20150503-20150505

GW期間中、2泊3日で東京へ行ってました。
メインの用事は5/3だったんですが、まずは5/4から。


150504
東京ビッグサイトで行われるスーパーコミックシティ、
通称スパコミで背景美塾がライブイベントをやるというので行ってきました。
生放送の跡地のリンク貼ってもあんま意味ないかも知れませんが一応。


【スパコミ】MAEDAX背景一時間半作画LIVE【背景生作画】5/4


行って初めて腐女子が集まるイベントだという事が分かったんですが、
何かこう... 9割以上女性に囲まれている状態でも全くドキドキしない自分に
枯れたなぁと(苦笑)
別に腐女子だからって訳じゃないですよ。きっと可愛い娘もいたでしょうし。
でもねぇ...「ここにいる女性全てが自分の人生において何の関わりもない人達」
って考えちゃって、単なる風景でしか無いんですよなぁ。
じゃぁ仕事場で会う女性に対してはトキメクのか?と言われてもまぁ別なんですけども。


背景美塾のイベント自体は盛況なのかどうか分かりませんが、
常に20人程度がブースの前にいる状態で、
むしろ人数よりも、そこにいる女性達がMAEDAXさんの一挙手一投足を
本当に食い入るように見つめてる様が印象的でした。
私のように、MAEDAXさんに対して
「あの『かってに改蔵』『さよなら絶望先生』でチーフアシスタントやってた人」
という尊敬の念がある訳でもなくてあれだけ真剣になるんですから、
やはりプロの技ってのは人の目を惹き、需要もあるのだなぁと改めて。


私は恐らく2年近くに渡って開講している背景美塾の受講生の中で、
恐らく唯一だと思われる受講理由...
漫画の批評に役立てるために受講したのですが、
そんな、ある意味邪な考えを持った人間でも何かしら得られるものがあったので、
もっと良い背景を描きたいと思っている人にとっては間違いなくプラスになると考えます。
一度大阪へ出張して講座を開くことも検討中とのことなので、
関西に住んでいて、中々東京へは行けないという方も検討してみてはどうでしょうか?
twitterアシスタント背景美塾 MAEDAX派


まぁ個人的な用事としては、MAEDAXさん、石川さんへのご挨拶と、
ごとう先生と久しぶりに5分くらいお話した事の方が重要でした。
まぁそれだけの為に5時間くらい費やすのはどうよ?という気も若干しましたがねw
その間に秋葉原行って単行本を買っていれば...と翌日後悔することになるのですが。


150505
同じく東京ビッグサイトにてコミックシティ (オリジナル作品の同人誌) のイベントと、
さらには東京ゲームマーケット(ボードゲームの即売会) があり、2つのイベントをはしごする事に。


...とは言え、東京ゲームマーケットは事前調査をほとんどして無かったので、

TANSANFABRIKさんの『放課後さいころ倶楽部』ステッカーと
(正直、これで1,000円は「ねーわ」と思うのですがね...)

COLON ARCさんのメキシコ産パーティゲーム『マタンガ!』と
ボードゲーム党さんの『タイムボム』『アルアル』を買っただけに留まりました。
『アルアル』は正直ハズレかなぁ...
『マタンガ!』は一回やったら割と終わりなゲームですが、その一回目は楽しめるんじゃないかと。


で、個人的にはより重要なコミックシティの方ですが...
いやホント充実しまくりでした。


当初の予定では、このブログで最も推した富士昴先生に会いに行く為だけに
イベントへ行くつもりだったんですが、
直前に参加表明される作家さんがいたりで結局4ブース行くことに。


まずはサンデーSで『動物がお医者さん!?』を連載していた富士昴先生の色紙。
何を描いてと頼んだかは伏せますが、一言でほぼ私の望む全てを描いて頂きましたw

(実物はカラー)
1年以上ご無沙汰でしたけど、富士先生とお会いするのはかれこれ5回目で、
回数だけカウントすると中道先生・横山先生の7回が一番多いのですが、
会った時に喋ってる時間は一番長いです。
次の仕事に関して色々話を伺ったのですが、まだ発表できる段階ではないので、
現在連載準備中とだけ書いておきます。


買った同人誌は2冊。
『THE SOLITARY SANTA CLAUS』 (2013.10.20)

作者の心情がダイレクトに出ている作品でした。
解説すると長くなるのでやりませんが、
いかにも燻っている作家さんが描きそうな漫画で切なくなりました。
そんな漫画なのにも関わらず、完成度は高いんですよねぇ。


『快楽殺人彼女と不死身の僕』 (2014.5.5)

テーマは「中二病愛」らしいですw

「ダメな僕。それでも『そんなアナタが好き』と言ってくれる女の子はいないかな」と<承認>を求める男の子。そんな具合に自分のことしか考えていない男の子に愛想を尽かし、心の奥底を打ち明けても<理解>してくれる男性を求める女の子。これでは、噛み合うはずもありません。
『日本の難点』 p40 宮台真司 幻冬舎新書

このブログで何度も引用している文章ですが、
<承認>と<理解>を噛み合わせる鎹 (かすがい) に他人には理解されない感情を用いる。
そして、その後のブッ飛んだ行動が「中二病愛」って事なんでしょう。
いやもう、最後のページ見た瞬間、腹抱えて笑いましたよw
ホント公共交通機関の中で読まなくて良かった...


これはあくまで私の妄想ですが、
他人には中々理解されない、マニアックな自分が好きなものを、
たとえ評価する人が少なくても貫いていこうという意思を感じました。
それを作品としてはコメディに消化出来てる辺りが素晴らしい。
この作品を他人に「素晴らしい作品」だと勧めるのは難しいですが、
自分のツボには嵌りまくった作品だとは自信を持って言えますね。
そんなもん言ってどうするんだという話ではありますがw


次に、
ゲッサンで『ふだつきのキョーコちゃん』『からかい上手の高木さん』を連載中の山本崇一朗先生
コミックアライブで『Re:ゼロから始める異世界生活』のコミカライズをしているマツセダイチ先生
のコラボ色紙。

twitterで色紙欲しい欲しいとつぶやいてたんですが、
本当に頂けましたw ありがとうございます!
その上、コラボでと頼んでないのにも関わらずコラボって頂いて...
以前ごとう隼平先生と高田康太郎先生のコラボサインを描いて貰ったように、
こういうコラボって大好きなんですよね。
マツセ先生はちょくちょくウチのブログ読んでるみたいですし、
山本先生は連載始める前からやりとりしてたので、感激もひとしお。
私はやはり自分の事を知っている作家さんのサインが嬉しいんだなぁと改めて。


で、スタジオ麺の同人誌。タイトルも『STUDIO MEN』なのかしら?

山本先生の漫画は、いかにも山本先生らしいほっこりする作品でありつつ、
ちくしょう新婚ホヤホヤだなぁと嫉妬したくなるような作品でもありましたw
マツセ先生の漫画は、作者の心情がダイレクトに出ている作品でした。
解説すると長くなるのでやりませんが、
いかにも燻っている作家さんが描きそうな漫画で切なくなりました。
そんな漫画なのにも関わらず、完成度は高いんですよねぇ。


...コピペで済まそうとしている訳ではないですよw
仕事を頂けることは有り難いことですし、
ゲッサンは風通し良さそうに見えるので、良い作品さえ描ければ連載通りそうですし。
という思いも込めてマツセ先生には「時間掛かってもいいんで、良い漫画を描いてくれれば」
という事を伝えたんですが、後で同人誌読んだら正にそういう内容だったんでビックリしましたw


サンデーSで『バディ!!!』が連載終了した西園フミコ先生のブースにも行きました。
一応名乗ったんですけど、反応薄かったんでこちらの事は知らなかったのかも。
『じつろく! 脱サラでまんが家』

そういやサイン貰い損ねた...
内容的には表紙そのまんまの作品で、
西園先生がどういう考えのもとに行動したかがきちんと表現されていて、
作者がどういう思考をするのかに関心がある私にとっては、非常に参考になる作品でした。
どっちの道を選ぶべきだったかは誰も分からないでしょうけど、
少なくとも連載を円満終了できた訳で、選択が間違った訳ではないとは思います。


最後に、サンデーSで『LASBOSS×HERO』を連載していた葛城一先生と
(世間的にはアニメ化された『犬神さんと猫山さん』の くずしろ先生って事になると思いますがw)
同じくサンデーSで『青いね芝くん!』を連載していた木村光博先生の
サークルNOANIZMへ。


結局単行本を用意出来ず、ブースを見ると同人誌も完売だったので
引き返そうかと思ったんですが、せめてご挨拶だけでもしておこうかと、
くずしろ先生のサインを求める列に並んだ後に名乗ったところ、
「GRGRさんですか!」と、イキナリにこやかな表情になり
「どうせGRGRさんぐらいしか欲しがらないだろうから」と、
葛城先生らしいネガティブな発言と共にサンデーの封筒を取り出し、

『LASBOSS×HERO』1話目のゲラを頂きました。
ニコ生の反応などでこっちの名前知ってるんだろうなぁとは思ってたんですが、
わざわざプレゼント用意して頂いた事に驚きました。
「少年誌の方も諦めてないんで、頑張ります」の発言も嬉しかったなぁ。
個人的には葛城先生の体調が一番心配なので、その辺りはほどほどでお願いしたい所ですがw


ちなみに、犬猫のイラスト描いてるのを見ても
この人が葛城先生だという自信は持てなかったのですが、
ネガティブな発言を聞いた時に間違いなく葛城先生だと確信しましたw


その時には木村先生は持ち込みに行ってて席を外してたとのことで、
後でブースに行くと男の人が座っていて、木村先生にも挨拶しなきゃと色々話したところ
「私は木村先生ではありませんよ」と言われて恥かきましたw
さらに後に行くと別の男の人...某VFのジェフリー張りに屈強な漢の人が座っていて、
「ああ、イメージまんまだわw」と思いつつも話掛けたら、今度こそ木村先生でした。
葛城先生にも木村先生にも「ブログ見てました」と言われて、
このセリフは私の漫画家さんに言われたくないセリフNO.2だったんですが、
お二方にどれだけ励みになったかを語られて...もうある意味諦めがつきましたw
ブログを読んでいる漫画家さんの為に書こうとは思いませんけど、
こんな文章でも力になるのなら、どうぞご自由に使って下さいという気持ちになりました。
まぁたまたまこの二人の作品は個人的に大絶賛だったってのはあるでしょうけども...
批判的な事を書かれても喜ぶのって、マツセ先生くらいじゃないかなぁw


150503
最後に、メインの用事だった5/3について。


もういのししさん、bさん、謳馬さんの4人で、
週刊少年サンデーなのは洋菓子店のいい仕事
裏サンデー及びMangaONEで『ねじの人々』を連載中、
そして『神のみぞ知るセカイ』作者
若木民喜先生のインタビューを録って来ました!









