ゲッサン201306
何やかんやあって記事をupするのが遅れました。
4周年記念ということで、表紙が集合絵。
ゲッサン2013年6月号 表紙
ぶっちゃけ消費者にとっては何周年とか関係ねーって感じではあるのですが、
編集長の市原さんが好きだという集合絵を使うタイミングとしてはいいんじゃないでしょうか。
続けていけば、これも歴史になるでしょうし。今のところ潰れる心配はないですしね。
で、今回は表紙の集合絵に加えて「チーム・ゲッサン 選手名鑑」。
ゲッサン2013年6月号 p6-8
解像度だいぶ下げましたが備忘録的についっぷるにも画像upしたのでそちらも参照。
雑誌というのは漫画家さんの作品を単に寄せ集めたものではなく、コミュニティだと思うんですよね。
表紙の集合絵もそれを端的に示しているという事にもなりますが、
選手名鑑も、現在雑誌に漫画が掲載されていない作家さんも各自切磋琢磨してる
というのが分かりつつ、集合絵にしてコミュニティであることを端的に示す。
この企画、非常にいいですね。で、来月号にはゲッサンmini2号が付く、と。
これからの時代、個人主義と共同体主義をいかに融合させるかが課題になると考えているのですが、
- 作者: ロバート・D.パットナム,Robert D. Putnam,柴内康文
- 出版社/メーカー: 柏書房
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 単行本
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比較的そういう作品が多いから、私はゲッサンが好きなのかもしれません。
『仕事場見たいし』が『ツール・ド・本屋さん』に変化したので、
別の作家さんがゲッサンの作家さんとの繋がりを描く漫画があればなぁと思ったりします。
...いや単純に高田康太郎先生と畑健二郎先生、伊緒直道先生との対談だったり、
田中ほさな先生と椎名高志先生の対談が見たいという個人的な欲求でそう思ってるだけですがw
まぁ、別に師弟関係に限る必要は無いですけども。
基本的にこのブログは前のページから順に批評していきますが、まずはこの作品から。
『時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。』に関しては先行して記事にしたので、そちらをどうぞ。
◎ ツール・ド・本屋さん
『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2013年6月号 p811 横山裕二
で、これが正に繋がりの描写ではないかと。
「ダ・ヴィンチ」に載った2p漫画は両氏の対談が掲載されてるためか、
M井さんにフォーカスが当たった感じでしたけど、こちらはあだち先生、大泉さんに加えて、
対談にもしゃしゃり出てきた市原編集長のキャラをきっちり描きつつ、ツッコミどころでは自分が喋り、
対談の雰囲気も伝わってくる、非常に良く出来た内容だと感心しました。
『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2013年6月号 p809 横山裕二
ということで、ぜひゲッサン作家さんの対談漫画が読みたいです。私の欲望を満たすためにもぜひ。
横山先生が描くのが理想ですけど、横山先生は47都道府県の書店を回らなきゃいけないので
(そんな事決まってませんが)
社交性のある、もしくは社交的に振舞えて、そういう漫画を描きたい新人さんがいるんなら、
その人にやらせてもいいんじゃないかと。対談で得るものもあるでしょうし。
『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2013年6月号 p821 横山裕二
で、今回のルール。詳しくは『ツール・ド・本屋さん』のブログに書いてますが、
個人的に(2)が微妙。
(2)ただし今回描くPOPはいつものゲッサンPOPではなく、お世話になったダ・ヴィンチさんへの恩返しも込めて「大泉エッセイ」のPOPとする。
漫画置いてある所にはゲッサンのPOPも描けばいいのにって思います。
今までは漫画を扱ってない書店はスルーだったので、そういう書店も巡る必要があるのは確かですが、
ゲッサンは扱ってこの本を扱ってない漫画専門店、ゲーマーズやアニメイト等をスルーするってのは
何か違うような気がします。他の都府県には行くのに。
(4)そして映画館1館まわるためには20軒の本屋さんにPOPを置いてもらわなければならない。
(5)つまり今回のPOPノルマは映画館14館×本屋さん20軒、計280軒!
この辺りは全部回るの無理ぽって事なんでしょうね。
2010年時点で北海道に書店は594軒あるらしいですし...w
まぁこのリストで沖縄県は180軒、実際行ったのは101軒なので、何かしらの差はあるんでしょうけども。
◎ ひとりぼっちの地球侵略
やー素晴らしい。
呼び方を変えることによって関係性の変化を表すってのは基本中の基本ですが、
そこをきっちり描きつつ、場の雰囲気も実に良く描けてるなぁと。
などと書いていたら、コミックナタリーの記事でも関係性という言葉が出ていたり。
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2013年6月号 p28 小川麻衣子
ケーキに手を付けるタイミングで場の雰囲気に馴染んでるかどうかを表現してたりね。
で、そういう細やかな描写が刺さらない人の為にかどうかは分かりませんけど、
後半で意外性のあるストーリーが。
リコの可愛らしい描写もあったりと、多様性の時代に棹さす...
