ゲッサン201303

基本的に「2巻同時発売」とか「一挙新連載」という企画は概ね失敗に終わる事が多いように思いますが、
ゲッサン2013年3月号 p724

あえて4 (+α) の新連載。
(+α) の部分はかんばまゆこ先生の読切が断続的に載るという事らしいです。


『アダンタイ』『BLOODY ROSE』が終了し、来月は『レトラ』『VANILLA』『渚先生』が休載なので、
ページ的には据え置きでしょうか。
まぁゲッサンは編集者が市原、村上、高長、星野 (敬称略)と4人しかいませんから、
(ワタナベさん含めても5人)
たぶんこれが限界なんでしょう。


新連載は作家的に意外性は無いというか、しごくまっとうなラインナップですが、
中堅2+新人2とバランス取れてるので個人的には好印象です。
また、『リンドバーグ』が残り2話、『エルパラ』も纏めに入ってるので、さらに新連載が2本立ち上がりそうな感じです。


ただまー、これだけ連載始まるのに、
表紙はともかく巻頭カラーが『MIX』ってのはちょっとどうかという気はしますけどw
あだち先生じゃないと買ってくれないんですかねぇ。


くちびるに歌を 原作:中田永一 漫画:モリタイシ
twitter中田永一 モリタイシ
ゲッサン2013年3月号 p3

引用した画像にもあるように、2012年小学館児童出版文化賞作品のコミカライズ。
中田先生は存じ上げませんが、別名義に乙一、山白朝子があるらしいです。まぁ詳しくはググって下さいw
中田先生とモリ先生は、結構昔からtwitterで相互フォローになってるっぽいですね。少なくとも1年以上前。
モリ先生の漫画は結構好き嫌いが分かれるみたいですが (個人的には割と好きです)、
空気感は出せる作家さんなので、その辺りを上手く出せるかどうかかもしれません。


放課後さいころクラブ 中道祐大
twitter 中道祐大
ゲッサン2013年3月号 p4-5

女子高生がテーブルゲームで遊ぶ漫画らしいです。2chスレで言うところの卓上ゲームでしょうか。
中道先生は松戸でテーブルゲームの会合に参加してたようで、自分の趣味を題材にしたという事なんでしょう。



中道裕大
@moritai4 あれは僕が適当に描いたゲームです。版権取るの間に合わなくてw
link
という事らしいので、「カタンの開拓者」をはじめ、実在のゲームを登場させるっぽいですね。 某大学のこういうサークルに、そこの学生でもないのに出入りしてた過去があるので、 率直にこのジャンルの漫画が出来る事は嬉しいです。 正直マイナーなジャンルなので、アンケートは心配ですがw 前作『月の蛇』はキャラの格好良さはあるものの、伏線や駆け引き、動きの面で微妙だったので、 ほぼ動きが必要がないジャンルで、かつ駆け引きをメインにした題材を扱うという点で興味深いです。 ただまー、個人的には中道先生の描くオッサンは超絶カッコいい割には女の子はちょっと微妙だったので、 その辺りどうかなぁという不安はあります。まぁ肝心なのは中身ですけども。 あおにの空に竜は哭く 瀬戸ミクモ ゲッサン2013年3月号 p6-7 まぁこの人の描く漫画は男性に受け入れられる素地を作れるかどうか、 もしくは男性以外でどれだけ支持を得られるかに掛かってるような気はします。 女性らしい作品がいくつか根付いてるゲッサンなので、後者が解なのかもしれませんけども。 切り裂きウォルター 中原開平 twitter 中原開平 ゲッサン2013年3月号 p8 短期集中連載『パピヨンの風』をはじめ、出す作品全てに意外性を盛り込んでくる作家さん。 個人的にはゲッサンの新人さんの中ではイチオシです。 課題は絵の見栄えだと思ってますが... あんまり変わった感じはしないなぁ (苦笑) ある程度固まっちゃってるのかもしれませんが、連載すると変わるかもしれませんし。 来月号には別冊読切小冊子が付くみたいで、これも楽しみ。 ゲッサン2013年3月号 p725 中道先生は置いといて、他の新人さんの経歴を。 美里あづさ先生はググっても出ないので改名なんでしょうか?