...マジですよ?
いやまぁ未だに自分でも信じられんのですが。
インタビューに漕ぎ着けるまでかれこれ10ヶ月近く経ってますし。
でも私の手元には2時間以上インタビューした音声データが確かに存在しています。


折角なんで経緯を書きます。興味ある人はあまりいないでしょうけど。


そもそもの発端は、

HoneyDipped::6/17:単行本発売&ペーパープレゼントのお知らせ。

それはみんなから手書きのメッセージが欲しいからですよ!つながりたいワシ!
でも別にメッセージなくてもいいです。あったら是非ください。

この企画に応募する時にこういうメッセージがあったので、
必着期限を逆算したら後2時間くらいしか余裕がないという極限状態の
140627PM5:00の段階で何を書こうかと考えていた時に、
『神セカ』という作品への感謝の言葉と共に、
「こちらからインタビューの依頼とかあれば受けてくれますか?」
という事を書いちゃったんですね。ノートの切れ端に。
何というか...勢いでw


今でもよくこんな事書いたなぁと昔の自分にある意味感心するのですが、

以前『ハヤテのごとく!のお茶会』という、畑健二郎先生のインタビューが掲載された
同人誌があって、この出来が素晴らしかったので、
『神セカ』でもこういう同人誌が読みたいなぁというおぼろげな願望が筆を滑らせたというか。


で、ペーパーが届いたのが141218で、ペーパーに書かれていた日付が141213。
そこにはこんなメッセージが。

...マジですか?


早速もうさんと連絡を取ったものの、年末はスケジュール的に厳しいという事で諦め、
翌月にもうさんと協議した結果、3/14か学校の春休み期間中、GWなら出来そうだとなり、
若木先生へメールをしたのが150118。
参加メンバーはbさんを兼カメラマンとして呼ぶことはすんなり決まったものの、
最初は私が「男独りだと辛いからもう一人欲しい」という要望で二名ほど声を掛けるも、
仕事の都合で断られた後、謳馬さんを呼びたいという要望があったので受け入れてから
若木先生は男なんだから、こっちの男は俺独りでいいや」と訳の分からない思いに至り、
その後、紆余曲折を経て150503のPM3:00〜PM5:30以外では不可能という
ギリギリの状況で何とかメンバー、日程が決まったのが150419でした。
インタビューする場所も祝日のその時間に個室アリで、かつ指定された近辺となると
カラオケboxを除けば予約できる場所は1箇所のみというギリギリっぷり。


いやぁ、幹事って大変だなぁw


本当に「ここしかない!」というタイミングで奇跡的に録れたインタビューは
いずれこのブログ...ではなく、
夏のコミケに出す同人誌に掲載される予定っぽいです。
まぁ同人誌作るのは私じゃないので私が確約する立場にはありませんがね!
(責任逃れ)
いやまぁ文字起こしは私がするんですが。

ゲッサンmini マイナス3 (ゲッサン201504 別冊付録)

ゲッサンmini マイナス3 (ゲッサン201504 別冊付録) p1

得津宏太先生の表紙でした。
内容的にはホラーでも何でもないのに関わらず、マイナスな表紙に合わせた感はありますが、
キャラの見栄えがまだまだな所が表紙としては微妙だったかなぁと。
まぁ今回のラインナップから考えれば、得津先生が表紙なのは妥当だと思いますけど。
と言うか、今回面白かった作品2つ選べと言われても、もう一つがね...


ロマンチストブルー 得津宏太
★★★★★
とまぁキャラの見栄えに課題を残す得津先生ですが、
前作『スウィートスウィートミルキィ』が巻末だった事を考慮すれば、かなりの抜擢。
前作が「母親のもとに彼女を連れて行く」だけの話だったのと同様、
今作も「彼女と近所をドライブする」だけの話。
なのにちゃんと面白いんですよねぇ。


前作は主人公の祖母とヒロインの祖父のキャラ、コメディのテンポがその原因でしたが、
『ロマンチストブルー』 ゲッサンmini マイナス3 (ゲッサン201504 別冊付録) p28 得津宏太

今作はファンタジーな世界観に加え、
『ロマンチストブルー』 ゲッサンmini マイナス3 (ゲッサン201504 別冊付録) p36 得津宏太

いくつかの謎... 車の性能や、亡くなった父親のキャラクターなどが面白さの原因でしょう。


個人的に好きなのはこのシーン。
『ロマンチストブルー』 ゲッサンmini マイナス3 (ゲッサン201504 別冊付録) p12-13 得津宏太

常識的に考えれば、右ページのように車が川へと突っ込んだら即レスキューに出動要請するでしょう。
ですが母親は呑気に「やっぱり乗らなくて良かった...」などど言う。
その理由は、左ページのように水中を移動できる車だから。これがこの世界での常識であると。


何が言いたいのかというと、設定が意外性に結びつき、ひいては面白さに繋がっているんですよね。
ジブリに詳しくない私にとってはジブリらしい演出にも見えます。
個人的には★5.5くらい。
あともう1作品くらいは読切を読んでみたいです。


ゲッサンは創刊当初「アンチバトルファンジー」を謳っていたこともあり、
現状ファンタジーと呼べる連載作品は和風ファンタジーの『あやしや』一作のみ。
連載完了作品でも『楽神王』『リンドバーグ』くらいじゃないでしょうか。
『アダンタイ』や『切り裂きウォルター』がファンタジーかと言われると若干疑問ですし。


miniマイナスは「手に汗握る」系らしいので、それとは若干異なりますが、
現状を鑑みればファンタジーゲッサンらしくないと言えるので、
そういう作品が本誌にもう少し出てきてもいいんじゃないかと個人的には思うのですけども。
ファンタジーだけど、どこかゲッサンらしい。『あやしや』もそんな作品なのですから。
得津先生がバトルやるのは正直言って賛成しませんけどねw


夢子の約束 打江広祐
★★★★☆
『夢子の約束』 ゲッサンmini マイナス3 (ゲッサン201504 別冊付録) p44 打江広祐

この作品だけで判断すれば「素晴らしい」となるのかも知れませんが...
前回と似たようなパターンなので新鮮味が薄れて。
こういうタイプの意外性は難しいですなぁ。


ゲッサンmini マイナス3 (ゲッサン201504 別冊付録) p62


君に○○の花束を 栗田あぐり
★★★☆☆

栗田あぐり
twitter
第85回 週刊少年マガジン新人漫画賞 『ライアーゾーン』 佳作 ※青柳花奈名義
マガジンSPECIAL 2011年4月号 『ライアーゾーン』 掲載
月刊少年ライバル 『エースの系譜』 2011〜2012年 原作:岩崎夏海 全3巻

去年6月に休刊した少年ライバルで連載経験のある作家さん。
元ライバルの作家さんだと兎中信志先生も今月のサンデーSに読切が掲載されてますが、
正直うーん...


『君に○○の花束を』 ゲッサンmini マイナス3 (ゲッサン201504 別冊付録) p66 栗田あぐり

受賞後に原作付きとは言え、即連載を取れたのも納得の絵の見栄えはあります。
『君に○○の花束を』 ゲッサンmini マイナス3 (ゲッサン201504 別冊付録) p98 栗田あぐり

馬鹿な奴ほど暗示が解けにくいという設定から、
実は自分が馬鹿な奴で自分に暗示を掛けていた、という意外性は良いと思うのですが、
という事は実は死んでいたにも関わらず暗示の力だけで生きながらえてきたって事...?
最後に笑顔で締めているのも意味不明。
これって単純に俺の読解力が足らないだけなのかなぁ?
「話がよく分からん」という結論に。


二月の肖像 工藤舞
★★★☆☆

工藤舞
第38回 GET THE SUN 新人賞 『黒鷲』 佳作 (大分県・23歳)
第45回 GET THE SUN 新人賞 『18』 佳作 (大分県・24歳)
第75回 新人コミック大賞 『美晴君と雨宮さん』 佳作 (東京都・26歳)
現・片山ユキヲ アシスタント

絵の見栄えは連載できるレベルにあると思います。
『二月の肖像』 ゲッサンmini マイナス3 (ゲッサン201504 別冊付録) p118 工藤舞

初めヒロインを不思議ちゃんだと思わせておいて、
読んでるうちにああなるほどと思わせる意外性はあるのですが、
この意外性が何故か面白さに繋がってないという。
謎が解けて納得して終わりになってるんですよね。何故そうなるのか分かりませんが。
切ない雰囲気は良かったと思います。


アカヒメ奇談 藤本優
★★★☆☆
相変わらず絵の見栄えは良いんですけども。
『アカヒメ奇談』 ゲッサンmini マイナス3 (ゲッサン201504 別冊付録) p142 藤本優

40ページも費やしておいて、ヒロインだと思ってたら実は違っていた、
だけで面白いとなるかと言われるとねぇ。
絵に魅力がありますから、大コマが多くなるのは良いことなのですが、
それに耐えうるようなシンプルでも濃いシナリオが必要になってくると思います。
せめて伏線が1、2本欲しいですね。


オセロ 泉尾アキ
★★★☆☆
若干甘め。
『オセロ』 ゲッサンmini マイナス3 (ゲッサン201504 別冊付録) p176 泉尾アキ

こちらも『君に○○の花束を』同様、よく分からない系。
結局のところ、オチを曖昧にするという点でセオリーから外れてるので、
よく分からないとなるのかなぁ...?
何かしらの目的があってセオリーを外してるのなら評価するのですが、
単純にセオリーを無視しているだけのような気がしてなりません。


聖船のラー 繭住翔太
★★☆☆☆

第62回 GET THE SUN 新人賞 『無脊椎妖精』 最終選考 (東京都・21歳)
第66回 GET THE SUN 新人賞 『聖船のラー』 佳作 (東京都・21歳)

古代エジプトで通してる事に関しては面白いと思うのですけども。
『聖船のラー』 ゲッサンmini マイナス3 (ゲッサン201504 別冊付録) p180 繭住翔太

ギャグは好みが激しく出るとは言え、個人的にはクスリとも来ず。
受賞作は4コマ漫画ではなかったようですが、
4コマを続けていればそのうち何か掴めるのかもしれません。
表情をほぼ変えられない事を面白さに繋げる事は出来そうだとは思います。

ゲッサン201504

ゲッサン 2015年 04 月号 [雑誌]

