ゲッサン201403
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/02/12
- メディア: 雑誌
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2年ちょい前だとそんなに昔でもないのかなぁという気も若干しますが、
翌号が『タケヲちゃん物怪録』新連載表紙というのを見るとかなり久々な感じがw
にしても、相変わらず高田先生のカラー映えますなぁ。
今回も『ころクラ』は別記事で、その後にminiを。
明日更新できるように善処はします。
◎ ハレルヤオーバードライブ!
『ハレルヤ』も別記事にした方が良さそうな分量になってしまいましたw
先月号の記事で思いっきりネタバレかましましたが、
『ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2014年3月号 p14 高田康太郎
タンポポ部長就任の回。
鷹木にとって必要な人間になりたいと常日頃から思い続けているタンポポにとっては、
これ以上ない喜びにもなる訳です。
今からタンポポがデレるシーンが楽しみで楽しみでw
ゲッサン201402
と書きましたが、
『ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2014年3月号 p15 高田康太郎
即座に拒否。ツンデレの鑑ですなw
拒否する原因は何か。このシーンになる訳です。
『ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2014年3月号 p33 高田康太郎
いやー素晴らしい。
最初はメンドクサイからと言っていたタンポポですが、
鷹木ハルが部長を辞める=メタリかを卒業することは止められないと頭では分かっていても、
頼ったり頼られたりするバンド(=コミュニティ)や、鷹木との絆が壊れるのを黙って受け入れたくない
という心理的抵抗があっての拒否だと打ち明けます。
頼ったり頼られたりという言葉は、以前
The Structure of "After School Saicoro club" #3でも使った、
社会学で言うところの互酬性 (reciprocity)です。
互酬性こそがコミュニティを成立、維持、発展させる原動力だと言えるでしょう。
それがタンポポにとっていかに大切なものかをより明確に示すため、
互酬性が無い時の回想シーンを挟んでいます。
『ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2014年3月号 p36 高田康太郎
そして互酬性が壊れることへ拒否感を示すタンポポに、鷹木は互酬性を盾にして部長を受けろと要求する。
一見すると、互酬性を壊すこと自体が互酬性であるという矛盾。
だからこそタンポポのセリフが「ずるい…」となる訳です。
この後タンポポはある譲歩をする訳ですが、
このシーンがイマイチ分からない人は、是非単行本3巻の Track.15を読み直して貰えれば。
ハレルヤオーバードライブ! (3) (ゲッサン少年サンデーコミックス)
- 作者: 高田康太郎
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- 発売日: 2010/11/18
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とまぁタンポポ回だった訳ですが、密かにこの二人も見逃せません。
『ハレルヤオーバードライブ!』 ゲッサン2014年3月号 p13 高田康太郎
高田 康太郎 | @GRGR_ 楓は色々悩んでだしたキャラなんで良かったです。場合に寄っては出ない事もありましたからね。ただ全体のキャラの立ち位置を考えた時に、この先若干立ち位置の変化を加える組に鷹木がいたんで、楓の立ち位置というのは鷹木のスペアカードに近いぐらいの設定だったんですが(続きます) | link | |
高田 康太郎 | @GRGR_ 鷹木より便利なジョーカー的になってるのがちょっと気になる所ですね。周りがというか、ボクが頼ってしまうと動き難いだろうと。彼は彼なりの信念があって動いてますので、いずれその役割を全うする為に動くときも来るかもしれませんね。 | link |
高田 康太郎 | @GRGR_ おっしゃる通り、愛葉と楓はある一点において補完関係になったなと思うんです。そこら辺ネタバレ含むんで詳しくは言いませんけど、今回のオマケはそこら辺もあって描いたんですね。理屈と感覚の補完関係であるというか。そういう意味でも元々存在した愛葉に対して楓は貴重だったかと。 | link |
別に日々野萌えという訳ではないんですが、個人的には彼女が出てくると面白くなるなぁと。
