ゲッサン201502

14年3月号以来、約1年ぶりの『ハレルヤ』表紙。

ゲッサン 2015 年 02 月号 [雑誌]

ゲッサン 2015 年 02 月号 [雑誌]

個人的には高田先生の持ち味の一つである、
ハイライトが強調されるようなカラーの方が良いんじゃないかなぁとは思わなくも。
デザイナー的にはこれ以外やりようが無いとは思います。


ハレルヤオーバードライブ
ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2015年2月号 p26 高田康太郎

命に別状はなく、生活するには不自由を強いられ、音楽活動には致命的と、
障害の重さとしては最適だと思います。
だからこそベタになるんですけどね。


ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2015年2月号 p33 高田康太郎

今までも度々描写されてきましたが、浅緋にとって絆が縛りになり、希望が呪いになっている。
しかし自分の気持ちを歌い、それを相手に伝えようとする...
「音楽の魔法を信じる」事に関しては、小雨も共感できる。
小雨がそれを音楽で浅緋に伝えようとしているってのは、構造的に見ると面白いですなぁ。


◎ VANILLA FICTION
『VANILLA FICTION』 ゲッサン2015年2月号 p87 大須賀めぐみ

メタ的になると、キャラが動きますなぁ。


遊園地から馬車へ、「バナナをナメんなよ」の小ネタも利いてます。
毎回こうは行かないでしょうけど、サスペンスばかりだと興味ない人にはスルーされがちですので、
『VANILLA FICTION』 ゲッサン2015年2月号 p72 大須賀めぐみ

サスペンス以外の面白さ、「フック」があるに越したことは無いと思います。
まー私の文章も屁理屈ばっかで、理屈を好まない人へのフックが必要なんでしょう。
別に読者を増やしたいと思っていなから、と逃げておきますw


放課後さいころ倶楽部
今回のゲームは『オニリム』

オニリム (Onirim) 日本語版 カードゲーム

オニリム (Onirim) 日本語版 カードゲーム

作家はShadi Torbey (シャディ・トーベイ)
他にも『ウルビオン』など、1-2人用のゲームデザイナーのようです。


『オニリム』は私が持っている数少ないボードゲームのうちの一つなんですが、
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年2月号 p111 中道裕大

今回紹介されたのは、パッケージの形、©2014と表記されていることから、
どうも大箱化された第2版のようです。
検索しても第2版が日本語化されたという記事が見つからなかったのですが、
ひょっとしたらホビージャパンから発売が予定されているのかもしれません。


てな事を書いてたらですよ、(『ころクラ』までと『信長』は1/12に書いてます)



ホビージャパン・ゲームツィート 【宣伝】今月のゲッサン連載の『放課後さいころ倶楽部』で当社扱いのゲームが紹介されておりますが、マンガ内のゲームを見て「おや?」っと思われる方もいらっしゃると思われます。実は今回のゲームに関しては秘密だったもので、最速情報となります!
link
実際にそうらしいです。コレ発表される前に記事うp出来てればなぁ...w ちなみに、『オニリム』以外でソロプレイのボードゲームと言えば


中道裕大 ちなみに現在のお気に入りボードゲーム、6位から10位は『ラブレター』、『お邪魔者』、『ティカル』、『バトルライン』、『ロビンソン漂流記』となっております。バトルライン大会があるなら練習して出てみたい(>_<)
link
中道先生がお気に入りの10位にも挙げている『ロビンソン漂流記』があります。
ロビンソン漂流記 完全日本語版

ロビンソン漂流記 完全日本語版

こちらは完全一人用です。 放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年2月号 p87 中道裕大 『ロビンソン漂流記』ではなく『オニリム』が採用されたのは、 イメージ的に漫画にし易かったからでしょうねぇ。 今までサスペンスの要素がほとんど無かったので、そういう意味でも良い回だったと思います。

個人的には、漫画なんですからボードゲームの世界に浸れるように
ゲームの登場人物になりきって衣装とかもそのゲーム風に変えた方が面白そうかなと。
制服だと衣装考える手間がかからなくて楽でしょうけどもw
ゲッサン201305

マラケシュ』の回でこう書きましたが、テーマが夢なので、
ファンタジーな描写をし易かったのかもしれません。
この手の演出は『人狼』以来2回目で、個人的にはもう少し頻度が上がっても良いのにな、と思います。


