少年サンデーS 201307

今月で『ロック』が終了、『ちいさいひと』が現シリーズ終了で1回休み。
代わりに来月から『ささみさん』が移籍、新連載が1作品。
現在本誌で連載されてる『マギ』のスピンオフも移籍してくるんでしょうか?
サンデーS 2013年7月号 p780

『ささみさん@がんばならい』は同名ラノベのコミカライズで、
ATXでのアニメ終了と同時に本誌での連載も終了となりました。


個人的に面白かったかどうかは別として、コミカライズの質に関しては割とがんばってたので、
何とか連載は続けられるだろうと当初は予想してました。
ただ、連載開始直後から巻末へと追いやられてたりしてたので、
どうも本誌でのアンケートは悪いんじゃなかろうかと勘ぐってもいました。
1月から始まった頼みのアニメが全12話中、11,12話が地上波の放送を止めて、
その後はニコニコ動画での配信となる有様で、売り上げ的にはアニメもコミックもがんばる事なく、
サンデーSへの実質左遷と相成りました。
一応単行本は4月に増刷掛かってたんですけどね。


作画の西川彰先生はストーリーが微妙なものの、絵がイラストレーター並に見栄えがするので、
サンデーの中でもかなり作画向きの作家だという認識だったんですが、
結果的には原作に恵まれなかった格好になりました。
トーン貼りすぎで画面が暗いという欠点はまだ残っていますけど、
連載当初の構図のマズさや書き込み過多による読みづらさは徐々に改善されてきてるとは思うんですよね。


以前サンデー本誌では打ち切りが決まった作品でも、1年間は連載を続けるしきたりでしたが、
クラサンが出来てからは、新人の場合はクラサンで残りの期間連載するというパターンになりました。
『ささみさん』は本誌連載スタートが10月なので、そのまま当てはめると残りは4ヶ月程度になりますが、
単行本の収録ページの関係でもう少し終了時期は伸びるんじゃないかと思ってます。
サンデーSで連載するには問題ない程度の売上があれば、そのまま続くんでしょうけども...
サンデーSでもがんばらないんじゃないかなぁという不安も。


サンデーS 2013年7月号 p781

新連載はクラブサンデーで2011年2月25日に掲載された読切『覚の駒』の連載化。
twitter : 内富拓地
いかにも藤田組の作家さんといった印象を受ける絵柄ですが、見栄えはしませんし、
内容的には全くパッとしなかった記憶があります。
個人的には期待出来ないだろうなぁというのが正直なところ。


サンデーSへとタイトル変更してから、『UNLIMITED』『ノゾ×キミ』といった新人以外の作品はともかく、
『湯神』は大成功、『ラスボス』は恐らく及第点、『ひなた』『キュピコ』はそこそこ成功だと思われますが、
(個人的に『青芝』は大好きなんですけどねw)
新連載のレベルが下降気味に見える点は非常に気がかりです。
かつてのサンデーは受賞してから連載獲得するまでの期間が非常に長く、
そこで燻ってる作家さんが今でもかなりいるので、ある程度回転早める必要があるのは確かですが、
「まんがカレッジ」で佳作以上の受賞作家さんが年間10人程度、
さらに新人コミック大賞経由の作家さんを含めても12人程度という事を考えると、
新連載のハードルが徐々に下がって来てるんでしょう。
それに伴って新連載の質も下がってしまうと困るんですが。


最終的にはどこでどのくらい作家の淘汰をするか?という構造的な問題に突き当たるので、
その辺りの長期的視野を持ててるのかが気になるところです。
構造的な話になると、少年月刊誌をもう1誌という話になっちゃいますw
あと、編集長が2年で変わる仕組みも何とかしないと。


ノゾ×キミ
まぁこの作品に関してはもう書くことありませんけどねw
以前書いたように、ヒロインにキャラとシチュエーションへと興味持たせるという、
メタ的な構造があるため、後はキャラとネタを変えるだけで十分回るでしょう。
ケータイ漫画の新連載が立ち上がるまでの繋ぎ、1巻分書いたら再度休載になると思われます。


うろんな3人共
twitterやまだまこと
ギャグは好みが分かれるもんですが、個人的には相変わらずクスリとも来ません。
フツーの人が面白いってならいいんですけど、どうなんでしょ。


機動戦士ガンダム FAR EAST JAPAN
twitter : 大谷アキラ

ただ、この画像から判断すると『ツール』の方が良かったんじゃね?というのがあってちょっと心配。

連載前にこう書きましたが、やはりそんな感じ。MSとかはちゃんと格好いいです。
機動戦士ガンダム FAR EAST JAPAN』 サンデーS 2013年7月号 p86 原作:矢立肇 作画:大谷アキラ