雪丸
第4回 GET THE SUN 新人賞 『deep sky』 選外佳作
第9回 GET THE SUN 新人賞 『60フィートと6インチ』 準グランプリ
ゲッサン2010年10月号 特別付録 『LIAR MAN』 読切掲載
ゲッサン2012年1月号 『グリーン』 読切掲載

山本崇一朗 twitter
第33回 イキマン 『歯は上に投げるもの』
第59回 ちばてつや賞 ヤング部門 『この夏』 大賞
第27回 GET THE SUN 新人賞 『ボクらの友情戦記』 佳作
第69回 新人コミック大賞 少年部門 『ネコのオッサン』 佳作
ゲッサン2012年7月号 『からかい上手の高木さん』 読切掲載
ゲッサン2012年11月号 『恋文』 読切掲載
ゲッサン2013年2月号 『まちにまったおとなりさん』 読切掲載

熊谷祐樹
第34回 GET THE SUN 新人賞 『世紀末!? ガーディアン』 準グランプリ

きゅっきゅぽん twitter
第35回 GET THE SUN 新人賞 『保健室の怪人』 選外佳作
第36回 GET THE SUN 新人賞 『チャーリンのすてきな日ようび』 佳作
第42回 GET THE SUN 新人賞 『ばさらか!吹部マーチ』 準グランプリ
第71回 新人コミック大賞 少年部門 『タキさんちのスパイ』 入選

個人的には載った読切全てに◎付けてる山本祟一郎先生と、久々登場の雪丸先生に注目してみたいです。


○ アサギロ
しかしまーこの漫画、いつまで続くんだろ...
いや、面白いし、打ち切られるような漫画では無いんですけども、まだ新撰組立ち上げてないもんなw
だから書くことあんまないんですけども。
史実に忠実かつ足りないところを想像力で上手く埋め合わせてる辺りは好感が持てます。


◎ 鉄楽レトラ


◎ ひとりぼっちの地球侵略
リコは刺されても大丈夫なのかw
熱血と誤解でオチをギャグにする。ほんと上手いですわ。
解き明かされた伏線も納得できますし、主人公の岬一がリコを介して戦えるという構図もなるほどなと。


◎ あやしや
まだ許容範囲内ですが、特に前半が書き込みすぎて読みにくくなってるのが少し気になります。
『あやしや』 ゲッサン2013年3月号 p202 坂ノ睦

雑誌ならまだしも、このように単行本サイズでとなると...


ただ、内容的にはかなり面白くなってきてるんじゃないかと。

立場や視点、持ってる知識が違うキャラが自分の正義のために行動するが故にバラエティが出てると思います。
だからこそミステリーも作りやすくなってるんでしょうなぁ。

前回こう書きましたが、このおかげで共感がより引き立っているんじゃないかと。
『あやしや』 ゲッサン2013年3月号 p226 坂ノ睦

立場や考え方が違っても共感できる。
それだけ主人公の影響力があるという事も表現できますし。


ここが噂のエル・パラシオ

謎で引っ張るのはいいんですが、それで面白くなってるかと言われると、それほどという感じが。
次回以降にやるのかもしれませんけども、読んでて上手いことミスリードしたなぁという展開にならんもんでしょうか。
先が全く読めない展開というのもひとつの方法ではあるんですが、ヒントくらいは欲しいかなぁと。

前回こう書きましたが、ヒントが出てきましたし、そこに意外性もありましたんでちょっと面白く。


◎ VANILLA FICTION
理に叶っていながらも絵はシュール。いいですね。


○ ちろり
正直よくわかりませんでした。私の読解力の無さによるものっぽいですけど。
日常が一番幸せって事なんでしょうか...?


◎ 「ハルタ」創刊のお知らせ
『「ハルタ」創刊のお知らせ』 ゲッサン2013年3月号 p345 森薫

個人的にこういう企画モノ好きなんですが、以前載ったfellows!の連作4コマのように
企画から実行までは楽しくても、実際作品に起こしてみると案外...
というのが多いなか、これは結構いいですね。
ぶっちゃけ『狼の口』以外は知らないんですが、他の作品も読みたくなりました。
作品の作家さん以外がキャラ描いてるという所にも意義がありますし。
あと春田さんが個人的なツボなんで誰かこういうキャラで漫画描い(ry


森薫先生と小川愛子先生の組み合わせなのは、恐らく「マチアソビ」で意気投合したからなんでしょうねw
わざわざ『ちろり』の後にこのページ持ってきてる辺りも気が利いてるなと。


◎ ハレルヤ オーバードライブ!
こちらも相変わらず上手いなぁと。
さすがにバンドの解散を賭けるとはならんとは思いますが。
リスクが大きいとかじゃなくて、賭けとして面白い感じはしませんし。
例えば、楽器を壊すとかならてめー音楽愛してないだろ的な怒りが沸いてきそうですが、
イラつかせる何かであって欲しいですね。


アオイホノオ
まさにアオイホノオ全開な展開。独りよがりここに極まれりw
アオイホノオゲッサン2013年3月号 p395 島本和彦


◎ ぼくらのカプトン
ザッピング的な手法が大好きだってのもありますが、1本目は秀逸でした。
2、3本目は相変わらず。


月曜日は2限目から
うーん前回より微妙。一応オチは付いてるんで×付けるところまではいきませんが。
天丼ってかなり手堅いとは思うんですけど、一発目で面白いと思えなければ二発三発続けてもダメなもんですね。


6のトリガー
マヌケな演出が何とかならんもんかいなと何回か書いてきましたが、
今回はそれが情けない感じには繋がってませんね。第三者の視点があるからでしょうか。
まぁ、それだけと言われるとそうなんですが...


