ゲッサン201308
相変らず表紙が素晴らしい。
ゲッサン2013年8月号 表紙
坂ノ先生のカラーの良さも相変らず。
来月から3ヶ月連続で新連載が始まります。
以前の新連載攻勢は3月号の4作品+α (かんば先生の不定期連載) でした。
ゲッサン本誌は全24作品+α、入れ替えが半年毎だとすると1年で計7作品、約30%が入れ替わる形に。
ローテーション的にはバランス良いんじゃないかと。
まずは9月号からの新連載。
ゲッサン2013年8月号 p3-5
twitter: 山本崇一朗
ゲッサンminiで既に『からかい上手の高木さん』を連載開始した山本崇一朗先生が
本誌でも『ふだつきのキョーコちゃん』で連載。
恐らく2013年2月号に掲載された『まちにまったおとなりさん』がプロトタイプとなる作品だと思われます。
妹がキョンシーかどうかは知りませんよw コメディである事は間違いないでしょう。
W連載なんで『からかい上手の高木さん』同様、『ふだつきのキョーコちゃん』も16pかと思いきや、
GRGR | @udon0531 あと、本誌連載の方は何pになるんですかね...? | link | |
山本崇一朗 | @GRGR_ ホントにうれしいです。ありがとうございます。ページ数は毎回32ページ前後になる予定です! | link |
まぁゲッサンは編集者が市原、村上、高長、星野 (敬称略)と4人しかいませんから、
(ワタナベさん含めても5人)
たぶんこれが限界なんでしょう。
2013年3月号の記事にこう書いたように、
以前からゲッサンの編集部は人数が一人足りないと感じてましたが、巻末を見ると、
6月に以前クラサンブログ等を担当していたタンバリンこと丹波さんがゲッサンへと移籍したようです。
来月号もminiが付くみたいですし、5人+1人体制で無理なく回せる感じになったんじゃないでしょうか。
誰か一人ゲッサン編集部から出てたなら話は別ですけど、そんな事ないですよ...ね?
終わる作品は『6のトリガー』『エルパラ』が確定として、
もうひとつは『よしとおさま!』なんでしょうか。
※追記
横山裕二 | と思ったら担当M上さんは異動で一ヶ月前にゲッサンを去ったと聞かされました!Σ ええええーこのツールド本屋さん中何度も電話してたのにい〜!!; | link |
個人的には、男女の相互理解を促進する方向性で漫画を作っていった方が上手くいくと思うんですけどねぇ。
前回さんざんdisった後にこう批判しました。今回は相互理解という訳ではないですが、
『あおにの空に竜は哭く』 ゲッサン2013年8月号 p256 瀬戸ミクモ
男性らしさを描きつつ、女性が憧れを持つような展開にはなってるかと。
枷や前フリ、伏線等で男性から不満が出るような演出をするのは構わないんですが、
話の落とし所としては男女双方から反感を買わないようなものにすべきだとは思いますね。
女性から見て気持ちいい話をメインに据えることは、
それがやりたい事でしょうからバンバンやって貰うとして。
○ VANILLA FICTION
心を折る演出が気持ちいいです。
◎ ちろり
2本とも素晴らしい出来。
女性らしさを基にした粋な内容ですし、作品の幅も広がっていく感があります。
特に素晴らしかったのが2本目。
『ちろり』 ゲッサン2013年8月号 p347 小山愛子
ここからは私個人の想像というか完全に妄想ですが、
(そもそもココは私の妄想を垂れ流すブログです)
実際にこういった経験をしたとか、やった人がいたとかじゃない気がするんですよね。
このストーリーを生み出した発想としては、ジャムを作ったらいい香りがしたって所から始まって、
その香りを香炉のように着物へと纏わせたら素敵だと、小山先生が考えたんじゃないかと。
で、仮にシナリオを
ジャムを作る→いい香り→そうだ着物に香りを付けよう→ジャム美味しく作れた着物に香りが付いた
という風に、発想と同じような流れで書いてもそれほど面白くはならないと思うんですよ。
じゃぁどうするのか。
ジャムを作ることと、着物に香りを纏わせることを枷を外す行動に置き換える。
こうすると2つの枷が必要になるので、
『ちろり』 ゲッサン2013年8月号 p337 小山愛子
苺が痛む、洗濯物が生乾きという、共通の原因....梅雨が原因の枷を用意する。
原因が共通してるので、枷を外す方法も共通にし易くなり、
枷を同時に外す際のケミストリーとして香炉的効果を演出し、意外性を引き出す。
実際に小山先生がこういう発想でシナリオを組んだかと言われると非常に怪しいですが、
シナリオを組む際の考え方のうちの一つとしては、使えそうな気がします。
何にしても、2本目の構成は今までで一番素晴らしい出来だったんじゃないかと。
それにしても、客いないねw
まぁあんまり繁盛すると粋な感じが薄れそうですけども。
○ ここが噂のエル・パラシオ
甘めで○。最後でデレた桜花でした。
動きはちゃんと描ける作家さんの割にはあんまりプロレスのシーンが面白くないというのがねぇ...
