サンデーS201502

『ハヤテ10周年記念クリアファイル』が付録。
これが素晴らしい出来
サンデーS 2015年2月号 特別付録

これだけだと何がどう素晴らしいのかさっぱりなので、裏面も表示すると、











こうなります。
つまり、10年前に描いたカラーのリライトをしていると。
ヘビーなハヤテファンなら表面だけでリライトと気づくのでしょう。


10年経ってどれだけ絵柄が変わったかが一目瞭然なので、
その変わりようが連載10年続けた重みとして表現されているのではないかと。
個人的には絵柄よりもポーズや背景の方が注目で、
腰のラインの美しさを出すナギのポーズ変更や、ハヤテのタイの変更、
影の付け方や星月・屋敷の変更などは、
どう意識が変わったのか、どういう引き出しが増えたのかを推測する上で非常に参考になります。
『ハヤテ』本編でも10周年記念で1話リバイバルみたいな話がありましたが、あれも良かったですねぇ。


あれだけ月が光り輝けば、星は逆に見えなくなるものですが、
そんなリアリティよりは光と影のコントラストを重視しているって事なんでしょうなぁ。


来月からは2本が新連載。
サンデーS 2015年2月号 p798

一本目は『G』の山田一喜先生。
サンデーではヤンキー漫画は絶滅危惧種で、西森博之先生でさえ描かない現状。
辛うじて『KING GOLF』本誌『デジコン』の主人公がヤンキーっぽいだけ。
ヤンキーという存在自体が絶滅危惧種なので致し方ないところですが、
ワイルドなキャラというのは今でも一定の需要はあるはずです。
つまり、ヤンキー以外でいかにワイルドなキャラが活躍出来るような舞台背景を作れるかどうかですが、
アイドル漫画がシナジーを期待出来るかどうかは、個人的に懐疑的です。
仕組みさえあれば何とかなるとは思うのですけども。
『デジコン』は失敗例かなぁ。何故『一番湯のカナタ』をリメイクするのか理解不能


サンデーS 2015年2月号 p799

もう一本は鷲尾和哉先生の『仏ロック』

鷲尾和哉
まんがカレッジ 2009年9・10月期『仏ロック』 佳作 (大阪府・25歳)
2010年 クラブサンデー 『コウテツ少年』 掲載
2012年 クラブサンデー 『モモとタロウ』 掲載
週刊少年サンデー 2014年15号 『恋愛力学のススメ』 掲載

※追記
第100回 ヤングジャンプ月例 マンガグランプリ (2009年10月期) 『ラブパワー』 期待賞
に、尾鷲カズヤ(大阪府・24歳)という人がいて、
ヒューマンアカデミー大阪校出身、本名鷲尾和哉という事なので、
同一人物かもしれません。


『恋愛力学のススメ』は確か中の悪い男女のペアで敵を倒す話で、
パワーの源がトキメキだったような。
最後2pのオチが無ければ微妙な作品でした。評価的にはtwitterで★4付けていました。


タイトルこそ受賞作とは同じですが、大分変えてくるでしょう。
時期的には読んでいる筈ですがさっぱり思い出せねぇ...
という事で、期待しようもないですが、望み薄とも思いません。


○ 月イチ!!! マギ部!!
内容的には相変わらず宣伝を上手いこと漫画に落としこんでいる事以外に語ることはないんですが、
サンデー本誌に『さえずり高校 OK部!』が連載されるのはいいニュース。
現状、ストーリー漫画だと青年・少年どっちつかずな作品になっているので、
既に実績のある4コマ漫画での連載なら手堅いでしょう。
4コマ漫画はどうしても単行本の売上には繋がりにくいですが、
雑誌離れを防ぐにはいいコンテンツだと思うんですよね。


あと、連載準備中の富士昴先生のツイートを見ていると、
どうもJRAのタイアップ作品の準備をしてそうですね。
企画モノをやるという噂は耳にしていたので、恐らくサンデーSでの連載という事になるんでしょう。
そりゃ本誌の方が個人的には嬉しいんですが。


◎ 自称監督

険持ちよ先生の愚痴を吐き出しても問題のない作品でなら読みたいなぁとは思いました。
要するにオリジナル作品って事になるんでしょうけども。
さすがに本誌復帰とかは厳しいでしょうなぁ。
サンデーS 201404

