少年サンデーS 201305

『AURA』『氷の国の王子様』が終了し、次号では『PLUG』『黒衣の狩人』が終了。
(念のため書いておきますが、打ち切りではなく全て円満終了です。)
そして新連載が二作品。来月も連載二つ始まるんでしょうかね。
そろそろ森園フミコ先生が来そうなんですけども。


サンデーS 2013年5月号 p892-893

正直言って意外でした。中川いさみ先生て。
twitter
クマのプー太郎』でおなじみ。
なにわ大吉先生といい、何故かギャグ漫画は結構な作家さんを引っ張ってきますねサンデーS。
新人にギャグ漫画描く人がほとんどいないのか、ギャグ漫画家なら簡単に引っ張って来れるからなのか
どっちなんでしょ。
サンデーの新人さんかつギャグ漫画家と言っても、熊之股鍵次先生くらいしか思いつかないのは確かですが...


もう一つの新連載は新人コンビ。

山田鐘人 (原作)
まんがカレッジ2010年11月期 『クラスシフト』 入選 (東京・20歳)
初掲日不明  クラブサンデー 『カリスマ』
2010年9月21日 クラブサンデー 『アーグレーカー』
2011年1月11日 クラブサンデー 『0521』
2012年2月21日 クラブサンデー 『ドリーマー』
若木民喜アシ 『神のみぞ知るセカイ』 11〜19巻(最新)


岡崎河亮 (漫画)
大阪デザイン専門学校 漫画学科出身?
まんがカレッジ2005年8月期努力賞
サンデーS 2011年5月号 (クラブサンデー 2011年7月22日) 『MAYBE TOMORROW』 (オカザキカッパ名義) ?

次号で『PLUG』が終わり、履いて捨てるほどいた若木組 (若木民喜先生元アシ) が一掃されると思いきや、
しぶとく山田鐘人先生が連載獲得。これ自体は嬉しいんですが、その嬉しさも半分ナリ。
『クラスシフト』『0521』辺りは個人的に絶賛する内容ではあるものの (この2作品は今でも読めます)
(※追記:3/26から2012年以前の作品は削除されましたが、2ヶ月の再掲載)
絵はまだまだという印象でした。確かに原作だと即戦力ではあるんでしょうけども...


岡崎河亮先生は恐らくオカザキカッパ名義で『MAYBE TOMORROW』を描いてた作家さんだと思われます。
それ以前には岡崎河童名義でサンデー超に読切が掲載されてた筈なんですが、
マイペイジサルコルさんのブログが消滅したために確認取れず。
恐らくまんがカレッジ2005年8月期努力賞の岡崎加奈先生だと思われます。
女流作家さんはちょくちょく名前変えますしね。
『MAYBE TOMORROW』に関しては当時の記事でこてんぱんに書きましたw
この絵自体は山田鐘人先生っぽいんですが、どうなんでしょうか...


新人を 原作/漫画 で分ければデビューの間口が広がるのは確かですが、
新人に連載を通して経験値を溜めてもらうのがサンデーSの意義だという事を考えれば、
個人的にはあまり喜ばしくないかなぁという気もします。よっぽど描くスピード遅いとかなら別ですが。
この組み合わせも編集部主導っぽいですしねぇ...
作家さん同士で意気投合したとかならそれもアリかなと思うのですが。


◎ 月イチ! マギ部!!
先月号で「次からは書きません」と書いたのにも関わらずあっさり方針転換。
『月イチ! マギ部!!』 サンデーS 2013年5月号 p11 一色美穂

キャラ萌えな感じが出ていて非常にいいですね。
先月も一応その路線ではあったんですが、カードゲームよりキャラグッズの方がやり易い面はあったんでしょうなぁ。
というか早くコレのクリアファイルを付録で(ry


湯神くんには友達がいない
相変わらず。
ひとつ目の相変わらずはミス。
湯神くんには友達がいない』 サンデーS 2013年5月号 p126 佐倉準

結果が0-18になっているにも関わらず、
湯神くんには友達がいない』 サンデーS 2013年5月号 p121 佐倉準

湯神くんには友達がいない』 サンデーS 2013年5月号 p123 佐倉準

スコアボードが矛盾してるんですよねw
まずは1枚目と2枚目。上星が1回に1点取ってる筈なのに、結果は0-18になってます。
後で出てくる決勝戦のTV映像では5回に0-5となってるので、2枚目が間違ってるんでしょう。
(地区大会の決勝戦にはコールドゲームは無いので、何回に何点取ったかは関係ありません)
というか対戦相手も違うしw