ゲッサン 2015年 04 月号 [雑誌]

次号の5月号では島崎結太、田岡りき先生の新連載。
ゲッサン2015年4月号 p12

3/1に開催されたゲームマーケット大阪で、
ゲッサン編集者のT波さんとお会いした際に「誰を担当されてるんですか?」と聞いたら
「来月から新連載される田岡先生とか…」という最新情報を得ていたにも関わらず、
公式発表以前に情報出すのを忘れていたという...
ちなみにT波さんが担当されている新人作家さんは
花城黒和、得津宏太、藤本優先生だそうです。(他にいるかも知れません)
田岡先生は受賞してからかなり間があるのにも関わらず、左側に配置されてるって事は、
編集部的に『吾輩の部屋である』の方が評価低いのかも。


『だって小山くんが艶い。』は第64回ゲッサン新人賞準入選、
ゲッサン2014年12月号に掲載された同名作品の連載化。

欲を言えばもう少し絵の見栄えも欲しいですが、現時点で十分許容範囲内ですし、
ネタさえ続けば16p以下で連載も即可能じゃないでしょうか?
いかにアレな仕草が出てくるか?をオチにした方が、話は作りやすそうに見えます。
ちょっと『坂本ですが?』に似てしまうかもしれませんが。
ゲッサン201412

その時にはこう批評しましたが、まさか本当に連載化されるとは...w
結構ポジティブに書いている割に個人的には★4だったんですけどね。
担当はB川L子さんだったりするんでしょうか。
キャラの魅力を前面に出す作品なので、そこがウケれば。


ゲッサン2015年4月号 p13

そして6月号からはアントンシク先生の連載がスタート。
ゲッサン2014年8月号に掲載された『幕末ウエスタン DJINGO』のリメイクでしょうか?
その前の読切『え・び・す・こ』が掲載された時に
ゲッサン2014年2月号 付録はがき

こういうアンケートがあったのですが、
その際に2と3の項目が拮抗していたので、いっそ混ぜちゃえって流れなのかも。
画力に関してはゲッサンでも1・2を争う素晴らしさですし、
リンドバーグ』後半は内容的にも素晴らしかったので、後はキャラの魅力でしょうね。


さらに7月号からは密かに推してる笹乃さい先生の短期連載。
味噌汁グルメ漫画というテーマはニッチで興味深いのですが、
最近のサンデーだと『おいしい神しゃま』という正直微妙な作品があるので、
あの二の舞いにはなって欲しくないなとw
『カプセル・ツアー』の時のようなワクワク感が出せればワンチャンあるのでは。


アイドルマスター ミリオンライブ!
いつものように、客観的に見れば◎。
アイドルマスター ミリオンライブ!ゲッサン2015年4月号 p24 原作:バンダイナムコゲームス 漫画:門司雪

今回は何と言ってもこのシーンでしょう。
個人的には『神セカ』のこのシーンを思い出しました。
神のみぞ知るセカイ』 2巻 p142 若木民喜

中々本音を語らないキャラに対して、怒らせて本心を引き出す演出は
ある意味セオリー。
神のみぞ知るセカイ』 2巻 p142 若木民喜

『神セカ』は桂馬がある意味神なので、この後いくつかの会話と状況の変化だけで
栞の気持ちを読み取るシナリオへと向かっていきます。
この作品はアイドルだけで30人以上いるので、それらのキャラがどう反応するかで
静香のホンネを探っていく感じになっています。
何回か書いていますが、『シナリオの基礎技術』で言うところの「リトマス法」ですね。

シナリオの基礎技術

シナリオの基礎技術

対応の違いによって、キャラの違いが表現できますし。

担当 門司さんはストーリーと絵については申し分なかったんだけど、キャラクター作りに課題があって。それで僕、ちょうどアイドルマスターが好きだったので、門司さんにいつも「キャラとは」っていう話をしながら例えによく出してましたね。それが伏線というか、フラグみたいになってた(笑)。
コミックナタリー 『アイドルマスター ミリオンライブ!』 門司雪&担当編集インタビュー

編集のT長さんがインタビューでこう答えてました。
キャラクター作りに課題のある作家さんが、多様なキャラが用意されているコミカライズをすることで、
キャラクター作りというボトルネックを解消しつつキャラの動かし方を学べる。


デジタルに考えると、キャラの多様性とはすなわち記号(性格含む)の多様性です。
今回静香が「あのステージ! 本当は私だって立ちたかったのに!」と怒った訳ですが、
その話について他のキャラがどう感じたのか。
言わば新しい試料にリトマスだったりヨウ素液だったりといった試薬にどう反応するかという
面白みがある訳です。
その時、このキャラならどういう反応するだろうという選択肢(要するにキャラの数)が用意されている。
そこからどのキャラを選び出し、どう反応させるのかを考える。
アイドルマスター ミリオンライブ!ゲッサン2015年4月号 p30-31 原作:バンダイナムコゲームス 漫画:門司雪


キャラを記号のまま描いちゃう、もしくは描ける作家さんもいなくはないですが、
普通はキャラの感情に共感できる... 赤松健先生の言葉を借りれば
「キャラに血が通う」ことなしにキャラは中々動かせないものでしょう。
その辺り、未来に対する門司先生のコメントが
「最初は性格がなかなか理解できなくて」とあるように、苦労しているようです。
この苦労、そして試行錯誤が成長の糧になっている感アリアリです。


こういう風にキャラを動かすことで、
今度はキャラクター作りへとフィードバックも出来るようになるでしょう。
この後にT長さんは「門司さんの才能に絶対向いてて絶対将来的にもプラスになる」と述べてますが、
正にそういう効果が出ているのではないでしょうか?
...まぁインタビューは若干T長さんが先走っている印象も無くはないですがねw


◎ LES MISERABLES
状況的にはマリウスのジレンマやヴァルジャンの男気がむせる回ではありますが、
『LES MISERABLES』 ゲッサン2015年4月号 p55 原作:ヴィクトル・ユーゴー 漫画:新井隆広

個人的にはエポニーヌのシーンが心揺り動かされます。

それとなく 紅き花みな 友にゆづり そむきて泣きて 忘れ草つむ
『明星』 第八号 山川登美子

こういう乙女心は洋の東西を問わずですなぁ。


ハレルヤオーバードライブ
次号、最終回!! と言われても何ら不思議のない回でした。
もうちょっとだけ続くんじゃ。
ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2015年4月号 p144 高田康太郎

高田先生も似たような心境じゃないでしょうか。
作家と主人公の気持ちがきちんとシンクロしてるってのは、良い作品には欠かせないなぁと。
まぁ作者が疲れたり苦しんだりするのが主人公とシンクロしてしまい、
「もう止めようか」となっちゃう作品もありはしますがね...


◎ VANILLA FICTION
いやー素晴らしい。
『VANILLA FICTION』 ゲッサン2015年4月号 p202 大須賀めぐみ

相変わらずメタ的。
だからこそ説得力を出せるのですけども、描写として素晴らしいのはまた別で。


この後、信頼関係の強弱の違いが原因で意見が分かれる事になるのですが、
状況が変われば会話をする余地が残っている辺りが素晴らしいなと。
エリと佐藤が安全で、鞠山に不利な状況になることがまず考えられますし、
新たな情報がひとつ出ることによってガラリと状況が変わるかもしれません。
後々への展開の布石がきちんと打たれているという事なので、
どう展開していくか想像するだけでも楽しいですし、
布石に気付かなかった人にとっても、状況が変わった時には意外性に結びつくでしょう。
こういう、周到な用意がされているミステリーってのは読んでて気持ちいいです。


ふだつきのキョーコちゃん
細かい要素を見ていけば今回素晴らしいと言える回だったとは思います。
個人的にこの漫画に対してはコメディを求めているので、
コメディ要素が薄いと個人的な評価は若干落ちます。
ただ『高木さん』とは逆に、『キョーコ』は一つの要素で偏って欲しくないので、
コメディ薄めの回があること自体はむしろいいんじゃないでしょうか?


ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年4月号 p216 山本崇一朗

このシーンはいいですねぇ。
キョーコが言うように、スカートもヒカリに似合っているとは思うのですが、
表情と姿勢だけで着慣れてなさ、ぎこちなさを表現。
可愛らしさを出しつつギャップもあって、こういう漫画に欠かせない要素だと思います。


最後、リボン外れた際にキョーコの本音が出る訳ですが、
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年4月号 p237 山本崇一朗

「今なら何やっても勝てそーだけどね。」のセリフと、このシーン以外は
それを匂わせるようなセリフは無く。
しかしちゃんと読みなおしてみると、ヒカリがケンジとリン姉を目撃した後の
ヒカリの笑顔が若干固いこと、キョーコがヒカリの表情を注視してたと分かるんですよね。
ちゃんと読解力ある人なら初見で気づくのかもしれません。
こういう細かな気配りがこの漫画の面白さを後押し出来ているのではないでしょうか。


ちうか、ヒカリの血は吸わないのねw


迷宮入り探偵
2月号同様、ひたすら肩透かしな内容でしたが、今回はかなりマシ。
何が原因かはよく分かりません。
中学生時代の探偵が出てきたのに、もうちょっと可愛らしさを表現できたのでは?
という気はします。
しかしまーこの漫画も単行本化ですか...
売れる気はしないけどなぁ(苦笑)


◎ ひとりぼっちの地球侵略
まずは重箱の隅。
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2015年4月号 p269 小川麻衣子

サイドミラーより前にドアハンドルがある車ってあるのかなぁ?
283pや3巻12pと比較すると、明らかにオカシイんですけども。


今回の見所は何と言っても凪と謎の少女とのやりとり。
凪の目的は、岬一と希との仲を裂くこと。
謎の少女の目的は、希を懲らしめること...なのかは分かりませんが、
少なくとも希と敵対している点では岬一も謎の少女も一致しています。
しかし岬一を大切にしているか、どうでもいいと思っている点は違う。
その辺りの立場の違いに加え、
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2015年4月号 p295 小川麻衣子

凪と謎の少女との関係性を上手く引き出していると思います。


アオイホノオ
アオイホノオゲッサン2015年4月号 p317 島本和彦

他の二人の反応はともかく、
一緒に持ち込みへ行ったきっちゃんもその反応ってのはどういう事だw


○ 嘘つきは殿様のはじまり
何やかんやで熱血だとちゃんと面白くなるなぁと思うのですが、
小太郎が影武者として動くなら、最初からそうした方が良くね?とか思っちゃいますねw
まぁ、女性である事を隠すからこそ色々トラブルが巻き起こったりするのでしょうけど、
今までのストーリーでそういったシーンがあったかと考えると...?
正直、熱血をストレートに出し易い設定ではないように思いますし、
ストレートに出せない所に何か面白さを加味出来てるかと考えると微妙なところ。
キャラ人気するタイプの作家さんでもないので、ちょっと厳しいかもしれません。