前作『My Sweet ウマドンナ 馬きゅ〜ん☆』の最終回でこう批評しましたが、
『自称監督』 サンデーS 2015年2月号 p10-11 険持ちよ

扉に「愛と毒にあふれる映画道、いざアクション!!!!!」とあるように、
『自称監督』 サンデーS 2015年2月号 p50 険持ちよ

『ウマドンナ』で一番のボトルネックになっていた、毒を中心の一つに据えてきました。
個人的には「何の実績も無いのに偉そうな事を言っている」辺り、主人公に共感しまくり。
そして彼を殴り倒す辺りにカタルシスが出せるのではないでしょうか。


キャラ的には『MONSTER×MONSTER』の主人公と被ってはいるのですが、
実際作った作品が批評に晒されることによって鼻をへし折られる(かどうかはまだ分かりませんけども)点が、
路線変更せずに話を進められる構造にはなっていると思います。
この作品でもキャラの魅力をいかに出すかが最優先事項ですけども、
このブログで言うところの「メタ的」な面白さが出せれば、より良い作品になるのではないでしょうか。
1・2話の内容だと、先々を期待せずにはいられません。
アオイホノオ』的な、増長と失望を繰り返せればドラマにもなるでしょうし。


サブテン
とことんベタですなぁ... 手堅くはあるのですが。


BIBLE OF BLACK
批評書くの忘れるほど印象に残らない...
基本に忠実なんですけどねぇ。


最後は? ストレート!!
オッサンなので、これで睦月すげー、とはならんですなぁ。
五月蝿いオッサンは無視していいので、これはこれでいいんでしょう。きっと。


マギ シンドバッドの冒険
きちんと役割が分担されていて、ちゃんと面白く。
その対比もありますし。


MONSTER×MONSTER
過去の秘密は概ね予想通りとは言え、悪くない展開だとは思います。
ただまー笑いを取りたい所がさっぱり笑えませんなぁ。
ギャップが笑いに繋がるのは確かですが、
ギャップがあれば笑いに必ず繋がる訳ではないと。
どこに境界線があるのかは分かりませんけども。


◎ 名無しは一体誰でしょう?
逆にこちらはきっちり笑いに繋げられているのではないかと。
一本調子だった以前とは雲泥の差で、漫画にメリハリがありますし、
絵の見栄えも地味に良化しています。
次の作品もこのタッグで、という可能性はほぼゼロでしょうが、
山田先生はキャラの魅力を小ネタではなく、ストーリーに絡めていかに出せるかを、
岡崎先生は山田先生のシナリオの良いところを吸収して、
次回作へと繋げるため綺麗に締めて欲しい所です。


THE UNLIMITED 兵部京介


× P.K. ジーニアス
カラーも酷いなぁ...


母親がいなくなった展開が、面白いに繋がっているかと言われるとちょっと...
上の思い通りに事が進まなくなっているという意味ではいいんですがね。


アパートメント・オブ・ガンダム
いい標語だとブライトが思うのは、ブライトが大して標語作るの上手くない表現としてならいいんですが...


ぬいぐるみクラッシュ
今までで一番微妙。
別に金持ちネタで気分悪くなんぞなりませんが、 (そんな人間なら『ハヤテ』読めません)
一番面白いネタが、賢い畜生のくだりではねぇ。


キャビア、ツバメの巣のネタはいいとして、
金の延べ棒や札束のくだりは金持ちというよりは成金なんですよねぇ。
そういうゲスさがギャグにはなりうるのは確かなんですけども、
個人的には笑いには繋がっていないように思えます。
新しい笑いのパターンを模索することは支持しますけど、
金持ちネタはどういう方向性が良いのか、再考する必要はあると思います。


『ぬいぐるみクラッシュ』 サンデーS 2015年2月号 p410 熊之股鍵次

重箱の隅ですが、クレーン車と言いながらショベルカーを描いているのは正直うーん...


機動戦士ガンダム アグレッサー
民間人が情報を流していたこと、中隊長が手柄を独り占めしようとしてたこと、
奪還作戦の内容、アグレッサーに因縁がある人物が登場する辺りまではまぁいいんですが...
こんなチマい話で栄転への話があったり、
殺しても大して時間稼ぎにならない子どもを殺せと言ってる辺り、どうも面白みに欠けますなぁ。
ストックホルム症候群を出してくれた方がまだマシだったかなぁ。


○ アトランティド
『アトランティド』 サンデーS 2015年2月号 p470 山地ひでのり

便利キャラ登場。こういうキャラがいると意外性が簡単に出せて楽なのですが...