そして3枚目。後攻が勝ってるのにも関わらず9回裏があります。
左下のスコアボードをよく見ると、チーム名、回の右に3つ枠があるので、
恐らくここにR(Run=得点) 、H(Hit)、E(Error)が入ると思われます。
なので、例えば8回裏に7、9回裏に×、10回〜12回が空欄で、Rの位置に18と入るのが正しいかと。
ただ、これだとコマに入りにくくなりますけども...
スコアボードの種類はいくつかあるので、画像検索してもらえれば。
目次によると背景は全部アシさんが描いたらしいですが、佐倉先生もチェックはしてる筈なんでねぇ。


もうひとつの相変わらずは素晴らしい内容。
湯神くんには友達がいない』 サンデーS 2013年5月号 p140 佐倉準

いやーもう爆笑。
何より良いのは、毎回書いてますけど女性的な思考と男性的な思考をきちんと描けていて、
そのすれ違いをギャグとして昇華できてるところですね。
女性としては愚痴を聞いてくれるだけでも十分なんですが、
男性としては結論としてどうか?が無ければ無意味な訳で。
個人的には湯神の言い分に納得して、藤沢さんみたいな厄介な人がいるなぁと思うのですが、
女性だと逆になったりするんでしょうか。


細かい所も中々よくて、猫が呼んでも来ないくせに知らない間に擦り寄ってきたり、
おばあちゃんが「ビデオ作る」という言い方をしたり、
(その時湯神が点取られてるシーンが映されて、機嫌悪くなるのもまたいいです)
妹が相変わらずあしらい方の上手さを見せたりと、ホントよく出来てる作品だなーと感心します。


THE UNLIMITED 兵部京介
THE UNLIMITED 兵部京介 予告』サンデーS 2013年4月号 p373 原作:椎名高志 漫画:大柿ロクロウ

先週貼ったこの下書き (ラフ?) が、こうなりました。
THE UNLIMITED 兵部京介』サンデーS 2013年5月号 p145 原作:椎名高志 漫画:大柿ロクロウ

内容的にはアニメをほぼ忠実に再現してるのですが、微妙にセリフの中身や順序を再構成していて、
ちゃんとコミカライズしてるなーという印象を受けました。

ロクロウ先生の作品には、ディテールに愛着を持ちすぎてスムーズな展開が出来ないという欠点が
特に『ゲッタブライド』では見受けられました。
『AURA』を見ても分かるように、数あるエピソードを「コミカライズに関しては余分なもの」だと
判断して削っていく作業が非常に重要になってくるので、その勇気を持てるかが鍵になると思われます。

前回こう書きましたが、そこまで心配する必要は無さそうです。
ただまぁ今回カラー+50pと増ページですし、この調子がどれだけ続くかも分からないので、
まだ予断は許しませんけども。
とまぁコミカライズに関しては◎ですが、内容的にはまだ導入部分なこともあり一応○に。


キュピコ!
サンデーS 2013年5月号 p229

松江名俊先生の弟子でしたか。なるほどエロに(ry
前回も書きましたが、キャラにフォーカス当たってきてますね。いい傾向だと思います。


今際の国のアリス
いやー今回面白かったです。
残虐性やミステリーを望む読者には物足りない展開かもしれませんが。
今際の国のアリス』サンデーS 2013年5月号 p253 麻生羽呂

人がバタバタと死んでいく漫画だからこそ、人がかけがえない存在だと示すべきだと思うんですよね。
そうしないとキャラがmob化して、緊張感が薄れますから。


× My Sweet ウマドンナ 馬きゅ〜ん☆
My Sweet ウマドンナ 馬きゅ〜ん☆』 サンデーS 2013年5月号 p273 険持ちよ

これほど個人的な評価が乱高下する作品も珍しいなぁw


これ半ば本気で描いてるでしょうし、終了でいいじゃないかな。
一方的に切られたら打ち切りですけど、双方合意の上で終われば打ち切りとは言わないし。
コンテンツ的にはいい素材を引っ張ってきたなーと感心したんですが、
険持先生にとっては縛りのある作品は向かなかったのかも。
愚痴を描くこと自体は悪くないので、自由にやれる作品の方がいいのかも。


機動戦士ガンダム 黒衣の狩人
前回ナチュラルにスルーしてました。一応読んではいたんですが。
肉でも魚でもない感じですなぁ。


◎ AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜
いやー素晴らしい。本当に素晴らしい。
『AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜』 サンデーS 2013年5月号 p398-399 漫画/星野倖一郎 原作/田中ロミオ キャラクター原案/mebae


アンチ『電車男』ですわ。
アンチと書くと否定的に思われるかもしれませんが、ちゃんと理想も掲げています。

だが、エルメスをオタクの世界に引きずり込んでこそ、オタクとしての勝利なのであり、今までのオタクとしての人生を肯定することができるのだ。エルメスティーカップなど叩き割り、『月詠』のマグカップでお茶会を開催してこそ、オタクのアベック、オタク同士のカップル!

