ゲッサン201506

3ヶ月分遅れてますが、サンデーSは後回しにして、ゲッサンから書いていきます。

ゲッサン 2015年 06 月号 [雑誌]

ゲッサン 2015年 06 月号 [雑誌]

集合絵なので目次には「●表紙・絵/全連載作家」とありますけど、
すごろくを描いたのは中道先生だそうです。
指定はともかく実際に描いたのはアシスタントの鶴岡さんでしょうけども。

編集部ブログで表紙を見た時にはデザイン的に微妙だなーと思ったのですが、
実物を見るとキャラ全てが描きおろしで、仁の清掃着やちろりの割烹着など、
細かい所にみどころはありました。
願わくば、来年はデザインとディテールが両立する集合絵にして欲しいかなぁと。
ゲッサン201406 #1

去年の集合絵についてこう書きましたが、
画面全体からは賑やかさが表現され、各キャラを見るとそれなりに面白味がある。
正にデザインとディテールが両立する集合絵だったんではないでしょうか。


今年は『チーム・ゲッサン選手名鑑』が付かなかったのが残念です。


ゲッサン六周年 特製四齣漫画小冊子
ゲッサン六周年 特製四齣漫画小冊子(ゲッサン2015年6月号付録) p1

今月号はminiが付いてない代わりに特製4コマ小冊子。
4コマを一本ずつ見られるように短冊型にしたのは良い配慮だと思います。
ただ、お題に代わり映えが無いこともあり、大半が義務で描きました的な内容なのが残念。
執筆陣を揃えてる事自体が記念碑的なのですから、内容まで六周年に拘る必要は無いのに。


個人的には、あだち充、打江広祐、大須賀めぐみ小川麻衣子小山愛子島本和彦
瀬戸ミクモ、得津宏太、中原開平、坂ノ睦、繭住翔太、源素水、門司雪、横山裕二各先生
は割と面白かったかなという気はします。
ゲッサン六周年 特製四齣漫画小冊子(ゲッサン2015年6月号付録) p98 モリタイシ

ただまー一番面白かったモリタイシ先生含め、4本が市原編集長ネタなのはなぁ(苦笑)


恋情デスペラード

画力に関してはゲッサンでも1・2を争う素晴らしさですし、
リンドバーグ』後半は内容的にも素晴らしかったので、後はキャラの魅力でしょうね。
ゲッサン201504

連載が発表された時にこう書いて、

展開としては非常にベタですが、
キャラや設定がハチャメチャだけに却って合っている印象。
(中略)
この設定だと連載向きだとは若干言い難いですが、今のアントンシク先生ならどんなジャンルでも
面白い漫画を描いてくれそうな期待感はありますね。
ゲッサン201408

読切『ウエスタン・ジャンゴ』の際にこう書いたのですが...
漫画って難しいですねぇ。


『恋情デスペラードゲッサン2015年6月号 p20 アントンシク

こういうコメディや、和洋折衷な時代背景には面白味があるのですが、
意外性を出そうとしているところを含めて股旅モノのベタなストーリーに収まっているので、
どーも読んでて楽しいって感じにはならんですなぁ。
しかも、こういうベタな展開を描いて楽しんでそうな気がするだけに...


キャラはほぼ使い捨てが濃厚ですから、その度にキャラの説明する必要が出てきますし、
因縁めいたものも出しにくくなるでしょう。
主人公キャラが動機を含めて男性には共感し難いのも厳しいところ。
その辺りの手当をすると、今度は股旅モノじゃ無くなってしまいがちってのが一番難儀ですなぁ。
現状、大きな目標が無い代わりに、殺陣の演出はちゃんとしてる『月の蛇』という印象。


◎ ハレルヤ オーバードライブ!
『ハレルヤ オーバードライブ!』 ゲッサン2015年6月号 p20 高田康太郎

この辺りは音楽に限らず、漫画を含めたエンターテイメント全般に言えることですわな。
で、やっぱ高田先生オッサンオジサン描くのはホント下手ね...
師匠の畑先生も割とそうですけど、記号化されたキャラ描く人は厳しいんでしょうか。
しかしまー好きな人が海外に行っちゃう所まで『銀塩少年』と一緒だとはw


