的を持って何とか

この辺りになるでしょう。
ひょっとしたら1話目からキャラ複数いればそれだけ準備が必要なので、
あえて最初は主人公だけにした、という事なのかもしれませんが、
最初からキャラの受け皿をある程度取っておかないと厳しいんじゃないかなぁと。
まぁ、受け皿広くし過ぎると『トキワ来たれり!!』のように収集つかなくなる恐れはありますが。
個人的に目指して欲しい方向性は、この作品のSF抜きという感じではあります。


放課後さいころ倶楽部
アヤ回でした。
ハナは登場したものの、ゲームはせず、エミーとの顔合わせもなし。

中道   :エミー出すことは結構前から決まっていまして、実は。
ドイツ人の留学生が学校に来ると。ただまぁ、どんな娘にしようみたいなんで凄い悩んでまして。
今まで出した主人公の3人と、あとお姉ちゃんとマキちゃん入れて5人娘。
あと、副会長。アレをツンデレポジションとするなら、もうほぼキャラが無いなぁみたいな。
どれ出してもどれかと被っちゃうみたいになった時に、これは困ったなぁみたいになりまして。
円卓P  :(笑)そうですね。
中道   :だから今のところ、お気づきの方も多いと思うんですけど、一番被ってるのってハナなんです。エミー。
アル隊長:確かに。
中道   :で、エミーとハナが出てきた時が超ヤバいっていう。
ボードゲーム数寄語り。第51回「放課後さいころ倶楽部第4巻・その4」 14:50〜15:28

アヤと父親との関係をクローズアップする回だったというのもあるでしょうが、
恐らくこういう事情も関係しているんでしょう。
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年7月号 p113 中道裕大

とは言え、この親にしてこの子ありという感じを出しつつ、
男女の考え方の違いも出せてる訳で、きちんと違いを際立たせる事は出来るでしょうから、
やれない事はないと思うんですよね。


今回のゲームは『ブロックス

ブロックス BJV44

ブロックス BJV44

作者はBernard Tavitian.
派生として2人用の『ブロックス・デュオ』ブロックが三角形の『ブロックス・トライゴン』
立体になった(作者は別)『ブロックス3D』があります。
一応2〜4人用となってますが、3人だと一人が圧倒的に不利になりますし、
2人だと2人専用の『デュオ』持ってればそれしとけってなるので、実質4人専用ゲームです。


私は『ころクラ』4巻のカフェミープルのイベントで初めてプレイしたのですが、
プレイする事自体は簡単なので初心者でも誘えますし、
やってるうちに「なるほどこういう事か」と分かってくる、それなりに奥深さもある良いゲームです。
梅田のキディランドで売ってたりと、かなり手に入りやすい部類じゃないでしょうか。


放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年7月号 p115 中道裕大

このゲーム、他人の侵入を阻止できたエリアがあっても、自分のピースは半分程度しか置けません。
自分のピース同士は辺で接することは出来ませんからね。
もちろん許容するかどうかは時と場合によりけりですが、
2人で邪魔し合うと他の二人が漁夫の利を得る場合が多いように思います。
私はこのゲーム10回近くやってますけど、一度も全部置いた事ないですね...w


それはともかく、「お互いを許し合うことで、どちらも幸せになれる」というテーマも素晴らしいんですが、
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年7月号 p116 中道裕大

その後の店長もまた素晴らしい。ガチでやり合えば理解できる。
構造的に言えばキャラの再描写という事になるんでしょうが、
店長のセリフを見て、私は『カタン』回を想起しました。
放課後さいころ倶楽部』 2巻 p106 中道裕大

実際店長はジョージとゲームでガチにやり合ったから分かり合えた訳で。
こういう演出ってのは、漫画に奥行きを与えてくれるのではないでしょうか。



◎ VANILLA FICTON
特攻は男のロマン
指輪を継承することで、ってのはなるほどなぁと。


× ガンプラ戦記 ジャブローズスカイ
やー、酷いw
褒められる点は何だろうと結構考えたんですが、絵は割とスッキリしてるくらいで...
読みやすくはありますけど、絵の見栄えはしないですしねぇ。
原作も作画も問題山積。楽しめそうな所と言えば、
これだけ酷い漫画がゲッサンでどれだけマシになっていくか、くらいじゃないですかねw


原作は主人公がコスプレ型と着せ替え型の折衷なのはいいんですが、
共通するのがきっちりしてる所くらいしかないので、お金持ってない原作者が、
例えお金持ったとしてもガンプラが一番なんだーと酸っぱい葡萄的な遠吠えをしてるようにしか思えません。
俺設定のストーリーも、何の取っ掛かりも無いので微妙な妄想にしか思えません。
例えば、公式はこれこれこういう設定があるけど、ここの部分が空白なので、
そこをどう埋めていくかとかあれば、まだ1st世代なら取っ掛かりがあるのですけども。


原作以上に酷いのが作画。基本キャラ棒立ち、MSも棒立ちってのがまず酷い。
独りで黙々と作業してるという意味では『吾部屋』と同じですが、
あちらは仕草や表情に相当気を配ってるのに対し、
ガンプラ戦記 ジャブローズスカイ』 ゲッサン2015年7月号 p182 原作:ゆきもり 作画:ロドリゲス井之介

こちらはほぼ同じ姿勢でヤスリ入れてるだけ。しかもマスクで顔の表情まで消すという。
マスクする事自体は実際そうするんでしょうし、選択肢としてアリナシかと言われるとアリですが、
だったらマスクした状態でどうやって表情を出せるか?という所を追求しないと。


その上、作業の説明もほぼ文章だけで終わらせてしまっている。
個人的には、読者にガンプラの楽しみをどう伝えるか?という熱意が全く感じられません。
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年7月号 p104 中道裕大

今回の『ころクラ』と比べてみれば、その差は歴然。
文章をどうやって絵で表現するか?という事だけ考えればいい作画担当者が、
この辺を疎かにするのは正直どうかと思います。
これがまだ新人作家なら理解はするんですが、既に同じタッグで連載一本やった事実が信じられません
以前ゆきもり先生とタッグを組んでたのはソラキスズ先生のようです。


ふだつきのキョーコちゃん

ただ、1話目でも感じた事ですが、どうも32p前後は長いような...
今回くらいの内容だと、もう一つくらい伏線入れても良いような気はします。
意外性も足りない気がしますしねぇ。
少しキャラ増やせば、それも解消されるのでしょうか。
3人のやりとりだけでは間が持たないという風にも取れますし。
16p×2話構成にする手もあるでしょうけど、16pはminiの方で連載してますから、
こちらは32pに慣れる方向で努力すべきでしょう。
ゲッサン201310

2話目の記事でこう書いたことがありました。
これは私の想像ですが、今回の話は担当の高長さんから
「札(リボン)を洗う回にしよう」というオーダーがあって、
それだと36p持たなかったので2本立てにした、という感じなんでしょう。
で、16pなら2人の遣り取りに絞っても間が持つのでそのようにした、と。
32pで慣れる方向で努力すべきと書きましたが、これはあくまで努力目標で、
16p×2の構成をやってはいけないとは書いてませんし、選択肢の一つとしてはアリだと思います。
多くても1巻に1回くらいで抑えて欲しいですけども。
ただまー、やはり山本先生は16pが一番しっくり来るなぁと改めて思ったのは事実で。
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年7月号 p218 山本崇一朗

この表情はいいですねぇ。

今でもかなりいい感じなのですが、例えば内心怒りながら笑顔を取り繕ってるとか、
2つの感情を入れた表情なんかを描写できればもっと良くなると思います。
湯神くんには友達がいない

以前『湯神』1巻の批評でこう書きましたが、
こういう怒りながら照れてる表情のように、2つの感情を入れた表情って
『キョーコ』では一回くらい(4巻p64)しか無いんですよね。
表情はあくまで選択肢なので毎回こうは行かないでしょうが、
喜怒哀楽だけではない、より幅広い選択肢ってのは必要だと思います。


○ 錦田警部はどろぼうがお好き
猫がそんなに描き慣れてないためか、そこそこ可愛い感じではありますが、
読者に先を期待させて、その通りになる面白さはちゃんと出せてたんじゃないでしょうか。
最後に警部が変装するのも読める人間には期待通りに、
読めない人間は意外性として機能する感じになってますし。
一発ギャグで頑張ろうとしてた頃よりは大分面白いです。


アオイホノオ
アオイホノオゲッサン2015年7月号 p282 島本和彦

本人目の前にして言うならもっと言い方あるんじゃないかと思わなくもないですが、
セクハラ・パワハラ当たり前な当時としてはこの程度のことは全然問題無かったんでしょうなぁ。
あと、この頃から女の子が可愛いかどうかを重視してたというのは個人的に貴重な情報。


アイドルマスター ミリオンライブ
番外編という事で、なるべくキャラを出そう回。
なのでまーオチも何も無いのは致し方なし。というか必要なしw
俺の推しキャラ出てないとお嘆きのPのための番外編ですし。


◎ ひとりぼっちの地球侵略
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2015年7月号 p307-308 小川麻衣子


こういう、本当にどうでもいいシーンに1ページ費やす勇気。
俺もバネで遊んでたなぁ。小学生ではなく中学生でですが。


実際には無駄なシーンという訳ではなくて、
例えばキャラが憂鬱な時に「憂鬱だなぁ」と呟かせたりモノローグで書けば、
読者へと確実に伝わるのは確かですが、そこには漫画としての面白味は何もありません。
それを間接的に、仕草を絡めて表現する。
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2015年7月号 p310 小川麻衣子

で、ストレスが溜まっていることをこういう風にコメディを絡めて表現する訳ですよ。
タスクが要求される(一話完結、毎回バトルを入れる等)漫画では中々やれる余裕は無いでしょうけど、
常にこういう表現を差し込めないかと意識する必要はあると思うんですよね。
こういう表現はどうしても読者の読解力に委ねることになってしまうんですが、
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2015年7月号 p327 小川麻衣子

その辺りは後できっちりフォロー。前に何度か書きましたが、
こういう構造があると読み直した時に新たな発見がある漫画になるんですよね。


◎ だって小山くんが艶い。
今回はリズムもネタも良かったです。今まででは一番じゃないでしょうか。
デビューして間もない作家さんがこのクオリティで描けるもんなんですね...


◎ LES MISERABLES


○ 忍者シノブさんの純情
印こそ変わらずですが、内容的には今までで一番マシ。
元々『ももくり会長副会長』で対比を上手く漫画の面白さに絡めてましたが、今回は割とその路線。
先月の『キョーコ』は「同じことをしても人によって受け取り方が変わる」でしたが、
これは「同じことをしてもやる人が違うと受け取り方が変わる」パターンでした。


◎ 四弦のエレジー
今回は起承転結の結だったので、それほどストーリーが盛り上がるという訳ではありませんでした。
というか、ブーレーズ兄弟が仲間になる展開全く読めてなかったよ...


