富士昴先生の次回作にご期待ください! #1

動物がお医者さん!? EPISODE:19(最終回)の最後に

残念ながら、アダチ区民放送局の宮崎さん達が望んでいた「誰と誰がくっ付くんだよ!」という所は描写されませんでしたが、
そういった演出を望んでいる方には是非次回作にご期待を、といったところでしょうか。
ということで、少ししたらその辺りをちょこっとだけ書いてみます。

こう書きましたのでその辺りを。
ちなみに最終巻の4巻は12/18(火)発売予定です。
※ 11/2 追記しました。


1) キャラ



fujisubaru
やっぱりこのネタでキャラに気持ちこめようとすると超苦戦するなぁ。気持ちこめてキャラ作っても、構造整えるために違う性格にしなきゃいけなくなったり。せつないぜ。
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fujisubaru
でも、構造だけの話はいっぱい作ったから、違うことやりたいんだよなぁ…。でも超つらい。死にそう。
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『動物がお医者さん!?』はいわゆるネタモノで、アニマルセラピーを扱った作品でした。 以前にも書きましたし、次第に改善された事も書きましたが、 やはりネタモノであるが故にキャラへのフォーカスがどうしても甘くなる、という問題がありました。 『銀の匙』なんかを見れば、理論上はネタモノでも上手くキャラへのフォーカスも合わせられるのですが、 それを連載経験の無かった新人が、それまで関心のなかったネタで勝負した上でとなると そこまでやれというのは、はっきり言って過度な要求でしょう。 少年漫画は何といっても重要なのはキャラなので、どんなジャンルであっても 次回作はぜひともキャラにまずフォーカスを当てた作品に取り組んで欲しいと、切に願います。 ではどんなキャラにするか?ですが、当然ながら作者が描きたいようなキャラという事になるでしょう。 以前『アダチ区民放送局』に出演した際に、「今後どんな作品を描いてみたいですか?」という質問に対して、 富士先生はこう答えていました。

今のところちゃんとは決めてないんですよねー。
ただ、ちょっとなんというのかな、大人向けというか、ダークサイドな話やりたいなとは思ってますね。
(中略)
わたし的には『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジャック・スパロウとかもダークヒーローだと思ってるので、
あれくらいの感じでもいいんですけど、ちょっとやっぱそっちに振りたいなと思ってますね。
『アダチ区民放送局』 2012年9月15日 放送


明らかにネタではなくキャラを重要視した発言で素晴らしいと思います。
なぜダークヒーローかというと、最近『巌窟王』にハマったとつぶやいていたので、
その影響もあるのかもしれませんw

最近アニメの『巌窟王』ってヤツに凄いハマってて……
twitterで凄い言ってるんですけど、気持ち悪い感じになってるんですよね今。
まず、2万6千円のBlu-ray BOXを買った後に、特典欲しさにDVDーBOXをもっかい買うという。
(何で何で!?)
特典が違うんです!
(そこだけ?)
そこだけです!!
『アダチ区民放送局』 2012年9月15日 放送

とは言っても、元々こういった類のキャラがお好きなようで。
『動物がお医者さん!?』も主人公の渚と、その伯父の風太は放置プレイなSでしたし、途中から出てきた理事長もSキャラでした。
また、雑誌未掲載の読切でも、やはり主人公はSキャラでした。
『ジャージ侍☆TAGIRU』 (同人誌) p9 富士昴

以前に「せめてヒロインくらいは作者の好みを反映させるべき」と書きましたが、富士先生は女性なので、
この場合は「せめて主人公くらいは」という事になるでしょうか。
ただし、何事にも限度というものがありますし、キャラによってはある程度妥協する必要は出てきます。
で、てっきりS好きだと思ってたのですが、





fujisubaru

ω・) ドSより、鬼畜か外道が好き。

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らしいので、微妙にニュアンスが違いますけれども。


次に描くのが少年誌だと仮定して、では少年誌でダークヒーローものは何があったかと考えると、まず思い当たるのが

DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)

DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)

DEATH NOTE』でしょう。サンデー的には...『LOST+BRAIN』でしょうかねw
LOST+BRAIN 1 (少年サンデーコミックス)

LOST+BRAIN 1 (少年サンデーコミックス)

他にも『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』や『アクメツ』一応『鉄鍋のジャン!』もダークヒーローと言えるでしょう。
ヤンキー漫画にもダークヒーローものはありそうですが、私は基本的に読まないので分かりません。
少なくとも、少年誌でもダークヒーローは「アリ」です。
恐らく主人公でなくても満足しそうなので、『JOJO』のDIOや『巌窟王』の伯爵ように、敵役でもいいんでしょうけど。