だって小山くんが艶い
言い訳に無理ありすぎて個人的にはノれませんでした。
まぁこのくらい無理がある方が好きって言う人もいるでしょうけど。


○ 嘘つきは殿様のはじまり

まぁ、女性である事を隠すからこそ色々トラブルが巻き起こったりするのでしょうけど、
今までのストーリーでそういったシーンがあったかと考えると...?
ゲッサン201504

以前こう書きましたが、
暗殺するよりも城主が実は女子であるという秘密を漏らした方がダメージが大きいから
あえておしんを生かしておく、という辺りには説得力が。
でも毎回コレやる訳にもいかんでしょうしねぇ...


構造的にみると、城主が女子という情報をいかに隠すかという設定なのに、
熱血を出そうとすると物理的に守る方向に流れてしまう点が厳しいかなぁと。
そして既に籠の鳥なおしんを守ろうとすると、どうしても陰謀が必要になってくる。
そのロジックが今回以外はイマイチ、話は暗くなる...
非物理的なものを物理的に守るという構造自体は『キョーコ』も同じなのですが、
ケンジがヤンキーとして振る舞ことで解決、という風に単純化されてますから。


いっそ「あの城主、女っぽくね?」といった嫌疑が広まって、
それを打ち消すために積極的に市井に出向き(どうせ参勤交代もせにゃならんですし)、
細々したトラブルを『ハヤテ』的に解決する執事漫画の方が良いのかもしれませんが、
バトルものにシフトしたって事は歯磨き回とかで人気でなかったって事でしょうしねぇ...


放課後さいころ倶楽部
今回のゲームは『アクワイア

アクワイア 新版 日本語ルール付き

アクワイア 新版 日本語ルール付き

正直これには驚きました。

アル隊長:なぜ(『アクワイア』が)ダメだったかというと、許可が取れなかったから。
円卓P:あっ、なるほどねー。あれって(メーカーは)どこだ?
ニトーキン:そもそも『アクワイア』って日本語版出てたっけ?
アル隊長:アメリカ。出てない。だから、色んな意味で今までと違った所だったのよ。
       漫画にしている間に許可を取るけども、
       スケジュール的にこの日までに許可取らないと厳しいっていう所を超えても
       連絡が取れなかったの。だからOKかどうかは分からないと。
       このまま原稿を進めて行って完成した時にダメって言われたら……
円卓P:もう取り返しがつかない。
アル隊長:どうしようもないと。だから急遽描かれたのが『ファウナ』
円卓P:そうだったのか……。
アル隊長:だからこの回だけ相当ゲーム性が薄いのよ。アヤ無双だから。
円卓P:そうなんですよねー。
ボードゲーム数寄語り。第27回「放課後さいころ倶楽部第3巻・その4」 17:35〜18:23

こういう経緯があったと聞いていたからです。
で、ここからは想像ですが、その後許可は得られたのでネタを温存しておいた。
キウイゲームズの第一回トークライブの際にグループSNE社長の安田均氏が『アクワイア』大好き
というのを聞いていたので、
第二回トークライブで安田氏との対談するこの直前のタイミングに、
手土産として『アクワイア』回を漫画にした、ってな感じではないかと。
単純に単行本作業も入る忙しいこの時期に、ネームまでは出来てたから使った。
という可能性もありますが。


放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年6月号 p201 中道裕大

今回のテーマは「お金で買えないものがある。」
このブログは基本的に「どうすれば面白くなるか?」より
「どうすればもう少し売上やアンケートが良くなるか?」に比重を置いている気がしますが、
どれだけ個人的に面白い作品でも、売れなければ連載が終わっちゃいますからね...
ひめはじけ』みたいに。
そういう悲哀を感じたくないが為にそうなっちゃうんですよね。
まぁ『ころクラ』の場合は、ボードゲームの面白さを伝える力がある作品なので、
現状打ち切りの心配は無くても、より売れる方向で考えてしまうんですが。