なるべく多くの人に楽しんでもらえるような構成になってると思います。
◎ あやしや
こちらも最近よく出来てるなぁと感心。
『ノゾ×キミ』 少年サンデーS 2012年5月号 p20 本名ワコウ
キャラとシチュエーションが命の作品なので、このセリフはいいですね。
キャラ自身にキャラに興味持たせるという設定は、今後の展開を楽にしてくれると思います。
以前『ノゾ×キミ』についてこう書きましたが、
キャラ自身にキャラへの興味を持たせる設定は、漫画に必要な「キャラをいかに描くか」というタスクを
キャラが自主的に動いて解決してくれるという構造になって、非常にやりやすいと思うんですよね。
『あやしや』 ゲッサン2013年6月号 p116 坂ノ睦
人の心を持ち始めている鬼と、鬼を知ろうとしている人。
この2つの視点から、花というキャラを浮かび上がらせようとする。
その上、人の面を主人公の仁に、鬼の面をヒロインの咲に対して出すことで花の二面性を描きつつ、
仁と花と咲で三角関係を構築する。その描写の為に花を時間差で咲に会わせる。
『ハヤテ批評』で書いた「カップリング」ですね。
さらには咲から花へは女らしさという憧れを、花から咲へは鬼道衆に対する憎しみを。
このように関係性もきちんと表現されていて、本当によく練られてるなぁと感心します。
坂ノ先生は7月号に読切が掲載されてましたが、正直言って原作が付かないと厳しいかなという印象。
連載始まる前にこう書きましたが、これはもうゴメンナサイするしかないですねw
◎ 切り裂きウォルター
中原先生のウリは意外性だと思うのですが、
『切り裂きウォルター』 ゲッサン2013年6月号 p140 中原開平
熱血もウリになるといいですなぁ。今回は何といってもこのセリフでしょう。
◎ ちろり
ちょくちょく身体のバランス悪くなりますねこの漫画。
『ちろり』 ゲッサン2013年6月号 p157 小山愛子
頭が大きく、胸が厚く、腕が短いように見えるんですが、皆さんはどうですか?
扉以外は全く違和感ないんですけどね。
テンポ回。内容的には完璧。
ちろりが直接介在してないのに影響を与えてるってのはいいですね。
人との出会いがその人の後の人生を左右する。
以前から4〜5くらいのパターンで回していけばいい的な事を書いてましたが、
いい感じで回ってると思います。
6回に一回ぐらい、それ以外のパターンを試していくと、さらに良くなる可能性はあるんじゃないかと。
◎ 円タクの騎士 (読切) 新井隆広
円タクと円卓の騎士とのダジャレだけで描いたような漫画ですが、さすが新井先生。
絵は滅茶苦茶見栄えしますなぁ。
『円タクの騎士』 ゲッサン2013年6月号 p157 新井隆広
内容的にはベタって言えばベタですが、
『円タクの騎士』 ゲッサン2013年6月号 p207 新井隆広
このバカっぽさでもう満足しますわw
欲を言えば主人公の正体バラす所がねぇ...
パッと見分り易くする為ってのもあるんでしょうけど、個人的にはショートのままにして欲しかったなぁと。
○ VANILLA FICTION
◎ 放課後さいころ倶楽部
14p+18p=32p。今後は計32pがベースになるんでしょうね。
展開的にはベッタベタですが、変にケレン味出す必要も無いですからいいんじゃないでしょうか。
この漫画だとキャラと駆け引きが肝要ですし。
『放課後さいころ倶楽部』 ゲッサン2013年6月号 p333 中道裕大
ゲームを通じてその両方を丁寧に描けてると思います。
前回はアヤの特徴:ヒキの強さを描いたので、今回はミドリの推理力、ミキの表情を読む力を描くと。
単行本1巻が出るまでは2話完結でやっていくんでしょうけど、
ゲームをもう少し掘り下げるとなると、2〜3倍は必要になってくる気はします。
そろそろチーム戦が見てみたいですね。
ゲームは『ごきぶりポーカー』
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ある意味、どういうキャラかを引き出すには最適のゲームかもしれません。
出されたカードがリトマス紙に見えるくらいですわw
ここに無色透明な人間がいます。何かを考えてはいるのですが、何を考えているのかわかりかねます。<お腹がすいているのか><恋に悩んでるのか>あるいは<学問上の悩み>なのか。
そこで、その考えている男にリトマス試液をたらしてみます。
どうするのかというと、<芝居は一人ではできない>という定義を思い出して下さい。
そこで、もう一人の人物を登場させます。つまりリトマスをたらしてみるのです。
男「君、何を考えて いるのだね」
考える 男「実は 昨日から 何も食べて いないんです」
と答えれば、その考える男が何を考えていたかわかります。つまり反応(リァクション ※原文ママ)を示した訳です。
(中略)
これを定義的にまとめてみましょう。
「一つの状態にリトマス的な、人物、セリフ、小道具、事件、事情、自然現象を投げ込むことによって、
その反応(リアクション)から、その人物の心理や感情や事情等を描くことできる」
これが、リトマス法の原理です。
『新版 シナリオの基礎技術』 p32-33 新井一 ダヴィット社
- 作者: 新井一
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◎ ハレルヤ オーバードライブ!
