銀塩少年 #20(最終回)

いつものようにdisってる箇所があるので後藤先生は読まないようにって書いても読まれるに決まってますよねー。


後藤先生は連載終了後、ロクロウポッドキャストを配信してますので、良ければどうぞ。
gdgdと喋ってるのがウリですw


超移籍してから記事書いてませんでしたが、クラサンで見てる人にはネタバレするなーというのが一つの理由でした。
気にする必要なかったかなぁ...
超移籍してから迷走したなーというのが正直な印象。特にスペイン編。
具体的にどう迷走してたか、3巻、4巻収録分に関しては4巻が出た時点(1/18予定)で記事にする予定です。


それはともかく最終回。後藤先生本当にお疲れ様でした。
とか言いながら早速disりますよw


まずこのシーンが若干微妙かなぁと。
銀塩少年』 #20 週刊少年サンデー増刊 サンデー超 2010年12月号 p301

幸田(テニス)までいい人になっちゃいましたねぇ。
ほとんどのキャラが「他人の為に自分を犠牲にできる」ってのはちょっとどうかなぁと思いますね。
そういうテーマの漫画なんでしょうけれども、キャラの個性という点で問題があるかと。


展開的に幸田が身を引く風に仕向けなければならないのは確かなんですが、
せめてもう一つ理由が欲しかったですね。
銀塩少年』 2巻 p97-98 後藤隼平


せっかく以前こういうセリフ使ってるんですから、
「自分なりに頑張ったけども結局僕を見てくれ無かったから折れた」的な表現があればなぁと。
幸田のプライドが高いことも描写できますし。
例えば、#19でマタタキが幸田を突き飛ばすシーンの後、
幸田とマタタキ二人が倒れてるシーンで、ミライが幸田そっちのけでマタタキに駆け寄って
「大丈夫!?」とでも言わせれば、どちらがミライにとってより大切な人物かを読者と幸田に印象付けられたと思います。


他にも、例えば幸田は未来写真を撮れず、単に利用したことを暴かれるとか。
幸田が持ってる写真は変化せず、同じシーンの写真を誰かが持っててそっちは変化するとかで。
折角幸田がヒール役だったのですから、彼を貶めることで爽快感が出たんじゃないかと。
まぁ作者の性格からして幸田も良い人にしたいんだろなーと思いますけれどもw


銀塩少年』 p316

このシーンは微妙という訳ではないですが、若干突っ込みどころが。重箱の隅ですが。
リアリティの問題なので、そこに気付かなければ、もしくは気にならなければノープロブレムでしょうけども。
まず「5Fから落ちてきた人間をテニスのネットで支えられるか?」という点。
たぶん無理だと思いますw
新見さんの持ち方もなぁ。とても力入れてるように思えない。
この後幸田がどっかに行くシーンもちょっとアレです。ネットと車はどうするのかとw


とは言え、演出的に
「マタタキ落ちそう→ミライが助けようとしてクリフハンガー→落ちたけどみんなが協力して助ける」
というのを入れたい訳で。
もし救助マットを持ってきたら「どこから取って来たんだよw」という話にもなりますし、みんなで助ける感が出ません。
なのでここは目を瞑る方向ですかね。
まぁ5Fから落ちてるとは言え垂直に落下してるので、もう少し建物に近い位置じゃないかなーとは思います。


で、disるのが重箱の隅な時には後ベタ褒めなのはこのブログのお約束。


銀塩少年』 p306

銀塩少年』の最終回予測を記事にしようかと考えてた時に、幸田の能力をどう扱うかってのは一つの焦点でした。
まず考えたのは「未来を見る能力はマタタキにあるのではなく、ミライを思う人に付与される」という設定。
これはこれで面白いなーと思うんですけどねw
ただ、これだと置きピンの延長上の能力だという設定を無しにしてしまいます。幸田も先を読む能力の延長上ですしね。
そういうセンスがありつつミライを思う人に...ってのもアリですが、2人しかいない訳ですしねぇ。
そもそも「幸田にも未来写真が撮れる」という設定が微妙なんですよね。


と言う訳で、第2案は「幸田に能力はなく、写真を自分なりに解釈して三味った」というオチ。
まぁこれしかないでしょうな。


前回、今回共に良かった点は意表の突き方ですかね。
上にも書きましたが、
「マタタキ落ちそう→ミライが助けようとしてクリフハンガー→落ちたけどみんなが協力して助ける」
と、二の矢があるんですよね。
スペイン転校のイベント以来、どうも作者に意表を突こうという意図があってそれが空回りしてる感がありましたが、
ここに来て一つパターンを会得した感があります。
ただ、このパターンは読者が慣れると効果が薄くなりますからね...
次回作に使うにしても、ここぞという時以外に使わない方がいいでしょうな。
予め一の矢だけで止めておく演出を何度か入れておかないとミスリードにならないですし。


とまぁ、色々書いてきましたが、ラストの素晴らしさが全てを吹っ飛ばしてくれました
やはりこの人才能あるなぁと。この爽やかさは中々出せないですよ。


絵がまず美しいですね。
それよりも、個人的に良かったのはモノローグ。

一瞬と永遠とは同じものだ−−−
うつりゆく一瞬に永遠の輝きがひそんでいる。


この先… 運命を決める一瞬を… 先に知る事はないだろう。


でも… きっともう大丈夫。


未来は、今、ここにある。

さすがに読んでる人は気付いてると思いますが、これって#1の最初のモノローグを受けてなんですね。
実に美しい締め方だと思います。
ちなみに#3の記事の最後にこう書いてました。この要望が通ったのかなぁw
まぁ自分の好みの締め方だから素晴らしいと思うのかもしれませんけれども。

一瞬と永遠は同じものだ。
うつりゆく一瞬に永遠の輝きがひそんでいる。
だから僕は撮らずにはいられない。

この掴みの言葉非常に良いと思うので、これを最後に生かして欲しいですね。
具体例出すとネタ潰しになるので自重しますが。