何にせよ、こういうテーマを描くんですから、
とにかく読者に媚びてでもキャラ人気をひたすら上げる事に腐心する、ってな事にはならんでしょう。
中道先生がこの漫画を描く一番の動機は「このゲーム面白いからみんなやろうZE」な感じがしますしねw


放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年6月号 p189 中道裕大

イラストレーター・U井T吾さん風。これいいですね。
連載開始当初からだいぶマチュリティ(成熟)化した絵柄になってきてるので、
ネオテニー(幼児)化された絵はギャップが出来て映えるのではないかと。


◎ ひとりぼっちの地球侵略
いやー、事後処理が上手いなぁ。
むしろこういう事を描きたかったから戦闘したのかしら、と思うくらい。


作者がどういう意図で今回の話の描いたかなんて分かる訳もないですが、
自分が受け続けた悲しみを味わせることが一番のダメージになる
と思ってる辺りは面白いなぁと。


『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2015年6月号 p226 小川麻衣子

「ダメな僕。それでも『そんなアナタが好き』と言ってくれる女の子はいないかな」と<承認>を求める男の子。そんな具合に自分のことしか考えていない男の子に愛想を尽かし、心の奥底を打ち明けても<理解>してくれる男性を求める女の子。これでは、噛み合うはずもありません。
『日本の難点』 p40 宮台真司 幻冬舎新書

またこの文章の引用ですが、
心の奥底を知られても凪に拒絶されなかったことで、
マーヤの心境がどう変化していくかが見ものです。


◎ 吾輩の部屋である。
3本目はまーまー。1、2本目は素晴らしい。
『吾輩の部屋である。』 ゲッサン2015年6月号 p241 田岡りき

2本目は植村さんをデートに誘おうするところから脇道に逸れ、
逸れた結果が最終的に占いの内容とマッチするという綺麗な展開。


それより面白かったのが1本目。
『吾輩の部屋である。』 ゲッサン2015年6月号 p234 田岡りき

既にこの画像の段階でオチをあえて読めるように作ってあるのかもしれませんが、
オチの絵面が想像以上にシュールだったため、余計インパクトあるものに。
この手の漫画はどうしてもセリフや展開だけで面白くしようとしがちですが、
主人公が常に何かしらの仕草を行っていることからみても分かるように、
絵にする意義をきちんと意識しているように感じます。
部屋から出られないからこそ、その中でどれだけの事がやれるか。
制約があるからこそやれる事もあるって事なのかもしれません。
まぁそういう制約が幾つもあるってのは、それはそれで問題なのですが...


ふだつきのキョーコちゃん
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年6月号 p287 山本崇一朗

「同じことをしても人によって受け取り方が変わる」ことをコメディにするパターンでした。
以前だと、体力測定の回なんかはそうですね。
そこに接触プレイやら水着on体操服だったりシースルーだったりと萌え要素を入れると。
個人的にはその辺りよりも、プール掃除始める際のO脚だったり、
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年6月号 p278 山本崇一朗

この微妙な腰の入れ方なんかの方がむしろいいなぁと思いましたね。


俺たちは次を描かない
5年ほど前に畑健二郎高田康太郎、ごとう隼平、大柿ロクロウ山崎智史先生などの
『ハヤテ』作者と元スタッフ及びその周辺が『グランドスカイ』という
リレー漫画を趣味で描いていたことがあったのですが、
いかに次の作家さんへ無茶振りをするかという内輪的な楽しさだけの漫画でした。
...まぁ全部読んだ訳ではなく、いくつかのシーンを生放送でパラ見しただけですけど。
『俺たちは次を描かない』 ゲッサン2015年6月号 p316 麻貴早人

