The Structure of ”After School Saicoro Club” #4
予告したように『放課後さいころ倶楽部』周辺に関して徒然と。
去年のうちに書く予定でいたのですが、親友が年末年始『Cafe Meeple』に入り浸っていて、
それに付き合ってるうちに時間が...(苦笑)
#4では中道先生が『ボードゲーム数寄語り』に登場されたので、
その放送聞いて感じたことをいくつか。放送の感想とはちょっと違うかも。
ボードゲーム数寄語り。第48回「放課後さいころ倶楽部第4巻・その1」
ボードゲーム数寄語り。第49回「放課後さいころ倶楽部第4巻・その2」
ボードゲーム数寄語り。第50回「放課後さいころ倶楽部第4巻・その3」
ボードゲーム数寄語り。第51回「放課後さいころ倶楽部第4巻・その4」
(1/10追記しました)
円卓Pには引用の許可を頂きました。ありがとうございます!
その1
中道:
自分はゲームを完成まで作ってない(ので)無責任な発言なんですけど、
モノを作る上では、漫画もゲームも人に向けて発信するものじゃないですか。
漫画でもそうなんですけど、部屋でずっと描いてるうちは中々やっぱり
みんなに認めてもらえるモノは描けないんですよ。
読んでもらって色んな意見を貰うのが一番成長の糧になるじゃないですか。
その辺の気持ちを込めましたね。ジョージのセリフには。
『放課後さいころ倶楽部』 ゲッサン2014年8月号 p524 (4巻 p12) 中道裕大
円卓P:
つまりこれは中道先生からの、全てのものづくりをする人達へのエールというか。
中道先生だって、自分で漫画描いてて持込とかしていく時に
こういうようなジレンマがあった感じなんですか?
中道:
いやーてかコレしか無かったです本当にもう。
見せるって要は、自分の一番恥ずかしい部分じゃないですか。
自分の趣味だったり、自分の好きなものを見せて、
他人に拒否された時のショックって凄いじゃないですか。
見せたいけど、見せて褒めて欲しいけど、拒否されたくないって言う気持ちが、
ものづくりしたら絶対付き纏う筈なんですよ。
でもそこを、ちょっとタフになって乗り越えていかないとモノって作れないから、
その辺のことはたぶん基本にあるんだろうなという感じで、
ミドリの第一歩を踏み出す為のエピソードとして描いたんですよね。
円卓P:
この話はゲーム作りするだけじゃなくて、全てのエンターテイメントというか、
ものづくりする人に共通する大事なことを伝えてくれる話じゃないかと思います。
『ボードゲーム数寄語り。第48回「放課後さいころ倶楽部第4巻・その1』 4:39 〜6:15
以前この回の記事に
『放課後さいころ倶楽部』 ゲッサン2014年8月号 p526 (4巻 p14) 中道裕大
この辺り、漫画にも似たような事が言えるのではないでしょうか。そういう意味ではメタ的です。
漫画以外のエンターテインメント全般に言えることなのかも知れません。
放課後さいころ倶楽部 #26
こう書いたように、中道先生の伝えたかった事をちゃんと汲み取れてて安堵しましたw
放送ではものづくりの立場からという事でしたが、中道先生の発言は
批評する立場からみても非常に重要です。
表現者の全てが他人に見せたいと思っているかどうかは別ですが、
仮にある表現者が「見せたい」と思っていたとして、どう対応するか。
一番当たり障りが無いのは、褒めて貶さないことですが、
『放課後さいころ倶楽部』 ゲッサン2014年8月号 p542 (4巻 p30) 中道裕大
問題点の指摘や改善案には批判的な内容が伴うので、
相手の受け取りようによっては貶す事にもなり得ます。
表現者がショックを受け、モチベーションが無くなる恐れがあります。
もちろん言い方・書き方に工夫をする余地はありますけども。
ではどうするのか。
ひとつは、臨機応変。
臨機応変の一般的な意味は「その場に応じた適切な手段をすること」ですが、
仏教用語では説法(仏の教えを伝える)の一種で、相手の能力に応じた教え方をするという意味です。
能力の中には、相手がどれだけ批判に耐えうる心理的なタフネスがあるかも含まれていると考えます。
漫画だと、担当編集者に求められる能力でしょう。
しかし、この方法はブログだと相手の顔色を伺いつつ書くという事は出来ませんし、
そもそも私に空気を読む能力があるかは怪しいですw
なので、基本的に私は漫画家さんに対して「ブログ読まない方がいいですよ」と言い続けています。
もうひとつは、読む/読まない の判断を読む側に委ねる。
こちら側が相手の心理状況を把握できない以上、読んでもらうなら自己責任しかありません。
「ブログ読まないで下さい」とは言わないのはこういう理由です。
但し、モチベーションが下がる恐れのあるモノを書くならば、ただ貶めるだけの批評は避け、
問題点や改善点を挙げることが礼儀だと私は考えます。
実際には常にそれが出来る訳ではないでしょうけど、少なくともその意思は持つべきだと考えます。
中道:
まだそのゲーム作り話の1話目というか。
まだ続いていくと思うんですけども。ゲーム作りシリーズは。
円卓P:
おーいいですねー。
『放課後さいころ倶楽部』 4巻 p37 中道裕大
中道:
だからまー頑張って欲しいですね。彼女には頑張って欲しいですねw
『ボードゲーム数寄語り。第48回「放課後さいころ倶楽部第4巻・その1』 14:35〜14:52
いやー、これは嬉しいですね。
乞うご期待という事ですが、個人的に期待したいことを#5で書きます。
中道:
基本的にデバッグ作業は、何かアル隊長が一手に引き受けているんですよね。
頼んでないんですよ。頼んでないんですけど、アル隊長が引き受けてるという。
『ボードゲーム数寄語り。第48回「放課後さいころ倶楽部第4巻・その1』 18:27〜18:35
バグ出しを望むなら、公式twitter @saikorocluboff1 にResしてもらうように呟けば、
結構集まるんじゃないですかね?