で、今回ツッコミどころは2箇所。
悪夢を引いた時の選択肢は4つあるのですが、そのうち2つが省略されているのはいいとして、
放課後さいころ倶楽部ゲッサン2015年2月号 p111 中道裕大

このシーンは若干誤解が生じるかなぁと。
5枚のうち1枚を捨て札にするのは強制で、その1枚は「悪夢」でもOKという感じです。

「カギ」1枚を捨て札に
することで、
山札の上から5枚を見て、
1枚を捨て札にしたあと、
残りを好きな順に
並び替えることができる。


「悪夢」が5枚の中
に1枚あれば、
並び替えられる分
有利になる。

前半は1行増えましたが、改善案としてはこんな所でしょうか。

「カギ」と「悪夢」を同時に捨てるより

と入れたいんですけどねぇ。


もう一つ、仲間がいたから助けられたというオチはいいんですけど、
『オニリム』やって良かったと思える何かが欲しかったように思います。
仲間がいることを再認識出来た、ではちょっと弱いかなぁ...
他に要素を入れたら仲間の描写が薄れるからかも知れませんが、
それだったら写真一枚出てくるだけではなく、
ミキやミドリのいい言葉を再録していく形にするとか、やりようがあったのではと。


ふだつきのキョーコちゃん
ちと甘め。
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2015年2月号 p163 山本崇一朗

良い話なのは間違いないですが、個人的には後半ネタ的にもひとつ。


とは言え、導入の「泥棒かー」のネタは笑いましたし、
何より最後までリン姉が札月兄妹とどういう関係なのか一切語られないのは良かったです。
もうちょっと引っ張ってみてもいいかな?


◎ ひとりぼっちの地球侵略
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2015年2月号 p191 小川麻衣子

今回はこのシーンに尽きるでしょうw


◎ アサギロ
『アサギロ』 ゲッサン2015年2月号 p232 ヒラマツ・ミノル

今回はこのシーンに尽きるでしょうw
近藤が決まった時 = この漫画が面白い時 になりがちなのは若干不安です。


迷宮入り探偵
若干この漫画自体が迷宮に足を踏み入れてる気配。
肩透かしさせるなら何かもう一工夫欲しいところ。


◎ 四弦のエレジー
いやー、2話目にしてイキナリ凄いクオリティをぶっ込んできたなぁw


アバンに前回までのあらすじを描いた後、
『四弦のエレジーゲッサン2015年2月号 p255 梅内創太

伏線を可愛い描写に絡めて入れる。
『四弦のエレジーゲッサン2015年2月号 p272 梅内創太

また、枷の描写もキャラ設定に絡めています。

印象派の特徴である「動きの包摂」は漫画にとって必須なので、そこは学び取って欲しいところです。
まー結局のところ売れるかどうかはキャラ次第でしょう。
ゲッサン201501

前回の1話目でこう書きましたが、
ストーリーの展開にキャラの喜怒哀楽がシンクロしているので、
少なくともキャラの魅力を引き出せる構造にはなっていると考えます。
まーあんまりキャラ萌えしない人なので、あくまで想像ですけどもw


『四弦のエレジーゲッサン2015年2月号 p283 梅内創太

さらには今回「動きの包摂」がなされてますし、これに伴い「楽しい」の演出が出来ています。
常にそうだとは限りませんが、楽しい演出が出てれば読んでる人間も楽しくなるものです。


何より素晴らしいのはこのシーン。
『四弦のエレジーゲッサン2015年2月号 p267 梅内創太

大切なのは分かり易さと親しみ易さ!
聴かせるのではなく、共に楽しめる音楽を!