2) ジャンル
ではどういうジャンルの漫画にするのか。
DEATH NOTE』『LOST+BRAIN』はサスペンス、『アクメツ』はバイオレンス、
『BASTARD』はファンタジーバトルでしたが、バイオレンスな要素を多分に含んでいます。
ヤンキー漫画も基本的にはバイオレンスですが、『鉄鍋のジャン!』はもちろん料理漫画です。
基本的にはサスペンスかバイオレンスという事になるでしょう。



fujisubaru
とりえあえず、ブログには書けないコメントをココで言っておこう。とにかく、この連載はしんどかった。専門知識ゼロから自分で資料収集して、「メインキャラの心理」「患者キャラの心理」プラス、そこに「動物キャラ」の3つを絡めて話作らなきゃいけなくて、室内が多いので絵作りが難しくて・・・
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『動物がお医者さん!?』はネタ探しに苦労していただけに、当然ながら料理漫画は得策ではないでしょうw いや別に料理漫画に限らずネタモノは。 人間ドラマを描きたいんだと自覚しましたし、動きのある絵が得意な作家さんでもないので、 ベストはサスペンスだろうなと個人的には思います。 3) 配役 ダークヒーローは基本的に主人公か敵役として設定されます。 例外は...強いて挙げれば『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』における ジャック・スパロウでしょうか。まぁ彼がダークかと言われると異論は出てくるでしょうけども。 ヒーローかと言われると怪しいですが、『銀河英雄伝説』のオーベルシュタインはダークでした。 主人公か敵役以外のキャラというと、基本的に主人公の仲間という事になりますが、 その辺りに理由があるんじゃないかと。 主人公が悪ならその仲間も悪ですが、それだと主人公もダークヒーローって事にはなりますし、 主人公が善ならその仲間が悪というのは、何かしらの理由がなければなかなか組めません。 『銀河英雄伝説』のローエングラムのような清濁併せ呑むキャラだったり。 『H×H』のヒソカのように(仲間になったのは一時期ですが)、目的が同じという場合もありますが。 主人公が悪なら、『DEATH NOTE』や『アクメツ』のように最後はBAD ENDになりがちです。 (それはそれでいいんですが) 主人公が善で敵役がダークヒーローなら、いずれダークヒーローは倒されることになり、 その時点で物語は終わります。 (新たにダークヒーローを創ればいいという話もありますが) 『あやしや』のような、主人公とダークヒーローが組む必然性があれば、 HAPPY ENDにしつつ倒す必要もないといった事もそれも可能でしょう。 読んでないので何とも言えませんが、『うしおととら』も割とそんな感じだったのかな? 4) テーマ 最近は一部そうでもないものもありますが、 (ゆるけりゃOKがテーマと強弁できなくもないですけども) 漫画において、特にダークヒーローを扱う作品において欠かせないのがテーマでしょう。 ダークヒーローをダークヒーローたらしめるのは「彼の正義」が社会常識に照らすと悪だからであり、 「彼の正義は悪である」と表現するのはテーマに他なりません。 『巌窟王』もそうでしたが、概ね「彼の正義」は復讐でしょう。 また、正義自体ではなく、正義を貫く手段を選ばない点が悪であるといった場合もあります。 『DEATH NOTE』や『アクメツ』は悪人を懲らしめるのが主人公の正義でしたが、 その手段...悪人を片っ端から抹殺する点が彼らをダークヒーローたらしめていました。 これが高尚な願望ではなく、金銭や女といった欲望が対象となると小物感が出る恐れがあります。 5) 舞台


fujisubaru
とりえあえず、ブログには書けないコメントをココで言っておこう。とにかく、この連載はしんどかった。専門知識ゼロから自分で資料収集して、「メインキャラの心理」「患者キャラの心理」プラス、そこに「動物キャラ」の3つを絡めて話作らなきゃいけなくて、室内が多いので絵作りが難しくて・・・
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いやホント、大変だったと思いますねw いくら何でもタスクが多かった。 苦しめば良いという訳ではありませんが、それだけに得るものは大きかったとも思いますけども。 (と、Sな発言。実際富士先生が愚痴ってる時には「成長するからもっと苦しめ」と思ってましたw) なるべくキャラに集中できるように、舞台は調べる必要が無いものがベターだと思います。 要するに歴史物は避けるべきだと。 現代モノかファンタジーが妥当だと思います。SFとなると科学的な知識が要りますしね。 では具体的にどういう漫画がいいのか? というのは富士昴先生が考えることなんですが、 個人的に描いてみて欲しいなぁという方向性を次回に書いてみます。 その前に『動物がお医者さん!?』のおさらいも少し入れるかもしれません。