まぁ絵柄も好みが分かれるるんですけども。
内容的にはありきたりな自己犠牲等、ベタだなーという印象。
やはり矢立肇名義の中の人を育てつつのサンデー中堅作家虫干し企画なんですかねぇ。


湯神くんには友達がいない
twitterさくらじゅん
今回はよくやりくりしてるなぁと感心。
湯神くんには友達がいない』 サンデーS 2013年7月号 p86 佐倉準

オチだけ見せられも全く面白いと感じないでしょうが、素晴らしいオチでした。
家族の描写をしようとすると、
神のみぞ知るセカイ』 1巻 p80 若木民喜

家族の思い出の描写がどうしても必要となります。
方法は二つあって、回想を逐次挟むことと、全部回想にする...過去回にすることですが、
一般的に過去回にするとアンケートが下がる傾向があるので、
何かしらの理由が無い限り避けた方が無難です。
そうなると、基本的には回想を挟むって事になるのですが、
あまり長い回想シーンを挟むと、個人的にはダレてくる傾向があるように思います。
あくまで現在進行形の話をメインにしつつ、回想はなるべく簡潔になるよう工夫してるんじゃないかと。


門田と湯神妹とのフラグが立ちまくってる気がするのは私だけでしょうか?w



今際の国のアリス
ステージを変えてきました。
今際の国のアリス』 サンデーS 2013年7月号 p181 麻生羽呂

「異例の早さで」ということは、クリアした前例はあるって事なんですなぁ。
そして本誌出張読切の時に出た謎がここで解決。いい伏線でした。


KING GOLF
ゲームみたいなコースですが、漫画だからいいんです!


キュピコ!
この作品も『ノゾ×キミ』同様、書くことが最早無いですw
キャラとシチュエーションが命の作品ですから、そこがマンネリ化さえしなければ。


(くろ)の天使
twitter林原翔一
最近割とありがちな作品かなぁという印象。具体的にどれとは言いませんが。
まぁオリジナリティは描いてくうちに付けていただければ。
基本的な事はあらかた出来てるとは思うのですが、
コメディ、アクションなど色々やれる割にはどれも決定打に欠ける辺りも相変わらずで。
『(くろ)の天使』 サンデーS 2013年7月号 p284 林原翔一

ただ、思った以上に絵の見栄えは良くなってますね。


○ 名無しは一体誰でしょう?
twitter岡崎河亮(こうすけ) (作画)
ちと辛目ですが。
『名無しは一体誰でしょう?』 サンデーS 2013年7月号 p398 原作:山田鐘人 作画:岡崎河亮

この手の推理モノはご都合主義になりがちで、それをいかに解消・緩和するかがひとつの鍵になる
と思ってるのですが、ひとつの方法はキャラの対応力を描写すること。
建設現場の鉄骨が落ちてくるという、何年前の演出だよとツッコみたくなるようなベタなネタも、
ハプニングではなく故意として、かつ主人公を警戒させる手段として使ってる辺りからして、
ご都合主義に陥らないよう注意しながら考えてるなぁという印象を受けます。


