放課後さいころ倶楽部 #26

この回からは4巻収録分。

ゲッサンは「単行本を買うとその続きが雑誌に載ってる」パターンなので
(ゲッサン以外にも同じ事やってる雑誌はあるようで...知りませんでした)
3巻が発売されたという事にもなります。
個人的に、3巻の表紙は中道先生の単行本の中でも一番素晴らしいんじゃないかなぁと。
まぁ『月の蛇』で個人的に大好きだった穆弘や王進が表紙に出なかったから、
という話もありますがw


今回のゲームは、ミドリが製作途中の『ワンルーム
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2014年8月号 p529 中道裕大

という事で、先月の予想は見事に外れとなりましたw

あくまで私の想像ですが、ミドリは自分の感じているゲームの楽しさを、
このゲームに全て詰め込もうとしているのでしょう。それ故にゲームの纏まりが失われている。
だから店長が「コイツは俺の他にも誰か遊ばせたのか?」と尋ねる。
『ラブレター』は、わずか16枚のカードだけでゲームが成立するという、
シンプルの極致にあるゲームなので、ミドリにとっても良いお手本になるでしょう。
ミドリがこのゲームを知らない筈はありませんが、再認識する意味はあるはずです。
まぁこの辺りはあくまで私の妄想なので、話半分以下でお願いします。
放課後さいころ倶楽部 #25

私がこう予想したのは、以前『ハゲタカ』回で
放課後さいころ倶楽部』 1巻 p166-167 中道裕大


こういう描写があったので、ミドリが作るゲームはシンプルなものかなぁと予想していたからです。
今後、ミドリがあくまで『ワンルーム』をブラッシュアップしていくのか、
他のゲームを作ろうとするのかは分かりませんが、
個人的にはこういうエピソードをやった手前、
シンプルなゲームの方がいいんじゃないかなぁとは思っています。
特装版の付録に付けやすくなりますしねw
まぁその前に『ラブレター』の中道裕大イラストVerの方が先にやれそうですけども。


で、内容ですが。
個人的には『ハゲタカ』回を超えて、『ころクラ』で一番面白い回でした。
まずはツッコミどころから。
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2014年8月号 p520 中道裕大

「まぁそういうわけで翠ちゃんのゲームをプレイしたいと言っとるんだが…
 本人の了承なしでやらせる訳にもいかんからな。」

こう言った直後に
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2014年8月号 p522 中道裕大

「昨日、タケルとプレイしていました。
 もう遊べます。」

了承なしでやっとるやんけ!w


文脈から察するに、ジョージ (Mr.ベレスフォード) はテストプレイに協力したいと申し込むものの、
店長はミドリの了承なしでそれをやらせる訳にはいかないだろうと。
ミドリは「まだ試作段階だから」と断るわけですが、
ジョージは「もう遊べるからテストプレイ出来る段階にはある」と言った、という事なんでしょう。
という事で、この辺りセリフの修正が必要かもしれません。


とは言え、
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2014年8月号 p523 中道裕大

この流れからの
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2014年8月号 p524 中道裕大

「アナタ、デザイナーじゃない。」

このショッキングなセリフ。いやー、本当に素晴らしい。

『VANILLA FICTION』 ゲッサン2014年7月号 p340 大須賀めぐみ

ドクロへのエールですが、読者へのエール、そしてゲッサンへの投稿者へのエールにもなってます。
ゲッサン201407

先月号の『VANILLA FICTION』でこのようなシーンがありましたが、
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2014年8月号 p525-526 中道裕大


この辺り、漫画にも似たような事が言えるのではないでしょうか。そういう意味ではメタ的です。
漫画以外のエンターテインメント全般に言えることなのかも知れません。
漫画は独りでも描けるじゃん、と思われるかもしれませんが、
同人誌ならともかく、商業誌なら漫画をチェックする人材が必要になります。
日本では何故かそれを編集者が兼ねているのですけども。
(アメリカでは作家が専門家を雇う必要がある、と某作家さんが呟いていたの見た気がします)
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2014年8月号 p545-546 中道裕大


漫画の場合、シナリオを練り直し過ぎると却って面白く無くなる場合があるのですが、
たまたま一発OKな場合はあれど、編集者のチェックというのは必須だと思いますし、

批判を恐れ、自分のカラの中にいるうちはデザイナーにはなれない。

コレに関しては漫画家にも過不足なく当てはまると思います。
結局のところ、何かを改善する為にはPDCAサイクルを回す必要があり、
批判にあたる Check (チェック・点検・評価) が欠けていればPDCAサイクルも回らない、
という事になるのだと考えます。
こういう構造があるからこそ、ゲーム制作にも、漫画にも、恐らく他のクリエイティブな活動にも
今回の話が当てはまる。
換言すれば共感し易い内容になっているのではないかと。


何にせよ、批判をモットーとするこのブログ的に言っても素晴らしい回でした。
で、じゃぁお前のブログはどうしてリンク控えろとか作家に読むなと言ってるのか、
という話になるのですが、その辺りは時間に余裕がある時にでも追記できれば...
対機説法という仏教用語に関わる話をしようとは思ってます。