なぜ電車男は、エルメスをオタクにしようとしないのか? 俺だったら、絶対にコスプレさせるYO! まずはメイドさんのコスをさせて、部屋をお掃除してもらうYO! オタクたるもの、みんな本当はそうしたいはずだ! それでこそ、二次元の妄想を三次元に逆輸入してこそ、二次元の勝利であり、オタクとしての幸福なのではないのか。


(中略)


ちょっと悲しい話だが、たいていの人間は勝ち馬に乗りたがるもの。それが三次元の世の常だ。故に、そのうち、負け犬のほうから勝手にオタク化しはじめる。というか、よく考えていただきたい。何も負け犬を掴まなくても、若い女の子はすでにどんどんオタク化してますやん!
(中略)
それでもなお、くらたま酒井順子を信奉し、オタク化をあくまでも拒絶する強硬派の負け犬女は、五稜郭まで追い込んでしまえ!それはそれで天晴れな武士道!


オタクの夜明けは、近いぜよ!


さあ、今こそみんなで、エルメスティーカップを叩き割れっ!

電波男』 p212,215-216 本田透

電波男 (講談社文庫)

電波男 (講談社文庫)

正にこの精神ですね。もちろん社会に馴染めないのは問題ありますが、
だからと言ってオタクを捨てなければならない義務はありません
きちんとした社会性は身につけつつも、オタク文化には携わっていく。
この辺りは『神のみぞ知るセカイ』等にも表現されていることですが、
社会にとってオタクの存在が排除から容認、さらには包摂へと進みつつあることの現われでしょう。


あとまぁ単純に良子可愛かったです。
『AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜』 サンデーS 2013年5月号 p394 漫画/星野倖一郎 原作/田中ロミオ キャラクター原案/mebae

今までほぼ無表情だっただけに。こりゃ萌えますわ。
全体を通じても、もちろん◎。てか印を一度も○にさえしませんでしたし。


単行本4巻が出たら、原作と照らし合わせて記事にする予定です。 (いつものように嘘かもしれませんが)


◎ 女子高生刑事 白石ひなた
宗教キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!! (そこ?)


うろんな3人共
どういうキャラか?というのを端的に表現してたのは良かったとは思います。
相変わらずネタ的には全く刺さりませんが。


ちいさいひと
まだ何とも言えないなぁというのが正直なところ。
サンデー本誌で来月から始まる新連載『超推脳KEI』のシナリオも
『ちいさいひと』のシナリオを担当してる水野光博先生なんですが、正直不安ですなぁ。


夏空エンドラン
男性から見てツマランと思うのなら、女性から見てどうか?なんですが...どうなんでしょ。
以前から「元の意味でやおい」な漫画と書いてますが、
言い換えると『湯神』の藤沢さんだけを見せ付けられてるような漫画ですな。
それをギャグに昇華するコトもなく (まぁギャグにする必要は無いですが)
そういう作品を男性が読んで面白いか? と言われると NO でしょう。
むしろ女性受けを狙って、格好いい男性キャラを増やした方がまだ良さそうな気はします。


○ 蹴魂
かなり甘めですが。
インフレ漫画ってのは難しいですなぁ。「バリアのバリア」のような稚拙さが出てきそうです。
だからこそ厨二的で、中には面白いと思う人もいるのでしょうけども。
『蹴魂』 サンデーS 2013年5月号 p556 伊織

ゴールマウスを壊すことでゴールを防ぐってのは笑いました。


○ ともだちテトラ
自分は図書館から本を盗んでおいて、子供の盗みは諌めるってのが微妙に納得いきませんけども、
『ともだちテトラ』 サンデーS 2013年5月号 p595 くろばR

最後のコマは良かったですね。
こういう楽しい感じをより際立たせるために欝展開なりを出す、という演出でやってれば
もう少し面白い作品になったかなぁという気もします。あとファンタジー成分と。