個人的にはミスリードのさせ方がキャラのモノローグかセリフで誘導するパターンだけ、
ってのが少し不満ではありました。



若木民喜
@koutensugano 読ませないってのも色々あって、「想像もできない」ものと、「まず想像させておいて裏切る」ものと、「何パターンか提示しておいて、そのうち何を選ぶか、ないしは選ばないか」というもの・・・ボク的には展開そのものより、展開の前の議論が大事なんじゃなかろうかと。
link
ただ、師匠がこういうつぶやきを以前にしてるので、恐らくその辺りも織り込み済みでしょう。 ある程度同じパターンでミスリードした後に方法を変えたら、そこで意外性も出せますしね。 とまぁ内容的には甘めで◎付けてもいい感じではあるのですが、作画が足を引っ張ってる印象。 この辺りは山田先生の絵を忠実に再現してるからなのかもしれませんがw 『名無しは一体誰でしょう?』 サンデーS 2013年7月号 p396 原作:山田鐘人 作画:岡崎河亮 個人的にはこういう描写を「バーンナックル」や「スラッシュキック」と揶揄してるのですが、 力が入ってる時って腕や足は伸びない筈です。 刺した時の衝撃を受け止める必要がありますから。 ナイフでの鍔競り合いも、鍔同士が競り合ってないですしねぇ... 体制もちょっと... 力がどういうベクトルで掛かっていて、それを支えるにはどういう体制になるかを もう少し考えて欲しいところ。 そこを考えないと動きが固くなりますし、不自然にもなります。 あと致命的なのが、主人公とヒロインが冷静だというキャラだからなのかもしれませんが、 ピンチになっても表情があまり変わらないので、緊迫感がどうしても薄れます。 アクション苦手なのは目を瞑るとして、どんな漫画描くにしても表情描けないと厳しいですから、 ここは改善してもらいたいところ。 THE UNLIMITED 兵部京介 twitter椎名高志 (原作) twitter大柿ロクロウ (作画) THE UNLIMITED 兵部京介』サンデーS 2013年7月号 p432 原作:椎名高志 漫画:大柿ロクロウ 真木が格好良すぎて笑ってしまうレベル。 内容的にもパーフェクト。 ◎ LASBOSS×HERO twitterくずしろ/葛城一 いやー相変わらず面白い。 構造的な事は1巻の記事に書いちゃったんで、 他に書くことがあるとすればネタの話って事になるんですが、 『LASBOSS×HERO』 サンデーS 2013年7月号 p454 葛城一 終わるまでに2回くらいは満点の展開を見せて欲しいもんですなw ○ 女子高生刑事 白石ひなた twitter早坂ガブ どうしても推理モノって起承転結の起承の段階ではそれほど面白くはならないですねぇ。 意外性は解決編に取っておく必要がありますし。 その辺りをコメディで埋めようとしてるのかなぁと思いました。 My Sweet ウマドンナ 馬きゅ〜ん☆ twitter険持ちよ 4本目は微妙。後はまーまー。いい意味で安定してきてるような。 NICO 単なる乳漫画になっちゃいましたね... 正直×付けるかどうか迷ってます。 夏空エンドラン アオリに次号急展開って書いてますけど、さすがに巻かないとヤヴァいでしょうなぁ。 打ち切りだから急展開にしないと終わらせられないのかもしれませんが。 ○ ロック twitter五味秀数 終了ではなく第一部完なのは、体調不良だからって事なんでしょうか。 絵のクオリティは素晴らしいですし、内容的にも良さが伝わりきれてないだけのような気がするので、 休養がいいきっかけになるかもしれません。 芸術捜査班!!! twitter中嶋豊 『芸術捜査班!!!』 サンデーS 2013年7月号 p639 中嶋豊 作者がこういう事分かってるんなら、もうちょっとやりようがあったんじゃないかと思ってしまいますね... ちいさいひと 辛めで無印。 『ちいさいひと』 サンデーS 2013年7月号 p689 夾竹桃ジン シナリオ:水野光博 取材・企画協力:小宮純一 やはりメタ的な演出はシナリオを作りやすくなりますね。ここは悪くなかったと思います。 ただまー演出的にみると、グローブ捨てた後塚地の顔を映さないこと以外に、 もう少し工夫できる余地はあった気もしますねぇ。 蹴球 上にある『湯神くん』の記事で

一般的に過去回にするとアンケートが下がる傾向があるので、
何かしらの理由が無い限り避けた方が無難です。

と書きましたが、そんな過去回。
この回を読むとアンケート下がるのも分かる気がしますね。
過去回は当然ながら因縁を描くので、鬱展開が多いからってのもあるんでしょうけど。


○ ともだちテトラ
今回結構面白かったです。陰謀渦巻く感じで、駆け引きも描けてます。
ただ、この世界観・キャラクターで、読者がそういうのを求めるかと考えるとミスマッチな印象も。


◎ 青いね芝くん!
twitter木村光博
今回イマイチ。とか書きながら◎付けてる訳ですが。
『青いね芝くん!』 サンデーS 2013年7月号 p785 木村光博

このシーンとオチは面白かったですが、小ネタがもひとつ。
せめて助けに行くセリフは何かしらのパロをやって欲しかったところ。


ネッコロ
twitter中川いさみ

漫画家です。
ストラト☆ダンサーズというバンドもやってます。
「月刊サンデー」「コロコロイチバン!」「ぷっちぐみ」「月刊IKKI」で「ネッコロ」同時連載中!
ブログ
http://ameblo.jp/nakagawaisami/
東京都世田谷区 · nakagawaisami.com

先生「月刊サンデー」やのうて「サンデーS」です... 「月刊サンデー」は通称「ゲッサン」なんです...


個人的には面白いところまで行きませんでしたが、中川先生らしい感じではあったんじゃないかと。