○ 信長交響曲
今回の内容より、むしろ続き... 長篠の戦いをどう扱うかが気になりますね。特に三段撃ち。
3人が入れ替わりで撃つよりは、少なくとも役割分担をして撃つ方が理に叶ってるとは思いますけども。
射撃の腕前を平均化するより、腕のある人に3倍撃たせた方が命中率上がりそうですし。
まぁフィクションなんで本当に三段撃ちをやってもいいとは思いますけど、
当時は無かったけど現代にはある戦争とはあまり関係が無いものから発想を得て、
何かしら理に叶った戦法をやる、というのが理想ですかねぇ。さすがにそこまでやるのは難しそうですが。


◎ 時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。
いやー、化けました。今までの中でも最高。ようやく歯車が回り始めた感があります。
結局のところキャラ増やすことがソリューションだったという気もしなくもないですが...
やっぱ役割は必要ですよ。
長くなるので別記事で。


Blood Rose (短期集中) 梅内創太
正直、単行本化には驚きました。需要あるのかなぁ...
1、2話目までの構成は良かったですし、BL的に落としていくのも、矛盾を伏線に使うアイデアも悪くはなかった
とは思うのですが... 正直言って尻すぼみ感。
個人的にはもう少し怒髪天を衝く感じがあっても良かったような気はします。
全体的にみて辛めで無印。


アダンタイ
締めは悪くなかったと思います。
いきなりのマンネリ展開かつキャラの特徴を引き出す構図になってなかったのが響いたのかもしれません。
全体的にみても無印。
絵はかなり良くなってますが、元々ストーリーも評価されていた作家さんだけに、
次回作でも原作付でやって欲しくは無いですね。


リンドバーグ
何でキリオがこうもいい子になったんだろうって考えてたんですが、こういう事ですか。


◎ ツール・ド・本屋さん
『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2013年3月号 p710 横山裕二

ばんざい!!
何か今回は割と共感できる箇所がいくつか。


『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2013年3月号 p715 横山裕二

これは本当にこう思います。車だとちょっとした勾配でもスピードはあまり変わりませんしね。
いつも車で通ってる道を自転車で通ると、「ここ、こんなに登りなんや」と驚くことがままあります。
川沿いの道を走るとほとんど坂が無いんだなーと、自転車に乗って初めて気づいたりしました。
当たり前と言えば当たり前なんですけども。


『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2013年3月号 p718 横山裕二

これも「分かるわー」という感じ。
車が通る道はこうなるんですよね。逆に旧道は細くてカーブが多い代わりにアップダウンが控えめ。
けれども新道はトンネルで高低差をカットできる場合あり。これも自転車で通って初めて気づきました。
これも当たり前と言えば当たり前なんですけども。
そして車乗ってる時には歩道の幅とか全く気にしてないので、そこを自転車で行くと愕然とするというw
自転車乗ってる時に車の迷惑にならないように走ろうとか、その逆とかは考えるんですけども。


迷わず目的地に着くには幹線道路が何だかんだ言って便利なんですけど、
旧道も理に叶ったルートを通ってるんだなぁと思ったりしました。
あと、旧道は昔から道が通ってる訳で、たいてい神社仏閣は旧道沿いにあるんだなと。


『ツール・ド・本屋さん』 ゲッサン2013年3月号 p720 横山裕二

ああ、これは怖いわ!
そしてこれだけ苦労しても本屋は6件というのがせつないなとw
それと、サンデーS読切『OVER RIDE』の記事にも書きましたが、
やはりスピード感ってのはスレスレな感じだとより際立つなと改めて感じました。

2/12今日に単行本が出て、amazon等でも買えますけど、せめてこの本くらいは書店で買って欲しいですね。


で、今回の漫画とは関係ないですが、



横山裕二
謎の企画が進行中で、二日続けて編集長と行動を共にしておりました。 pic.twitter.com/BumEeFNA
link
謎の企画も気になるところです。 『アオイホノオ』登場人物インタビューとかやってくんないかなぁ。