前回こう書きましたが、やっぱ日々野さん出てくると面白いです。
山本崇一朗(単行本一巻発売中 | @GRGR_ 今回はカラー込みだったので36Pに・・・というつもりだったのですが今描いている原稿も36Pになってます。基本的には32Pのつもりでネーム切ってるので毎回ではないと思います | link |
山本崇一朗(単行本一巻発売中 | 無事ネーム通った。 あとは3週間で52Pの真っ白な原稿にひたすらガリガリだ。 明日はDVD借りにいこう。 |
link |
犬がギャグテイストなのはまぁいいんですが、
しっぽを振ったり、顔を舐めたりと何かしら表現できる余地もありそうですし。
ゲッサン201401
前々回の記事でこう書きましたが、ちょっとした工夫をするだけで、
読んでる人間をより楽しませる事が出来ると思うんですよね。
◎ ひとりぼっちの地球侵略
『魚の見る夢』のテーマは作者的には「家族の再生」らしいです。
再生というよりは再構築...と言った方が正しいのかもしれません。
家族がいる、仲良くするのは当たり前...といった常識が崩れ
(宮台真司が言うところの「底が抜けた」状態)
それをどう補うのか、どう関係性を変えるのか? という問いを百合に絡めた作品であったと。
それに加えて、愛するが故の憎しみを描いた作品でもあったと解釈しています。
『魚の見る夢』 2巻 p140 小川麻衣子 芳文社
魚の見る夢 (2) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)
- 作者: 小川麻衣子
- 出版社/メーカー: 芳文社
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何にせよ対立軸ってのは漫画にとって重要ですなぁ。
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2014年3月号 p136 小川麻衣子
アイラのビシャホワが索敵機であるにも関わらず、
今回の敵が逃げまわったりどこかに潜んでるタイプではなく、寄ってくるタイプだったので、
あんまり索敵能力活かされてなくね?とは思いましたw
月曜日は2限から
ちと厳しめですが。
『月曜日は2限から』 ゲッサン2014年3月号 p166 斉藤ゆう
単行本買って読み直してる訳でもないんで、
断定することは出来ませんが、
以前はフツーの流れからあさっての方向にすることで
意外性を出す事しかしてなかったのが、
ある程度読者と駆け引き出来るようになったことが
私のようなオッサンでも理解できるネタが増えた...
という事なんでしょうか? (と聞かれても)
何にせよ、今回も印は打ちませんが、
少なくとも打つかどうか悩む内容にはなってきてます。
◎ VANILLA FICTION
『VANILLA FICTION』 ゲッサン2014年3月号 p174 大須賀めぐみ
以前『ノゾ×キミ』や『あやしや』の記事でも書いたように、
キャラ自身にキャラへの興味を持たせる設定は、漫画に必要な「キャラをいかに描くか」というタスクを
キャラが自主的に動いて解決してくれるという構造になって、非常にやりやすいと思うんですよね。
ゲッサン201306
という展開。
主人公が小説家なので、こういう行動する事には説得力がありますし、
この行動自体がキャラ描写になってるんですよね。
この漫画は意外性をきちんと描けるかが勝負の分かれ目ですが、
だからこそ、それ以外のタスクに力を削がれない事が重要なのかもしれません。
で、相変わらず「どうなっちゃうんだろう感」がある回は面白いですわ。
◎ LES MISERABLE
話が素晴らしいのは当たり前と言えば当たり前なのですが、
絵の説得力が半端ないです。
『LES MISERABLES』 ゲッサン2014年3月号 p272-273 原作:ヴィクトル・ユーゴー 漫画:新井隆広
漫画とは、単に話に絵を付けただけのものではないという事を
改めて思い知らされた感があります。
...まぁこれだけの荷物を馬一頭で引けるのか? となると疑問なんですけどもw
リアルなサイズだと迫力が出ないのも事実で。漫画にはこういうハッタリも必要ですし。
毎日が保健室 (読切) あおやぎ孝夫
★★★☆☆
相変わらず色気は出せる作家さんなのですが、
『毎日が保健室』 ゲッサン2014年3月号 p334 あおやぎ孝夫
見事に元の意味での「やおい」ですな。ヤマなしオチなし意味なし。
ずっとスポーツ漫画を描いていた作家さんなので、
漫画のテーマ同様、息抜きのつもりで描いた作品だとしたらまぁ理解はできます。
ただまぁ個人的にあおやぎ先生の課題だと思っている「いかにキャラへとファンを付けるか?」
と言った辺りは全く改善されてないように見える点が非常に心配です。
一応、可愛らしい仕草とかは入れてるのですがね...