第13保健室
露骨なお色気回。
まぁ一番求められているのはソコですからいいんですけども。


このテの学園モノでいつも不思議に思うのは、現実の変化に対応してないこと。
少なくともこのくらいの規模の学校ならスクールカウンセラーはいるはずですが、
出てくる気配さえありませんしねぇ。
ALT(外国人の授業助手)が出てくる漫画も見たことがありません。
昭和生まれのオッサンには共感出来ないからあえて描かないのか、
単純に実情を知らないのかどっちなんだろ。
ちなみに養護教諭スクールカウンセラーは資格・職務・雇用形態など全く別物です。


放課後さいころ倶楽部



中道裕大 今月のさいころ倶楽部はけっこう挑戦的な回だったので、評価してくれる人がいてくれるのが本当に嬉しい(^ω^)ボードゲームが登場しなくてがっかりした人も多いかもしれませんが… link


GRGR @shimaneko555 個人的には今までで10番以内には入りますね。否定的な内容が伴うから発売されているゲームではやりにくい、とかあったんですか? link


中道裕大 @GRGR_ ありがとうございます!てか、既存のゲームでは無理です、もちろん! link
こういう回でしたが、こういう事情があるという事で。 この漫画で最も需要が高いのはキャラで、だからこそ一番大切な要素もキャラでしょう。 ボードゲーマーが一番楽しみにしているのは「どのゲームが出てくるか」なんでしょう。 私はこの漫画においてはキャラが大切と何度も何度も書いてますが、 個人的に一番楽しみにしているのはテーマです。 放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年4月号 p460-461 中道裕大 ランドルフのソースを確認した訳ではないので確たることは言えませんが、 単純に進化論を念頭に置いた発言なのかもしれません。 ただ、個人的には『神セカ』のこのシーンを思い出しました。またかよ。 神のみぞ知るセカイ』 12巻 p122 若木民喜 完全でないから、進化する余地がある。

 自由科学の基礎をなす「懐疑主義」は全く別のものである。(これを、結論を一切出すべきではないといった類のものと区別して、哲学者はしばしば「ファリビリズム」[無謬否定主義、過ちを免れえないとする立場]と呼ぶ。)この種の懐疑主義者は、心底から言う。我々は結論を出さなければならないが、その結論をどれ一つとして、これ以上克明に調べることや変えることはまかりならぬとしてはならない。「どんどん自分の好きな結論を出しなさい。だがあなたの結論のどれであろうが、すべて訂正される必要がありうることをよく覚えておきなさい。」この態度であれば、何も知識を断念する必要はない。求められるのは、ただ確かさを捨てよということだけであって、この二つは同じではない。別の言葉で言えば、あなたの知識は常に仮のものであって訂正されうるものだということである。こうした懐疑主義の根底には一つの単純な命題がある。それは、我々はひとり残らず、何時でも間違いうるという考えを、我々すべてが真剣に受け止めるべきだということである。
表現の自由を脅すもの』 p74 Jonathan Rauch著 飯島良明訳 角川選書


※引用注 強調部分は原文では傍線
     ファリビリズム(fallibilism)は可謬主義と訳される方が一般的。

今回もまた、ものづくりに共通する話だったんじゃないでしょうか。
まぁものづくりに限った話でもないですけど。

ただ、今回の流れからすると、ライバルというよりはタッグを組む相手という事になりそうですけども。
二人の間でどう役割分担されるのか、少し気になる所です。
ゲッサン201503

そして、先月号でこう書きましたが、
クリエイティブな仕事はミドリが担当し、ゲームバランスの調整などをエミーが担当する、
といった役割にするのかもしれません。


ついでなんで、

単行本読んでないので確認できてませんが、恐らく日本初ボードゲーム漫画
『アクア・ステップ・アップ』のシュナイダーさんをモチーフにしたのではないかと。
ゲッサン201503

同じく先月号にこう書きましたが、中道先生に直接伺ったところ、

メインキャラをもう一人増やす予定は最初からあった。
増やすなら転校生か新入生のどちらかだろうと考えていた。
どうも1年経つのに大分時間が掛かりそうなので、転校生にしようと。
転校生出すならドイツ人だよね、という事でエミーというキャラが出来た。

といった経緯だったそうです。メモや録音した訳ではないので若干うろ覚えですが。


○ ぼくらのカプトン
『ぼくらのカプトン』 ゲッサン2015年4月号 p476 あずまよしお

1.3本目はまーまー。2本目はちょっと笑いました。
油がさっぱり分からんw 単行本では明かされるのでしょうけど。


○ 四弦のエレジー
ライバル出現、ライバルとの因縁と、それこそ「お手本」のような展開でした。
だからこそ物足りなさも。


○ 忍者シノブさんの純情
先月、先々月と同じ感想。
コスプレ出したり表情豊かにしようとしてみたり、若干違いはありますけども。
やっぱ読切の時のような「シナリオが超面白い」って感じとは別で。


○ 月曜日は2限から
新キャラ2人登場。
あえてちこと咲野と被せて来たんでしょうけど、
これから先、どう微妙に違いを出せるかって所でしょうか。


◎ アサギロ
誰かと思ったらこいつかー。


◎ ちろり
『ちろり』 ゲッサン2015年4月号 p647 小山愛子

こういう時代性のあるエピソードもまた良し。
根底に共感があるのもいいです。


終末風紀委員会
4巻終了コース、話を纏めにかかっているので仕方ないと言えば仕方ないのですが、
お話を進めるだけでは中々面白いって感じにはならんですなぁ。


犬と散歩 (読切) 田岡りき
★★★★☆
絵柄からし『確かめにいこう』より後の作品でしょう。
8p漫画で、かつ地味なので★5は付けにくいですが、
可愛らしさがありつつも最後にちょっとした意外性と、面白い作品ではありました。


○ あやしや
日常シーンで和やかな感じは出てましたけど、個人的には何か物足りなさも。


○ ツール・ド・本屋さん
アレに関してはノーコメント。


今回、締りのない終わり方でしたが、
『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2015年4月号 p724 横山裕二

正直今回の枷が微妙だったことが原因だったんじゃないかなぁと。
合間にイベントで無理矢理中身を膨らましてましたが。
1582km走破した大変さも全く伝わりませんでしたし。


単純に企画をやる人にとっての面白さなら、
例えば初期にやっていたような「POP1つにつき500円」といったルールは、
横山先生によってジレンマになりうるものですが、
それを漫画にした時に面白くなるかと言われるとまた別で。
旅先での出会いやB級グルメは楽しめる要素ですけど、
メインに据えたいコメディカルな要素とは違いますし。
唯一コメディになるのはトラブルですが、毎回毎回ある訳でもないですしねぇ...


京都では鍵無くして、鍵なしの状態で出町柳駅前の駐輪場に停めるという
かなりギャンブルな事やってましたが、さすがにあの話はカットですかー。
原稿だけは中道先生の家に持って行ったみたいですけど。

サンデーS201504

付録に『るーみっく新聞』なるモノが付いてたんですが、まぁ微妙で...
『るーみっく新聞』 (サンデーS 2015年4月号付録) p1

内容は

りんね、桜、他3キャラの設定画
りんね、桜、魂子役声優3人の座談会
境界のRINNE』で使われたグッズの紹介
高橋留美子作品のヒロイン一覧
るーみっくグッズプレゼント

で、正直誰得?と思っちゃいますw
まぁ印刷証明付き発行部数で1万7千部弱の雑誌なのにも関わらず、
グッズプレゼントが124名、うちTシャツが50名ってのは結構大盤振る舞いだとは思います。
その他、声優さんのサイン入り色紙も3名に当たりますが、
3人の連名なのは却って価値を下げているような気も...
これらが欲しい人なら、当選確率は高いでしょうから狙ってみる価値はあるかと。


サンデーS 2015年4月号 p930

来月号にはゲッサンminiのような小冊子が付くようです。
対象はサンデー持ち込み大会で受賞した3作品。
既に1位となった『SOS』はサンデー本誌に掲載されたのですが、
個人的にはまんカレ佳作レベルだと思ったので、他の作品もさほど期待はしていません。
ただ、別冊小冊子だと作品をキープし易いのは非常に有り難いです。


サンデーS 2015年4月号 p922

来月新連載はありませんが、読切が1本。

兎中信志
月刊少年ライバル 『弟キャッチャー俺ピッチャーで!』 完結 (全20巻)

月刊少年ライバルを創刊号から最終号まで支えた2作品のうちの一つ、
(もう一つは『ほんとにあった!霊媒先生』)
『弟キャッチャー俺ピッチャーで!』の作家さん。
ぶっちゃけよく知りませんが、「超実力派作家」の煽りはちょい盛り程度と言えるでしょう。


ダブルのD
ゲッサンからサンデーへと流れてきたという、珍しい経歴の作家さん。
(少なくとも月マガにも受賞歴があるので、他にもあるかもしれません)
クラサンに野中コウ先生の読切『エネドロ』が合わせて公開されているので、
興味のあるかたはそちらもどうぞ。

絵に関しては全般的に余裕のなさ...描き慣れている構図が少なさそうなのは目につきますが、
『ダブルのD』 サンデーS 2015年4月号 p48 野中コウ

描き慣れていそうな構図では現時点でも見栄えするので、
ゆくゆくは絵で勝負できる作家さんになりそうです。
内容的にはクスリを使った広い意味でのいわゆるイヤボーンで、
現時点では割とありふれた作品だなーとしか言いようが無いです。


マギ シンドバッドの冒険
ホントこの作品はいい意味で手堅い。


サブテン
サブテン!』 サンデーS 2015年4月号 p48 原作:神先史土 作画:いわさわ正泰

実際にはフォアフットとハイヒールを履いた時の歩き方が同じって訳ではないでしょうけど、
漫画の特訓方法としてはアリじゃないでしょうか。
ハイヒールでサッカーボールを蹴ってるのには少し笑いました。


野良猫世界
『野良猫世界』 サンデーS 2015年4月号 p173 SP☆なかてま

先月になってようやくこの漫画が猫版ヤンキー漫画だと気づきましたが、
こういう演出はヤンキー漫画好きだけど単なる猫漫画だとスルーしている読者に対して
内容的にはこういう漫画だよとアピールするには悪くない演出だったと思います。
...まぁクラサンの方ではサムネ詐欺でもしない限り通用しませんがw