若干不満なのが、エンリコが
「あの地は私から息子達までも奪おうとするのか。」ってセリフ。
密かにエンリコもアリョーシャの才能にも気づいてる、もしくは愛してると後で分かるのならいいんですが、
現状だと「息子達」ではなく「息子」の方がアリョーシャを見捨てた感が出ると思います。
『四弦のエレジーゲッサン2015年7月号 p446 梅内創太

かつては一番のネックだった絵の見栄えも、今では売りと言えるレベルに。
キャラが記号化されている訳でも無いので、キャラにすぐ飛びつく人はあまりいないでしょうが、
何らかの形で人気に火が付くポテンシャルはあると思います。


◎ 味噌汁にカンパイ!

さらに7月号からは密かに推してる笹乃さい先生の短期連載。
味噌汁グルメ漫画というテーマはニッチで興味深いのですが、
最近のサンデーだと『おいしい神しゃま』という正直微妙な作品があるので、
あの二の舞いにはなって欲しくないなとw
『カプセル・ツアー』の時のようなワクワク感が出せればワンチャンあるのでは。
ゲッサン201504

短期連載が発表された4月号でこう書きましたが、いやはや期待以上の作品が出てきました。
まぁワクワク感とはちょっと違いますけど。


味噌汁という題材はニッチではありますが、
日本人で飲んだ事が無い人はほぼいないので共感・理解は得られやすいですし、
景気が良くなる時には自国/自国文化アゲな流行りが出てくるので、時流にも合ってます。
そこまで拡散する事は無いでしょうが、日本文化に興味がある外国人にもウケる素地はあります。
そして、味噌汁には具材がそれこそ星の数ほどある訳で。
これが朝ごはんだと若干テーマがぼやけますし。
正直、短期連載で終わらせるには勿体無い設定だとは思います。
『味噌汁にカンパイ!』 ゲッサン2015年7月号 p491 笹乃さい

さらには「今更聞けない」ような内容を丁寧に説明していて、初心者にも親切。
どっかのガンプラ漫画の作者に爪の垢を味噌汁のダシにして飲ませたいくらいです。


内容的にはかなりベタですが、伏線というか前振りを丁寧にしてるので、
読んでてとても気持ちがいいですし、
『味噌汁にカンパイ!』 ゲッサン2015年7月号 p497 笹乃さい

このテーマも素晴らしいです。それに加えての
『味噌汁にカンパイ!』 ゲッサン2015年7月号 p501 笹乃さい

このシーン。
記号だけで書くと幼馴染のJKが朝ご飯作ってるという萌えシチュですが、
テーマがあることによって、この漫画の世界観みたいなものが出てきてると思うんですよね。


気になったシーンの画像引用するとページの半分くらいやりかねないのでこのくらいで止めますが、
実に丁寧な漫画になっていると思います。
初回のインパクトこそ『ちろり』には劣りますが、こちらはラブコメに寄せていますし、
少なくとも『ちろり』よりは人気出るんじゃないかなぁ。


ハレルヤオーバードライブ
メタ的にやるのがこの漫画の強み。
ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2015年7月号 p548 高田康太郎

キャラ間の別れが、読者とこの漫画との別れとシンクロして、
この漫画のファンとしては寂しさ抜きで読まずにはいられません。


○ ぼくらのカプトン
3本ともまーまー。個人的には内輪ネタが一番笑いましたが。


○ 嘘つきは殿様のはじまり
ラストのシーンへと持っていく為の展開がちょっと強引な気はしますけど、
やはり熱血やるとそこそこ面白くはなりますねぇ。


◎ 吾輩の部屋である。
2本目は若干落ちますけど、やはりいい味出してます。
そして人気でそうな気配はさっぱりないw


月曜は2限から。
今回2本ともオチは良かったんですが、その為にそれまでの4コマが犠牲になった感。


第13保健室
まぁ求められるタスクはちゃんとこなしてるんじゃないでしょうか。


○ ちろり
『ちろり』 ゲッサン2015年7月号 p736 小山愛子

セリフがほぼここから始まる構成もいいですし、
時計の針と心の焦りをシンクロさせてるのもいいです。
その後の「池田君、縮んだ?」「お前がでかくなったんだろーが。」のやりとりも
主観的なことを示唆してて良い演出なのですが...


関君からみて池田君が相対的に小さく見えたように、
焦っていると時計の針も相対的に遅く感じる筈なんですよね。
そこに気付かなかった人ならいい話だと素直に受け止められるのでしょうけど。
「勝手にどんどん進まれると納得いかない」と繋げたかったのは分かるんですが、
足を引っ張られる方向なら何とか繋がったんじゃないでしょうか。


◎ アサギロ
前からそうですが、厄介な人間描かせたらホント面白いですわ。


聖船のラー
今回はクスリとも来ず。まぁ考えて意外性出してはいるんでしょうけど...


終末風紀委員会
ここに来て顔が逆三角形に。
『終末風紀委員会』 ゲッサン2015年7月号 p818 熊谷祐樹

相変わらず見栄えはするのですが、首が長くなったり顔が細くなったりと、
どーも安定しませんなぁ。
内容的には設定の処理に汲々としてる感じですけど、まぁ仕方ないんでしょうねぇ。
最後はその設定で意外性を出せたので、何とかなった感じはします。


信長協奏曲
序盤の会議は正直要るのかなぁと思うのですが、
後半の入れ替わりは何かが起きそうな予感を抱かせていいですね。


◎ ツール・ド・本屋さん
深川らしさはちゃんと出てましたし(行った事ないけど)
知恵の輪と謎を絡めるなんて、柄でもないことですがきっちりハマってたと思います。
...で、結局新井先生のサイン会とかマチ★アソビとかはやらんのですなw
以前一応やるつもりだとは言ってたんですが。

新人コミック大賞 少年部門 受賞者経歴

後でいかにゲッサンが新人を育てようとしているかを示すために、
リスト作ってみました。
リンク先は基本的に
作家名=twitter 新コミ受賞作=新コミ作品へのリンク(読めます)
GS、SS掲載作品=作品の当ブログ記事へのリンク
となっています。


リスト制作にあたり、
新人コミック大賞(公式)
クラブサンデー(公式)
まんがカレッジ(公式)
ゲッサンWEB(公式)
ゲッサンデータベース
コーヒーポッドと熊のヒゲ
クラブサンデーヌーン!
等を参考にさせて頂きました。


略号
WS=週刊少年サンデー GS=ゲッサン SS=サンデーS
CS=クラブサンデー US=裏サンデー SQ=ジャンプスクエア
MC=まんがカレッジ
GS=ゲッサン新人賞 SQ=ジャンプスクエア新人賞 YKO=ヤンキンアワーズ(他受賞歴の欄)
選外=選外佳作 努力=努力賞 最終=最終選考,最終候補
US連載T=裏サンデー連載獲得トーナメント
※=名義(作家名欄の※は現名義、他受賞歴の※は当時の名義)

第63-76回新人コミック大賞 少年部門
1412作家名出身/年齢所属他受賞歴掲載歴
76入選北屋けけ大阪/20GSGS68佳作受賞作『デムパトロニカ』
76入選青木一平愛知/25WS 受賞作『そんぐふぉーゆー』
76入選有吉史織福岡/21GSGS47,51,55選外
67佳作
受賞作『detour』
76入選伊藤尊優千葉/27GSGS65最終67佳作
SQクラウン09最終
受賞作『鉄の森』
76佳作桜智大阪/25WS 受賞作SS1509『クラスメイトはエイリアン』
76佳作鈴木亮平埼玉/24GSGS64選外67佳作受賞作『茶室の益荒男』
1406作家名出身/年齢所属他受賞歴掲載歴
75入選小松なむこ埼玉/21GSGS57選外受賞作『海に行く道』
75入選犬養友東京/21GSGS46,58,61選外受賞作『NANO』
75入選児嶋はり埼玉/20WS 受賞作『この世は不公平』
75入選水見悠助兵庫/21  受賞作『ハンジュウキ』
75佳作昭平時代栃木/18WSMC1412努力受賞作『性悪少年』
MC受賞作『フェイク』
75佳作工藤舞東京/26GSGS36,38選外
45佳作
受賞作『美晴君と雨宮さん』
mini-3『二月の肖像』
75佳作錦彩夏東京/28WS 受賞作『今日子と明日菜とカコくん』
SS/CS『百目鬼のセカイ』連載中
75佳作渡辺三沙紀神奈川/20GSGS57選外61佳作受賞作『しょうたくんのお父さん』
mini+4『すきなところ』
1312作家名出身/年齢所属他受賞歴掲載歴
74大賞三簾真也東京/24WSSQ1109準入選受賞作『天女の夢』
CS1411『転じて』
SQに受賞作含め読切3作品
74入選武蔵野創埼玉/22US 受賞作『マキシマムドー』
US『灼熱カバディ』連載中
US02連載T『有線戦線』
74入選神奈長野/20GSGS24,35選外
40佳作
新コミ72佳作
受賞作
『トケツ×サスペンションブリッジ』
mini+5『起きてください森野くん』
74佳作カロト
かとそん
東京/21GSGS37選外41佳作受賞作『キューピットさん』
mini+1『Trip Trap』
mini+2『しろくろ模様』
mini+5『にじいろ食堂』
74佳作得津宏太京都/28GSGS52選外受賞作『Doctor』
GS1410『クラッシュガールズ』
mini-1『池淵沼』
mini-2『スウィートスウィートミルキィ』
mini-3『ロマンチストブルー』
74佳作井上まい大阪/25GSGS53佳作
※井上麻衣
受賞作『ユメのめのゆめ』
mini+1『ハカットロボセ』
mini+2『こはる日和』
1306作家名出身/年齢所属他受賞歴掲載歴
73大賞麻貴早人愛知/22GSGS46佳作
※浅野早貴
受賞作『チキンレーサーズ』
mini8『ゴーストライター』
mini9『隠れた冥店』
mini-1『絶対悪』
mini+2『酒の肴ストーリー』
GS1502『ユア・マイ・セル』
mini-4『ハッピーワールド
73入選武藤極秋田/19USMC1203-04努力受賞作『死出の枝道』
US01連載T『佐藤少年と普通の人々』
※藤木亟
CS1505『佐藤少年と普通の人々』
73佳作萩原友生神奈川/22WSMC1212-01努力受賞作『イケてる男のCATCH学!』
MC受賞作『ポニーテール怪聞録』
73佳作晴十ナツメグ千葉/22GSGS51佳作
スクエニ17佳作
受賞作『絵師弟子』
電撃大王『カイダンにっき』連載中
mini7『貸本月歩堂』
mini-2『バッタになってしまった』
電撃大王に読切3作品
73佳作清水裕京都/21WSMC1302佳作受賞作『ジュウヨク ゴウヲ セイス』
MC受賞作『跳べ!』
73佳作花城黒和愛知/21GSGS50選外
受賞作『仮面の街』
mini8『影は笑う』
mini9『コールド・シティ』
mini-1『今宵貴方とハーブティーを』
mini-2『top-secret』
mini-4『探し屋物語』
73佳作小枝実千葉/22WSMC1306佳作
ヤンマガ417期待
受賞作『夏だけ。』
MC受賞作『ねずみむすび』
1212作家名出身/年齢所属他受賞歴掲載歴
72入選佐野達也東京/25WS 受賞作『GEK!R!N』
72入選ゆずチリ東京/22GSGS37,39選外
44準入選
受賞作『雨男晴れ女』
GS『忍者シノブさんの純情』連載中
mini4『妹観察日記』
mini5『私を姫とは呼ばないで』
mini6『ももくり会長副会長』
72佳作源素水北海道/26GS 受賞作『よろず薬局店の惚れ薬』
mini5『オーマイ導士さま!』
mini7『燕捕物帳』
mini8『しものく』
mini+4『雪解けの頃は』
72佳作神奈長野/19GSGS24,35選外
40佳作
受賞作『ネコマタ会議』
mini+5『起きてください森野くん』
1206作家名出身/年齢所属他受賞歴掲載歴
71入選福井幸聖
福井セイ
京都/22WS 受賞作『右玉』
WS1324『レジチョイサーよしえ』
SS1412『神父ゼゼの知る処』
71入選きゅっきゅぽん東京/24GSGS35選外36佳作
42準入選
受賞作『タキさんちのスパイ』
GS『BOY MEETS!』完
GS1301『ばさらか!! 吹部マーチ』
mini1『優等生新田ちゃんの文化祭』
mini2『平成東京物語』
mini3『ぎんがみと八月』
mini4『タロウとオフィーリア』
71入選尾形和也三重/20WSMC1009-10佳作受賞作『あの先を曲がれば』
MC受賞作『俺はダンデライオン
71佳作MIZUMO東京/29GSGS05選外13佳作受賞作『落しものの神と僕。』
mini3『蘇るアルフレッド男爵』
mini6『魔法少女マッスル♡マミ♡』
71佳作野中コウ福岡/24WSGS21,22,24最終
MC1205努力
受賞作『宇宙人吉田の背徳儀礼』
SS/CS『ダブルのD』連載中
1112作家名出身/年齢所属他受賞歴掲載歴
70大賞小田智仁神奈川/21WS 受賞作『ワールドワーストワン』
WS『デジコン』完
WS1244『宇宙コンビニ業務日誌』
70入選今村翠神奈川/20GSGS47選外受賞作『カレイドスコープ』
70入選門司雪千葉/26GS 受賞作『屋根裏ネコ東京へ行く』
GS『ミリオンライブ』連載中
mini2『Mの魔弾』
mini4『日陰のオレンジ』
mini8『黒崎ヒカルのお姉ちゃん』
70佳作つくすん群馬/24USMC1111佳作受賞作『はくし病』
新都社『死者狂』連載中
MC受賞作『心臓恋(ハツコイ)』
US01連載T『夢と未来』
70佳作上真崎福岡/23GSGS28佳作受賞作『僕、最期の日?』
1106作家名出身/年齢所属他受賞歴掲載歴
69佳作我妻デニス埼玉/26WSMC1005受賞作『伝説の兄』
CS1206『PEACEFUL』
WS1326『REBOOT』
69佳作山本崇一朗埼玉/24GS33イキマン
59ちばてつや
ヤング部門大賞
GS27佳作

