サンデーS201501

10-11月は割と暇だったんですが、そういう時に限ってモチベーションが...
面白い作品が多ければ自ずと上がるんですけどねぇ。


来月号は険持ちよ先生の『自称監督』が新連載。
サンデーS 2015年1月号 p844-845

大阪芸大出身らしいんですが、映像学科だったんでしょうか?
現在サンデー本誌で連載中の『E.T.〜えいがとてんし』と被りまくってますけども、
このテの作品ってほとんど成功してないんですよね...
演劇漫画まで含めると、ほとんど演劇しない『ボンボン坂高校演劇部』や
テコ入れで途中からボクシング漫画になった『のぞみウィッチィズ』辺りが象徴的だと思います。
クラサンの『ソワチネ』も個人的にはソコソコ面白かったのですが、売上はイマイチでした。


唯一の例外として、漫画史に残る作品がある事も事実なのですが。

ガラスの仮面 49 (花とゆめCOMICS)

ガラスの仮面 49 (花とゆめCOMICS)


漫画も映画も演劇も、どうやってドラマチックな展開をするか?という意味では共通するのですが、
漫画の中で映画や演劇をするというメタ的な構造を使えるメリットよりも、
メディアの違いによるデメリットの方が大きいんですよねぇ。
E.T.〜えいがとてんし』 週刊少年サンデー 2014年52号 p337 猫砂一平

特に、映画や演劇をどう漫画として再現するか?に関するハードルが高くて。
E.T.』では「映像のシーンをどう演出するんだろう」感はあったものの、
実際の再現シーンは予想通り案外でした。
『ボンボン坂高校演劇部』がそこそこ続いたように、日常を描くのなら話は別ですけども。


とは言え、ジャンル的に無理があったバトル漫画ではなく、
制約が掛かって自由にやれなかった版権モノでもないので、
剣持先生のポテンシャルが発揮される可能性も無くはないとは思います。


サブテン
ちと辛目ですが。
サブテン!』 サンデーS 2015年1月号 p17 原作:神先史土 作画:いわさわ正泰

池乃めだか...?w
それはともかく、実績ある作家さんだけあってさすがに上手いです。
動きのある絵はもちろん、キャラの見せ方、演出など、細かいところにも配慮が行き届いている印象。
ただまー面白いかと言われると話は別で。


『木倉さん』と同様、野球の道を諦めて陸上をやる点が被ってる辺りに象徴されますが、
見事にベタです。交通事故で死ぬのもねぇ...
新しければいいという訳でもないですけど、地味な作品になりそうです。


マギ シンドバッドの冒険
マギ本編はダンジョン攻略より政治的なシナリオの方が面白かったのですが、
こちらはダンジョン攻略の方が合ってる気がします。
まぁ本編も最近は...ですけどねぇ。
話が大きくなった割には痴話喧嘩、というのは『マイティ・ソー』含めありがちなのかもしれませんけど。
政治的な話になるとキャラに魅力を感じる人は置いてけぼりになる、それの対処なのかなぁ...


KING GOLF
どうもEXがねぇ...
カタルシスを得るためにはその前に鬱展開などの抑圧が必要になるのは確かですが、
感情移入する先の主人公が疎外されてることが、感情移入をし難くさせているような。


◎ ぬいぐるみクラッシュ
素晴らしい。
『ぬいぐるみクラッシュ』 サンデーS 2015年1月号 p163 熊之股鍵次

期待のさせ方と、この後ふっくら仕上がってるのにも関わらずぐったりしているギャップが素敵。
何回か読み直しましたが、それでも笑っちゃうなぁ。
『ぬいぐるみクラッシュ』 サンデーS 2015年1月号 p167 熊之股鍵次

このネタも最高に最低ですしw
もうちょっと話題になってもいいと思うんですけどねぇ。


BIBLE OF BLACK
地味。
アクションは派手にやってるんでしょうけどねぇ...


○ 最後は? ストレート!!
こっちも地味。
まぁこっちの地味さは展開の遅さと、丁寧な描写が原因だと思うので、
良し悪しではあるのですけども。


今際の国のアリス
思い切って先月分はかなり踏み込んで予想を書きましたが、

ヤバ様とバンダが生き残る
バンダが「自力で解答できない状態」をキープしながら耳を削ぎ、目を塞ぐ...

