ゲッサン201401

3月頃までは更新が遅れがちになると予想されます。ご容赦を。
miniの記事は12/22〜23に更新出来たらなぁと希望的観測。


ゲッサン 2014年 01月号 [雑誌]

ゲッサン 2014年 01月号 [雑誌]

デザインに関しても素人なのにも関わらず、2013年10月号の記事で表紙について叩きましたが、
今回の表紙はやはりこうあるべきというか。ベタなのかもしれませんが。
ゲッサン 2014年1月号 表紙

デザイナーは白川仁さんで一緒なんですけどね。


ここからは想像の話になりますが、
デザイナーは表紙のデザイン案を3〜4種類出すまでが仕事で、そこからは表紙なら編集長が、
単行本なら担当と漫画家がその中から選ぶという感じなんでしょうきっと。
もちろん、デザイン案を出す前にクライアントからの要望が出るのかもしれません。
という事で、犯人探しするとあの表紙を選んだのは...


ちなみに、誰が雑誌や単行本のカバーデザイン (装丁) をしたかというのは
奥付かカバーのどこかに書いてます。
ゲッサン週刊少年サンデー、サンデーS、サンデーGX辺りはほぼ全部ベイブリッジ・スタジオです。
ゲッサンだと、例外は確認出来る範囲だと『月の蛇』がVOLARE、『ちろり』が田口孝敏さんですね。


◎ LES MISERABLES
さぁここからは絶望のはじまりです。

──そこからどのような経緯でマンガ化することになったんでしょう。


そもそもは前作の「ARAGO」が終わった後に、次に何を描こうかというのをずっと悩んでいて。編集部ともいろいろ相談していたんですが、担当さん曰く「君の強みは、激しい喜怒哀楽の感情をすごく上手く描けることだ」と。そしてヨーロッパを舞台としたほうが、雰囲気を出して描けるんではないかと言われまして。
コミックナタリー「LES MISERABLES」新井隆広インタビュー

作者に対するこの辺りの批判は的を得てると思いますね。
私的に解釈を捻じ曲げると、「激しい喜怒哀楽の感情をすごく上手く描ける」という事は、
演出が上手いとも言える訳で、そういった意味ではオリジナル作品 (原作付き含め) よりも
小説のコミカライズが一番向いてると言えるのかもしれません。


◎ ハレルヤ オーバードライブ!
永いこと対バンシーンだったためか、今回はド直球ラブコメ展開。


個人的に『ハレルヤ』はキャラの動かし方に『ハヤテ』の影響をかなり受けてると思っています。
今回だと冬夜と若葉、左灘さんと出会ってますが、
そこでどういうキャラかを表現しつつ、ハルと小雨の関係に一石を投じる情報を入れていく辺りが。
『ハレルヤ オーバードライブ!』 ゲッサン2014年1月号 p86 高田康太郎

そして、「困った時にはいつでも助けに行く」ってのもナギに対するハヤテ的ですね。
ちなみに初期の『ハヤテ』のコンセプトは、
ドラえもんは困った時には未来の道具で解決するけど、それを力押しで解決する」
といったものだったらしいです。
「女の子の為に頑張るのがサンデーの漫画」 by ITTK
なので、そういう意味でもいかにもサンデーな作品なのかもしれません。


占いの使い方もいいですね。
ハズレクジの方は小雨が度々言及してますが、ラッキーアイテムには直接触れず。
初見で気付かなかった人は、単行本などで読み返して気づけばハッとする描写でしょう。


◎ ひとりぼっちの地球侵略
いやー素晴らしい。
話自体はベッタベタなんですけど、それにSFテイストが少し入るだけで全然印象違ってきますね。
『ひとりぼっちの地球侵略』 ゲッサン2014年1月号 p162 小川麻衣子

これ、バイクが出た時点で気づいた人いるのかなぁ... そのくらいの読解力が欲しい。


『ひとりぼっちの地球侵略』 1巻 p146 小川麻衣子

そういや前線基地にはいろんなガラクタが置いてありましたが、今回のバイクのような遺物なんでしょうなぁ。


アオイホノオ
アオイホノオ』のコメントは結構な確率で『アオイホノオ』とは
関係ない話してるような気がしますが、それはそれ。これはこれ。
アオイホノオゲッサン2014年1月号 p180 島本和彦