受賞作『ネコのオッサン』
GS『ふだつきのキョーコちゃん』連載中
mini+『からかい上手の高木さん』連載中
読売中高生新聞『あしたは土曜日』連載中
受賞作IKKI0809『歯は上に投げるもの』
受賞作ヤンマガ02『この夏』
GS1211『恋文』
GS1302『まちにまったおとなりさん』
mini1『歩いて下校』
ヤンマガサード07『ササに願いを★』
69佳作大野桂吾東京/26WSMC1103佳作受賞作『幼艶シャッフル』
69佳作キメジマナカル千葉/24WSMC1008努力受賞作『DISALLOW!!』
1012作家名出身/年齢所属他受賞歴掲載歴
68入選奥原聡愛知/25WS 受賞作『僕らの漫画奮闘記』
WS1242『はねけん!』
68入選川嶋明神奈川/19WS 受賞作『CASINO』
ヤングアニマルDensi『巣立の鞍』
68佳作千石一路宮城/24  受賞作『クロス・ファイア』
68佳作陵名紅
※泉尾アキ
京都/20GSGS49選外受賞作『えんむす部』
mini+4『夕鶴と青写真』
mini-3『オセロ』
mini+3『バロメーター』
68佳作最己田こーひぃ北海道/21GS 受賞作『ティッシュ』
1006作家名出身/年齢所属他受賞歴掲載歴
67大賞山地ひでのり京都/21WS10YKO期待受賞作『微笑みの奇術師』
SS『アトランティド』連載中
SS1201『太陽のポスティーノ』
67入選佐和ヒサシ福島/26GSGS08佳作受賞作『鉄壁女子』
GS1104『オレとあいつの図書戦記!』
67入選田岡りき京都/21GSGS05佳作受賞作『ウィークエンド・フレンド』
GS『我輩の部屋である。』連載中
GS1007『夢のつづき。』
GS1011『透明人間になった日』
mini9『確かめにいこう』
mini+3『学校に怪談を』
mini+4『日曜日和』
GS1504『犬と散歩』
67佳作鈴木心大阪/22WSMC1012-01受賞作
『レオナルド・ダ・ヴィンチによろしく』
67佳作阿部花次郎千葉/26GSGS11佳作受賞作『満天の星よりも』
『100円のコーラを1000円で売る方法』
(中央出版)等コミカライズ
67佳作コテツ東京/21GSGS11佳作受賞作『とりマヨネー'ズ』
0912作家名出身/年齢所属他受賞歴掲載歴
66入選大寺義子
大寺義史
東京/23US 受賞作『ライヒ考古学研究室』
SS/US『マギ シンドバッドの冒険』連載中
66入選梅内創太神奈川/23GSGS01佳作受賞作『パスト ドリーマー』
GS『四弦のエレジー』連載中
『Bloody Rose』完
『ドン・バルバッツァの息子達』完
GS1010別冊『ヴァラドラ』
GS1111別冊『DIRTY CARNIVAL』
GS1204『Plastic Beethoven』
66佳作阿久井真千葉/18US 受賞作『RUSH』
US『猛禽ちゃん』
『ゼクレアトル』作画(〜16話)
66佳作高橋忠志
※黒飛ただし
東京/26WSMC0806努力
MC0908最終
受賞作『ガラクタ』
SS/CS『アレ!アレ!アレ!』連載中
CS1109『バクロのレシピ』
CS1110『極タマ』
CS1204『プリマヴェーラ』
SS1303『OVER ROAD』
0906作家名出身/年齢所属他受賞歴掲載歴
65入選佐伯幸ノ助京都/23GS 受賞作『下町ラーメン奮闘記』
GS『アダンタイ』完
GS1006『レバー』
GS1010別冊『博士の愛した人造人間』
GS1101『少年と人魚』
GS1108『ココアの思い出』
mini7『東京スカベンジャーズ』
GS1407『省エネガール、犬を飼う。』
GS1501『仕送りクライシス』
65入選田中李沙京都/21WSMC0709-10努力受賞作『ゲラゲラ悪天使』
CS1201『亡骸回収人』
SS1410『POTENTIAL』
65佳作平岡秀章兵庫/26WSMC0903-04佳作受賞作『補習解放戦線』
MC受賞作『ドロケイドロ』
65佳作宮濱邦和奈良/20WS 受賞作『Mr.クロスの不思議な誕生日』
65佳作松峯大樹岩手/22WS 受賞作『RAIFURU』
SS1109『少年n』
SS1312『週間少年』
65佳作湯川晃道埼玉/23WS29月マガ奨励賞受賞作『ハカセの危険な日常』
CS1201『レム』
0812作家名出身/年齢所属他受賞歴掲載歴
64入選湖山倫啓神奈川/22WS 受賞作『コリジョン・コースズ・サバイバー』
CS『拷問椅子探偵』
64入選牧山博隆福岡/23WS 受賞作『GRASS〜グラス〜』
CS1102『ガラスの楽艶』
64佳作今田裕紀兵庫/21WSMC0902努力
受賞作『ラフ・メイカー』
CS1310『たったひとつのさえたやりかた』
CS1505『アンチコア』
64佳作たか東京/23WSMC0809-10努力受賞作『背後中年』
CS1004『あまやどり』
CS1102『破界蟲』
64佳作小溝達也東京/23WSMC0809-10努力受賞作『飲みこめ!! アクマ』
CS0910『日本ヒーロー組合』
64佳作岡村美里東京/23WSMC0407努力受賞作『信頼と実績のリペイント』
CS1011『くちなわ祭の約束』
CS1110『爪隠の鳥呼』
CS1309『埃の王子様』
0806作家名出身/年齢所属他受賞歴掲載歴
63入選中西寛東京/28WS 受賞作『デスゾンビ』
WS/CS作画『キャプテン・アース』完
SS作画『機動戦士ガンダムAGE』完
CS0910『ドリームウォーカー』
CS1011『ヴァンデッドフォース!!』
63入選ねこぐち兵庫/23WS新コミ61最終
MC083-4努力
受賞作『CHERRY CASSIDY』
SS『天野めぐみはスキだらけ!』(仮)
CS1007『ANUBIS
CS1112『てらるな』
SS1405『ジゼル』
63佳作福田一千葉/28WSMC0805努力受賞作『鳥人間クウル』
63佳作花丸圭佑東京/29WS 受賞作『その者 マフィアにつき』
63佳作井上雅史埼玉/23WSMC0709-10受賞作『ヨシ☆ジュン』
63佳作長澤瑛兵庫/19WS 受賞作『ゲオルグ博士のマリオネット』
回/受賞作家名出身/年齢所属他受賞歴掲載歴

ゲッサン201507 #1

枕が長くなったので、久々に別記事です。

ゲッサン 2015年 07 月号 [雑誌]

ゲッサン 2015年 07 月号 [雑誌]

ゲッサンの大正義、『MIX』単行本発売なので表紙もMIX。(7ヶ月ぶり2回目)
...だけで終わらせるのもアレなので、ゲッサンスレに載ってたデータを引用します。

848 名前:作者の都合により名無しです[sage] 投稿日:2015/07/16(木) 19:43:28.67 ID:XIVx2vjq0 [1/2]
せっかく売り上げの話題が出たので連載中作品の最新巻でランキング作ってみた
今月発売の長井(3)まで反映、ホノオ(14)は未反映
漏れやミスがあったらスマン