ちうかこいつら文字読めるのね。頭いいなw
まぁ焼き鳥店の名前分かるくらいだから文字読めて当然か。と、全く内容に触れない感想。


Øフレンド (読切) 今井美紀
★★★★★

twitter今井美紀
まんがカレッジ 2012年12・1月期 『バンディ』 佳作
サンデーS 2013年11月号 『りんたっくん』 掲載

前作『りんたっくん』に★5つ付けましたが、今回もいいなぁ。
★6.5くらい付けたいです。
『Øフレンド』 サンデーS 2015年4月号 p224 今井美紀

顔や頭の上に数字が見える...
てな設定はDBのスカウターをはじめ、割とあるのではないでしょうか。
話は逸れますが、個人的に似たような設定で一番笑ったのは、
ryouma先生の『絶頂カウンター』という漫画で、(18禁。『恋愛セレブレーション』収録)
数字が何を表すかはあえて書きませんが、
授業中に隣の女の子の数字が一つ増えて...といったものでしたw


嘘が見えるという設定も比較的あるものですが、
普段はその人がどのくらい嘘つきかが見えるだけで、
%が変化した時には、それが嘘かどうかが分かる (ただし殆ど無い)
ってのはちょっと捻っていて面白かったです。
何より、どう嘘を見破るかという話の展開をしておいて、
『Øフレンド』 サンデーS 2015年4月号 p254 今井美紀

一番の盛り上がりでは嘘でないことを見破る能力として扱う。
そして、これらの話を纏めるために「嘘を付かない友達が欲しい」という目的を主人公に与えておく。
前作『りんたっくん』もそうでしたが、話の構成はホント上手いです。
その上、絵の見栄えもする訳ですから、新人漫画家の読切なのにも関わらず、
雑誌全体からみて前1/4の位置に掲載されるのも納得の出来。
イキナリ本誌はハードル高いかもしれませんが、次は連載で是非。


今際の国のアリス
他に「彼女」から「答え」を聞いた人を探すべきだったんでは?
と思わなくもないですがねw
まぁ咄嗟に判断出来る状況でも無いってのはありますけども。


仏ロック
主人公の設定がミステリーになっているとは言え、能力バトルが完全に添え物状態。
バトルでの駆け引きが全く無いのが原因でしょう。
1話完結で収めようとした結果なのかもしれませんけど、それにしてもあんまり。


キャラクタイムズ
クスリとは来ませんでしたが、いい意味でくだらない感じが出てました。


MONSTER×MONSTER
やっと主人公が情けないけどそれなりに話が回っていく展開に。
個人的にはまだ面白いって感じはしないのですが、よくここまで軌道修正したなぁとは感心します。


◎ 自称監督
いやー、素晴らしい!
『自称監督』 サンデーS 2015年4月号 p399 険持ちよ

口だけの人間... もう少し贔屓目に見て、目だけが肥えている人間...
言い換えると、PDCAサイクルのCとDの能力に差が出ると、
いざ自分でやってみた時に、どうしてもハードルが上がりがちになります。

よく新人は「もっと勉強しないと」とか、「これから色々なマンガを描いてみたいです」と言う。これはもちろん良いことだけど、勉強は、諸刃の剣みたいなところもある。
頭や理論だけが先に超一流になってしまって、自分の描いているものへの不信感に繋がってしまう。
(中略)
ボクもこの闇から長い間抜けられなくって、「理論的には完璧だけど、全然面白くない、前から後ろに流れていくだけのお話」を何本も何本も描いた。自分でも面白くないなあ・・・と思っている。でも、一度身に付いた理論はもう捨てられない。しかも、発達しすぎた審美眼のおかげで、自分の考えることが全部面白くない気がする。ハガレンやワンピのレベルを常に求めてしまう。結果、自信がますますなくなってくる。という状態を、私、5、6年は体験しました。
::HoneyDipped:: 8/5:頭と身体のズレ

若木先生の場合、妥協することで作品を完成させることはできましたけども、
それと引き換えに自信を無くしていくことになっていきます。
逆に『自称監督』の主人公・山田海斗の場合、自信だけは有り余っているキャラなので、
『自称監督』 サンデーS 2015年4月号 p388 険持ちよ

発達した審美眼に実際の撮影を何としても合わせようとする。
時間・費用・人材といったリソースを無視しているのですから、完成しないのは当然の結末でしょう。
無視はしてないものの、現実のリソースと一番食い違っているのは主人公自身の才能かもしれませんw
個人的には完成しなければ駄作というより駄作以下だと思うのですが、
何にせよこの類の人間はやりがちな過ちを、きっちりコメディに落とし込んでる辺りはさすがだなと。


前半のシナリオ部分もベタに面白かったですし、
(ここで真に意外性のあるシナリオ出されても、学生が作ったシナリオという前提があるので)
『自称監督』 サンデーS 2015年4月号 p381 険持ちよ

こういうどっかで聞いたような話がポロっと出てくるあたり、
映画に詳しい人ならニヤニヤできる要素が他にもあるのかもしれません。


◎ ワルドル
『ワルドル』 サンデーS 2015年4月号 p424 山田一

主人公が見せるハッタリというよりは、
この漫画が読者に対してどうハッタリを効かせているかが素晴らしいなと。
ココさえ表現できてればヤンキー漫画っぽくなるんなら、
確かにアイドル漫画もやれなくもない...のかな?w まだ一抹の不安は残りますが。


THE UNLIMITED 兵部京介
うーん、珍しくイマイチ。
敵がワラワラと出てきたり、トラップが作動したりするのですが、
THE UNLIMITED 兵部京介』 サンデーS 2015年4月号 p450 原作:椎名高志 漫画:大柿ロクロウ

そこに意外性が足りないので、どうも緊迫感が薄いです。
THE UNLIMITED 兵部京介』 サンデーS 2015年4月号 p442 原作:椎名高志 漫画:大柿ロクロウ

8p前に、こういう伏線めいた事をきちんと描いてはいるのですが、
トラップが作動する直前に「よしECMは壊した。後はテレポートで脱出するだけだ!」
といった風にリードしていない為、トラップにしてやられた感が出てこないんじゃないかと。


意外性が足りてないという意味では同じですが、
THE UNLIMITED 兵部京介』 サンデーS 2015年4月号 p443 原作:椎名高志 漫画:大柿ロクロウ

あえて敵やトラップがどういう風に出てくるかを見せて、
どうリアクションをするかを期待させる、『ダイ・ハード2』で多用されているパターンもありますが、
この後に兵部の1p大ゴマってのはなぁちょっとどうなんだろうと。
敵が来ることに気づいているのと、
この漫画で一番大切な「兵部のちょっとイイトコ見てみたい」になっているのは分かるのですが。


ヒノミヤがマシンガンぶっ放しているシーンで、ビームを避ける気配が無かったりする辺りにも
やはり緊迫感が...
こういう事やれないというよりむしろ得意な作家さんだと思っているので、
何故こうなったのか正直戸惑ってます。


○ 最後は?ストレート!!
いい意味で予定通りの展開。


アパートメント・オブ・ガンダム
相変わらずクスリとも来ませんが、この漫画的にはまーまーの出来だったんじゃないでしょうか。


忍びねぇな茶々丸くん
『忍びねぇな茶々丸くん』 サンデーS 2015年4月号 p526 遊眠

一応新連載なのにも関わらず、先月の予告にも全く触れられてないという冷遇っぷり。
なおかつ、余った時だけ載るというゲッサンのかんば先生方式。
まぁ今回は比較的前のページに載せて貰ってますが...
内容的には私が全く刺さらないタイプのギャグ漫画だとしかコメントしようがないです。


KING GOLF
KING GOLF』サンデーS 2015年4月号 p547 漫画:佐々木健 技術指導&監修:谷将貴

審美眼とは若干違いますが、理論と定石はほぼ同義。
上で引用した文章とほぼ同じ内容だと言っていいでしょう。
私は無謬否定主義者なので、「てめェのゴルフを…疑うなっ!!」ってセリフはあまり感心しません。
むしろ疑い続けて最後に残るモノこそが自分のゴルフだと言って欲しかったです。


今回◎にしたのはこの辺りが原因という訳ではなく、
EXが出てきてから久しぶりに蒼甫の立場で話が進んでいたからです。


○ BIBLE OF BLACK
人質の利用価値を下げるくだりは面白かったです。


機動戦士ガンダム アグレッサー
喋ってる間に2秒経ってるだろうというツッコミは重箱の隅だからいいとして、
戦闘での駆け引きはそれなりに見応えはあったんじゃないでしょうか。


木倉さんと三人三脚
うーん、ラブコメって感じからだんだん離れていってるような...w
イマイチキャラの魅力を引き出すようにも思えませんし。
今のサンデーではスポーツ漫画をマトモに描ける数少ない作家さんの一人なので、
何とか頑張って欲しいんですが。
『木倉さんと三人三脚』サンデーS 2015年4月号 p656 奥英樹

こういう、ちょっとしたポーズも様になっている辺り凄くいいんですけどねぇ。


◎ 名無しは一体誰でしょう?
うん、全然分からなねぇw もちろんいい意味で。


◎ ぬいぐるみクラッシュ
ここ3回は個人的に微妙でしたが、久々に笑いました。
XPやVISTA、BLネタ、
『ぬいぐるみクラッシュ』サンデーS 2015年4月号 p721 熊之股鍵次

そしてパロディネタと、どれも刺さりました。
まー逆に言えば今回の話、全く刺さらない人もいそうですがね...