前からですが、鷹木先輩が市原編集長に見えてしかたがないw
『ハレルヤ オーバードライブ!』 ゲッサン2013年6月号 p355 高田康太郎
いちいち書きませんが、相変わらず細かい所も本当によく出来てるなぁと。
あとまーおばけ屋敷のところでちょっと楽してますが、今回は校舎書きまくりで背景大変そうだなとw
月曜日は2限から
安定の無印。どうしようもないレベルからは脱出したんで、あってもいいかなとは思いますが。
(前回のコピペ)
○ アサギロ
あおにの空に竜は哭く
やっと男性でも読めるような要素が。
『あおにの空に竜は哭く』 ゲッサン2013年6月号 p496 瀬戸ミクモ
熱血漫画にする必要は無いですけど、
女性が楽しめつつ男性も楽しめるような要素がせめて5%くらいは無いと、なかなか読む気はしないですなぁ。
まぁ『よしとおさま!』にそれがあるか?と言われるとアレですがw
アレはアレでいいんですけどね。
四位先生のモチベーションがBLやりたいですし、それで人気確保できてますから。
○ くちびるに歌を
モリ先生がスロースターターだって事もあるんでしょうが、ようやく回り始めた感じ。
◎ アオイホノオ
何か微妙にあだち充批評漫画になりつつありますなw
『アオイホノオ』 ゲッサン2013年6月号 p568 島本和彦
大阪にいなかったらこういう結論にはなってなかったと考えると、色々感慨深いものがあります。
◎ 鉄楽レトラ
格好悪い格好良さ。青春すなー。
俺にはそんなモノありませんでしたが。
○ ぼくらのカプトン
『ぼくらのカプトン』 ゲッサン2013年6月号 p624 あずまよしお
サンバの写真調べてこういう結論に達したのかもしれませんが、それをこういう風にネタにするとはねw
実際ブラジル人は尻好きが多く、豊胸手術ならぬ豊尻手術をするんだとか。
逆に胸は小さくするように手術するようで。
ま、どーでもいい話ですがw
竹を取れ!!物語 (2連載目) かんばまゆこ
ネタに困ったらおとぎ話という格言に近い言葉がありますが、
『竹を取れ!!物語』 ゲッサン2013年6月号 p669 かんばまゆこ
このクオリティならやんなくていいんじゃね?って思っちゃいますな...
シュールかつインパクトはあるので×は付けませんが、個人的にはクスリとも来ませんでした。
○ ここが噂のエル・パラシオ
『ここが噂のエル・パラシオ』 ゲッサン2013年6月号 p669 あおやぎ孝夫
やっとかー。長かったなぁ(苦笑)
クライマックスに持ってきたかったってのは分かりますが、いくら何でも引っ張りすぎた感アリアリ。
過去エピソードもさして意外性がある訳でもなく、萌えに繋がる訳でもなく。
第三世界の長井
ネタ、旧いなぁ (苦笑)
『第三世界の長井』 ゲッサン2013年6月号 p706 ながいけん
オッサンの私でも知識として (というかNEW MAD TAPEのおかげで) 知ってるレベル。
てか、『スーパージェッター』って少年サンデーで連載だったんですね。
○ 6のトリガー
伏線張ってたのでさすがにこの展開は読めちゃいましたが、当然こうなるわなぁ的な。
格闘シーンも昔に比べればだいぶ良くはなってますしね。
ただまー格闘でも意外性が欲しいですわな。もしくは能力的な何か。
いくら身体を借りてたとしても、何かやりようはあったと思うのですが。
◎ 信長協奏曲
『信長協奏曲』 ゲッサン2013年6月号 p802 石井あゆみ
今回はここに尽きますね。
一時期合戦になると文字での説明に終始した頃がありましたが、それも無くなりましたし。