■Aランク (オリコン週間50位以内、数字は推定累積売上部数)
MIX(7) 359,492
信長(12) 122,011


■Bランク (POS月間500位以内、数字は実売目安を線形補完した推定値の累計)
ホノオ(13) 31,784
ハレルヤ(14) 22,668
ぼっち(8) 21,573
ヴァニラ(6) 14,390
高木さん(2) 11,415


■Cランク (POS週間500位以内、数字は実売目安を線形補完した推定値の累計)
キョーコ(4) 8,899
あやしや(6) 7,438
さいころ(5) 6,590
アイマス(1) 6,579 (特別版3,595 + 通常版2,984)
よしとお(11) 4,040
シノブ(1) 2,832


■Dランク (POS日別500位以内、数字は順位の推移)
アサギロ(11) 136 250 415 454 498
保健室(2) 187 313
月曜(4) 278 382
レミゼ(5) 195
ちろり(7) 273
迷宮探偵(1) 443
嘘殿(1) 453


■Eランク (POS日別圏外)
エレジー(1)
錦田警部(1)
本屋さん(2)
終末(3)
長井(3)
カプトン(10)
【漫画力絶対主義】ゲッサン Part27【月刊少年サンデー】 [転載禁止](c)2ch.net

特にオリコンとPOSデータの数字を同列に扱うのは若干危険ですが、
(より正確なオリコンデータと、数字の出る範囲が大きいPOSデータを表記する事には意味があります)
このデータに各単行本が年間どれだけ出るか...
5ヶ月毎に出る『ハレルヤ』『ぼっち侵略』『ころクラ』『キョーコ』を1.2倍にし、
『高木さん』はたまに2、3本立てになるのですが、一応9ヶ月毎として2/3倍にして、
概ね年間での売上を比較したグラフがこちら。

感覚的に『MIX』の売上は全体の6割くらいかなーと思ってたのですが、この数字だと57.3%。
データが出ていない単行本と、週間ランキングは翌週の売上がデータに加算されないなど、
不確定な要素は色々ありますが、概ね6割弱とみていいのではないかと。
いかに『MIX』がゲッサンにとって大正義かが分かるデータだと言えるでしょう。


ちなみにこの計算だと
『信長』19.4%『ホノオ』5.0%『ハレルヤ』4.3%『ぼっち侵略』4.1%『ヴァニラ』2.3%
『キョーコ』1.7%『ころクラ』1.3%『高木さん』『あやしや』1.2%『アイマス』1.0%
『よしとお』0.6%『シノブ』0.45%
となっています。


ついでなんで、ゲッサンでどうやって打ち切りが決められているかは不明ですが、
少なくともCランクの漫画は不人気による打ち切りは無いっぽいです。
(それより不人気な漫画があるから当然と言えば当然ですけど)
Dランクでも『長井』『カプトン』『本屋さん』は長期連載が続いていますが、
ギャグ漫画はどうしても単行本の売上が伸びない傾向にあります。
しかし雑誌編成上、初めから読んでなくても内容が伝わり易いギャグ漫画は必要なので、
(『長井』が途中から読んで分かるかと言われると微妙ですが)
ギャグ漫画はハードルが低いというか、ギャグ漫画の中でどれが打ち切られるかが決まるのでしょう。


ゲッサンラジオ

市原編集長も言ってますが、「雑」というのに意味があるんですよね。雑誌は。
読者が読もうとしている漫画以外も掲載されていることに意味がある。
仮に漫画が全て単行本で発表されると、既に知名度のある作家以外の漫画は読まれにくくなり、
結果として新人作品に読者が触れる機会が失われ、先細りになってしまいます。
また、似たようなカラーの作品ばかりが並んでいる雑誌もありますが、
より幅広いジャンルを扱った方が読者層は広がります。
読む漫画が4作品あれば雑誌を買うというデータもあるらしいですし。


そして、雑誌としてのカラーがありつつも、その中でいかに多様性を出すかというジレンマの上で
どう編成していくかが編集長の腕の見せ所だと私は考えます。


で、今回のゲッサンラジオは台割で、個人的にはかなり興味深かったです。
私は自分が単行本買ってない漫画の担当が誰かを目を皿のようにして見てましたが、
たぶんそんな見方するの私だけでしょうねぇ...w
ちなみに担当は


市原(編集長)『MIX』『LES MISERABLES』『信長協奏曲
星野(副編集)『恋情デスペラード』『VANILLA FICTION』『ジャブローズスカイ』『だって小山くんが艶い』
『忍者シノブさんの純情』『ハレルヤオーバードライブ!』『よしとおさま!』『アサギロ』『終末風紀委員会』
高長『ふだつきのキョーコちゃん』『錦田警部はどろぼうがお好き』『ミリオンライブ』『四弦のエレジー
『味噌汁でカンパイ!』『嘘つきは殿様のはじまり』『月曜日は2限から。』『第13保健室』
丹波『吾輩の部屋である。』『聖船のラー』
/引継『放課後さいころ倶楽部』『ひとりぼっちの地球侵略』『アオイホノオ』『ぼくらのカプトン』『第三世界の長井
杉田
/引継『ちろり』
石川
/引継『ツール・ド・本屋さん』


こうなっているようです。


ページ数が途中から変更されることは良くあるという話がありましたが、
私の知っている範囲だと、『LES MISERABLES』の2話目が110pになった時と、
『ころクラ』の『オニリム』回がミキの嫌な思い出がフラッシュバックするシーンが
「暗すぎる」とリテイクされ、結果としてページ数が減ったという事がありました。


あと、「ゲッサンでは人気アンケート順に並んでない」という話がありました。
これ自体は間違いないでしょう。
恐らくアンケート2位の『信長』はカラーの回を除いて『本屋さん』の前にありますし、
『本屋さん』が巻末固定なのは毎回アンケートが最下位だからという訳でもありません。
ただ、不人気で打ち切られる作品が巻末付近へと追いやられるのもまた確か。
(例外は『鉄楽レトラ』くらい)

中道   :実際にアレ(アンケート)が良いから(単行)本が売れたりって言うのは、
       そんなに直結はしてないんですけど、少なくとも編集部内での評価みたいなものは、
       やっぱりアンケートが良いと……雑誌に載る順番もちょっと前にしたろかみたいな。
カワサキやっぱり前に載る方が人気がある。
中道   :あれはね、アンケートは大きい。
カワサキホントなんですか。僕都市伝説だと思ってたんですけど。
中道   :いやいやいや、大きいです。後、それプラス……ええんかな、コミックスの売上ですよね。
       売れるやつが前に行くし……。
中道裕大トークライブVol.1

連載開始から間もない作品は比較的前に配置されたり、
カラーの位置によって多少前後する事はあるでしょうけど、
ある程度のスパンで統計取れば、ちょうど人気順に並んでるとまでは行かないものの、
人気のある作品は前の方に、ない作品は後ろの方にって事になるのは確かでしょう。

ゲッサン201506

3ヶ月分遅れてますが、サンデーSは後回しにして、ゲッサンから書いていきます。

ゲッサン 2015年 06 月号 [雑誌]

ゲッサン 2015年 06 月号 [雑誌]

集合絵なので目次には「●表紙・絵/全連載作家」とありますけど、
すごろくを描いたのは中道先生だそうです。
指定はともかく実際に描いたのはアシスタントの鶴岡さんでしょうけども。

編集部ブログで表紙を見た時にはデザイン的に微妙だなーと思ったのですが、
実物を見るとキャラ全てが描きおろしで、仁の清掃着やちろりの割烹着など、
細かい所にみどころはありました。
願わくば、来年はデザインとディテールが両立する集合絵にして欲しいかなぁと。
ゲッサン201406 #1

去年の集合絵についてこう書きましたが、
画面全体からは賑やかさが表現され、各キャラを見るとそれなりに面白味がある。
正にデザインとディテールが両立する集合絵だったんではないでしょうか。


今年は『チーム・ゲッサン選手名鑑』が付かなかったのが残念です。


ゲッサン六周年 特製四齣漫画小冊子
ゲッサン六周年 特製四齣漫画小冊子(ゲッサン2015年6月号付録) p1

今月号はminiが付いてない代わりに特製4コマ小冊子。
4コマを一本ずつ見られるように短冊型にしたのは良い配慮だと思います。
ただ、お題に代わり映えが無いこともあり、大半が義務で描きました的な内容なのが残念。
執筆陣を揃えてる事自体が記念碑的なのですから、内容まで六周年に拘る必要は無いのに。


個人的には、あだち充、打江広祐、大須賀めぐみ小川麻衣子小山愛子島本和彦
瀬戸ミクモ、得津宏太、中原開平、坂ノ睦、繭住翔太、源素水、門司雪、横山裕二各先生
は割と面白かったかなという気はします。
ゲッサン六周年 特製四齣漫画小冊子(ゲッサン2015年6月号付録) p98 モリタイシ

ただまー一番面白かったモリタイシ先生含め、4本が市原編集長ネタなのはなぁ(苦笑)


恋情デスペラード

画力に関してはゲッサンでも1・2を争う素晴らしさですし、
リンドバーグ』後半は内容的にも素晴らしかったので、後はキャラの魅力でしょうね。
ゲッサン201504

連載が発表された時にこう書いて、

展開としては非常にベタですが、
キャラや設定がハチャメチャだけに却って合っている印象。
(中略)
この設定だと連載向きだとは若干言い難いですが、今のアントンシク先生ならどんなジャンルでも
面白い漫画を描いてくれそうな期待感はありますね。
ゲッサン201408

読切『ウエスタン・ジャンゴ』の際にこう書いたのですが...
漫画って難しいですねぇ。


『恋情デスペラードゲッサン2015年6月号 p20 アントンシク

こういうコメディや、和洋折衷な時代背景には面白味があるのですが、
意外性を出そうとしているところを含めて股旅モノのベタなストーリーに収まっているので、
どーも読んでて楽しいって感じにはならんですなぁ。
しかも、こういうベタな展開を描いて楽しんでそうな気がするだけに...