○ アトランティド
戦闘での駆け引きに加え、今まで常に足手まといだったサリーの仲間にもようやく活躍の場が。
ちょっとずつは良くなって来てますけど、まだ本誌連載を取るには程遠いなぁという印象も。


P.K. ジーニアス
どうもこう、面白いって感じにならんですなぁ...
兆の疑問に対する誤魔化し方はまぁまぁ良かったのです。
せめて枷の外し方を何通りか示したあと、どれを択ぶか、ないしは選ばないかといった
読者と駆け引きがあれば、少しは面白くなるかもしれませんけども。
まぁ一番のネックは連載当初から書いているようにキャラの魅力ですがね。


グノーシス・マーチ
新キャラが吸血鬼か否か、といった辺りで駆け引きはされている上に、
女性キャラの方に意外性があったりと、面白くさせる仕掛けはきちんとあります。
グノーシス・マーチ』サンデーS 2015年4月号 p820 星野倖一郎

こういったセリフには痺れますし、絵自体は割と派手なのですが...
割と女の子がワラワラと出てきた『ポップコーンアバター』でも地味だった作家さんなので、
シリアスなストーリーだと尚更という感じに。


とある飛空士の恋唄
このストーリーを漫画でどう面白く表現するかって考えると、限界という印象を受けてしまいます。
で、原作読む気にもならんですなぁ。
『追憶』や『AURA』は「原作ではどうなっているんだろう?」と気になったものですが。


○ バディ!!!
暫く暗めの話が続いたので、それをバネに達成感を出したい筈なんですが、
『バディ!!!』サンデーS 2015年4月号 p856 西園フミコ

そういった煽りとは対照的に暗雲立ち込める感じの扉と、どうもチグハグ。
さすがに告白のシーンは良かったですけども。
千明が男だろうが女だろうが穴に突っ(以下自粛


重箱の隅ですが、左手でドリブル、レイアップショットしてるにも関わらず、
バックボードに当たっている時には右手を上げているのはうーん...(862-863p)


覚の駒
連載当初から、この漫画には制約が多すぎると度々批判してましたが、
やはり覚が出ていないと、制約が少ない分話がスムーズになって多少マシに。

『時坂さん』は言わばメインメソッド (プログラムの中心部分) にエコポジットカードやエコねたという
若干問題のあるタスクを入れてたのが構造的な欠陥としてあった訳で。
実際エコポジットカードを外し、一本のエコねたで引っ張った3巻からは格段に面白くなりましたし。
次回作はなるべくメインメソッドはシンプルにしつつ、
エコポジットカード的なものはなるべくメソッドに配置して、
ネタとして使えそうな時だけ呼び出すような構造にすれば、
ボトルネックに悩まされる事も少なくなるのではと考えます。
ゲッサン201402

後は長所を伸ばすことなんでしょうけど、正直どうすりゃいいか分かりません。
絵は今風では無いとは言え、個性的な所が長所となってきているのですが。


ネッコロ
何が面白いのかサッパリ分からねぇ...

ゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録)

ゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録) p1

田岡りき先生の表紙でした。
個人的にはコントローラーの持ち方とコードがピンと張ってる所に違和感を覚えますが、
絵に課題があった作家さんだとは思えない程度には見栄えも改善されたのではないでしょうか。
どのくらい課題があったかは、掲載されてる作品読めば分かるという親切設計(?)


からかい上手の高木さん
相変わらず他愛のない話。
ベタネタの魅力はベタネタ好きな人を惹きつけられることと、共感し易いことですが、
反面意外性に欠けるという短所が。
からかい上手の高木さんゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録) p16 山本崇一朗

その意外性を、からかうこと... 西片くんを通じ読者と駆け引きをすることで補強できる。
ショッキングな出来事で意外性を出す訳でもないので、安心して読める。
からかう事自体が萌えシチュエーションにもなっている。


この構造がある限り、この漫画は盤石でしょうなぁ。


学校に怪談を 田岡りき
★★★☆☆

かなり寡作な作家さんですが、せめて次は32pで読んでみたいですね。
できれば主人公視点だけではない作品を。
ゲッサンmini 9 (ゲッサン201409別冊付録)

前作『確かめにいこう』が掲載された時にこう書きました。
ゲッサンラジオ第1回で田岡先生の連載が決まったという話があったので、
その前にストック放出しておこうという事なんでしょう。


絵柄からして、『確かめにいこう』より前に描かれた作品なのは確実でしょう。
そして、この作品『確かめにいこう』より前に掲載されていれば
「まずは主人公視点だけの作品を」と批判したんじゃないかなぁw


個人的には、ストーリーの骨子だけみると★4くらいのデキはあると考えます。
ただ、演出が微妙過ぎて...


この話、割と似た構造なのが『神のみぞ知るセカイちひろ編ではないでしょうか。
ちひろ編に関しては以前 FLAG.162などで書いたので詳しくは省略しますが、

神のみぞ知るセカイ 4 (少年サンデーコミックス)

神のみぞ知るセカイ 4 (少年サンデーコミックス)

神のみぞ知るセカイ』 4巻 p84 若木民喜

単純に言うと初めは別の目的で会っていたのが、会うこと自体が目的になる。
この変化が展開をドラマチックにしていました。


『学校に怪談を』 ゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録) p37 田岡りき

ところがこの作品だと、せっかく序破急の急に使える変化を
直接的に、かつ読者に対して意外性を出せるような演出にはなっていない。
岡本さんを好きだというのは隠せてますけども。


そしてもう一つ問題点が。
『学校に怪談を』 ゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録) p28 田岡りき

町田くんが説明できないような事を岡本さん独りで出来るなら、手伝う意味無くね?と。
『学校に怪談を』 ゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録) p49 田岡りき

もちろん、岡本さんの町田くんの興味を引きたいという目的には適っていますけども。


ではどうするのか。
例えば、町田くんに性格を一つ加えます。「人が悲しむようなことをしたくない(見たくない)」
そして、岡本さんが協力してと提案するのではなく、
「キミにも説明できないような不思議な事が起こるかもよ?」という形に留めておく。
町田くんが岡本さんともっと喋りたかった、気になるという話は最後の会話まで取っておく。
岡本さんが町田くんの関心を引こうといたずらをエスカレートしていき、
ついには「人が悲しむようなこと」をしてしまい、町田くんの逆鱗に触れてしまう。


岡本さんと会わなくなって、町田くんはもっと喋りたいと気づいた事を匂わせつつ、
岡本さんは町田くんを怒らせ・悲しませたことを反省し、町田くんの意見に賛同する。
岡田さんは町田くんを屋上へ呼び出し、
過激に走ったのは「町田くんの気を引きたかったから」と告げて謝る。
『学校に怪談を』 ゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録) p49 田岡りき

そこで町田くんは岡本さんを許し、
「俺は人が悲しむような事はしたくないんだよ」
「ボクが手伝わないとキミが悲しむなら、キミのことを手伝うよ」
「大体、独りで不思議な事が出来るのなら、俺が手伝う必要が無いだろ?」
「あと、キミと会うきっかけが出来るし……」
てなことを、最後の言葉を照れながら話していれば、
ドラマチックにもなりますし、萌えにも繋がりますし、おまけに喜怒哀楽も出せたんじゃないでしょうか?
このくらいのストーリー展開なら、絵の見栄えを差し引いても★5以上付けたと思います。
(まぁ個人的な趣味丸出しなので当然ですがw)


何にせよ、この段階だと連載には程遠いよなーという事が分かったので、
そういう意味では個人的に参考になった蔵出し読切でした。


青春Re:verse 笹乃さい
★★★★☆
かなり厳しめ。テンポ重視で16pに収めたのかもしれませんが、
『青春Re:verse』 ゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録) p52 笹乃さい

こういうSF(すこしふしぎ)設定なら32pで読んでみたかったです。
『青春Re:verse』 ゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録) p55 笹乃さい

重箱の隅になりますが、主人公の宙が1Gの力で空へ落ちてるとするなら、
その宙を背負っても空へと落ちずに済んでる由宇は宙より体重があるってことに...
ま、まぁ1G以下の力で空へと落ちてるって事なんでしょうw


それはともかく、折角Reverseな視点を出せる漫画なのにも関わらず、
そういう描写はココとp59の手すり持って脚をバタつかせているシーンのみ。
漫画家さんは原稿を回して描くでしょうから、逆さの背景は見慣れているのかもしれませんが、
読者で漫画を逆さまにして読む人はほぼ皆無だと思うので、
もう少し宙視点があれば、絵的に新鮮味を出せたのにと思うとかなり勿体無い気はします。
言い方を変えれば、もうちょっと上下逆さまの世界観を楽しみたかったと。
例えば、
ふだつきのキョーコちゃん』 1巻 p44 山本崇一朗

『キョーコ』でこういうシーンがありました。この下駄箱を宙視点で描くと
ふだつきのキョーコちゃん』 1巻 p44 山本崇一朗

こうなります。コレだけでも「すこしふしぎ」な感じがしませんか?
さらに、普通なら上靴を取り出して下に落とせばすぐ履けますが、
宙視点だと落とせば上履きは手の届かない地面へと落ちてしまいます。
「天井を土足で歩くな!」ってな風に先生から叱られたりしたら面白いんじゃないかなぁ。


教室の高さは概ね2.7〜3.0メートルですから、
ほんのすこし見上げればそこに顔があるというシチュエーションも作れますし。
...実際描いてみたらちょっと怖かったので避けたのかもしれませんけどねw
試験を受けるシーンでも、鉛筆や消しゴムを落としたら...


あと、折角天井を歩けるんですから、そのメリットも表現して欲しかったかも。
天井や窓の上の方を磨くのに苦労がほとんど無いですし、
(モップのブラシが垂れ下がったりするでしょうけど)
「折角だから蛍光灯替えといて」と便利使いされるシーンがあっても良かったのでは。


と、ついついSFな部分に反応してしまいましたが、
視点一つ変わるだけでこれだけ妄想できるポテンシャルが、
この単純な設定にもあったと考えます。だから勿体無いなと。


ブコメ部分はベタですが悪くはなかったと思います。
『青春Re:verse』 ゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録) p65 笹乃さい

今回ボーイッシュな先輩が出てきましたが、ヒロインキャラは割と今まで出てきたパターンでした。
キャラが可愛いのは笹乃先生の魅力の一つですから、
もう少しバラエティを増やして、たくさんキャラを出せるようにしない手は無いでしょう。
(単純に一番好みのキャラを出してるだけかも知れませんけど)
何にせよ、ゲッサン初お目見えの『カプセル・ツアー』では絶賛しましたが、
その後の2作品がもひとつだっただけに、復活の兆しが見えたのではないでしょうか。
実は単純に現状はラブコメが合ってるって事だったりするのかなぁ...


蛇足ですが、グルグルの「グル」は
丁合ミス (紙を束ねて本にする時に起こるミス) の一つ、
上下逆さまにページを綴じてしまうミスから取っています。
もう一つの「グル」はサンスクリット語で「尊師」の意味で、「グルグル」は
尊師とは対極にいる最底辺の人間が偉そうな事を言っている、というニュアンスで付けました。
魔法陣的なもとのは一切関係ありません。たぶん。きっと。恐らく。


満天夜走 瀬戸ミクモ
★★★☆☆
内容的には厳しめで★2にしたいくらいですけど、相変わらず見栄えは良いからなぁ...