KING GOLF
新キャラが前園選手に見えて仕方ありません。いじめ、かっこ悪い。 (どんな感想だよ)


◎ LASBOSS×HERO
『LASBOSS×HERO』 サンデーS 2013年5月号 p661-662 葛城一


まぁコレが通るならまだ恵まれてる方でしょうねぇ... (苦笑)



はまねこ@クソムシ
サンデーはスロースターターって言われて、そうだって思っちゃうでしょう?でもね、実際は違うんですよ。大御所が本編から逸れてキャラを掘り下げるのは迎合しても、若手がキャラを掘り下げるのは否定するんですよ。編集が。とにかく本編を進めろってね。
link


はまねこ@クソムシ
だから若手の新連載ではキャラが動かない→物語が動かない→面白くない、の図式が早々に出来上がるんですよ。糞みたいな編集が悪いの。ほんとに。
link
具体的にどの作品かは書きませんけど、いくつか思い当たる作品があるんじゃないでしょうか。 少年漫画はキャラが命ってのは当たり前のように言われてる筈なんですが... 編集者がキャラの掘り下げを言い出さず、作者が言い出すってのは妙にリアリティありますけどねw 相変わらずのメタっぷりが読んでて気持ちいいですね。メタなだけが味という訳ではないですけども。 今月中には1巻の記事書こうと思ってます。 NICO ちょっとはマシになりましたね。 駆け引きメインの漫画でも、そのキャラがどういうキャラか?を表現しないと。 あと毎回書いてますが、巨乳キャラばっかりなのは何とかならんもんかと。 ○ ロック 背景が五月蝿くなくなったおかげか、大分見易く。 内容的にもまーまーではあるんですが、そこまで響く感じではないような。 昔に比べれば共感し易くはなってるんですけども。 ◎ PLUG たまに出てくる優良回。 『PLUG』 サンデーS 2013年5月号 p779 こじまたけし このセリフはいいですね。 キャラの役割がテーマになっていた作品として、同時期に始まった『二ノ前しいの使い方』がありましたが、 あちらが消化不良気味だったのに比べ、はじめに「日本一のアイドルになることが目的」としつつ、 ラス前でその設定を活かす。 それにしても、ほんと絵の見栄えが良くなりましたね。

得意のアクションシーンを出しつつ、ネックである可愛らしい女の子の絵を向上させるという目的があったかどうかは
知りませんが、習作としてはベストの題材を持ってきたんじゃないかな、と勝手に思ってます。


最大の課題はフルアナログ・コピック塗りなところに端的に表れてますが、絵柄、内容ともに旧いことでしょう。

1話の記事でこう書きましたが、昔と比べると雲泥のさですね。
『PLUG』 第1話 p42

結局のところ、絵の見栄えを良くする上で最も重要なのは瞳の描き方じゃないか、と改めて思いました。
トーン貼ればいいって訳じゃないでしょうけど。


芸術捜査班!!!
印つけないのはちょっと辛めかもしれませんが。
理詰無双だとちょっと面白くなりますね。


◎ 氷の国の王子様
当初の予定通り3巻収録分で終了。こちらも素晴らしい最後でした。
『氷の国の王子様』 サンデーS 2013年5月号 p842 小野ハルカ

少なくともこの読切に関してはパーフェクト。


『未来のフットボール』が良くて『T.R.A.P』が微妙だったのと同様、
読切・短編の場合は問題ないんですけれども、スポーツやバトルなら魔球や魔法成分を混ぜても
ロジカルな説明が必要になってくるので、ロジカルな描写を強化するか、ロジカルな記述なしでも成り立つような
何かしらの工夫が必要になってくるでしょう。

プロト作品である読切の『プリンス オブ アイス』についてこう書きましたが、
魔球成分を盛り込みつつ、それをキャラとリンクさせ、良い作品に仕上がったと思います。
個人的には魔球漫画としては『タッコク!!!』に匹敵する出来だったのではないかと。
もうちょっと評価されていい作品だと思うんですけどねぇ...
全体を通じても、もちろん◎。『AURA』同様、印を一度も○にさえしませんでしたし。


◎ 青いね芝くん!
ある程度間を取ることで18pで一つの話が収まるようになってきましたし、
アレなネタとのメリハリも出てきたように思います。
初期の『ハヤテ』なんかはそうですが、やっぱ誤解と嫉妬は大切ですね。