担当のT長さんか、編集長に同じこと言われたんでしょうか?w
そして、前のコマの内容を音楽から漫画に置き換えれば、

ここは少年誌ゲッサン、文学誌ではありません。
ですから、君がいくら技術をひけらかしても理解されない。
需要に合っていなければどんな優れた漫画であろうと落書きにしかなりません。

こういう感じになりますね。このブログで言うところの「メタ的」です。
... いい加減ちゃんとした言葉を使いたいんですけどもw


また、それまでのアカデミックな技術に囚われず、自由奔放を目指したのが印象派ですので、
舞台設定からみても適切、むしろ必要不可欠な要素でしょう。
梅内先生に欠けていたものだからこそ、印象派音楽をこの漫画の題材にしたとさえ思えます。
実際どうかは知りませんよw というかその辺りが知りたいですねぇ。


1話目で既に予兆はありましたが、2話目で完璧に化けました。
これは売れる! と言えないのが偏った見方しか出来ない人間の悲しい性ですけども、
ストーリー重視の読者をある程度は惹きつけられるくらいの魅力がある作品にはなると思います。
32pでどれだけクオリティを維持できるかも課題になるかもしれません。

今月号より開始の「四弦のエレジー」いかがでしたでしょうか。
実は作中でアリョーシャが作った曲は、梅内先生の音大時代の友人に協力してもらい、
実際に作曲しております。
いつか披露したいなーと考えておりますので、ご期待ください! (T長)
『編集部より』 ゲッサン2015年1月号 p834

先月号の目次にこう書いてましたけど、
ゲッサンラジオでやりゃいいんじゃね? むしろ何故やらないの?
とか思っちゃいますね。


アイドルマスター ミリオンライブ!
アイドルマスター ミリオンライブ!ゲッサン2015年2月号 p312 原作:バンダイナムコゲームス 漫画:門司雪

『四弦のエレジー』と担当が同じせいか、観客に聞いてもらえない演出が被ってますねw
しかしまー初舞台でちゃんと観客の表情を見れるなんて、落ち着いていることよ。


相変わらずキャラを活かしたコメディで緩急を付けられていますし、
アイドルマスター ミリオンライブ!ゲッサン2015年2月号 p312 原作:バンダイナムコゲームス 漫画:門司雪

このシーンでは伏線とは逆で、先の展開をネタばらししている訳ですが、
未来にどう振る舞って欲しいかを読者に期待させている...
スリードの逆で、リードする演出になっています。
実際そうなる訳ですが、その際にきちんと未来の立場で考えた末での行動だと描写している。
実に丁寧に作っているなぁと感じます。
この辺り、単に「人気あるから」とキャラを借りてきた漫画ではない事の表れかもしれません。


○ 忍者シノブさんの純情
何かすっかり普通の漫画になっちゃったなぁ感はありますが、
ベタにフツーな面白さはあったと思います。
ただまー読切の時に感じたゆずチリ先生のポテンシャルが発揮されているかと言われると...


課題の一つである背景は、アラ探ししなければ分からないレベルにはなったと思います。


○ 嘘つきは殿様のはじまり
何だかんだ言って熱血は上手いんですよね。


○ ぼくらのカプトン
3本ともまーまー。
その中でも2本目の不自然な繋ぎ方は結構面白かったです。


アオイホノオ
今回だけ切り取れば、さほど面白いと言える逸話は無かったかなぁと。


◎ LES MISERABLES
話の筋はある程度知っちゃったんですが、
何気ないシーンがちゃんと何気ない所がいいですなぁ。


そして見開きカラーが笑いが止まらないくらい綺麗。
そんな新井隆広先生のペン入れ作業が今月の『ゲッサンラジオ』で見られます。
カラーではないですが、ファンなら必見!


◎ ちろり
最近割と新しいことにチャレンジしてきた漫画ですが、久々に基本に戻って。
2014年6月号のマダム回っぽいですかね?
むしろ新しいことにチャレンジしたからこそ、
それまでのパターンにも新たな見方が出来るようになった... 訳ではないでしょうけどw
『ちろり』 ゲッサン2015年2月号 p507 小山愛子

ちょっとした小道を入っていく楽しみ。
普段は車で通り過ぎていくだけの交差点を、ちょっと曲がってみると
意外な場所へと出たりしますからね。
自転車や徒歩など、普段とは違った交通手段だとなお良し。


直線的な新しい道と、曲線的だけど高低差はなだらかな旧い道。
新しい建物が軒を連ねる新道と、旧道にしか寺社仏閣。
さすがにこの時代の横濱だと旧道の建物も新しいでしょうが、
個人的にはこういう視点で江戸と明治の違いを出して欲しいです。


第13保健室
厨二病な視点自体はいいんですけどねぇ...
32pあるより、18pの方が収まりは良さそうです。
ページ数戻すにしても16*2でコンパクトに纏めて、キャラの回転を早くした方がいいのかも。
とは言え所詮は弥縫策で、最大の課題は連載前から散々書いてる
「いかにキャラへとファンを付けるか?」なんですけども。


