ゲッサン201412

山本崇一朗ブレイク祭り」ということで、表紙は
『キョーコ』『高木さん』と『あしたは土曜日』の主要キャラ達。

ゲッサン 2014年 12月号 [雑誌]

ゲッサン 2014年 12月号 [雑誌]

単行本発売日11/12日付のPOSデータみると、
『キョーコ』3巻は37位と2巻の46位より上がったものの、
変動があまりないと思われる『タケヲ』6巻42位-7巻38位なので、
実売はほぼ横ばいと見ていいでしょう。
逆に『高木さん』は1巻45位-2巻24位とかなりランク上げているので、
実売もだいぶ上がっていると思われます。
恐らくオリコンで推定売上部数が出るんじゃないかなぁ。


山本崇一朗(単行本2冊11/12 「次にくる漫画大賞」にノミネートしてもらってました。よろしくおねがいします。
http://ch.nicovideo.jp/tsugiman
link
こういう賞にもノミネートされましたし、まだ売上は伸びていきそうです。 『あしたは土曜日』は『高木さん』にもちょくちょく出てくる3人組が主人公の漫画で、 ゲッサンmini 1号に掲載された読切『歩いて下校』がプロトタイプ。 『歩いて下校』 ゲッサンmini 1 (ゲッサン2013年4月号別冊付録) p71 山本崇一朗 なぜ小学館が読売中高生新聞の連載を宣伝し、人材を送り出してるかと言うと、 読売KODOMO新聞もそうですが、小学館が特別協力しているから。 あるとしても当分先の話ですが、 これが縁で読売新聞の夕刊4コマとか描くようになっても不思議じゃないですね。 来月からは梅内創太先生の新連載。 ゲッサン2014年12月号 p848-849 以前、読切『Plastic Beethoven』が掲載された時には

せめて「さすが3歳から音大までピアノやってた事あるな」と思える何かがあれば評価もするのですが、
思い入れがかえって邪魔をしちゃったのかもしれません。
ゲッサン201404

こう評価したんですが、果たしてその辺りが活かされるのかどうか。
個人的に『Plastic Beethoven』は「やっちゃいけない間違い」というよりは
思いの丈をぶつけるという意味で「一度はやった方がいい間違い」だったと考えていますし、
『Bloody Rose』や『ドン・バルバッツァの息子達』を経て絵も内容も良化したので、
満を持しての音楽漫画だと言えるのではないでしょうか。
『ドン・バルバッツァの息子達』の欠点の一つはリアリティにあったので、
詳しい音楽ならその点も解消され易いでしょう。


...というか音楽詳しいんなら、
例えばクラシックだと「ルネサンス」「バロック」といった時代の特徴だったり、
楽器の特徴だったりをキャラに落としこむとかすれば面白いのにとか思わなくも。
最近特に『ガルパン』『艦これ』といった擬人化が流行ってますが、
何も明貴美加の「MS少女」的なものでなくても、
国をキャラ化した『ヘタリア』のように、楽器をイメージしたキャラクターってのは作れるでしょうし、
それ以上に思想・信条を擬人化すれば、キャラの思想・信条といった内面はそのまま取り込めるので、
キャラを作り易いでしょうし、動かしやすいと思うんですけどねぇ...
もちろん、それ相応の知識も必要になりますけど。


ふだつきのキョーコちゃん
いやー素晴らしい。単純に自分の好みだからかもしれませんがw
日々野さんが登場する回はハズレなし。今回はそれほど関係ないですけども。
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2014年12月号 p12 山本崇一朗

このカップリングで話を進めているのですが、ケンジ=ヒカリ間の関係は

ケンジ:キョーコとヒカリとの間柄の足枷になりたくないので、仲良くなりたい
ヒカリ:不良は嫌いだしキョーコに迷惑かけるし男と間違えるだしで、仲良くしたくない
日々野:ケンジがいい人だと知らしめたいので、仲良くして欲しい
キョーコ:ケンジが女の子と仲良くなると嫉妬する
     ケンジが日々野さんの事を好きだと知っている上に
     ヒカリの初恋の相手がケンジだと知っているので、仲良くして欲しくない
     けれど、本当はみんなと仲良くしたいとは思っている

各キャラから見ればこんな感じでしょうか。きっちりロールプレイが出来ています。
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2014年12月号 p12 山本崇一朗