ここは概ね当たったものの

相手のスート(トランプの絵柄)を予測する
最後は自害

ここは外しました。「最後は自害」に関しては文章書く前はそう思ってたのにw
確率的には50%当てたと言えなくも無いですが、
肝心要のスートを外したので、全体的に見れば予想は外したなぁと。
当てた所はちゃんと伏線張ってあるのが原因ですし。


機動戦士ガンダム アグレッサー
作戦云々と関係無ければそこそこ。
野戦病院の悲惨さとその後の仲間割れのシーンとが対比になっていて、
いかにどーでもいい事で足を引っ張られてるかが描写出来ているのではないかと。


MONSTER×MONSTER
路線変更で主人公キャラをどう扱うか、難しい所をそれなりに上手くやってるとは思いますが、
『MONSTER×MONSTER』 サンデーS 2015年1月号 p375 飛田ニキイチ

それが面白いかと言われると話はまた別で。(2回目)
中々絵柄とやりたい事とのミスマッチを上手く面白さに繋げられませんなぁ。
ちなみに、「確度」は「角度」の誤植ですな。


◎ 女子高生刑事 白石ひなた
正直ネスト編は熱いものの面白さ的には若干落ちてるように感じていたのですが、
『女子高生刑事 白石ひなた』 サンデーS 2015年1月号 p398 早坂ガブ

最終回はこの伏線とハンドサインできっちり意外性を出してくれました。
全体的にみても◎。
内容的には当初から素晴らしかったですが、絵の見栄えもかなり上がりました。
まぁ絵で売れるような絵柄かと言われるとまた話は別なんですけども...


サンデーには『名探偵コナン』というレジェンド級の作品がありますが、
さすがに後10年も続かないでしょうから、推理モノはもう一作品欲しいところ。
是非とも本誌昇格を果たして欲しい作家さんです。
個人的には原作に回った方が良いとは思いますが、作家の相性もあるでしょうしねぇ...


○ アトランティド

せめてもうちょっと炭鉱の町の雰囲気を味わってみたかったです。
サンデーS 201411

以前こう批評したところ、
『アトランティド』 サンデーS 2015年1月号 p434 山地ひでのり

炭坑のシーンが。
続きがあるので何とも言えないですが、アジトへの抜け道という設定は悪くないものの、
炭坑だからこそ出せる面白みがあったと言われると...
秘密裏に使っているルートなので、ローリングストーン的なトラップは使えないのは確かですけど、
もうちょい工夫が欲しいですなぁ。


相変わらず敵のデザインは素敵だったりするんですが、
どう読者と駆け引きをするか、どうキャラにファンを付けるか?
を念頭に置いて欲しいです。
駆け引き自体は受賞作『微笑みの奇術師』では出来てたので、やれない筈はないんですが。


キャラクタイムズ
面白いと思う人はいるんだろうなぁと想像は付きますけど、
個人的にはさっぱりだ。


アパートメント・オブ・ガンダム
今回はちょっとマシかなぁ。個人的には相変わらず微妙なんですけども。
ニュータイプの能力ってのは (作り手からすると)
手っ取り早くキャラ同士を共感させる能力という側面があるので、こういう展開はある意味正しい。


× 野良猫世界
昔、ゲッサン横山裕二先生が『いつかおまえとジルバを』という作品を連載してましたが、
アレ以上のつまらなさ。
ネコ好きにヒットしそうな気配はなく、ギャグやコメディが面白い訳でもなく、
さりとて熱血や感情移入が出来る作品でもなく。
先の展開が読めないのは唯一良いところですが、そもそも展開を読もうという気にすらならないという。
個人的にはモノローグの文字が五月蠅すぎるんですけど、特徴としてはアリだと思います。


THE UNLIMITED 兵部京介
THE UNLIMITED 兵部京介』 サンデーS 2015年1月号 p555 原作:椎名高志 漫画:大柿ロクロウ

これぞ椎名イズム。


○ 木倉さんと三人三脚
うーん、ちょっと勢いが落ちてきた感。
絵はだいぶこなれてきましたし、熱血はちゃんと出せてはいるのですけども...