○ 終末風紀委員会

3ヶ月◎評価が続いたので、これは本物と見ていいでしょう。完全に軌道に乗った感。
ゲッサン201501

先月こう書いたのにコレかぁ(苦笑)


最大の原因は1話完結でなくなったので、大きな山場ではなくヒキになったことでしょう。
ひょっとしたら4巻終了で多少展開を巻き気味にする必要があった、とかあるのかもしれません。
3巻掲載分でポテンシャルを発揮出来るようにはなったので、
綺麗に終わらせて次回作で勝負すべきタイミングではあると考えます。


○ 月曜日は2限から。
いい意味で相変わらず。


◎ あやしや
この漫画が巻末付近なのは珍しい。
先月休載しましたし、スケジュール的な問題なのかなぁ。
この調子だと、サイン会なんて無理不可能でしょうねぇ(苦笑)
個人的にはクオリティ下がるくらいなら、ちょくちょく休載してくれた方が有り難いです。
もうちょっと作画は手を抜いてもいいのにとは思いますけどねw
そこに拘るからこそ、これだけのクオリティを出せる作家さんになったんでしょうし。


『あやしや』 ゲッサン2015年2月号 p614 坂ノ睦

『ちろり』ばりの所作の美しさから、一転コメディ展開へ。
後で挨拶するシーンもそうですが、静から動、動から静へのリズムが気持ち良すぎ。


ユア・マイ・セル (読切) 麻貴早人
★★★★★
『ユア・マイ・セル』 ゲッサン2015年2月号 p641 麻貴早人

「your myself」のダジャレだけで思いついたかのような読切。
なので、8pが限界なのかもしれません。
『酒の肴ストーリー』も17pでしたが、現状ショート作品の方が向いているのかも。
表現や演出の幅が広がるまではショート作品で様子見もアリかもしれませんね。
特にキャラの魅力を引き出す演出が課題でしょう。
最後のセリフなんかはセンスあるなぁと思います。


信長協奏曲

月9のドラマでは『ビブリア古書堂の事件手帖』(2013)が平均視聴率11.33%、
同じ小栗旬が主演の『リッチマン、プアウーマン』(2012)が12.36%らしいので、
せめてこれらの数字以上は取って欲しいところ。
ちなみに、『HERO』2期は今のところ平均20.61%らしいです。
(中略)
視聴率的には13〜14%程度になると予想します。
ゲッサン201410

結果は12.46%でハズレ。1桁陥落は無かったものの、後半かなり落としたのが響いたようです。
一度も見てないのであくまで想像ですが、脚本に問題がありそうですねぇ。
スレを覗いて、どうコンテンツが消費されているのかを目の当たりにしたので、
ネームバリューのある役者ありきの脚本変更はある程度やむを得なかったとは思います。
単行本への波及効果は月間ランキングで2〜300台に留まったものの、
小爆撃にはなったようなので少し安心しました。ゲッサンにとっては貴重な売上でしょうし。


信長協奏曲ゲッサン2015年2月号 p652 石井あゆみ

松永秀久は何度か謀反を起こすものの、信長に許されたという史実がありますが、
その根拠として「同じ境遇にある」という設定にしているのは素晴らしいなと。
個人的に人情が原因ではなく、同じ境遇というより、似たような時代で育ったが故の
基本的な価値観の類似に原因を求めた方が良さそうだと考えます。
そうすれば自ずと目標も似てきますし、方法論の違いで対立も生み出せますから。


で、こういう真面目というか、シリアスなシーンが続くからこそ、
桔梗の仕草が癒やされますね。


◎ ツール・ド・本屋さん
『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2015年2月号 p681 横山裕二

ここ2回は作品のタイアップ、それ以前も地域的な縛りで進めてきたこの漫画ですが、
こういうコミュニティを基にした企画の方がむしろ合いそうな気がします。
ただまーどうしても会社の系列とかになりがちではありますが...
いっその事、横山先生に来て欲しい書店を募集してみるとか?


ちうか、ネカフェで滞在100時間にもなるんなら、
どこかに自転車と荷物預けて一旦家へ帰った方が効率良さそうですw