◎ アオイホノオ
『アオイホノオ』 ゲッサン2014年3月号 p356 島本和彦
コレ読んだ時に、どっかで見た話だなぁと思ってたら
『アオイホノオ』 ゲッサン2013年8月号 p430-431 (11巻p42-43) 島本和彦
どっかどころか『アオイホノオ』だったという。
いやまぁ足先云々は初出ですけども。
まぁそんな事より今回は後半ですよ。非常に読み応えがありました。
ホノオとSA社のホーリィとの考え方の対比。
『アオイホノオ』 ゲッサン2014年3月号 p370,373 島本和彦
特に編集者の視点は漫画批評の視点と近しいので、非常に参考になります。
◎ ちろり
この少年や、以前ちろりに惚れた青年がカモメ亭に通って他の客と触れ合うことで成長していく、
という感じのストーリーを読みたいんですけど、中々そういう展開にはならんですなぁ。
パターンの一つとしてはアリだと思うんですけども。
ゲッサン201402
先月の記事でこう書いた所だったので、青年が出てきて正直吃驚しましたw
ゲッサンのスケジュール的には雑誌が発売される前に翌月号の原稿が完成してるハズなので、
先月分を描いて作者が手応えを感じたのでもう一度...という事なんでしょうか。
先月の少年が「自分は大人だと思ってるけど周りから見ればまだ子供」だったのに対し、
今月の青年は「自分はまだ子供だと思ってるけど周りから見れば大人」です。
これも対比ですな。
『ちろり』 ゲッサン2014年3月号 p391 小山愛子
大人になるという事はすなわち自立するという事であり、
その為には自信を持つ事が必要になる訳です。
で、青年が出てくる事自体は予想というより希望していたんですが、
まさかカモメ亭へ辿り付けもしない内容で1話作ってくるとは全く予想外でしたw
この辺りにはこの漫画の良さの一つである、慎ましさが出てたんじゃないでしょうか。
何にせよ、感想としては先月と同じ。
ビバ!ジュブナイル。
◎ あやしや
日常をとりもろす。
ゲッサン201304
約1年前の段階で、既にこう書いてたのにも関わらず、
『あやしや』 ゲッサン2014年3月号 p425 坂ノ睦
この展開を読めてなかったのは反省。
男性的な思考だと、どうしても全てにケリを付けなければとか、
敵を討つまでは臥薪嘗胆しなければならないという風に陥りがちですが、
そこで花と楽の提案。こういうのを見るとキャラが動いてるなーと実感します。
『あやしや』 ゲッサン2014年3月号 p428 坂ノ睦
咲の真剣な表情も良かったですが、
今回は何と言っても最後の仁のデレた表情でしょうw
伏線として柊隊長と綺糸屋の接点を出したり、
互酬性や「楽しい」の演出など、
細かい所もイチイチ読んでて気持ちいい
と言える作品になりましたなぁ。
3巻出た頃に記事を書こうと思っていたのが、
いつの間にか4巻が出てしまってるのですが、
5巻出る頃にはせめて単独の記事を書こうかと。
雨追さん家に行ってみた。 (読切) 鳴海アミヤ
★★★☆☆
ちと厳し目ですが。
『雨追さん家に行ってみた。』 ゲッサン2014年3月号 p428 鳴海アミヤ
最初の20pは個人的には非常に読み応えがありました。★5つにするか悩むくらいに。
ただその後は個人的に気に喰わない点が二つあってあららら。
『NICO』 サンデーS 2013年1月号 p50 狩野恵輔
個人的にはこういう演出は好かんです。
まだこのシーンは後で殺すつもりだからいいんですが、主人公もペラペラと喋ってるのがねぇ...