キャラはほぼ使い捨てが濃厚ですから、その度にキャラの説明する必要が出てきますし、
因縁めいたものも出しにくくなるでしょう。
主人公キャラが動機を含めて男性には共感し難いのも厳しいところ。
その辺りの手当をすると、今度は股旅モノじゃ無くなってしまいがちってのが一番難儀ですなぁ。
現状、大きな目標が無い代わりに、殺陣の演出はちゃんとしてる『月の蛇』という印象。


◎ ハレルヤ オーバードライブ!
『ハレルヤ オーバードライブ!』 ゲッサン2015年6月号 p20 高田康太郎

この辺りは音楽に限らず、漫画を含めたエンターテイメント全般に言えることですわな。
で、やっぱ高田先生オッサンオジサン描くのはホント下手ね...
師匠の畑先生も割とそうですけど、記号化されたキャラ描く人は厳しいんでしょうか。
しかしまー好きな人が海外に行っちゃう所まで『銀塩少年』と一緒だとはw


だって小山くんが艶い
言い訳に無理ありすぎて個人的にはノれませんでした。
まぁこのくらい無理がある方が好きって言う人もいるでしょうけど。


○ 嘘つきは殿様のはじまり

まぁ、女性である事を隠すからこそ色々トラブルが巻き起こったりするのでしょうけど、
今までのストーリーでそういったシーンがあったかと考えると...?
ゲッサン201504

以前こう書きましたが、
暗殺するよりも城主が実は女子であるという秘密を漏らした方がダメージが大きいから
あえておしんを生かしておく、という辺りには説得力が。
でも毎回コレやる訳にもいかんでしょうしねぇ...


構造的にみると、城主が女子という情報をいかに隠すかという設定なのに、
熱血を出そうとすると物理的に守る方向に流れてしまう点が厳しいかなぁと。
そして既に籠の鳥なおしんを守ろうとすると、どうしても陰謀が必要になってくる。
そのロジックが今回以外はイマイチ、話は暗くなる...
非物理的なものを物理的に守るという構造自体は『キョーコ』も同じなのですが、
ケンジがヤンキーとして振る舞ことで解決、という風に単純化されてますから。


いっそ「あの城主、女っぽくね?」といった嫌疑が広まって、
それを打ち消すために積極的に市井に出向き(どうせ参勤交代もせにゃならんですし)、
細々したトラブルを『ハヤテ』的に解決する執事漫画の方が良いのかもしれませんが、
バトルものにシフトしたって事は歯磨き回とかで人気でなかったって事でしょうしねぇ...


放課後さいころ倶楽部
今回のゲームは『アクワイア

アクワイア 新版 日本語ルール付き

アクワイア 新版 日本語ルール付き

正直これには驚きました。

アル隊長:なぜ(『アクワイア』が)ダメだったかというと、許可が取れなかったから。
円卓P:あっ、なるほどねー。あれって(メーカーは)どこだ?
ニトーキン:そもそも『アクワイア』って日本語版出てたっけ?
アル隊長:アメリカ。出てない。だから、色んな意味で今までと違った所だったのよ。
       漫画にしている間に許可を取るけども、
       スケジュール的にこの日までに許可取らないと厳しいっていう所を超えても
       連絡が取れなかったの。だからOKかどうかは分からないと。
       このまま原稿を進めて行って完成した時にダメって言われたら……
円卓P:もう取り返しがつかない。
アル隊長:どうしようもないと。だから急遽描かれたのが『ファウナ』
円卓P:そうだったのか……。
アル隊長:だからこの回だけ相当ゲーム性が薄いのよ。アヤ無双だから。
円卓P:そうなんですよねー。
ボードゲーム数寄語り。第27回「放課後さいころ倶楽部第3巻・その4」 17:35〜18:23

こういう経緯があったと聞いていたからです。
で、ここからは想像ですが、その後許可は得られたのでネタを温存しておいた。
キウイゲームズの第一回トークライブの際にグループSNE社長の安田均氏が『アクワイア』大好き
というのを聞いていたので、
第二回トークライブで安田氏との対談するこの直前のタイミングに、
手土産として『アクワイア』回を漫画にした、ってな感じではないかと。
単純に単行本作業も入る忙しいこの時期に、ネームまでは出来てたから使った。
という可能性もありますが。


放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年6月号 p201 中道裕大

今回のテーマは「お金で買えないものがある。」
このブログは基本的に「どうすれば面白くなるか?」より
「どうすればもう少し売上やアンケートが良くなるか?」に比重を置いている気がしますが、
どれだけ個人的に面白い作品でも、売れなければ連載が終わっちゃいますからね...
ひめはじけ』みたいに。
そういう悲哀を感じたくないが為にそうなっちゃうんですよね。
まぁ『ころクラ』の場合は、ボードゲームの面白さを伝える力がある作品なので、
現状打ち切りの心配は無くても、より売れる方向で考えてしまうんですが。


何にせよ、こういうテーマを描くんですから、
とにかく読者に媚びてでもキャラ人気をひたすら上げる事に腐心する、ってな事にはならんでしょう。
中道先生がこの漫画を描く一番の動機は「このゲーム面白いからみんなやろうZE」な感じがしますしねw


放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年6月号 p189 中道裕大

イラストレーター・U井T吾さん風。これいいですね。
連載開始当初からだいぶマチュリティ(成熟)化した絵柄になってきてるので、
ネオテニー(幼児)化された絵はギャップが出来て映えるのではないかと。


◎ ひとりぼっちの地球侵略
いやー、事後処理が上手いなぁ。
むしろこういう事を描きたかったから戦闘したのかしら、と思うくらい。


作者がどういう意図で今回の話の描いたかなんて分かる訳もないですが、
自分が受け続けた悲しみを味わせることが一番のダメージになる
と思ってる辺りは面白いなぁと。


『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2015年6月号 p226 小川麻衣子

「ダメな僕。それでも『そんなアナタが好き』と言ってくれる女の子はいないかな」と<承認>を求める男の子。そんな具合に自分のことしか考えていない男の子に愛想を尽かし、心の奥底を打ち明けても<理解>してくれる男性を求める女の子。これでは、噛み合うはずもありません。
『日本の難点』 p40 宮台真司 幻冬舎新書

またこの文章の引用ですが、
心の奥底を知られても凪に拒絶されなかったことで、
マーヤの心境がどう変化していくかが見ものです。


◎ 吾輩の部屋である。
3本目はまーまー。1、2本目は素晴らしい。
『吾輩の部屋である。』 ゲッサン2015年6月号 p241 田岡りき

2本目は植村さんをデートに誘おうするところから脇道に逸れ、
逸れた結果が最終的に占いの内容とマッチするという綺麗な展開。


それより面白かったのが1本目。
『吾輩の部屋である。』 ゲッサン2015年6月号 p234 田岡りき

既にこの画像の段階でオチをあえて読めるように作ってあるのかもしれませんが、
オチの絵面が想像以上にシュールだったため、余計インパクトあるものに。
この手の漫画はどうしてもセリフや展開だけで面白くしようとしがちですが、
主人公が常に何かしらの仕草を行っていることからみても分かるように、
絵にする意義をきちんと意識しているように感じます。
部屋から出られないからこそ、その中でどれだけの事がやれるか。
制約があるからこそやれる事もあるって事なのかもしれません。
まぁそういう制約が幾つもあるってのは、それはそれで問題なのですが...


ふだつきのキョーコちゃん
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年6月号 p287 山本崇一朗

「同じことをしても人によって受け取り方が変わる」ことをコメディにするパターンでした。
以前だと、体力測定の回なんかはそうですね。
そこに接触プレイやら水着on体操服だったりシースルーだったりと萌え要素を入れると。
個人的にはその辺りよりも、プール掃除始める際のO脚だったり、
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年6月号 p278 山本崇一朗

この微妙な腰の入れ方なんかの方がむしろいいなぁと思いましたね。


俺たちは次を描かない
5年ほど前に畑健二郎高田康太郎、ごとう隼平、大柿ロクロウ山崎智史先生などの
『ハヤテ』作者と元スタッフ及びその周辺が『グランドスカイ』という
リレー漫画を趣味で描いていたことがあったのですが、
いかに次の作家さんへ無茶振りをするかという内輪的な楽しさだけの漫画でした。
...まぁ全部読んだ訳ではなく、いくつかのシーンを生放送でパラ見しただけですけど。
『俺たちは次を描かない』 ゲッサン2015年6月号 p316 麻貴早人

この漫画もそうなっちゃってます。と言うか、そうせざるを得ないでしょうねぇ。
途中で今までの伏線を回収しようとする作家さんが出てくるのも含めて。
新人漫画家はいかに纏まりを作るかよりも、自分の良い所を最大限発揮できるかが重要なので、
勢いを出すべき作家さんにとってはリハビリにはなるのかもしれません。
ただ、読者側からすれば単にツマラナイ漫画が1年間続くだけになりそうです。
強いて言えば、荒唐無稽なスタートにしたとよ田先生の判断は正しいかと。


錦田警部はどろぼうがお好き
個人的に面白いとまでは行きませんが、
ギャグ控えめ、コメディ多め、BL含みでベタな面白さは出てるのではないでしょうか。


アオイホノオ
アオイホノオゲッサン2015年6月号 p357 島本和彦

ホントにこんな事あるのかなぁw
まぁ何にせよ、編集者ってのは単純な能力だけでは語れず、
相性ってものがありますわなぁ。


アイドルマスター ミリオンライブ
相変わらずケチの付けようがないそつのなさ。
客観的に見れば◎。


○ ぼくらのカプトン
2.3本目はまーまー。


○ 月曜日は2限から。
gdgdと、淡々と。


第13保健室
これだけちゃんと動きを描ける人が単なるお色気漫画描いてるのも勿体無い気はしますが、
現状一番人気が出るのはこういう感じでしょうなぁ。


○ 忍者シノブさんの純情
占いを使ってキャラの説明やってたり、
期待を抱かせるような展開はそこそこちゃんとしてるんですが、
なるほどすげーって感じにはならんですなぁ。
そういうのを目指してるのかもしれませんけど。
キャラの見栄えはちょっとずつですが良くなっていってるとは思います。


VANILLA FICTION
ドラジェが危機に陥る何かしらの理由があってもいいと思うんですけどねぇ。
雪彦を退場させたいが為に無理矢理突発的な火事起こした感アリアリ。


◎ ちろり
このマダムは男を惑わすマダム。
『ちろり』 ゲッサン2015年6月号 p559 小山愛子

今回テーマが『ころクラ』と被っちゃってますが、
こちらは前回からの続きになってるので、むしろ向こうが被せてきた感じですな。


◎ あやしや
素晴らしい。
『あやしや』 ゲッサン2015年6月号 p594 坂ノ睦

キリエが殺されるであろう事は暗に描写されてましたが、
どうなるか予測させつつ意外性がある、ってのはいいなぁ。

森永 パックンチョ<ちょこ> 47g×10個

森永 パックンチョ<ちょこ> 47g×10個


◎ アサギロ


◎ LES MISERABLES
『LES MISERABLES』 ゲッサン2015年6月号 p628 原作:ヴィクトル・ユーゴー 漫画:新井隆広

「アンジョーラという男を信仰している。」
レミゼ』名セリフのうちの一つらしいですが、
やっぱ新井先生は男同士の絡みの方が面白いというか...w
後でメーヌ市門へとわざわざ訪ねるところもいいなぁ。