そこでキョーコからの枷。これを「ヒカリと仲良くしたら」としない辺りが素晴らしい。
構造的には「情報の差を付けたままにする」事により「ミスリードを促す」環境を作る、となるのですが、
まず「バラす」で対比になってますし、情報の範囲に留めることで
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2014年12月号 p28 山本崇一朗

伏線に使えますし、何よりヒカリがこれを話題にできます。
「ヒカリと仲良くする」だとこうはいきませんから。
その上、情報なのでオチへと繋がるミスリードへも使えます。


やはり「ロールプレイ」「カップリング」「ミスリード」を上手く使うことが、
漫画の面白さを引き出す一つの方法だなぁと改めて思いました。
前回は『高木さん』とパターンが似てたのは、『高木さん』が好きな人にも刺さるから
たまにやるのはいいとして、これらのパターン以外にもいくつかパターンが欲しいですなぁ。


◎ ひとりぼっちの地球侵略

日常のほわほわしたシーンが小川先生の魅力の一つだと思いますが、
市原編集長が以前新井隆宏先生を
「男の子というか、男性二人のキャラクターの愛憎劇がとても上手い先生で」
と評していましたけど、小川先生も同性の愛憎を描くのが得意な作家さんではないかと。
いやまぁ異性の愛憎も描けるのでしょうけどね
ゲッサン201406 #2

以前こう書きましたが、
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2014年12月号 p74 小川麻衣子

まさに『魚の見る夢』的展開、キマシタワー!

魚の見る夢 (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)

魚の見る夢 (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)

今回のようは話が好きな人は超オススメ。ただし百合漫画です。


このシーン前後のアイラの振る舞いが個人的には気に入りました。
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2014年12月号 p74 小川麻衣子

今までのアイラは割とツンデレの記号っぽい場合が多かったように思えますが、
男性にとっての女性の振る舞いの理解し難さにはごっつ共感しましたw
女性だと、こういう振る舞いをする事自体への共感を抱くのでしょうか?
まぁ記号っぽい対応も好きな人がいるでしょうから、そこは状況に応じて。


あと、どうでもいい事ですが
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2014年12月号 p42 小川麻衣子

小林先生ってどう見ても市原編集長がモデルですなw
編集長は巨漢なのでそこは違いますが、髪型はパーマ当てる前のものですし。


嘘つきは殿様のはじまり
マコトの王者ゲッサン2009年1月号 p406 福井あしび

いくら子どもは大人に比べて頭の比率が大きいとは言え、
肩幅と同じ、むしろそれ以上ってのはいくら何でもデカすぎると散々書いてきましたが、
(このシーンでパースが付きすぎてる訳ではなく、正面からでもこのくらい)
『嘘つきは殿様のはじまり』 ゲッサン2014年12月号 p79 福井あしび

ようやく特徴と言えるような、常識の範囲内に収まった感じがします。
幼女が出てきたらまたぞろ頭でっかちになるかもしれませんけどw


ただまーキャラの見栄えとは逆に、内容面では不安がいっぱい。
さすがに熱血に関してはきちんと描けているとは思うのですが、
マコトの王者』が立場の入れ替わりで、ロールプレイを関係性に絡めて面白さが出せてたのとは違い、
ロールプレイを性差の違いに押し込めて面白さが引き出せるのか?という疑問が。

このテの作品の原典とも言える『とりかえばや』は読んでませんが、
性差にクローズアップして漫画一本描くことは可能だとは思うのですけど、
それをあしび先生が出来るか?と言われると少々疑問で。
情報を漏洩させない枷としてはちゃんと使えるでしょうけども。
まだお話の導入段階で、そこが枷として機能していない現状では、
熱血以外に面白いと思わせる要素がなく、結果的にはスロースタートになっていると考えます。


放課後さいころ倶楽部
別記事で既にupしました。


◎ アサギロ
えーっと、ゲッサンって少年誌でした...よね?w


昔の「オマエどう見ても『アグネス仮面』のマーベラス・虎嶋というかアントニオ猪木だろw」
と言いたくなるような近藤も良かったですが、
『アサギロ』 ゲッサン2014年12月号 p174 ヒラマツ・ミノル

