ゲッサンmini 1 (ゲッサン201304別冊付録)

今までは『ゲッサンルーキーズ Special FILE』として付いていた新人読切小冊子が、
ゲッサンmini』として刊行されることになりました。
ゲッサンmini 1 (ゲッサン2013年4月号別冊付録) p1

個人的には値段が+200円になっても全く文句は言わないくらい嬉しい付録なんですが、
要らない人もいるでしょうし、定価+50円くらいが妥当なのかもしれませんね。
前からですが、作家さんの経歴載せてくれてるのも手間が省けて有難いですw


ただまー、冊子を輪ゴムで留めてるおかげで、雑誌に傷が付くのは何とかならんもんかと...
付録付いてても立ち読み出来るんで、輪ゴムにするのはいいんですが。
(スキャンしてることからも分かるように、私はちゃんと買ってますけどね)
過去のアナザーカバーに折り機のロール跡が付いてた事もあったりと、どうも製本に難がありますなぁ。


ゲッサンmini」の版型についてのアンケートには、
サイズはともかくこの問題を何とかせぇと書いて、その気持ちは今でも変わらないのですが、
クラサンで度々文字が小さくて拡大しないと読めないような読切が掲載されてるのを考慮すると、
単行本ではどのくらいのサイズになるかを意識するためにも、B6小版の方がいいかもしれませんね。
要らない人が捨てるにも楽ですし、というネガティブな理由もありますがw
原稿の絵がトリミングされちゃう難点もあるんですけどね。


○ 猫リズム 中道裕大
『猫リズム』 ゲッサンmini 1 (ゲッサン2013年4月号別冊付録) p25 中道裕大

この「猫リズム」は連載準備中つくった習作です。

このコメントが無くても「習作としてはいいんじゃないでしょうか」と間違いなく書きますねw
次に描く作品がボードゲームの漫画なので、バトル系から日常系へとシフトする必要がありますから、
とりあえず可愛い女の子と、自画像にするほど好きな猫で作品を作るってのは当然の流れでしょう。
『猫リズム』 ゲッサンmini 1 (ゲッサン2013年4月号別冊付録) p21 中道裕大

放課後さいころ倶楽部』でも書きましたが、個人的には中道先生の描く可愛い系の女の子には
あまりピンと来ませんけど、まぁこの辺りは好みなんで。
どちらかと言うと、『月の蛇』の時点でも指摘しましたが、表情のバラエティが少なそうなのが問題かも。
「照れながら怒る」とか、2つの感情を同時に出すような演出が無いからかもしれませんが。
内容的には、夢を起承転結の転に持ってきてる所が若干気に食わない面はありますが、
結局のところ最初に書いた「習作としてはいいんじゃないでしょうか」に落ち着く作品ですね。


◎ ACT 雪丸
★★★★★
『ACT』 ゲッサンmini 1 (ゲッサン2013年4月号別冊付録) p26 雪丸

先月号の記事に経歴を書きましたが、1作品抜けてますね。
(読んだ記憶が無い)


『ACT』 ゲッサンmini 1 (ゲッサン2013年4月号別冊付録) p53 雪丸

個人的には抜いた絵が若干ミスマッチに感じられるところと、
おじいちゃんが死ぬ原因になったことによる後味の悪さが最後まで残りましたが、
それを差し引いても後半の展開は鮮やかでした。
おじいちゃんへの思いを表現する、といった辺りがメタ的なのでやりやすかった面はあるかもしれません。
欝展開→爽快感という、この作家さんらしさが存分に出てる作品だと思います。
ただまーこの作品ではどういった連載作品を描けるのか、という辺りがいまいちピンと来ません。

ややこしい設定なしでシンプルに描きました。

その辺りはコメントにあるように、設定が原因でしょうね。クラサン基準だと星5つ。
設定以外だと良い面が出せることは分かったので、今後は設定を練った作品でどうか?ですね。