個人的には、ヒゲ剃って「メーヌ市門は引き受けた」のシーンはカットした方が良かったような。
絵でヒゲ剃ったのは分かりますし、メーヌ市門付近にいるってことは
途中まではやる気があったけどつい...ってな事は想像できますし。


終末風紀委員会
どうしても設定、設定となってしまうのは終わりが近いので致し方ないかなぁ。


◎ 四弦のエレジー
『四弦のエレジーゲッサン2015年6月号 p730 梅内創太

優雅な蝶を絡めとり、不気味な蜘蛛が固まらせる。
この対比もさることながら、不気味な具合が生理的嫌悪感を惹起させない塩梅に
抑えられている辺りもいいですね。
蜘蛛がワサワサ出てくる辺りにはちょっとありましたけど。


信長協奏曲
gdgdでありつつ、それなりに筋が通ってるこの漫画の真骨頂。
まぁ正直弥助の目が若干怖いってのはありますw


◎ ツール・ド・本屋さん
やっぱこの漫画、アクの強い人が出てきてナンボだなぁと。
市原編集長はともかく、B川さんは割と強調してる感ありますけどね。
今年のゲームマーケット大阪でお見かけしただけなので、実際のところは分かりませんが。

ゲッサンmini プラス4 (ゲッサン201505別冊付録)

ゲッサンmini プラス4 (ゲッサン201505別冊付録) p1

泉尾アキ先生の表紙でした。色使いは結構綺麗ですね。
ツッコミどころとしてはちりとりの持ち方と花びらの軌道、残り方。
例えば、遠心力を考えれば外側に花びらが残るってのはねぇ...
ただ、こういうボロが出るって事は新しい事にチャレンジしてるという事なので、
新人漫画家ならむしろポジティブに評価したいです。


からかい上手の高木さん

構造はかっちり決まってるので、ネタさえ続けばいくらでも続けられるようになってると思います。
それが故に、この構造の中でどう変化をつけるのか、塩梅が逆に難しそう。
あまりにも変化が無いとワンパターンに陥りますし、
変化し過ぎると「いつもの」を期待してる人から不満が出そうで。
ゲッサンmini 2 (ゲッサン201307別冊付録)

2話目の段階でこう書いてたのですが、今回変化が。
からかい上手の高木さんゲッサンminiプラス4(ゲッサン201505別冊付録) p18 山本崇一朗

ひょっとしたら気づいている人少ないのかもしれませんが、
高木さんが明確にデレたのはこれが初なんですよね。
笑顔の描き方にぎこちなさを感じるのもそのせいでしょうか。
個人的にはデレ無しの方がいいんですが(そもそもコメディ部分が好きなんですけども)
客観的に見ればデレアリの方が人気は出るでしょうなぁ。


作者本人が新婚ホヤホヤでラブラブな感じをも描きたいとなっているのでは...
という一抹の不安もありますが、これ以降デレが増量することはあっても、
あくまで西片くん視点では付き合っている感じではない所には留めて欲しいところ。
そこが駆け引きの源泉になってますし。


からかい上手の高木さんゲッサンminiプラス4(ゲッサン201505別冊付録) p7-8 山本崇一朗


ただまー今回、もう一つの変化として
初めてノローグが一切存在しなかったのですが、
西片くんの直接的な心理描写を排し、その辺をぼやかしたかったのかもしれません。
あと、たまに出てきますが西片くんからかうの下手ね...w
西片くんと高木さんの対比になってますが、
ボツネタを使えるという意味でもオイシイですなぁ。


夕鶴と青写真 泉尾アキ
★★★★★
前作『オセロ』は個人的にもひとつでしたが、
今回はデビュー作『バロメーター』並に良かったんじゃないでしょうか。
但し、方向性は全然違っていて、個人的には今回の作品の方が好みですけども。
どう好みかと言えば、このブログでさんざん書いている「PDCAサイクル」「メタ的」
の2つで説明は一応事足りるのですが。
(いーかげんこの「メタ的」ってのをちゃんとした言葉で書きたい)


『夕鶴と青写真』 ゲッサンminiプラス4(ゲッサン201505別冊付録) p34 泉尾アキ

俺がお前の演技を撮影して分析。
完璧な演技が出来るようサポートする。

この辺りはPDCAっぽいですね。まぁ単に試行錯誤って事なんでしょうけども。
そしてメタ的でもあります。作者と編集者の関係と相似形です。
『夕鶴と青写真』 ゲッサンminiプラス4(ゲッサン201505別冊付録) p35 泉尾アキ

人に見てもらわなきゃ、
意見も評価もしてもらえないし…
それじゃ上手くならない…
……

このシーンもまたメタ的。正に漫画にも当てはまることです。

中道:
自分はゲームを完成まで作ってない(ので)無責任な発言なんですけど、
モノを作る上では、漫画もゲームも人に向けて発信するものじゃないですか。
漫画でもそうなんですけど、部屋でずっと描いてるうちは中々やっぱり
みんなに認めてもらえるモノは描けないんですよ。
読んでもらって色んな意見を貰うのが一番の成長の糧になるじゃないですか。
その辺の気持ちを込めましたね。ジョージのセリフには。
ボードゲーム数寄語り。第48回「放課後さいころ倶楽部第4巻・その1』 4:39 〜5:03

放課後さいころ倶楽部ゲッサン2014年8月号 p524 (4巻 p12) 中道裕大

以前The Structure of ”After School Saicoro Club” #4でも引用した発言ですが、
実際漫画を描いて実感したからこそ、こういう内容をテーマに据えたんでしょう。
個人的にはこういう事を描かれると、作家に対しても期待せずにいられません。


もうひとつ素晴らしいと感じたのは、絵の躍動感。
『夕鶴と青写真』 ゲッサンminiプラス4(ゲッサン201505別冊付録) p35 泉尾アキ

特に、必ずしも格好いいとは言えないポーズをちゃんと描けているのが素晴らしいなと。

『BE BLUES!』 週刊少年サンデー2014年28号 p303 田中モトユキ

意図的に身体を傾けることによって「横に倒れる」のではなく、動きを閉じ込めることができる。
ひいては絵の躍動感に繋げることができます。
全編キャラがほぼ正面棒立ちだった『ジオと黄金と禁じられた魔法』は例外中の例外でしょうし、
スポーツやアクション漫画ではあまりそういう事は無いのですが、動きが少なくても成り立つ漫画では、
基礎から脱却できず単に立たせてるだけの漫画が多い気がします。
からかい上手の高木さん

以前こう書きましたが、
『進め! 漫画道!!』 田中モトユキ先生 第2回

まぁこういう事ですね。


今回は写真の話だったので、連続した動きはほぼありませんでしたが、
本格的にスポーツ漫画描こうと思うと、そこにまた一つハードルがあります。
ただ、スポーツ漫画をこれから描かないにしても、今回の話は糧になったのではないでしょうか。


話が長くなっているついでに書きますが、
動きのある絵って、ラジオ体操と共通点があると思うんですよね。

まぁ動画見てもらっても何も伝わらないでしょうけどw

運動領野は、体を動かすのに先立って、動きの計画、組み立てを行っています。その際に必要となるのが「動きのカード」です。「動きのカード」とは、運動領野に蓄積されている「体の動きのプログラム」のことです。
私たちが体を実際に動かす際、運動領野は、そのために必要なさまざまな関節、筋肉の動きを組み合わせた上で、全身に向けて指令を送っています。何かにつまづいたり、不意にバランスを崩したりした時、転ばないように態勢を立て直すためには、運動領野になるべくたくさんの動きのレパートリーが備わっているほど、さまざまな事態に対処できると考えられます。
ラジオ体操は、たとえば腰を大きく曲げたり、腕を大きく上に伸ばしたりといった「日常生活ではほとんど行われない体の動き」を多く含むため、運動領野にさまざまなレパートリーの体の動きのプログラム(動きのカード)が備わり、その結果として、不意の事態でも体をとっさにコントロールできることにつながるのです。
ためしてガッテン シリーズ運動で若返り[1] 生死を分ける!健康体操ホントの効用

実際のラジオ体操の効果はこのようなものですが、
漫画だと「動きのカード」があればあるほど、結果として色んな体勢も描くことができる...
という事になると考えていたんですよ。
アオイホノオゲッサン2013年8月号 p430-431 (11巻p42-43) 島本和彦

まぁこういう事ですよね。
で、出来れば
ベイビーステップ』 1巻 p105 勝木光

構えと溜めとインパクトの3つの姿勢をセットで身体に染み込ませれば完璧なんじゃないかなぁと。


『夕鶴と青写真』 ゲッサンminiプラス4(ゲッサン201505別冊付録) p39 泉尾アキ

読切のうち内容的にみると2本は当たりだったので、あともう一本って所でしょうか。
課題は受賞時点から言われている事ですが、絵の見栄えだけですね。
動きをちゃんと描けている事からみても分かるように、画力自体は間違いなくありますし。


地球入星管理官 小林安曇
★★★★☆
ちと厳しめですが。
「よく出来てるけど面白くはない」典型的なパターンというか。
前作『HERO ACTOR』はメタ的な構造が上手く嵌った感がありましたけど、
今回はそういう所もなく。(それ自体は何も悪い事ではありませんが)
面白さに欠けたのは意外性があまりなかった事でしょう。
『地球入星管理官』 ゲッサンminiプラス4(ゲッサン201505別冊付録) p83 小林安曇

それとは別に、途中で主人公のやりたい事が変わるのにも関わらず、
心境が変化する描写を省いてしまっている所が致命的。
いかにキャラの願いを読者の望む展開とをシンクロさせ、共感させるかで
達成感が出るか出ないかに差が出てくるということを考えれば、
一発殴る前に主人公の怒った表情を見せておくべきだったんじゃないかと。
逆にあえて表情を伏せてますからねぇ。


他にも演出的に勿体無いシーンがいくつかあって、
『地球入星管理官』 ゲッサンminiプラス4(ゲッサン201505別冊付録) p78 小林安曇

逮捕するのではなく、亡命申請しようとしていたといった辺りは意外性はあるのですが、
それが面白さに繋がるようにはなってません。
所長がわざわざ出てきた事も、裏取引の話が出た時「そこまで重大でもないのに」と気づかせた方が、
より意外性を出せたんじゃないかと。
読者は最初から疑ってかかってしまってる...ミスリードではなく、リードしていますし、
アバンで課長が出てきていたら、課長ではなく所長が出てきたって所が伏線に使えたかも。


あと、前作にも言えた事ですが、どうもセリフが多いですね。
文章ネームで添削してるからなんでしょうか?