漫画やアニメには必殺技を使う場合がよくありますが、
こうやって子供が簡単に真似できるかどうかってのが割と重要な気がします。
まぁ成功例から見れば例外も数多ありますけどね...
聖闘士星矢』とかは拳振り上げてるだけですしw


◎ VANILLA FICTION
個人的にあの見開きはどうかと思いましたが (いや爆笑はしましたけどね)
ヒキに連なるやり取りはさすがに面白かったです。


終末風紀委員会
うーん悪くは無いんでしょうけども...
個人的に面白いと思えるのは今のところ文房具を武器にしてる所と、その必殺技くらいで、
味方キャラの記号は武器があるが故か割とハッキリしてるとは思うのですが、
やっぱ駆け引きが無いと物足りませんなぁ。
で、読切の段階から感じてましたが、やっぱガンガンっぽいなぁとw
それが良いか悪いかは別にして。


ふだつきのキョーコちゃん
若干厳し目ですが。

ただ、1話目でも感じた事ですが、どうも32p前後は長いような...
今回くらいの内容だと、もう一つくらい伏線入れても良いような気はします。
意外性も足りない気がしますしねぇ。
少しキャラ増やせば、それも解消されるのでしょうか。
3人のやりとりだけでは間が持たないという風にも取れますし。

10月号の記事でこう書いて、11・12月号はその辺りが改善されたと思ったのですが、
今月号では再燃。
卵が先か、にわとりが先か。
2本立てだから間延びしてるのか、
間延びしていて5話目だけだと微妙だからから2本立てにしたのかは分かりませんが。
山本先生はたまにW2本立てができるほどの作画スピードはあるのでしょうけど、
『キョーコ』最大のネックは32pだと尺が余りがちな所だと思うので、
まずはそこをきっちり構成する事を心がける必要があると考えます。


ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2014年1月号 p311 山本崇一朗

ゲッサンの記事は基本的に画像サイズを25%にしてるのですが、
文字はともかく、それを20%にしても何ら問題のないような絵で、
3コマで済むような内容を丸々1p使ってればそりゃスカスカに思えますわなぁ。
このシーンが何かしらの伏線になってるならともかく...
いやまぁ絵がシンプルなのは決して悪いことではないんですが。


また、表情の変化を出す必要がある場合もありますけど、
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2014年1月号 p322 山本崇一朗

シーンによっては、それが穴埋めに感じられるようでは今後ちょっとヤバいんではないかと。

マンガもそれと同じで、テクニックの比重が大きくなるほど、誰にでもかける部分、本筋と関係ない「段取り」のコマとかが増えてくる。「オッスオラ悟空!」で始めたらいいマンガを、意味深なアバンタイトルを入れたりしてしまう。1コマで済むところを「流れがよくなる」と3コマ使ってしまう。ラストのインパクトを重視しすぎて、前半がどうでもいい伏線で埋められてしまう。確かにその方が体裁は整うんだけど、その分、その人しか描けないという部分が減ってしまう。形式的にはレベルは高くなってるのに、個性がなくなってくる。これがジレンマなんだ。
::HoneyDipped:: 8/5:頭と身体のズレ

こういう事なんでしょうなぁ。
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2014年1月号 p307 山本崇一朗

表情が変わるという意味ではその上のシーンと共通してますが、
このシーンは穴埋め的な印象は受けないんで、
その辺りをどう判別するかってのも必要になってくるんでしょう。
『高木さん』には間延びしてる感は全く無いので、やっぱ尺の問題かなぁとは考えています。


内容的にも犬がリュックを奪い取ったり、キョーコが偶然穴にすっぽり入る辺りに
ご都合主義な印象が。
犬がギャグテイストなのはまぁいいんですが、
しっぽを振ったり、顔を舐めたりと何かしら表現できる余地もありそうですし。