◎ 歩いて下校
★★★★★
『歩いて下校』 ゲッサンmini 1 (ゲッサン2013年4月号別冊付録) p89 山本崇一朗

ちと甘めですが。クラサン基準で星4.6くらい。



片山ユキヲ
現在発売中の「ゲッサン」4月号付録の「ゲッサンmini」にアシ山本崇一朗の読切「歩いて下校」が掲載されてます。面白いので良かったら読んでやってください。彼はTwitterもやってるので、そっちもヨロシクです!
link
現在スピリッツで『花もて語れ』を連載中の片山ユキヲ先生のアシみたいです。 『歩いて下校』 ゲッサンmini 1 (ゲッサン2013年4月号別冊付録) p71 山本崇一朗 読切単体でみれば個人的には『ACT』よりは劣りますが、 ただ下校するだけでこれだけ面白いコメディ作れるってのは素晴らしいなと。 今まで以上にキャラへとフォーカスを当てていて、それが成功しています。 リアルを反映させたり、女性作家が描くと、違う話題が同時並行であちこちに飛ぶんでしょうが、 ストーリーに沿った会話だったり、きちんとオチを付けたり、その為の伏線仕込んでたりといった辺りは いかにも男性が描いた漫画だなぁと。いい意味で。 読切で面白いものが描けるってのは分かりきってるので、そろそろ短期連載して欲しいんですがねぇ... 来訪者ウギン 熊谷祐樹 ★★★☆☆ 『来訪者ウギン』 ゲッサンmini 1 (ゲッサン2013年4月号別冊付録) p90 熊谷祐樹 絵に関してはそこそこ個性がありつつ見栄えがしてて及第点以上。 密かにmobが違和感ない辺りも好感が持てます。 ただまぁ内容的にはありがちかなぁと。 『来訪者ウギン』 ゲッサンmini 1 (ゲッサン2013年4月号別冊付録) p122 熊谷祐樹 コレを最初に持ってきたら単なる出オチ漫画になる所でした。 絵が見栄えして、キャラはそれなりに、ストーリーはありきたり、と ガンガンにありがちな作品だなぁという印象を持ちました。 モノローグがほぼ無いことからも分かるように、キャラに共感し辛いですし、 (『猫リズム』『歩いて下校』もモノローグが無いように、無いこと自体は別に構わないんですが) 実は村人が全員死んでたりと意外性を出そうとしてる箇所がいくつかあるんですが、 演出に難があるためか、どうも意外な感じが出せずに損をしてる印象があります。 『来訪者ウギン』 ゲッサンmini 1 (ゲッサン2013年4月号別冊付録) p132 熊谷祐樹 この見方が正しいという確証はありませんが (このブログに確信できるものなんて元々ありませんけども) こういう風に伏線を同時並行的に出しちゃうと、枷として認識し辛くなるんじゃないかと。 ちょっと詰め込みすぎてるきらいもあります。 詰め込もうとしてるからこそ、こういう描写になっちゃうのかもしれません。 クラサン基準で星3つ。絵のクオリティを考えると辛めかもしれません。 ○ 優等生新田ちゃんの文化祭 きゅっきゅぽん 『優等生新田ちゃんの文化祭』 ゲッサンmini 1 (ゲッサン2013年4月号別冊付録) p171 きゅっきゅぽん 基本的には旧い絵柄の作家さんには「もっと見栄えよく」と書くんですが、 この作家さんの場合はそれも味になってるんですよね。変に新しくしちゃうとその味も失われそうで。 絵自体はたぶん上手いと思いますし。 『優等生新田ちゃんの文化祭』 ゲッサンmini 1 (ゲッサン2013年4月号別冊付録) p139 きゅっきゅぽん 内容的には私でも理解できるようにはなってきましたが、何が良いのか正直よく分からないんですよね。 内容的にダメだという訳ではなく、何が原因で面白いのかが。 一応印付けましたけど、相変わらずどう批評していいのか分からない、個人的には難しい作家さんですw キャラの心理に共感し易くなってるのが、理解できるようになった原因のようには思えますけども。 雨あがり 美里あづさ ★★★☆☆ 『雨あがり』 ゲッサンmini 1 (ゲッサン2013年4月号別冊付録) p172 美里あづさ ちゃんと探せば受賞作家のなかに梓って名前があるのに気づいてなかった... まぁ本名でググっても何も出ませんけど。 絵柄はLOにありそうだなーという印象。LO読んでませんけどもw 『雨あがり』 ゲッサンmini 1 (ゲッサン2013年4月号別冊付録) p174 美里あづさ 『歩いて下校』とほぼ内容が被ってますね。担当が同じ人なんでしょうか?w ただ、『歩いて下校』とは違い、オトコの娘設定がある以外は個人的に絵も内容も凡庸な印象を受けます。 なのでクラサン基準で星3つ。ただまーコレはコレでいいような気も。 少なくとも『イボンヌと遊ぼう!』よりはよっぽどいいですし、こういうのが好きな人は結構いそうですし。