こういう近藤もいいですね。


○ 忍者シノブさんの純情
ちと辛目ですが。



畑健二郎@三日目・東シ-41 そういえばハヤテの最初のコンセプトは、あんな事いいな、できたら良いなを秘密道具ではなく、力技で叶えてくれる、というコンセプトだった。
link
こういう意味では『ハヤテ』的なのかもしれません。 『忍者シノブさんの純情』 ゲッサン2014年12月号 p228 ゆずチリ 困った時にはシノブさんが何とかする。 ナギが「ハーヤーテー!」と叫べばハヤテが飛んできて力技で何とかする、というのに似ていますが、 『忍者シノブさんの純情』 ゲッサン2014年12月号 p187 ゆずチリ 正体を知られてはならないという枷があるため、状況をお膳立てする必要がある。 そこで羞恥プレイをするなどして面白さを出そうとしているのでしょうか...? まぁ毎回このパターンって事もないんでしょうけど。 『キョーコ』や『ころクラ』同様、初回からガツンと面白いという訳ではありませんでしたが、 キャラの動かし方、伏線の張り方などは流石だなぁと思いました。 ガツンと面白い所まで行かなかった原因は、小ネタの質でしょうなぁ。ネコに化ける所以外はもひとつ。 最大の課題である絵の見栄えは良化傾向にあります。


ゆずチリ 【告知】本日発売のゲッサン12月号より「忍者シノブさんの純情」連載させていただきます。なにとぞよろしくお願いします。タイトルページにちっこく「作画の合間に授業に出てる」とあるのですが、大学では「授業の合間に作画してる」と思われてます。
link
例えば今回の原稿とこの宣伝絵の期間でもかなり成長しているのが伺えます。 やはり新人は実戦が一番伸びるんだなぁと改めて。 ただ、背景はまだまだ怪しいです。読切の段階でもかなり怪しかったのですが。 『忍者シノブさんの純情』 ゲッサン2014年12月号 p228 ゆずチリ 上にも貼ったこのシーン、ぱっと見だと気づかないのかもしれませんが、 シノブさんの向かって左側の机が、横長ではなく縦長だと指摘されれば、 オカシイ事に気づくと思います。 何が原因かは、知識がある人なら一発で分かるでしょう。 『忍者シノブさんの純情』 ゲッサン2014年12月号 p204,205 ゆずチリ まぁ、パースだけではなくスケールも怪しいんですけどねw 窓の形、柱と柱の間隔、全然違いますし。 背景を誰が描いてるのかは知りませんけど、改善しようとするなら 背景美塾へ通うのが一番手っ取り早いのかも。


アシスタント背景美塾 MAEDAX派 背景美塾、中級講座の教材で、教室のこんな構図もできる!!
link
机並べるのは中級講座みたいですけども。(私は初級しか受けてません) ツッコめる所なのでとりあえずツッコミましたが、 絵の技術的な未熟さは後回しでもいいんで、ちゃんと漫画の面白ささえ出して貰えれば。 ◎ ちろり 『ちろり』 ゲッサン2014年12月号 p275 小山愛子 こういう内容の話だったのにも関わらず、扉の煽りが

"変わらない"毎日−− "変わらない"幸せ−−

なのがニクイです。


◎ ハレルヤ オーバードライブ!
ようやく明るい話になって一安心。


『ハレルヤ オーバードライブ!』 ゲッサン2014年12月号 p297 高田康太郎

男女の性差は色々ありますが、そのうちの一つが骨格、特に骨盤の違い。
女性の方が骨盤が広いので、必然的に内股になる訳ですが、
この漫画でようやくそういうシーンが出たような気がします。
当然ながら男性らしさ/女性らしさも出る訳で、ひいてはキャラの魅力に繋がります。


余談ですが、歩き方にも男女に差が出ます。

端的に言えば、女性は腰が揺れ、男性は肩が揺れる。
ここまで再現できている人は非常に非常に少ないです。
ここが表現できれば、もっと女性らしさ/男性らしさを出せるのになぁと常々思ってます。
「お買い物ドリブル」と称されるなでしこの鮫島彩は例外として、
アスリートなら内股は矯正されるので問題はないのですけども。


『ハレルヤ オーバードライブ!』 ゲッサン2014年12月号 p285 高田康太郎

相変わらずこういった小ネタも面白くて。
戸田と鰐淵との対応の違い、冬夜の普段の喋りとメールとのギャップ。
キャラ作りはこういう事の積み重ねなんだなと思います。


アイドルマスター ミリオンライブ!
手堅い。
アイマスの知識全く無い人間にもちゃんとキャラの魅力が伝わりますし。


◎ LES MISERABLES
煽りのネタバレは勘弁して欲しかった...