後付でいいですから何かしらの理由が欲しいかなぁと。
何度かこのブログで書いてますが、自分の設定をペラペラと喋る演出は正直好かんです。
読切で、かつ迫力のある動きを前面に出そうとすると、
設定に関しては本人に喋らせた方が早い、というのは分からなくもないんですが。
もう一つは、チンピラが改心してるところ。
ひょっとしたら『時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。』か『もやしもん』から発想を得て、
エコロジー的なものと最近の鳴海先生のバイオレンス路線を足してみたのかもしれません。
キャラクターがある出来事を通して改心したり成長する様を描くというのも、
作品のセオリーの一つではあるのですが、こういう人間のクズを描いた場合には、
セオリーとしては改心すべきではないと考えます。
もちろん、セオリー通りに漫画を描かなければならない道理などありませんが、
セオリーを外す場合には、なぜセオリーを外すのか、
セオリーの代わりにどういうロジックを基にするのかを考えるべきです。
では人間のクズを描いたら、どういう展開にするのがセオリーなのか。
それが非常に良く分かるのが、映画『ファイナルディスティネーション』のBD/DVD特典です。
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是非ともお蔵入りになったエンディングと、急遽撮り直したエンディングを見比べて欲しいところ。
さらには、制作サイドがどういう意図でエンディングを作り替えたかを語ってくれているのが
とても参考になると思います。
どうしても改心するオチにしたいのなら、
元々は良い人だったけど、流されて落ちぶれてチンピラになり、
それを後悔しつつも気を紛らすためにチンピラな行為に走る、といった描写が必要だったと思います。
それよりは「ゴミを持って帰らないなら...貴様がゴミになれ!」
とか言われて虐殺された方がよっぽど読者はカタルシスを得られると思うのですけどねw
とは言え、今までよりは今後に期待を抱かせる作品であったのは確か。
少なくとも、単にベタな作品よりは、長所短所ハッキリした作品の方が批評は書きやすいですw
○ くちびるに歌を
前回と同じ感想。ようやくキャラが回り出した感じ。
ベッタベタですが、だからこその面白さはありましたし、原作のある作品ですし。
○ アサギロ
終末風紀委員会
相変わらず文具を使った技は良いアイデアだと思います。
『終末風紀委員会』 ゲッサン2014年3月号 p567 熊谷祐樹
ただまー個人的に面白いと思えるのは、そこと最後のヒキくらいで。
ヒロインの色気を出そうとこういう敵を出したのかもしれませんが、
敵が露出高くても見事に萌えなかったり、
以前 The Structure of "M・S DOLLS"の 3)バトルの構造 で似たような事を書きましたが、
こういうギャル系が好きな人や、ギャル系の人がこの漫画読むといい気はしないのでは?
というのが心配になりました。
○ 鉄楽レトラ
うーん今回ちょっと微妙。
レベル上がるのえらい早いなw くらいの感想くらいしか出ません。
ぼくらのカプトン
こちらも今回もひとつ。2本目は若干共感できましたが、3本とも個人的には微妙。
○ ピノキオくんの思春期 かんばまゆこ
ちと辛目ですが。
『ピノキオくんの思春期』 ゲッサン2014年3月号 p706 かんばまゆこ
この馬鹿馬鹿しさは嫌いじゃないですw
ベタな臭さがいい意味でアクセントになりつつ、天丼もいい塩梅。
○ 信長協奏曲
こちらもまた今回もひとつ。
秀吉と茶々の絡みを出してる辺りはいいなぁと思いましたが。
◎ ツール・ド・本屋さん
ちと甘めですが。
『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2014年3月号 p757 横山裕二
アン先生が方向性決めちゃったおかげでオチが残念なことにw
その場では著作権的にアウトな方が確実に面白いので作家はそれを描いちゃうでしょうから、
(宴会の席ですし)
後でモザイクを掛けるといった対処法ではなく、
最初から著作権アウトなものはNGと縛りを掛けるべきでしたね。
コレはコレでオチが付いてるってのは確かにありますが、
『ちょっと盛りました。』 週刊少年マガジン2014年12号 p458 にしもとひでお 講談社
個人的にはちゃんとした集合絵が見たかったなぁというのが正直なところ。
その辺りが『ちょい盛り』はしっかりしてただけに、比較すると尚更残念な感じに。
他の所はフツーに面白かったです。