その2
中道:
これは実は、ゲームより先に、ミキとマキの話を俺は描きたいなってなったんですね。
でもミキとマキの話を出した時に、ゲーム出すってなったら何出しても不自然だなってのがあったんです。
この二人のエピソードは描きたいけど、ゲームが無いってなった時に、
『もんじろう』がハマったんですね。自分の中で。
『もんじろう』なら吸収するなと思って。色んなものを...と思って。
『ボードゲーム数寄語り。第49回「放課後さいころ倶楽部第4巻・その2』 2:08〜2:41
『放課後さいころ倶楽部』 4巻 p113 中道裕大
中道:
この顔を描きたいが為の、この1話という説もありますね。
円卓P:
あー、いいですね。ギャップがあって。
『ボードゲーム数寄語り。第49回「放課後さいころ倶楽部第4巻・その2』 7:28〜7:35
中道:
『アイランド』…… この時はどっちだろう。ゲームから択んだのかなぁ。
2パターンありまして、話決めてからゲーム択ぶ場合と、ゲームに合わせて話を作る場合があって、
この場合はねぇ…… どうだろう。『アイランド』はでも結構ずっとやりたくって。
この話ならまぁ合うかなぁくらいの感じで出してるんでしょうね。きっと。
『ボードゲーム数寄語り。第49回「放課後さいころ倶楽部第4巻・その2』 17:07〜17:32
これらの発言は個人的に興味深かったです。
以前、キウイゲームズでのイベントの際、中道先生は
「ゲームをやっているうちにストーリーを思いつく」といった発言をされていました。
その際、一緒に出演していた友野詳先生は
「『アクア・ステップ・アップ』は2パターンあって、話があってゲームを択ぶ場合と、
安田均が『そろそろコレをし』と言って決まるパターン(があった)」
と言いながら、「そもそも中道さんと遊んでるゲームの量が違う」という指摘をされていました。
で、中道先生が遊んだことのあるボードゲームの数が少なかった時には、
お話を考えた後にどのゲームを択ぶかという選択肢が少ないので、その方法は採り辛かった。
言わばゲームというリソース不足がボトルネックになりかねない状況でした。
しかし、何回か書いてますが、『放課後さいころ倶楽部』はボードゲームが主体の漫画ではなく、
ボードゲームを題材にしたキャラ漫画です。
ボードゲームがニッチな現状では、ボードゲームを知らない読者を取り込む必要がありますから。
キャラがメインならば、キャラを動かすためにゲームを択ぶ状況が必ず出てきます。
これが出来るようになった事は、選択肢を広げる意味で非常に重要な変化だと言えるでしょう。
ただ、ゲームからストーリーをイメージする事が悪いとは言いません。
お話が先かゲームが先か。そこにも選択肢があるに越したことはありませんから。
好きなゲームの方が描くモチベーションも上がるでしょうし、
キャラを動かすアイデアを何とかして捻り出そうと思うでしょうから。
何度か書いていますが、
どこに選択肢があるか
どれだけ選択肢があるか
どれを選択するか
選択肢を広げることと、選択肢を絞ること。
限られた条件下でどれだけ選択肢があるか、どれを選択するかは割と意識できますが、
限られた条件自体を疑う(=どこに選択肢があるか)ことは、
中々自分では見いだせないものです。ここに批判・批評が力を発揮する可能性があります。
アル隊長:
(ブルーノ・)フェデュッティが「ミニマムゲーム」って言って『ラブレター』を凄い評価してて、
俺も日本のゲームってのはこういうミニマムな奴が良いと思っているんですね。
土壌がドイツとは違うんで、日本人がでっかいボードを使った奴を作ろうと思っても、
コスト面的にも厳しいし、同じようなのは作れないと。
やっぱでも日本人は手先の細かさとか、こういうミニマムなものを作るのが優れているので、
『ラブレター』は日本人が作ったゲームっていうのを具現化しているゲームだと思うので、
素晴らしいと俺は思ってるんですね。
『ボードゲーム数寄語り。第49回「放課後さいころ倶楽部第4巻・その2』 28:54〜29:27
この辺りは#5で触れます。
ゲイ云々の話は、単に彼が中道先生がタイプだったので、ノンケな中道先生の心を揺るがせてみた。
それだけの話だと個人的には思いますねw 中道先生イケメンですし。
その3
『Cafe MEEPLE』移転の話は私も聞きました。
『放課後さいころ倶楽部』 4巻 p158 中道裕大
出町柳は西には同志社大学、東に京都大学があり、学生客を当て込んで今の場所にしたようですが、
思ったより学生が来ないので、より人が集まりやすい場所...