○ 月曜は2限から。


アオイホノオ
アオイホノオゲッサン2014年12月号 p438 島本和彦

正直、納得させるような謎を思いつかなかったから誤魔化そうとした、としか思えないんですがねw


バスケのシーンは映像で観たかったなぁ...

漫画では作者が主人公と同一なので、どうしても格好よく描いちゃいがちですが、
ドラマ版だとホノオを1.5mくらい離れた所から見てるような印象で、
彼の変人っぷりがコミカルに描けていて素晴らしかったです。
今まで映像作品はZABADAKのVHSと『アメリ』と『ハヤテ』の特装版くらいしか
買った事がない私が、買おうか本気で悩んでます。


第13保健室
前半はご都合主義的な展開で一番微妙かなぁと思ったんですが、
後半は逆に一番マシだったように思います。

普通のラブコメだと...例えば『キョーコ』だと男性の読者が感情移入するケンジへの
日々野さんやヒカリのフラグが立つことによってドキドキ感が出せるのですが、
この漫画だと男性が完全にmobなので、そういった関係性を使えません。
だからその点を解決すべき...男性が感情移入できるキャラを入れろと言うのではなくて、
それを踏まえてどうキャラの魅力を出していくか。
あずまんが大王』のように、男性が木村先生以外ほぼ登場しない萌え漫画もあるので、
(ちよパパが男性がどうかは意見が分かれるところですが)
要はやりようだと思います。
ゲッサン201410

先々月にこう書きましたが、
『第13保健室』 ゲッサン2014年12月号 p474 あおやぎ孝夫

解の一つが百合なのは言わずもがな。
結局のところ、関係性を使わない訳にはいかないので。
これでハーレムやっちゃうのは...どうなんだろうw
百合ハーレム漫画って、あるのかもしれませんが知らないなぁ。


◎ あやしや
毎回書くことあんま変わらないですが、
各キャラの視点が違い、それによって陰謀が生まれ、どこに正義があるのか分からない。
これって、読者と駆け引きが出来てるって事ですわな。


○ 迷宮入り探偵
客観的にみれば無印なんでしょうけど、
イタコネタは某宗教団体の教祖が想起されて微妙にツボりましたw


◎ VANILLA FICTION
『VANILLA FICTION』 ゲッサン2014年12月号 p544 大須賀めぐみ

このハッタリはいいですなぁ。思わず「リチリウム」でググりましたもんw
そしてハッタリだけではなく、空気が場を支配している状況がリアリティあって非常にいいです。
そもそも他の乗客にとっては逃げ出せばリスク0、逃げなくてもリターン0なので、
天秤の片方に自分の命が乗るこの状況では、逃げる以外ないのですが、
御嶽山噴火の時のように、噴火して即退避行動取れる人は稀です。
(どれだけの人が適切に対応したのかは不明ですけども)


そういった行動を、演出の溜めとして使う
だから面白いんですよね。
仮に佐藤がビニール袋持って入ってきた瞬間に乗客が逃げ出したら、面白くなりませんから。


侵略未満 (読切) 中原開平
★★★★☆
『切り裂きウォルター』も若干ファンタジー入っていましたが、
今回はファンタジー+コメディ仕立て。
『侵略未満』 ゲッサン2014年12月号 p564 中原開平

中原先生のウリと言えば何といっても意外性ですが、
サスペンスにすると弱点であるキャラの魅力を描くのがさらに難しくなるので、
コメディ成分を混ぜるというのは正解なのかもしれません。
とは言え、この作品でキャラのファンになる読者がどれほどいるか?と考えると微妙な所ですけども。


相変わらずストーリーに関しては基本的に問題ないですし、
絵の見栄えも徐々にですが良くなってきてます。
いっその事、「読者をキャラにいかに惚れさせるか」をメインに据えた方が良いのかも。
ブコメで連載やれと言ってる訳ではないですが、習作としてラブコメはやった方が良いと考えます。
ただまー意外性の重要度が下がるため、個人的な面白さはどうしても下がりますね...