『アトランティド』 サンデーS 2015年2月号 p469 山地ひでのり

それを台無しにするような構成。
確かに頭から何かを出す事は意外性あるのですが、女物の服出したら次に何するか読めるでしょうに。
例えばスカンキーが「侵入する為なら何でもやるか?」と挑発した後にサリーが
「もちろん。男に二言は無い!」などと男らしい事を言った後に女装すれば、
ちゃんとギャップになったと思うんですよね。まぁこのネタそのままだと微妙ですけど。


相部屋の丈二 (読切) 遊眠
★★★☆☆
うーん、感想書きようが無いなぁ(苦笑)
『相部屋の丈二』 サンデーS 2015年2月号 p485 遊眠

ネタ的には全く刺さりませんでしたが、くだらない良さはあったんじゃないでしょうか。


○ バディ!!!
『バディ!!!』 サンデーS 2015年2月号 p492 西園フミコ

ギャグが滑る描写自体はアリですが、
面白いギャグでも滑るような重い雰囲気を描写する場合や、
つまらないギャグで重い雰囲気が払拭される場合でやるべきだと思うんですよね。
大して面白くないギャグが重い雰囲気のまま進行されると、読んでるこっちも重苦しく。
兄貴のムカつき加減は悪くないんですけどねぇ。


○ 木倉さんと三人三脚
槍を持つと性格が変わるという制約が厳しすぎるので、槍以外でもOKにする事自体はいいんですけど、
それってそんなに悩む事なのかなぁと、どうしても思っちゃいますね。


キャラクタイムズ
まー遊眠先生よかマシですが...


KING GOLF
個人的にはEXが出てきてからの「何も出来ない感」はビミョービミョー。


野良猫世界
後でフツーに戦ってるのに、
VSロナウドでわざわざヒデヨシがどう勝ったか見てないようにした意味がよく分かりません。
戦いのルールも漫画の面白さに繋がっているかと言われると微妙で。


とある飛空士への恋歌
ベタなのは確かですが、特攻は男のロマン。 (前回と同じ感想)


あらたなピカソ (読切) 尾辻優華
★★★★★

尾辻優華
金沢美術工芸大学出身?
まんがカレッジ 2011年6・7月期『ぼくのおうちのきのこのつばき』 佳作 (石川県・20歳)
クラブサンデー 2013年10月25日 『ラクガキ』 掲載
(サンデーS 2014年1月号に再掲)

絵画を題材にした漫画として真っ先に挙がるのは『ギャラリーフェイク』でしょう。

この漫画の贋作を見破り、代わりに真作を出したと見せかけて贋作でした...
と言ったパターンは『ギャラリーフェイク』にもあるものです。
ギャラリーフェイク』ではなかったパターンを見つけ出そうとするよりは、
『あらたなピカソ』 サンデーS 2015年2月号 p725 尾辻優華

違ったテーマを盛り込む方が健全ではあります。まぁこれがテーマの話もあるのかもしれませんが。


キャラ絵のテキトーさ加減は残念ですが、
『あらたなピカソ』 サンデーS 2015年2月号 p686 尾辻優華

キャラのハッタリの効かせ方は前作『ラクガキ』同様良いですし、
ストーリーの意外性もかなり良かったです。
惜しむらくは、襲撃させた時に「絵が違う」と気づかせたこと。
襲撃が成功させたと犯人に思わせておいて、それなのに真作が出てくる...
といった展開の方がキャラにも読者にも、より意外性を出せたのではないでしょうか。
いくつかマイナス要素があるとは言え、個人的には★5.5くらいは付けたい作品でした。


グノーシス・マーチ
うーん、さらに地味に...
グノーシス・マーチ』 サンデーS 2015年2月号 p748 星野倖一郎

こういうベタなディテールは悪くないんですけどねぇ。


覚の駒
毎回書いてますけど、どの回も似たような話にしかならんですなぁ。


ネッコロ
『ネッコロ』 サンデーS 2015年2月号 p801 中川いさみ

ネタ的に考えてペヤング騒動の前に原稿上がったと思われます。
イムリーと言っていいのか悪いのか微妙ですなw
珍しくほのぼのとしたオチでしたが、面白さ的にはいつもどおり微妙。