具体的には三条付近への移転を考えているそうです。
河原町四条−三条間にはイエローサブマリン京都店があるので、
さすがにその付近は厳しいでしょうが、歩いて行ける距離なら相互補完的にもなるんじゃないでしょうか。
個人的にはもう少しスペースが広い方がいいんですが、駅からの距離との兼ね合いになりそうです。
『放課後さいころ倶楽部』も「さいころ倶楽部」と「ゲシェンク」が相互補完的に、
隣同士に移転するってのもアリなんじゃないでしょうかね?
アル隊長と円卓Pが仰っていた、カフェとボードゲームとの相性が悪いという話は、
以前私も危惧を抱いていました。
そして、中道先生が仰っていたように、カラオケシステムなのはその通り。
フリー雀荘が一番近いかも。
むしろ雀荘やカラオケボックスにボードゲームが置かれる日が来るかもしれません。
まだ試験的ですが、すごろくやプロデュースでボードゲームを置いているネットカフェにもありますし。
コンポーネントの汚損に関しては、雀荘のようなサイドテーブルを使うか、
『Kiwigames』のようにタンブラーにドリンクを入れるかでしょうねぇ。
『M's Bar』のようにドリンクはカウンターに置く方式はちょっと厳しいかなぁと。
あの小スペースでは止むを得ない処置だとは思いますけども。
円卓P:
ミドリが蓮ちゃんに直訴する訳ですけども。
「ボードゲームはドイツでは図書館にも常設されています。」
というような事をですね、言い出す訳ですけども。
まーコレね、ボードゲームだからいいんだけど。
向こうから見ると、麻雀やりたいとか言ってるのとあんまり変わりないような風に見える。
中道:
向こう側からしたら、ねぇ。
円卓P:
言いくるめるのは難しいですよね。中々。
『ボードゲーム数寄語り。第50回 放課後さいころ倶楽部第4巻・その3』 13:17〜13:38
この辺りは長くなるので#5で触れます。ボードゲームと教育について。
人気投票に関しては中々興味深かったのですが、
アル隊長:
やっぱりですね、みんなが予想した通りです。
円卓P:
(笑)
アル隊長:
予想した通り、ゲームマーケットに来るような人達はゲーマーなので、
この段階でミドリですよ。確実に。
61票中27票とというね、圧倒的な大差を付けて....
『ボードゲーム数寄語り。第50回 放課後さいころ倶楽部第4巻・その3』 32:15〜32:31
この辺りは補完して欲しかったなぁ。
じゃぁゲーマーではない人達の支持はどうだったのかと。
『ごいた』回の蛇足で触れた、ゲッサン2014年2月号のアンケート結果の話に触れて欲しかったです。
その4
生粋のボードゲーマーなら
『放課後さいころ倶楽部』で採り上げて欲しいゲーム = 自分の好きなゲーム
になるんだなぁとw
まぁ自分の嫌いなゲームを採り上げて欲しいとは思わないでしょうけど。
私の場合、それほどボードゲームの知識がある訳でもないというのもあるでしょうが、
それ以上にこういう展開を見たい、という方が多いですね。
アヤが勝つ展開を見てみたいというのも、そのうちの一つです。
この辺りは来月くらいになるかも知れませんが、#6に書ければなぁと。
『お邪魔者』は中道先生のゲーム会でも割と定番っぽいので、いずれやって欲しいですね。
いいゲームですし。
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1巻の段階で既にパッケージは出てきているので、出てきそうだなぁとは思ってましたが。