このブログで書いた内容とほぼ同じ事を某スレで見かけたりしてたんですが、
更新頻度が遅れがちになると、逆にこのブログで書きたい事を某スレで先に見かけるという。
そんな、誰しもそう思うよねーという感想がこの漫画にもありました。
「ヤマなし、オチなし、意味なし」
『満天夜走』 ゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録) p74 瀬戸ミクモ

特に女性の対応はともかく、反応がほぼ一緒というの辺りがねぇ...
女流作家さんがこの手の作品を出しがちなのは、逆に言えばそれだけ需要があるって事でしょう。
最近は「ストーリー軽視、シチュエーション・キャラの羅列」の風潮があるので、
思い切って「やおい道」を突き進むのも一つの選択肢ではあるとは考えます。
...個人的には賛成しかねますがw
ただまー突き進むなら何か一工夫欲しいんですよね。
結局のところ、シチュエーションとキャラの引き出しをもの凄く増やすって事になりそうではあります。
長距離トラックの日常を扱うと、どうしてもシチュエーションのバラエティに難がありますけど、
そこが何とかなれば、ストーリーらしきものが出てきたと曲解されるかもしれません。


あと、コレは誰も気づかないだろうから修正の必要無いと言い切れるくらい
重箱の隅のまた隅なのですが、気づいちゃったので記事の最後に一応書いておきます。


ほんとのきもち 小山愛子
★★★★☆

ブログでさんざん好き勝手に書いてる人間が言うのも何ですが、
リアルでは中々こうは言えませんなぁ。
だからこそブログで好き勝手に書いてて、のびのび書けるようにアクセス数を増やしたくないんですが。


姉上様の言うとおり 藤井ゆづる
★★★☆☆

あまり残念な感じが伝わらないのは画力の問題なのか漫画ならアリな感じに留まっているからなのか。
とは言えキャラの見栄えは若干上がっているような気もしますし、
オチも悪くはなかったかなと。


バロメーター 泉尾アキ
★★★★★
ゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録) p163

第68回新人コミック大賞 『えんむす部』 佳作 (陵名紅名義)
第49回 GET THE SUN新人賞 『北風小僧の寒太郎』 選外佳作
現・新井隆広アシスタント

『えんむす部』の絵柄が今とは全然違っているので、ひょっとしたら第68回ってのは間違いで、
第70回の受賞者じゃないのか? とか3時間くらいあれこれ検索してたんですが、
色々あってほぼ『えんむす部』だと確信できました。
新コミ受賞作はリンク先から今でも読めるので、その変わりようは是非一度見てください。
新コミ時点での出身地が京都府となっているところから想像できる人もいるかも知れませんが、
京都精華大学出身者のようです。ゲッサンに何人いるんよw


間違いといえば、以前ゲッサン201406 #1の記事で、
思いっきり泉尾アキ先生をoutリストに入れてましたが、

画像を再確認したら右上部分、田岡りき先生の左にいるじゃないの...
ということで訂正しました。すいません。


アンケートは『青春Re:verse』に入れちゃいましたが、
バロメーター』 ゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録) p141 泉尾アキ

キャラ同士が共感できる描写を出すことで面白さを出しつつ、微妙な違いを主人公の枷にしたり、
バロメーター』 ゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録) p145 泉尾アキ

こういう空気感を醸し出せたり。
殴った後のセリフも決まってますし、正直構成は批判するような箇所が見当たりません。
絵の見栄えはキャラに関して若干落ちますが、絵自体は違和感ある描写はナシ。
もう一本くらい読切描いたら、その出来次第では短期連載を目指しても良さそうです。
キャラの魅力を記号に頼れるようなタイプでは無さそうなので、
その辺りどういう作戦を練られるかが鍵になるのではと考えます。


ゆるいのといっしょ 村松まつり
★★★☆☆
ゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録) p164

第47回 GET THE SUN 新人賞 『タピオカ!!』 佳作

受賞歴が書かれてないのは謎ですが、一応あります。
村松先生に罪は無いのかもしれませんが、またこのパターンかよと毒づきたくなりますw
『ゆるいのといっしょ』 ゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録) p167 村松まつり

なので、作者のそのままが出ているのかなぁと心配になります。


似たようなパターンなので、批評する側も同じパターンになってしまいます。
『ゆるいのといっしょ』 ゲッサンmini プラス3 (ゲッサン201503別冊付録) p167 村松まつり

萌えと萎えの境界線ではありませんが、可愛いとキモいの境界線。
ゲッサン mini 9 の『山岳村おこし白書』もそうでした。
ぬいぐるみ部分はそこそこ可愛いとは言え、
単に首から下が裸なだけでキモさが全然伝わってこない辺り、切ないです。
後半のいい話も取ってつけた感ありますし。
個人的にはこの作品はノーカウント。次の作品でどう出てくるかだと思っています。

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ゲッサン201503

ゲッサン 2015年 03 月号 [雑誌]

ゲッサン 2015年 03 月号 [雑誌]

小学館漫画賞を受賞した『アオイホノオ』が表紙。
表紙はドラマ化の時以来2回目。意外と少ないのね...


市原編集長は「ホノオが受賞する訳がない!!」と信じていた事になってますが、
文化庁メディア芸術祭のマンガ部門優秀賞に加え、ドラマがギャラクシー賞を受賞したので、
常識的に考えて小学館漫画賞の受賞は確実でしょう。
仮に受賞を逃した場合、小学館はこれら2つの賞に権威として対抗してると見做されかねませんし、
評価されている漫画を蔑ろにしている、といった誤ったメッセージを送ることにもなりかねません。


信長協奏曲』と違って一般向け部門での受賞だったのは、
元々週刊ヤングサンデーで連載がスタートしたからでしょう。


アオイホノオ
アオイホノオゲッサン2015年3月号 p17 島本和彦

私もきっちゃんと同様、この後のシーンを見て思わず固まってしまいました。
というか、バックギャモンを3人でやるという発想に思わず絶句w

BACK GAMMON(バッグギャモン)

BACK GAMMON(バッグギャモン)

ホント、どういうルールでやったのか謎だ...


アオイホノオゲッサン2015年3月号 p17 島本和彦

そーいや担当が横山さんなのは嫌だからと本名からペンネームに変えて応募してたりしたなぁw

いきなりのことなので
現実に何が起こったのか
まだ頭の中で
整理はできていないし
悲しいのか嬉しいのか
わけがわからなくなったが…

この辺りは共感できます。


◎ ひとりぼっちの地球侵略

マチ★アソビの時に『あやしや』の編集者☆野さんが「来月からは日常回に戻ります」と、
来月からどうなるかを聞いていないのにも関わらず話してくれてたんですが、
ナタリーの記事にもあったように、やはり日常回の方が反応がいいんでしょうなぁ。
ゲッサン201312

以前『あやしや』の記事でこう書きつつ、その号の『ぼっち侵略』の記事でも書きましたが、
『ぼっち侵略』も日常回の方が反応は良さそうで。
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2015年3月号 p56 小川麻衣子

すっかり凪が焚付役にw
こっちで龍介を煽っておいて、
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2015年3月号 p49 小川麻衣子

アイラに対しても煽る煽るw
やっぱ読者が見たいと思わせるように動いてくれるキャラがいると、展開がスムーズになりますなぁ。
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2015年3月号 p54 小川麻衣子

そして岬一も誤解を伴いつつ、結果的には龍介を煽る形に。
中学生くらいまでなら割と純粋に「兄を慕う目」ってのがあるので
(私は見られる立場だったのであくまで体感ですが)
ちゃんとしなきゃーなーってのがかなりプレッシャーになってましたねw
結局ちゃんと出来なかった訳ですけども。


ふだつきのキョーコちゃん
やっぱねぇ、構成って大切だと思うですよ。
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年3月号 p81 山本崇一朗

アバン (導入) でこのセリフを出しておいて、
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年3月号 p82-3 山本崇一朗


キョーコがケンジにこう言わせた後、
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年3月号 p83 山本崇一朗

リン姉に阻止される。
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年3月号 p96 山本崇一朗

なんだかんだ言ってハンバーグ作るキョーコを描いた後、罠の話を挟みつつ、
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年3月号 p104 山本崇一朗

オチに繋げる。いやー素晴らしいと思います。


で、コレのどこが構成って大切だという話になるのか。


よくよく見てみれば、この一連のストーリーは「弁当作ったらペットに食べられた」という、
ベタ云々のレベルではなく、本当に他愛のない話だというのが分かります。
それでもちゃんと面白いのは、シーンごとに掛け合いの妙があるからなのでしょうが、
縫い目のようにリン姉のストーリー(こちらも他愛のない話です)と
交互に話を進めている点も見逃せません。

ただ、1話目でも感じた事ですが、どうも32p前後は長いような...
今回くらいの内容だと、もう一つくらい伏線入れても良いような気はします。
意外性も足りない気がしますしねぇ。
少しキャラ増やせば、それも解消されるのでしょうか。
3人のやりとりだけでは間が持たないという風にも取れますし。
16p×2話構成にする手もあるでしょうけど、16pはminiの方で連載してますから、
こちらは32pに慣れる方向で努力すべきでしょう。
ゲッサン201310

『キョーコ』2話目でこう批判しました。
現在『キョーコ』は36pですが、それでも今回間が持っているのは、
弁当の話、リン姉の話、そしてヒカルの話と
3つのストーリーを構成で上手く纏めているのが原因でしょう。
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年3月号 p97 山本崇一朗

前半に弁当とリン姉の話を交互にしているからこそ、
ヒカルと遊ぶ事がさながら伏線のように機能しますし、
このシーンも3つの話を結びつける鎹 (かすがい) の効果をもたらすことができます。


この手法自体はさして珍しくもないですが、ストーリーの数を余計に消費する事になるので、
そこがボトルネックになりがちです。
しかし、元々が他愛のない話なのでネタはいくらでも転がっているはずです。
山本先生は他愛のない話でも面白おかしく描ける長所と、
内容がスカスカになりがちな短所を持っているので、
間延びしそうな時の保険として、自分の強みを活かし弱みを消すことができる手法ではないでしょうか。
そういう意味では、一つレベルが上がった印象さえ受けます。

何より最後までリン姉が札月兄妹とどういう関係なのか一切語られないのは良かったです。
もうちょっと引っ張ってみてもいいかな?
ゲッサン201502

余談ですが、先月こう書いたものの、
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年3月号 p98 山本崇一朗

今月あっさりバラしちゃいましたねぇ。しかも父方という事まで。



山本崇一朗(単行本2冊11/12 母をたずねて三千里を5話目までみてるんだけど全然母をたずねにいく気配がないぞ。 link


山本崇一朗(単行本2冊11/12 もう9話目。
父の仕事をみたマルコ、母を訪ねにいかない決心をする
link


山本崇一朗(単行本2冊11/12 これホントに母をたずねて旅をするの? link


かとそん 母をたずねて三千里があんなになかなかたずねに行かないとは…予想外でした link
引っ張れば、こういう感じで気になる設定になったと思うんですけどねぇ... あんまり引っ張りすぎると畑先生みたいに「あの伏線回収したっけ?」ってなっちゃいますがー。 第13保健室