からかい上手の高木さん
相変わらず面白いと言えば面白いのですが、
この漫画的には下から数えた方が早いクオリティだったのではないかと。
からかい上手の高木さんゲッサン2014年12月号 p588 山本崇一朗

最大の原因は、トンネル内で駆け引きに使えるネタを思いつかなかった事でしょうなぁ。
ドラム缶の寸法に関して先月の記事で批判しましたが、
今回ちゃんとしてたのは個人的に笑いましたw


で、もひとつ個人的な事を言うと、暗闇効果は使って欲しかったなぁと。
ネット上でマトモなソースが見当たらなかったので貼りませんが、
明るい所に比べて、暗い所ではパーソナルスペースが縮まります。
結果どうなるか。同じ距離感で歩いているつもりでも、実際の距離が縮まるんですよね。
赤の他人の男女二人にトンネルを歩いてもらう動画があったのですが、
ものの見事にトンネルに入ると距離が半分くらいになるのを見て凄いなーと思ったんですけども...
残念ながらその動画は探しきれず。


○ BOY MEETS!
ようやく自分でも理解できるような内容に。だから良い悪いって話でもないんですが。

「ダメな僕。それでも『そんなアナタが好き』と言ってくれる女の子はいないかな」と<承認>を求める男の子。そんな具合に自分のことしか考えていない男の子に愛想を尽かし、心の奥底を打ち明けても<理解>してくれる男性を求める女の子。これでは、噛み合うはずもありません。
『日本の難点』 p40 宮台真司 幻冬舎新書

しつこく引用しますが、正にコレですなぁ。


◎ 終末風紀委員会
ようやく「お話を進める」だけではなく、キャラの魅力を出す余裕が出てきたんでしょうか?
『終末風紀委員会』 ゲッサン2014年12月号 p695 熊谷祐樹

これはいいですね。
ユニコの新たな魅力を引き出しつつ、定規の能力も出す。
なおかつサプリのダイエット的な効果は全く無いことも暗示w
前のシーンで「雰囲気変わった?」と言われて、ユニコが誤解している所も気が利いています。


ベッタベタなシチュエーションを引っかかりやすいキャラへの罠として使ったり、
陰謀がバレる理由も理に適ったもの。
これくらいのクオリティを最初から出せてればと思うと残念ではありますが、
連載を経験したからこそここまでやれるようになったとは思うので、
次回作を期待ということにしましょうか。


○ ぼくらのカプトン
ちと厳しめ。最近微妙でしたが、復調気配。
1,3本目はまーまー。2本目が素晴らしい。
『ぼくらのカプトン』 ゲッサン2014年12月号 p726 あずまよしお

正直、キャラ的に小田はどうかなぁと思ってたんですが、この役割はいいですね。
不知火のキャラの魅力を引き出す事になってますし。
他のキャラでもステマして欲しいなぁ。メタ的な構造ですからやれるはず。


鉄楽レトラ
絵は相変わらず素晴らしいんですけどねぇ...


だって小山くんが艶い。 (読切) 島崎結太
★★★★☆
佳作にするには厳しすぎ、グランプリには甘すぎる。
確かに準グランプリな作品ですなぁ。
『だって小山くんが艶い。』 ゲッサン2014年12月号 p779 島崎結太

オチなどのネタ的にはボチボチで、そこまで面白いとはならんのですが、
構造的には小山くんの魅力をどう引き出すか?というお話で、メタ的です。
後は彼の魅力をきちんと描ければ成功となる訳ですが、この部分は結構いいですね。


欲を言えばもう少し絵の見栄えも欲しいですが、現時点で十分許容範囲内ですし、
ネタさえ続けば16p以下で連載も即可能じゃないでしょうか?
いかにアレな仕草が出てくるか?をオチにした方が、話は作りやすそうに見えます。
ちょっと『坂本ですが?』に似てしまうかもしれませんが。


信長協奏曲
やはり思惑というものは違わないと、ね。


ツール・ド・本屋さん
一度だけ×付けた記憶はありますけど、印打たなかったのは記憶にないなぁ...
『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2014年12月号 p837 横山裕二

難しい展開でも上手く纏める構成力が横山先生にはあると思っていますが、
さすがに今回はキャパオーバー。幾ら何でも無理がありすぎです。
本の宣伝もやったらダメと言いませんけど...おかげでバタバタした感じに。
これだったらツールなシーンは省いて、イベント3つに特化した方がまだマシだったのでは。