この漫画もそうなっちゃってます。と言うか、そうせざるを得ないでしょうねぇ。
途中で今までの伏線を回収しようとする作家さんが出てくるのも含めて。
新人漫画家はいかに纏まりを作るかよりも、自分の良い所を最大限発揮できるかが重要なので、
勢いを出すべき作家さんにとってはリハビリにはなるのかもしれません。
ただ、読者側からすれば単にツマラナイ漫画が1年間続くだけになりそうです。
強いて言えば、荒唐無稽なスタートにしたとよ田先生の判断は正しいかと。


錦田警部はどろぼうがお好き
個人的に面白いとまでは行きませんが、
ギャグ控えめ、コメディ多め、BL含みでベタな面白さは出てるのではないでしょうか。


アオイホノオ
アオイホノオゲッサン2015年6月号 p357 島本和彦

ホントにこんな事あるのかなぁw
まぁ何にせよ、編集者ってのは単純な能力だけでは語れず、
相性ってものがありますわなぁ。


アイドルマスター ミリオンライブ
相変わらずケチの付けようがないそつのなさ。
客観的に見れば◎。


○ ぼくらのカプトン
2.3本目はまーまー。


○ 月曜日は2限から。
gdgdと、淡々と。


第13保健室
これだけちゃんと動きを描ける人が単なるお色気漫画描いてるのも勿体無い気はしますが、
現状一番人気が出るのはこういう感じでしょうなぁ。


○ 忍者シノブさんの純情
占いを使ってキャラの説明やってたり、
期待を抱かせるような展開はそこそこちゃんとしてるんですが、
なるほどすげーって感じにはならんですなぁ。
そういうのを目指してるのかもしれませんけど。
キャラの見栄えはちょっとずつですが良くなっていってるとは思います。


VANILLA FICTION
ドラジェが危機に陥る何かしらの理由があってもいいと思うんですけどねぇ。
雪彦を退場させたいが為に無理矢理突発的な火事起こした感アリアリ。


◎ ちろり
このマダムは男を惑わすマダム。
『ちろり』 ゲッサン2015年6月号 p559 小山愛子

今回テーマが『ころクラ』と被っちゃってますが、
こちらは前回からの続きになってるので、むしろ向こうが被せてきた感じですな。


◎ あやしや
素晴らしい。
『あやしや』 ゲッサン2015年6月号 p594 坂ノ睦

キリエが殺されるであろう事は暗に描写されてましたが、
どうなるか予測させつつ意外性がある、ってのはいいなぁ。

森永 パックンチョ<ちょこ> 47g×10個

森永 パックンチョ<ちょこ> 47g×10個


◎ アサギロ


◎ LES MISERABLES
『LES MISERABLES』 ゲッサン2015年6月号 p628 原作:ヴィクトル・ユーゴー 漫画:新井隆広

「アンジョーラという男を信仰している。」
レミゼ』名セリフのうちの一つらしいですが、
やっぱ新井先生は男同士の絡みの方が面白いというか...w
後でメーヌ市門へとわざわざ訪ねるところもいいなぁ。


個人的には、ヒゲ剃って「メーヌ市門は引き受けた」のシーンはカットした方が良かったような。
絵でヒゲ剃ったのは分かりますし、メーヌ市門付近にいるってことは
途中まではやる気があったけどつい...ってな事は想像できますし。


終末風紀委員会
どうしても設定、設定となってしまうのは終わりが近いので致し方ないかなぁ。


◎ 四弦のエレジー
『四弦のエレジーゲッサン2015年6月号 p730 梅内創太

優雅な蝶を絡めとり、不気味な蜘蛛が固まらせる。
この対比もさることながら、不気味な具合が生理的嫌悪感を惹起させない塩梅に
抑えられている辺りもいいですね。
蜘蛛がワサワサ出てくる辺りにはちょっとありましたけど。


信長協奏曲
gdgdでありつつ、それなりに筋が通ってるこの漫画の真骨頂。
まぁ正直弥助の目が若干怖いってのはありますw


◎ ツール・ド・本屋さん
やっぱこの漫画、アクの強い人が出てきてナンボだなぁと。
市原編集長はともかく、B川さんは割と強調してる感ありますけどね。
今年のゲームマーケット大阪でお見かけしただけなので、実際のところは分かりませんが。