関係性を出せているので前よりは遥かにマシですが、
こういったお話と、保健室の人気投票をどうシナジーとして織り込めるか。

AKB49~恋愛禁止条例~(1) (講談社コミックス)

AKB49~恋愛禁止条例~(1) (講談社コミックス)

ぶっちゃけ、そんなに難しい話でもないと思います。
ゲッサン201501

2ヶ月前にこう批評しました。
面白いと思えるまではまだまだほど遠い印象ですが、
『第13保健室』 ゲッサン2015年3月号 p124 あおやぎ孝夫

ようやくその傾向が。『GEKOKU嬢』も候補の一つだと思います。
何もこのメンバーで歌って踊れとは言ってませんけどねw


嘘つきは殿様のはじまり
確かに意外性のある話ではあるのですが、
わざわざ宗春が小太郎を励ます意味があるのかと考えるとちょっとうーん...
殿様と親密な人間に取り入るという視点なら意味あるんでしょうけど、
暗殺が成功すればお役御免になる小太郎相手に言うセリフなのかなぁと。


くちびるに歌を 公開直前レポート!!!
お前アイドルと会いたかったんだけとちゃうんか的なレポートw
似顔絵をカラーで描きたいという意向があってこういう形になったのかもしれませんが、
2pに収めるためなのか文章量が多い上に、文字に色が付いているのですごく読みにくいです。
内容的にはアンチモリ先生が読んだら毛嫌いしそうなものではありましたが、
創刊号付録に掲載された(『まねこい』巻末に再録済)漫画家飲み会のレポートとまではいかないまでも、
割と綺麗にまとまってはいるかと思います。最後の質問はともかくw


◎ アサギロ
根岸友山がお伊勢参りと称して浪士組から抜けたのは史実通りらしいですが、
それをこうも面白おかしく表現するとはねw


○ 四弦のエレジー
前回大絶賛しましたが、今回はうーん...
『四弦のエレジーゲッサン2015年2月号 p267 梅内創太

漫画においても、分かり易さが大切なのは論を俟ちません。
ただねぇ、作品の良さをブチ壊してまで必要かどうかは異論があります。
236pにノートルダム大聖堂の背景が描かれているように、
この作品の魅力の一つには、近世後期ヨーロッパの雰囲気があると思います。
『四弦のエレジーゲッサン2015年3月号 p272 梅内創太

分かり易さと引き換えに、その雰囲気をブチ壊す土下座。
コレ読んだ時にフランス人はどう感じるんでしょうかね?
意図的にやったというよりは、元々リアリティに課題のあった作家さんなので、
その辺りが災いしたのかもしれません。
むしろコレをチェックしなかった担当さんに責任があると私は見ています。


土下座の影に隠れていますが、「拝観料」という言葉のチョイスも若干問題。
拝観の対象となるものは神社・仏閣です。
比喩的に使うという手も無くもないですが、そもそも「観覧料」という
比喩を使わない表現があるのですから、そちらを使うべきじゃないかと。
「観覧料」が分かりにくいならば、演奏を聞いていないという意味が強まる「見物料」もアリでしょう。


ここ以外のストーリーは、序破急の序の段階としては比較的面白かったと思います。


アイドルマスター ミリオンライブ!
まー客観的にみれば◎なんでしょうけども。
原作があるとは言え、『第13保健室』がやらなきゃいけないような事を、
新人の漫画家がやれてるってのは皮肉な事ですなぁ(苦笑)


◎ LES MISERABLES
『LES MISERABLES』 ゲッサン2015年3月号 p357 原作:ヴィクトル・ユーゴー 漫画:新井隆広

こういう展開で話がつまらなくなる訳もなく。


ハレルヤオーバードライブ
やー素晴らしい。
ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2015年3月号 p389-390 高田康太郎


相変わらずセリフがメタ的。何を意味するかはあえて伏せます。


どうでもいい話ですが、
ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2015年3月号 p389-390 高田康太郎

えらい大人っぽく描かれているので、最初左灘さんだと気づかなかったよw


○ 忍者シノブさんの純情

何かすっかり普通の漫画になっちゃったなぁ感はありますが、
ベタにフツーな面白さはあったと思います。
ただまー読切の時に感じたゆずチリ先生のポテンシャルが発揮されているかと言われると...
ゲッサン201502

先月と感想変わらず。ただ、ツッコミどころが一箇所。
『忍者シノブさんの純情』 ゲッサン2015年3月号 p446 ゆずチリ

回転扉なのに回転軸の辺りを押しても回らんでしょうよw
『忍者シノブさんの純情』 ゲッサン2015年3月号 p445 ゆずチリ

前のページではちゃんと柱のすぐ側に立っているのに。
クルッと一回転して同じ位置に立たせたかったのかもしれませんが、
回っている間の足捌きをどうしていたのかも謎で。
ものすごく細かい事を付け加えると、校舎の床と外の地面の高さが同じってのも不自然。
まぁココは無視してもいい所ですけども。


端っこを押して回転扉が回ると同時にヒトヨシくんが倒れこみ、
それにシノブさんが覆い被さった方が、よりラッキースケベ感が出たんじゃないかと。


◎ あやしや
新キャラ2人の性格をきちんと表現しつつ、仁の着物に対する情熱も描く。
女装姿はずっと顔を隠したままでしたが、
最後逃げるシーンとかで読者には顔を見せて欲しかった気はします。


○ 月曜日は2限から
相変わらずgdgdですが、
そのgdgdさは漫画のgdgdさというよりはgdgdな空気感になってる辺りは魅力かなぁと。


◎ VANILLA FICTION
何故かじゃんけんで『あやしや』と被るというw
これって担当さんの問題かなぁ。
『VANILLA FICTION』 ゲッサン2015年3月号 p527 大須賀めぐみ

個人的にこういう演出好きですね。
この中のどれかが伏線になるかもしれないし、ならないかもしれない。
作者側からしても伏線として使えるし、使わなければならない訳でもない。


放課後さいころ倶楽部

今のところ、お気づきの方も多いと思うんですけど、
一番被ってるのってハナなんです。エミー(と)。
エミーとハナが一緒に出てきた時が超ヤバいっていう。
内面的な部分はハナに大分近い娘なんですけど、
他の属性が色々付いてるって事で、差別化を図ろうかなと。
ボードゲーム数寄語り。第50回「放課後さいころ倶楽部第4巻・その3」 15:20〜15:42

中道先生がこう予告していたように、
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年3月号 p568 中道裕大

エミーに大食い、巨乳、方向音痴と記号を付け加えてきました。
一応、ミドリが巨乳と判明した際には「ありがとうございます」と書きましたが、
一方であんまり巨乳巨乳と言わないまでも、強調するのもどうなのかなぁとw
まぁ、女性がコレを見て気を悪くするのでなければいいんですが。


今回のゲームは『エルフェンランド』

エルフェンランド (Elfenland) ボードゲーム

エルフェンランド (Elfenland) ボードゲーム

作中でも触れられているように、
1998年のSDJ(年間ゲーム大賞)大賞受賞作で、作者はアラン・R・ムーン。
代表作は『エルフェンランド』以外にも
ブルーノ・フェデュッティとの共作『インカの黄金』や
2004年SDJ大賞受賞の『乗車券 (Ticket to Ride)』
他にもSDJノミネート作『ユニオンパシフィック』,『サンマルコ』(Aaron Weissblumとの共作)と
かなり打率の高いゲームデザイナーです。


今回の見どころは何といっても見開きですが、
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年3月号 p582 中道裕大

素直にエミーとミドリのアドバイスに従ったにも関わらず、
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年3月号 p584 中道裕大

この扱いを受けるアヤもいいですねぇ。
個人的には『ハゲタカのえじき』回で、
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2013年8月号 p95 (1巻 p157) 中道裕大

アヤがこう言われた後に2を出したのを思い出しましたねw
以前もちょっと書きましたが、そろそろアヤが勝つシーンも...


放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年3月号 p600 中道裕大

そしてエミーの「ゲームデザイナーになりたい」発言。
こういう予想してた事はちゃんと書いておかないとなーと反省。


ドイツ人の留学生が来る事は結構前から決まってたらしです。
(ソースはボードゲーム数寄語り。第50回 上記引用の直前)

そこで、言葉があまり通じないドイツからの留学生 (女子希望) が来たとかなれば...
The Structure of "After School Saicoro Club" #3

私も1巻出て一ヶ月くらい後にこう書いていましたが、少なくとも1話目の扉を見る限り、
初期設定にエミーとレンは入っていなかったと思われます。
単行本読んでないので確認できてませんが、恐らく日本初ボードゲーム漫画
『アクア・ステップ・アップ』のシュナイダーさんをモチーフにしたのではないかと。

作中ではシュナイダーさんが作ったとされるゲームですが、
実際のクレジットは刈谷圭司とグループSNEです。
なので、エミーが出てきた瞬間、このキャラはミドリのライバルになるのでは?と思ってました。
ただ、今回の流れからすると、ライバルというよりはタッグを組む相手という事になりそうですけども。
二人の間でどう役割分担されるのか、少し気になる所です。


◎ ちろり
『ちろり』 ゲッサン2015年3月号 p605 小山愛子

確かに、関くんなら能動的にカモメ亭へと行かないかもなぁとw
ちろりがちゃんと覚えているのは記憶力が良いからなのか、脈ありだからなのか。


○ ぼくらのカプトン
3本ともまーまー。


終末風紀委員会
うーん、確かに意外性はあるんですが...
単行本買ってないので確認出来ませんが、
ドジっ娘演じる意味ってあるのかなぁ? 単に二重人格?


迷宮入り探偵
このネームを迷宮入りにした方が良かったんじゃないかなぁと思えるデキ。


信長協奏曲
信長協奏曲ゲッサン2015年3月号 p711 石井あゆみ

ひみつのかんけい。
これを森蘭丸の兄、森長可が喋ってるってのがまたw
その後の松永のセリフもBL匂わせてますなぁ。


ただ、何か物足りないなぁと。gdgd感が無いのもその理由のうちの一つでしょうけど。


◎ ツール・ド・本屋さん
後半はさすがに微妙と言わざるを得ませんが、前半はさすがと唸るデキ。
もちろん個性ある人々が出てるからってのもあるでしょうけど、
場の空気を絵と会話で表現しつつ、その解説も割と自然ですし、
レポート漫画描かせたらやっぱ上手いなぁと改めて。