◎ 時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。
相変わらずよく出来てるなと。
『時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。』 ゲッサン2013年8月号 p377 田中ほさな
天丼に絡めて「洗脳」を笑いのネタにした後で
『時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。』 ゲッサン2013年8月号 p383 田中ほさな
同じ「洗脳」という言葉を使いながらも、全く違う印象を与える。この辺りはさすがです。
久々に時坂さんの表情がバラエティに富んでましたし、
ストーリーに必要な鬱展開もコンパクトに纏めた後に映画のワンシーンのような爽やかな演出から
突如バトルモード (?) に。
今回26pでしたが、それを感じさせないような濃い内容だったと思います。
ぼくらのカプトン
かなり厳しめですが無印。
2本目は悪くなかったですが、個人的には1・3本目は微妙。
フィジカルには恵まれてるものの不器用なのに、なぜ谷口は球技に手を出すのかと...w
まぁこういう性格だからスキルが身に付かないんでしょうなぁ。
◎ アオイホノオ
『アオイホノオ』 ゲッサン2013年8月号 p430-431 島本和彦
さんざんネタにしますが、『ジオと黄金と禁じられた魔法』の桐幡歩先生をはじめとして、
一定の角度からしか描けない新人作家さんってのはどうしても出てきます。
そういう人にとっては、描かざるを得ない状況を作った方がいいのかもしれません。
いかに選択肢を増やすか。何をするにも大切な事だと思います。キャラのパターンとかもね。
んでもって、たとえ失敗に終わったとしても、
ひとつの作品を描き上げる事ってのは経験として残るんだなと。
以前富士昴先生のサイン会でとある人が、
「漫画家になりたいんですけど何が一番必要ですか?」的な質問をした時に
「短くてもいいからとにかく作品を一つ描き上げること」と答えたのを鮮明に覚えてます。
私もこのブログ書いてる事で何か経験として残る...かどうかは怪しいですがw
個人的な解釈としては、成長するにはPDCAサイクル回す必要があって、
その為にはとにかく実行 (DO) しなければ始まらないって事なんだなと。
そして最後にはSLG。『放課後さいころ倶楽部』の影響とかあるんでしょうかw
○ アサギロ
◎ 切り裂きウォルター
内容的には信頼できそうな人に裏切られたと思いきや...と、
相変わらず意外性のある展開にはワクワクします。
『切り裂きウォルター』 ゲッサン2013年8月号 p613 中原開平
ただ、見栄えの悪さが悲しいくらいに足を引っ張ってる感。
何ですかこのショボくれたオッサンは... 他のシーンだともうちょっと格好よくなってるのに。
○ 6のトリガー
メカンドの設定は中々良かったと思います。
それだけにこの作品もうちょっと何とかなったんじゃなかろうかという気持ちがふつふつと。
× サンタクロースはいるにはいるが かんばまゆこ
描いた時期がいつなの分からないので何とも言えませんが (今回の記事で2回目)
ゲッサンmini2 に掲載された森茶先生の『MERRY SHOOTER』と似たような設定。
担当さんからのアイデアなんでしょうか?
ネタに困ったらおとぎ話という格言に近い言葉がありますが、
このクオリティならやんなくていいんじゃね?って思っちゃいますな...
6月号の『竹を取れ!!物語』でこう批判しましたが、全く同じ感想。
『竹を取れ!!物語』のようなシュールさが無い分、×を付けざるを得ませんわ。
構成に難がある訳でもないので、4コマで伸びる感じもしませんし...
そろそろおとぎ話に頼るのは止めた方が良いのかも。確かに基本といえば基本ではあるんですが。
◎ 信長協奏曲
今回はこのシーンに尽きます。
お市の心情の揺れも丹念に描かれていましたし。
◎ ツール・ド・本屋さん
『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2013年8月号 p737 横山裕二
仕事やってりゃ楽しい事ばかりって訳にはいきませんが、
面白さの追求が仕事になるってのはホント羨ましい限りですわ。
島本先生がペン入れしたくだりは、
ネタバレしてなかったらもっと面白かっただろうになーと思わなくもな(ry
『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2013年8月号 p729 横山裕二
顔は覚えてても名前は覚えてない辺りがリアリティありまくりw
まぁ私は名前覚えるの超苦手なので人のこたぁ言えませんが。