ただまー6話目の7p以降は良かったです。
ふだつきのキョーコちゃんゲッサン2014年1月号 p344 山本崇一朗

別の兄妹を出して、相似形でオチに持っていく辺りは特に。


◎ あやしや
『あやしや』 ゲッサン2014年1月号 p367 坂ノ睦

各キャラが能力を活かしたストーリーで面白くない訳がなく。
でもって1話にミステリー日常バトルコメディの要素が入ってるにも関わらず、
それらがちゃんと緩急となってる辺りも素晴らしいですね。


盤上のドラゴン (読切) 福井あしび
★★★★★
かなり面白かったです。
この作家さんをクラサン基準で判定するのもどうかと思いますが、一応5という事で。
『盤上のドラゴン』 ゲッサン2014年1月号 p397 福井あしび

ヒロインの龍子の枷を
『盤上のドラゴン』 ゲッサン2014年1月号 p414 福井あしび

こういった形で外そうとする。
『盤上のドラゴン』 ゲッサン2014年1月号 p389 福井あしび

で、単なる奨励会や将棋の世界の説明が伏線になってるんですよね。
元々構成力や熱血の描写が素晴らしい作家さんではありましたが、
さすがあしび先生という辺りを見せてくれたと思います。


あと、キャラの作画が以前より良くなってるのも好印象。
大事なことなのでもう一度書きますが、
「女の子の為に頑張るのがサンデーの漫画」 by ITTK
このセオリーはヒロインに外見上の魅力もあってこそですから。


とまぁスポーツ以外のジャンルでも描けるのは分かったんですが、
スポーツ描ける人材ってのは最早希少なので、
個人的にあしび先生はスポーツ漫画描いて欲しいなぁというのが正直なところ。
そもそも、今はゲッサンにスポーツ漫画が『MIX』だけですしねw
作者の趣向からすれば、ボクシング以外だと野球一択だとは思うのですが。


月曜日は2限から
ちと厳しめですが。
24限目のラスト2本はちょっと面白かったです。咲野が学習してるw


※追記
○ 迷宮入り探偵
素でスルーしてました。 (かんば先生の作品で2回目)
まぁ2pなら仕方ないよね感。
『迷宮入り探偵』 ゲッサン2014年1月号 p460 かんばまゆこ

2p漫画だとさすがに◎打てるくらいのクオリティってのは難しいですが、
逆に無印にもしにくいってのはありますね。
天丼をしつこく使うのもこのくらいのページ数なら効果的。
ただもう一度2p漫画になった場合、もうこのパターンは使えませんがねw