さくらじゅん @GRGR_ 文字の面白さと絵の面白さは違うから文章ネームはやめた方がいいと編集さんにもよく注意されていたので(しかし不安でやめられず…^_^;)やり方を変えて正解だったのかも?ですねー link
文章ネームを止めるべきとは言いませんが、 少なくとも文字の面白さと絵の面白さの違いを念頭に置いて、 伝えたいことをどう変換していくかを考える必要がありそうです。 そうなれば、自ずと決め台詞的なものが必要だという事にも気づくんじゃないかなぁ。 一応補足しておくと、このつぶやきは『湯神くんには友達がいない』の佐倉準先生で、 彼女の言う編集さんとはサンデー副編集長の坪内崇さんです。 『地球入星管理官』 ゲッサンminiプラス4(ゲッサン201505別冊付録) p78 小林安曇 まぁ個人的にはそんな事より可愛い系ではなく綺麗系のメガネ女子がとても綺麗ってだけでメシウマ。 (11ヶ月ぶり4回目) 見栄えに課題があった作家さんですが、大分解消されたんではないかと。 エスパー牧 井上まい ★★★★☆ ちと甘め。 エスパー牧』 ゲッサンminiプラス4(ゲッサン201505別冊付録) p95 井上まい ハートフルな作品を2作描いてましたが、今回はBLラブコメ。 人気取る事を考えると、恋愛要素は必要になってくると思います。 コメディを上手くやれるかどうかはまだ不安ですが、 こういう風にキャラの駆け引きがやれたら何とかなるかもしれません。 習作としては成功してるんじゃないでしょうか。 雪解けの頃は 源素水 ★★★★★ 少年が主人公なのにも関わらず少年誌向きではないという謎の漫画ですが、 内容的には素晴らしいんではないかと。 元々絵の見栄えはある作家さんですが、内容も前作同様遜色なし。 『雪解けの頃は』 ゲッサンminiプラス4(ゲッサン201505別冊付録) p108 源素水 素晴らしさの源泉は対比。 主人公とその友人、主人公の家庭と友人の家庭を対比させていて、 その違いに主人公はショックを受ける訳ですが、 最終的には自分の家族にも信頼関係があると気付き、引っ越すことに前向きになる。 その暗喩としてミルク入りのコーヒーとブラックを当て嵌め、 さらには主人公の成長をも示唆する。 最初にコメディとしてブラックを使ってるのも気が利いています。 個人的にはこういった説明を漫画の中でほぼしていないので、 「何でも喋っちゃうんだなぁそらくんは…」のセリフも要らなかったとは思いますが、 何にせよ、地味なものの本当に良くできた作品だと思います。 もうね、『オーマイ導士さま!』『燕捕物帳』の頃とは雲泥の差。 何がきっかけでこうも作品の質が変わるのか不思議で仕方ないです。 一応★5にしてますが、★6.5くらいのクオリティはあったのではないかと。 『雪解けの頃は』 ゲッサンminiプラス4(ゲッサン201505別冊付録) p100 源素水 この秘密基地的なコンテナは超羨ましい... いかにも北海道ならではって感じですなぁ。 あと、2人目のお子様が生まれたそうで、おめでとうございます! 日曜日和 田岡りき ★★★☆☆ 『日曜日和』 ゲッサンminiプラス4(ゲッサン201505別冊付録) p145 田岡りき 現在連載中の『吾輩の部屋である』のプロトタイプだと思われます。 部屋の中でgdgdするという点では共通してますが、まー見事に面白くないw 『吾輩』がよく分からないロジックがあってナンボの漫画であり、 男キャラ独りだからこそ出せる面白さなんだなと改めて。 担当の丹波さん曰く『吾輩』は部屋から出ることはないものの、 女性キャラ独りのパターンをやるかも、らしいですけど、 理屈っぽくなく、女性の思考でちゃんと面白さを出せるのかなぁという不安が。 出さなければキャラ人気しなさそうなのでもっと不安ですが。 実際、アンケート良くないらしいですし。 すきなところ 渡辺三沙紀 ★★★☆☆

渡辺三沙紀
第57回 GET THE SUN新人賞Bダッシュ』 選外佳作
第61回 GET THE SUN新人賞ポルックス』 佳作
第75回 新人コミック大賞 『しょうたくんとお父さん』 佳作

ちと甘め。
『すきなところ』 ゲッサンminiプラス4(ゲッサン201505別冊付録) p190 渡辺三沙紀

キャラはそれなりに見栄えしますけど、背景の少ないこと少ないことw
完全に少女漫画になっていて、男性に対するフックがまるで無し。
作者の「すきなところ」を盛り込んだ作品という風にも取れるので、
まずは自分の好きな事をきちんと漫画に出せるかどうかという段階なのでしょう。
次は、男性でも共感できる事ですきなところを出せるかどうかでしょうか。
『ちろり』はいかにも女性な作品ですが、それでも共感できるところはありますし。


『すきなところ』 ゲッサンminiプラス4(ゲッサン201505別冊付録) p190 渡辺三沙紀

唯一意外性があって面白かったのは、ひったくりを投げるシーンですが、
どうやって投げてるのかサッパリ分からないというw
右下のコマは背負い投げ風、左のコマは大外刈り風になっています。
背負い投げならひったくりの背腹が逆になるはずですし、
大外だと右手は相手の左奥襟を掴むのでこれまたおかしい。
柔道技ではなく、相手の背中を引っ張って倒したと解釈するなら、
ひったくりの身体は左肩が地面に落ちるようにならんと不自然です。


以前晴十ナツメグ先生の『バッタになってしまった』でも前後矛盾する動きがありました。
これは偏見かもしれませんが、特に女流作家さんにこういう動きの矛盾が多く、
一コマ一コマの見栄えだけに注意が向き、動きを考慮するという発想自体が無い
んじゃないかなぁと考えています。
たまにデッサンのポーズをアトランダムにやってる作家さんを見かけますが、
それよりもパラパラ漫画を描いて、「体の動きのプログラム」がどうなっているかを
頭のイメージと結びつけて描いていった方がよっぽど力になるんじゃないかなぁ。
バトルやスポーツ漫画以外ではあまり動きは必要無いと思われるかもしれませんが、
萌えの重要な要素である仕草も動きのうちの一つですから。

放課後さいころ倶楽部 #35

今回のゲームは『パンデミック
私が持っている数少ないボードゲームのうちの一つです。(割とどうでもいい)

2009年ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)最終候補。
デザイナーはマット・リーコック (Matt Leacock)
代表作は他に『禁断の島』(2011年ドイツ年間ゲーム大賞 最終候補)


惜しくもドイツ年間ゲーム大賞を逃した作品ですが、
パンデミック』はプレイヤー同士が協力してゴールを目指す「協力ゲーム」
と言われるカテゴリーの中では最も評価されているゲームでしょう。
このゲームが大賞を逃した理由はただ一つ。
カタン』『カルカソンヌ』と並び、三大ボードゲームの一つとまで称される
ドミニオン(Dominion)』がその年の受賞作だったからです。


「協力ゲーム」は好みが分かれるジャンルでして、
その原因のひとつとなっているのが「奉行問題」(Leader Problem)です。

ゲームとは「充分な情報の下に行われた意思決定 (decision making)をもって、
プレイヤーが与えられた資源を管理 (managing resources)しつつ自ら参加し、
立ちはだかる障害物を乗り越えて目標 (goals)達成を目指す」ものであるとした。
wiki ゲーム コスティキャンによる定義

以前The Structure of ”After School Saicoro Club” #5でも引用した、ゲームの定義の一つがコレです。
その記事で書きましたが、ゲームの楽しさの根本は「管理(マネジメント)」です。
しかし協力ゲームでは、ゲームに詳しい、もしくは声が大きいプレイヤーが仕切って
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年5月号 p151 中道裕大

他のプレイヤーはその指図通りにプレイするだけ...「管理」する余地が無くなって
ゲームを楽しめなくなる場合がある、という構造的な問題があります。
しかも質(たち)が悪いことに、仕切ることが大好きな人間ほど協力ゲームが好きなんですよねw


なぜこういう問題が出てくるのか? に関しては下のリンクが参考になると思います。
【海外フォーラム記事翻訳】なぜ、協力型ゲームはクソなのか?奉行問題があるからだよ!
読むのが億劫だという人のために結論を書くと、答えが存在するから。
答えが絞られるからこそ、答えを知っている、もしくは知ってるつもりの人が
知らない人や控えめな人へと一方的に指示してしまう。
かと言って、答えが絞られなければどう協力していいかの方針も立てられません。


この「奉行問題」を解決する方法は大きく分けて二通りあります。
その1つがゲームのシステムで解決する方法。


ゲームシステムで解決する方法には、少なくとも2つあって、
そのうちの一つが例えば『人狼』の狼のように敵を出すことですが、
この手のゲームは「協力ゲーム」の範疇から外れるので省略。
もう一つのパターンは『花火』のように、会話に制限を掛けること。

花火 (Hanabi) 多言語版 カードゲーム

花火 (Hanabi) 多言語版 カードゲーム

一から十まで指示するから、指示される人に判断する余地が無くなる訳で、
そこをルールで縛れば「奉行問題」を解決することが出来ます。


このようなゲームシステムが組み込まれていない場合、
それが起きるか起きないかはプレイヤー次第...
つまり、プレイヤー自身がいかに「奉行問題」を起こさないようプレイするかが肝心です。


前置きが長くなりました。今回のテーマはコレ...かどうかは分かりませんが、
このテーマに沿ってシナリオを練るならば、
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年5月号 p161 中道裕大

まずは誰かが奉行をし、それが上手くいかないことを描写する。
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年5月号 p168 中道裕大

しかる後、協力することでゲーム進行がスムーズになる。
何かが正しい事を示すには、反対のことを間違ってると示すのが手っ取り早いですし、
序破急の破を上手くいかない描写に、急をそこからの転換に当て嵌められます。


意外な展開はゲームの展開で、
それ以外の展開は基本に忠実、というのがこの漫画の良い所ではあるのですが、
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年5月号 p163 中道裕大

こういうシーンがベタ過ぎるのは
もうちょっと何とかなんねーかなぁとは思いますねw


と、話がここまでならまーまー面白いで終わるのですが。
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年5月号 p148 中道裕大

このブログで何度も言及している言葉だと
PDCAサイクル」「ロールプレイ」の2つの話になります。
白石の役割は指揮官… PDCAサイクルだとC(check = チェック)
鷺ノ宮は計画立案… PDCAサイクルだとP(Plan = 計画)
山粼の役割は実行部隊… PDCAサイクルだとD(Do = 実行)
と言えるでしょう。
P→D→C→のループが回って(Aは省略されてますけど)はじめて
物事が上手く回っていくと。


で、会社でもよくありがちなのは
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年5月号 p159 中道裕大

現場の人間には全体が見えず、本部の人間には現場が見えないという状況。
こういう事がきちんとキャラのロールプレイとして出来てる辺りは、
どれだけ作者が意図しているのか分かりませんが、素晴らしいなと。
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年5月号 p173 中道裕大

ミドリパパはこう言って、ミドリは「ほとんどシュミのくせに」と言っていますが、
むしろこの最終試験は彼らの「適性」を識る...
何に適しているかというよりは、むしろ自分の適性の限界を知り、
他人の適性を尊重する事に繋がるのではないでしょうか?