P.K.ジーニアス
まだ面白いと言うには程遠いですが、
萌えるシチュエーションと最後の意外性で、読めるようにはなってきたかなぁと。


グノーシス・マーチ
相変わらず地味ですなぁ。それでも面白いと思えるには訳があって。
別に幼女が裸でウヒャッホイだからという訳ではないですよw
グノーシス・マーチ』 サンデーS 2015年1月号 p643 星野倖一郎

こういう、TRPGの最初のクエストにありがちなストーリー、ツッコミ所のある展開をしておいて、
グノーシス・マーチ』 サンデーS 2015年1月号 p660 星野倖一郎

このセリフ。
意外性がありますし、じじいとガキだけで旅出来そうな気配も漂わせています。
シーラが他人を拒絶する理由はベタなもののそうこなくっちゃな内容ですし、オチも笑いました。
やはり面白い作品を描ける作家さんだなぁと改めて思うのと同時に、
もう少し売れる事を意識して欲しいなぁという思いも。
クオリティが高くても売れなければ続けさせて貰えませんからねぇ。


◎ バディ!!!
『バディ!!!』 サンデーS 2015年1月号 p683 西園フミコ

アンビバレンツな構造をきちんと漫画に描けているなぁと好印象。
相変わらずストーリーはちゃんと面白いんですよねぇ。
男になれなくなったのなら、女子バスケに復帰できるじゃんと思わなくもないのですがねw
そういうオチにするのかなぁ。
何にせよ4巻で終了でしょうから、きっちり締めてもらいたいところです。


◎ 名無しは一体誰でしょう?
トリックはフツーに面白かったですし、
名無しが誰か、それを語る前に勿体ぶってる辺りも好印象。
伏線張りつつ、読者に考える間を与え、しかる後に意外性を出す。


ミンサー (読切) みちの草

まんがカレッジ 2012年8月期 『チェリーの指輪』 努力賞 (20歳)

★★☆☆☆
母方の田舎が沖縄で、弟が生まれる直前には住んでいた事もあるので、
(とは言っても当時1歳なので全く記憶ナシ)
応援したい気持ちはあるのですが... さすがにこれはなぁ。


『ミンサー』 サンデーS 2015年1月号 p734 みちの草

絵自体は割と見栄えしますけど、22〜23歳の人が描いたとは思えないほど絵柄が旧いですなぁ。
それこそ22年くらい前の絵柄でしょうよ。
好きな作品がかなり昔のものだったりするんでしょうか?
個人的には割と好きではあるのですが。


『ミンサー』 サンデーS 2015年1月号 p738 みちの草

父方の義理の祖母は奄美出身だったんですが、
「かめー」とは言わないものの、大阪で祖母を引き取っていた時によくやられました。
昔の人にとってはバナナは貴重品だったんでしょうが、
フィリピンバナナが安く手に入る時代に、しかも古くなって「ジュース用」として売られてるバナナを
毎日のように押し付けられていた苦い思い出がw


といったように、個人的には「分かる」のですけども、沖縄ならではの「あるある」が
ただ単に出しているだけ... 何かしら伏線に繋がる訳でもないので、
そこに面白さが出せていません。知らない人からみれば「へー」で終わりでしょう。


問題はストーリー展開で、
見開きのコマが序破急の急の所で使っていないため、盛り上がりがあやふやになっていたり、
そのシーンが海見ただけで改心するのも何だかなぁ感。
そりゃ「ニライカナリ」は知ってますけどねぇ....
珊瑚踏んで云々も海辺に辿り着く前に1回踏めば気づくだろうと思えるように、
作者的には納得しても、読者的にはすんなり受け入れられない独りよがりな印象が強いです。
結果、共感してもらいたい所で共感し難くなっているのではないかと。


ひとまず女性が主人公で、何を共感してもらいたいかを中心にストーリーを紡ぐ事は続けるとして、
もう少し読者の目線を意識する... 特に、何が求められているかを考えた方が良さそうです。


とある飛空士への恋歌
ベタなのは確かですが、特攻は男のロマン


覚の駒
アバンに変化を付けて、マンネリ感に和らぎが。
まー評価できるのはソコくらいで...


× ネッコロ
これをどう面白がれと言うのか私にはサッパリ。
それをシュールと呼ぶのかなぁ。