○ アサギロ


放課後さいころ倶楽部
ちと甘め。
2話分割形式に戻っての36p。


GRGR 『ドブル』で田上が手を触れられるかもとアヤにカードを押し付けようとするも光速で他の人に押し付けて触れない展開をはよ。 link

GRGR あと、ミキかミドリに惚れてる男子が出てきて、最初はそいつがアヤ好きかもと誤解してライバル心燃やしてゲームしていくうちに誤解が解消される展開もはよ。 link
恐らくこの回の〆切は10/25辺りだったと思われますが、 以前 (11/24) こうつぶやいてただけに、今回のシナリオはちょっと惜しいなという気が若干。 今回の目的はいかにミキの人気を引き出すか?だと思われるので、 それが目的だとすれば、ミキに惚れた龍二視点で進める以外方法は無いのでしょう。 なので、2話目で龍二のモノローグが出る段階で読者にはバレるのですが、 それまではもう少しハッキリとミスリードしても良かったかなぁと思います。 せめて田上にはゲームの最中にようやく気づく感じで。 『課後さいころ倶楽部』 ゲッサン2014年1月号 p510 中道裕大 で、このミキは今までで一番いいですね。相当リキ入ってるんじゃないかとw 今回のゲームは『テレストレーション 原作者不明なのは既に似たようなゲームが存在してたからなんでしょうか? すごろく屋のゲーム紹介はコチラ。 お題に沿った絵を描いて、それを当てて貰うというゲームは、 例えばハンゲームお絵かきの森などがありますが、 それに伝言ゲームの要素を加えたのがこのゲーム。 「中道裕大先生トークライブ&ボードゲーム会」で 「ゲーム好きではない妻をゲームに引き込むのに適したゲームは?」というお題で、 中道先生が推薦していたゲームでもあります。 内容的には共感と意外性を同時に出せるゲームではあるのですが、 絵心のない人間にとってはあまりいい気がしないってのが正直なトコロです。 あと細かいツッコミをすると、龍二が3回目に熱帯魚の絵を描いてる筈なのに、 後のシーンで龍二の描いた熱帯魚が1枚目に出てきてるのはどうなのよ?と。 まぁ、漫画も楽しんだもの勝ちなんでしょうけどねw ◎ ちろり 街って人によっては全然違う風景に見えるもんなんですよね。 まぁ街に限らずなんでもそうなのでしょうけども。漫画然り。 横濱のちょっとしたトリビアを、爺さんの生き方の象徴として対比させる。 この爺さんがいずれカモメ亭に辿り着くってな話になるんでしょうか。 くちびるに歌を タイトル回なのにさして盛り上がることもなく。 いやまぁ男子の面々がやる気になってるんで、盛り上げてるのでしょうけども。 ◎ 鉄楽レトラ このブログの批判にも言えることですが、自分的には励ましてるつもりでも、 作家がそれを読んじゃうと凹む事って往々にしてあるんですよね。 まぁこのブログの批判の全部が全部励ましてる訳ではありませんがねw ぼくらのカプトン 1・2本目はまーまー。3本目は微妙。 ◎ 切り裂きウォルター やっぱ中原先生、意外性をきちんと出せる人なんですよね。 それだけに打ち切りなのが惜しい。 まぁ決まった事にあれこれ書いてもしょうがないんで、 最後はきっちり締めて、次回作には期待できる所を出して欲しいもんです。 あおにの空に竜は哭く キャラのストックは結構あった感じの今回でしたが、 まぁそれだけというか...

まぁこの人の描く漫画は男性に受け入れられる素地を作れるかどうか、
もしくは男性以外でどれだけ支持を得られるかに掛かってるような気はします。
女性らしい作品がいくつか根付いてるゲッサンなので、後者が解なのかもしれませんけども。

連載前にこう書きましたが、
正直男性に受け入れられる素地を作るってのは難しそうですね。
絵に関しては可愛らしさも出せる人ではあるのですが、
ストーリーが基本的に元の意味での「やおい」ですし。
心理描写だけで押せるような題材でないと厳しいのかもしれません。
もちろん、作家が何をやりたいかが第一ですが。


◎ 時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。
この漫画も打ち切りになるのは惜しいんですが、
作家のポテンシャルを引き出すのに最適な作品だったかと考えると...ね。


田中ほさな(「時坂さん」3巻発売中) 思いっ切りノリノリで新キャラを描くと、登場回のアンケが必ず落ちる。 #うちの創作のある法則 link

田中ほさな(「時坂さん」3巻発売中) 手探りで描いたキャラほど評判が良い。 #うちの創作のある法則 link
『時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。』 ゲッサン2014年1月号 p787 田中ほさな 夢原先輩、ロングもショートも個人的にはどストライクでした。 こう考えると、時坂さん含め問題は髪型にあったのかなぁ... 凝ってりゃいいってモンじゃないのかも。 信長協奏曲 当たり前と言えば当たり前ですが、ちゃんと否定する人は置かないとね。 ◎ ツール・ド・本屋さん 個人的にはこのシーンに一番感動。 『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2014年1月号 p852 横山裕二 なしてこのシーン!?と思われるかもしれませんが、 『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2013年8月号 p729 横山裕二

顔は覚えてても名前は覚えてない辺りがリアリティありまくりw

2013年8月号の記事でこう書いてただけにね。
まぁtwitterで返事したり、ネーム読んでたりすればさすがに覚えるんでしょうけども。
あと、1p目と15p目の、最初の対談と今回の食事会の対比も良かったです。
時間の経過と、それに伴って親密度が上がっている感じがあって。