ゲッサン201505

ゲッサン 2015年 05 月号 [雑誌]

ゲッサン 2015年 05 月号 [雑誌]

反時計回りに90°回転させた表紙でした。
これ、どういう意図があったのかなぁ。
イラストをどうトリミングしても文字の置きどころがなくて、とかなのかしら。


ふだつきのキョーコちゃん
何度か書いてますけど、個人的には今回のような「チキタカ」的...
ショートパスをひたすら繋げるだけでいつの間にかゴールしているような、
カップリングをコロコロ変えることで話を展開していくパターンは大好きですね。


ただ単にカップリングを変えるだけではなく、例えばこのシーンでは
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年5月号 p16 山本崇一朗

顔は見えても会話は出来ない状態を作って、
声でケンジだとバレない工夫がなされていたり。


カップリングを変えることのメリットの一つとして、
これもまたこのブログで何度も書いてますが、キャラ間で情報の格差を出せること。
情報の格差が誤解を生み、誤解がラブコメの面白さを醸成する。
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年5月号 p28 山本崇一朗

そんな中で、逆にリン姉がキョーコの意図を汲み取ってみたり、
汲み取ったにも関わらず無視したり、リン姉が意図している方向にいつの間にかなっていたりと
展開にメリハリが利いていて、ちゃんと読者と駆け引き出来てるなぁと。
てな風に、私はどうしても構成に目が行きがちなんですが、
こういう感じでキャラが動くことによって、キャラの表情が豊かになり、
最も重要なキャラの魅力へと繋がっているのがこの漫画の一番良いところ。


告白練習が上手く行かない方が都合がいいのについつい応援する所は、
「キャラが良かったと思えること = 読者が読んでて良かったと思わせる」
となる訳で、それが読後感の良さと達成感に繋がっているんでしょうなぁ。


◎ ひとりぼっちの地球侵略
名前が明かされずにいたので若干記事が書きにくかったんですが、
ようやく「マーヤ」だという事が判明。
既に名前は明かされてましたね...
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2015年5月号 p64 小川麻衣子

凪のドSモードいいですなぁ。
凪とマーヤの立場の違いについては先月書きましたが、
だからこそ希が助かり、希と岬一の絆が結果的に深まる展開になる、
というのは中々味わい深くて。


第13保健室
相変わらず私の琴線には全く触れない内容ではあるものの、
以前に比べればキャラが動きやすくなっているようには感じます。
『第13保健室』 ゲッサン2015年5月号 p98 あおやぎ孝夫

一応、瞳の描き方は似せてますけど、
パロディするならもうちょっと元ネタに寄せても良かったのでは。
ネタが旧いってのもあるかもしれませんが、読み直してやっと気づきましたし。


アオイホノオ
禿笑。
アオイホノオゲッサン2015年5月号 p127 島本和彦

青いなぁw


この後の
「TVアニメ化の話がきたとしても… 100話分サブタイトルができているから… 安心だ!!」
のくだりも最高。
でもまぁこのくらいの根拠なき自信があるからこそ、前に進めるのかもしれません。
自分の実力がどのくらいか冷静に判断出来たなら、ハードルの高さに心折れるかもしれませんし。


放課後さいころ倶楽部
長くなりそうなので別記事に。


信長協奏曲
信長協奏曲ゲッサン2015年5月号 p192 石井あゆみ

もちろん松永秀久と森可成がこの時出会ったというのはフィクションですが、
戦国きっての基地外武将同士の会話には見応えがありました。
刺青自体はこの時代にもある筈なんで、森の反応はちょっと違和感ありますけど。
まぁ装飾目的の刺青ってのは江戸時代かららしいですけども。


ハレルヤオーバードライブ
ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2015年5月号 p254 高田康太郎

いやー素晴らしい。
憎き相手だからこそ、最後にはセッションするんだろうなぁとは思ってましたが、
浅緋が言いそうな言葉で浅緋を説得したのには脱帽。
それだけ小雨が浅緋を理解しているという描写にもなりますし、
浅緋がすんなり受け入れる説得力も増します。
で、口を出すなと言った割には『希望』はもういいという発言は受け入れるのですが、
なぜソコは素直だったのかは、深読みすれば来月号に...ってなことになるんでしょう。
と、一ヶ月遅れだからこそ書ける批評ですがw


ぼくらのカプトン
新入生入りたては大体イマイチですなぁ。
キャラがまだ固まってないってのはあるのかも知れませんけど。


VANILLA FICTION
読み直してみると今回は案外。
うーん本当に太宰死ぬのかね?w
「僕はしにましぇーん」が思い浮かんで若干醒めました。


○ だって小山くんが艶い
まぁまぁ面白いと言えば面白いんですが、下ネタに振る必要あるのかなぁ...?
そこは好みなのでどっちでも良いんですけども。
艶さとエロさは紙一重って事なのかな?w
キャラの魅力はちゃんと出ているので、ネタさえ続けば早々打ち切りにはならんでしょう。


少し勿体無いなぁと感じたのがこのシーン。
『だって小山くんが艶い』 ゲッサン2015年5月号 p340-341 島粼結太


面白いのは確かなんですけど、
一番インパクトのある避け方を最初に持ってくるよりは

最初にこの避け方を出したあとに少し溜める...
例えば、「上半身を狙っても避けられる… だが、腰ならどうだ!」
と言わせて、読者にどう避けるかを想像させた上で、

変な避け方をすれば、よりインパクトが出たように思います。
特に、下のシーンはめくりで見たかったですね。


◎ アサギロ
相変わらず史実の隙間を埋めるのが上手いなぁと感心するのですが、
『アサギロ』 ゲッサン2015年5月号 p361 ヒラマツ・ミノル

今回は何と言ってもこのシーンでしょう。書いたのではなく、解釈されていた。
この漫画のことを何も知らずにこのシーンだけ見ても、
血糊を拭いた紙切れを見て何で驚いてるんだ?となる感じが素晴らしい。


アイドルマスター ミリオンライブ!
いつものように、客観的に見れば◎。
ホントこの漫画、ソツがないです。
まぁ何らかの賞を取るような作品かと言われるとまた別なのですが。


月曜日は2限から。
個人的にはラブコメのラブ要素は別に要らない人なんですが、
この漫画はどうもコメディだけだと微妙になりがちで。
とは言え昔に比べれば常識に掛かってる分、すんなりは読めます。
すんなり読めなかった時期の方が好きな人っているのかなぁ?


嘘つきは殿様のはじまり
策がチープなのは何だかなぁとは思うのですが、熱血シーンはさすが。
ただまーおしんを蚊帳の外に出しているからこそ出来てるという面があり、
この先どうするのかなぁと正直不安です。
2巻打ち切りはさすがに無いでしょうけど、短期終了もあり得そう。


◎ 吾輩の部屋である
理論派というよりは、理屈っぽい人間なので理屈っぽい漫画は大好きですが何か?
『青いね芝くん!』だったり、『ねじの人々』だったり。

青いね芝くん! 1 (少年サンデーコミックス)

青いね芝くん! 1 (少年サンデーコミックス)

常日頃から数学的な思考力に乏しいと、理屈に説得力が欠けがちになると感じているのですが、
(文系数学しか分からない人間がこう思うのですから、
理系数学やそれ以上の数学的思考力のある人間から見れば私の理屈もそう見えるのかも)
『吾輩の部屋である』 ゲッサン2015年5月号 p486 田岡りき

それをトンデモ本的なコメディにするならむしろ長所にもなりうるとも感じています。


構造的には着せ替え型の主人公独りしか出ない漫画なので、
キャラの人気が出るのかなぁという点が正直不安でいっぱい。
そういう層を無視してニッチで行って、私自身は何の問題も無いのですけど...
四畳半とキャラ独りでどうやって絵作りするのか?というのも課題になりそうです。
まぁキャラ増やしたり外に出れば問題解決しますけど、
それだとタイトルとの齟齬が出てくるのでねぇ。


○ 終末風紀委員会
最後の方は真面目な話にならざるを得ないでしょうから、
今のうちにコメディ出しとけってな狙いでもあるんでしょう。
この小ネタは割といいですね。
『終末風紀委員会』 ゲッサン2015年5月号 p486 熊谷祐樹

子分まだ喋ってるのかw


○ 忍者シノブさんの純情
シュシュを投げてもそうはならんだろ、ってのは
ツッコミどころというよりツッコませたい所なのでむしろ良い点なのですが、
『忍者シノブさんの純情』 ゲッサン2015年5月号 p558 ゆずチリ

だからこそ位置関係はちゃんとリアリティ出して欲しかったです。
リップが落ちてくるシーンにシノブさんが走らせているシーンを加えるか差し替えるかすれば、
あとは次のページでシノブさんが歩いて来たように描けば済む話ですし。
背景は少し描き込まれるようになって来ましたけど、パースはまだ怪しいですなぁ。


今回新キャラの妹が出たのにも関わらず、割とすんなり動いてたのは良かったです。


◎ 四弦のエレジー
『四弦のエレジーゲッサン2015年5月号 p628 梅内創太

このハッタリは素晴らしい。
音楽の本質的な所から外れて曲芸と化していますが、
だからこそ当て馬の能力として最適だとも言えるでしょうし。


錦田警部はどろぼうがお好き
完全にマンネリですけど、BLキャラ漫画にシフトされているのでそれはそれで味が。


◎ あやしや
まー胡散臭い親父だことw


◎ ちろり
隠れ家的な喫茶店って、人がいないことがウリのような所があって、
だからこそ他の人に薦めたくはならず、結果的に潰れてしまう...
ってな所はありますなぁ。
よくこれだけ客来ないのに潰れないなぁって所の方が多いですけどねw
稀に、他に客がいてもそれを感じさせないような作りになっている所もありますが。
意図的かどうかはともかく。


◎ LES MISERABLES
修道院のくだりを襲撃事件の後に持ってくる構成はなるほどなぁと。


◎ ツール・ド・本屋さん
少年漫画はキャラが命って言葉がありますが、
キャラが立ってるあだち充先生が出てきたらそりゃ面白くなりますわな、と。
もちろん、それをちゃんと咀嚼出来ている辺りはさすが横山先生なのですが。