FLAG.82

今回記事upが遅れましたことを軽くお詫びします。
3月中旬までは遅れるか、最悪更新できない可能性があることを予めご了承ください。


毎回書いてる気がしますけれど、今回素晴らしいですな。

(結は)『ハヤテ』の鷺ノ宮 伊澄と『ハレルヤ オーバードライブ!』の美名神 麗を足して2で割ったような感じです。
お嬢様キャラという点、ちょっと抜けたところがあるという点では3人とも共通してますが。
おっとりしたタイプというのと、学校でも着物着用というルール無用の残虐ファイターという点では伊澄さんと同じ。
音楽が好きだけども家庭の事情で辞めさせられるという点は麗と同じ。ベースとドラムという違いはありますが。

前回こう書きましたが、ストーリー的には『ハレルヤ』の#6-8と『マコトの王者』を足して2で割らない感じでしょうか。
『ハレルヤ オーバードライブ!』 #8 ゲッサン2010年2月号 p123 高田康太郎

『ハレルヤ』的なのはラプンツェルが元ネタなこと。
どちらの作品もラプンツェルが元ネタというより、ラプンツェルが元ネタである『ルパンIII世 カリオストロの城』をアレンジして、
たまたま被ったと言った方が正解かもしれませんが。

ルパン三世「カリオストロの城」 [Blu-ray]

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童話や神話を元ネタにした作品はかなりありますが、今更元ネタのままではイマイチ面白みに欠けます。
なので、多少のアレンジは必要でしょう。


『ハレルヤ』も結編も、音楽が好きだけど親に止められたという点、さらには塔の内部から壊すというアレンジまでは(恐らく)共通です。
『ハレルヤ オーバードライブ!』 #8 p154

『ハレルヤ』では麗が自力で脱出しようと試みます。
キャラ描写を兼ねてるという点ではこのアレンジは良い演出です。アレンジの中では比較的ベタではありますが。


結は麗のような行動的な女性では無さそうなので、ラプンツェル同様、王子様(というか桂馬)が助ける必要はあります。
神のみぞ知るセカイ』 #81 週刊少年サンデー2010年7号 p163 若木民喜

このままでは元ネタのままなのでひとひねり。
神のみぞ知るセカイ』 #81 p166

マコトの王者』的人格入れ替わりの演出を混ぜてきました。
元ネタ的には『おれがあいつであいつがおれで』になるのかなぁ。もしくはその映画化である『転校生』。
人格入れ替わりという演出自体は手垢にまみれたほどベタベタですが、ラプンツェルに絡めつつというのは...あるんですかね?
私が知らないだけかもしれませんが、何にせよ一ひねりしてきました。
ごっつんこした段階で入れ替わるのではなく、その後で倒れた時に入れ替わるというのもいいですね。
桂馬と結が連絡取れない時に入れ替わってるので、打ち合わせなしでそれぞれの役割を演じる必要がでてきますから。


で、単にひねっただけでは意義はあっても意味は無し。
『ハレルヤ』が麗のキャラクターを表現するために一ひねりしたように、結編でも何らかの目的があるのでしょう。
ここからはあくまで私の妄想なので(というか全部妄想ですが)注意してご覧下さい。


The Structure of "Hayate the combat butler" で書きましたが、キャラクターに深みを与える演出のひとつとして「ロールプレイ」があります。
日本語に訳すと「役割を演じる」。
これまでは、あるコミュニティの中でどういう立場にいるのか...例えば生徒だったり、友達だったり、子供だったりといった
立場の違いで立ち振る舞いを変えるという意味で「ロールプレイ」という言葉を使ってましたが、
今回は入れ替わりによって桂馬は結に、結は桂馬の「役」になりきるという意味での「ロールプレイ」をする必要が出てくるでしょう。


桂馬は結のキャラクターを演じつつ、五位堂家からの重圧を破壊する。
結は桂馬のキャラクターを演じつつ、桂木家で自由を謳歌する。
キャラクターとコミュニティの関係をどう描くのか、期待が持てます。


その中でも注目したいのがLCの立ち回り。今までLCは一見桂馬の足を引っ張ってるようにしか見えてません。
実は羽衣で衣装や小道具を作るというお裁縫的な能力や(ハクアやノーラではこのような羽衣の使い方はしないでしょう)、
先週もありましたが同級生から情報を得たりといったコミュニケーション能力は発揮してるのですが、
LCでなければ攻略は難しかったと思わせるような演出はありませんでした。
神のみぞ知るセカイ』 #74 週刊少年サンデー2009年49号 p238

桂馬もLCが最善のバディではないか?と考えるようになりましたが、「少なくともゲームする時間はある」と消極的なもの。
攻略をする上でLCが最善のバディという描写は今のところないように思います。


今回、桂木家ではLCと結のカップリングになるでしょうから、LCのコミュニケーション能力が遺憾なく発揮され、
攻略のキーになる可能性があると期待します。今回も足引っ張る可能性ありますがねw


神のみぞ知るセカイ』 #81 p153

毎回思ってますが、この漫画は卑怯だなーw
メタ構造なのでベタネタを使うときに「こんなのベタネタだ」と書けて、読者から「なんてベタな展開」との批判をかわしやすくなります。


桂馬の策士っぷりを表現できますし、その後で入れ替わりイベントというトラブルを起こすことによって、
ご都合主義な展開という印象を消せますし、理論的完璧主義攻略ではなく(そういう演出の方が好きな人もいるでしょうが)
現実に翻弄されつつしなやかに対応する実践的な攻略という印象を与えることにもなります。


神のみぞ知るセカイ』 #81 p160

「このイベントは繰り返せない!!(3回ぶつかったらさすがに怪しい)」
これまたメタ構造だからできる表現。


神のみぞ知るセカイ』 #81 p168

議論を巻き起こしそうなのが、駆け魂がどっちに入ってるかでしょう。
私の解釈としては、駆け魂は女性のスキマを狙って入るけれど、例外的に男性に入ることもある、ですね。
田舎編で駆け魂は自主的に体から出るという演出があったので、男性のスキマに入って力を蓄えた後女性に入るという手段も
緊急避難的にはあり得るでしょうし。