少年サンデーS 201209

作家さんのtwitter等は サンデーまんが家 twitter リスト ver2.2参照。



http://websunday.net/super/ (2012 7/25〜8/24)
今月号には『銀の匙』農高校章verスプーンが付いてます。相変わらずデキはいいです。
ネタバレになるので具体的には書きませんが(付録にネタバレって何なのさ)、
単行本に付いてた時にはなかった心配りが密かにあるのはいいですね。


そんなステキなスプーンのおまけに900p超の雑誌が付いて、お値段570円
ってのは安いと思うんですけどね。 オマケってのは冗談ですけど。
スプーン目当てで買って、ついでに漫画読んで気に入った作品を見つけてくれる読者がいるといいんですけども。


今際の国のアリス
いやぁ素晴らしい。
条件的に霊媒師はいない、占い師に指紋鑑定官の安梨がなるとして、誰が共鳴者で誰が狂人か...という風に
私はどうしても「汝は人狼なりや?」(正確に言うと「タブラの狼」)に当てはめてしまいます。
この見方が正しいとは限りませんけども。
アリスには確実なアリバイが存在する(占い師に村人判定された状態)ことが活きてくればいいんですが。
これだけ伏線にしてますし、活かすでしょう。


湯神くんには友達がいない
相変わらず主人公・湯神のウザさがいいです。
あと、最近微妙に湯神の顔芸漫画になってきてるような...w
リアルな表現だと男性より女性の方が表情が豊かになるんですが、
どちらかと言うと男性より女性の方が表情の変化に敏感なので、
女性ファンが付きやすい男性キャラにこそ表情の変化を付けるべきだと個人的には思ってます。
その方向なら、より女性にアピールできるよう、首筋や手の甲などの線にも気を配ってもいいような気もします。
この辺りは私もよく分からないので(男性ですから)、少女漫画を参考にしてもらえれば。

湯神くんには友達がいない少年サンデーS 2012年9月号 p73 佐倉準

主人公が影響を及ぼしているのにも関わらず、主人公のあずかり知らないところで物語が進んでる感はいいですね。


KING GOLF
いやぁ今回特に素晴らしい
KING GOLF少年サンデーS 2012年9月号 p210 漫画 佐々木健 技術指導&監修 谷将貴

まずはこのセリフ。
以前に素人の打ったボールを見ることが知識の蓄積になる、というような表現がありましたが、
その蓄積された知識をより効率的に吸収するというロジック。
意外性もありましたし、一貫もしてます。


次に選手とキャディの関係。
KING GOLF少年サンデーS 2012年9月号 p265 漫画 佐々木健 技術指導&監修 谷将貴

これって漫画家さんを含めた作家さんと担当さんの関係と相似だと思うんですよね。
もちろん能力や相性、それぞれの個性によって変わってくるってのはあるとは思いますし、
やり方は人それぞれでもいいという話はあるのですけれど、
基本的には「立場が違うからこそ組む意味がある」以上、一方的に押し付ける関係ってのはちょっとどうかなぁと。
要はPDCAサイクルが回ればいいんですけども。


最後にこのシーン。個人的には今回ココが一番のツボ。
KING GOLF少年サンデーS 2012年9月号 p255-256 漫画 佐々木健 技術指導&監修 谷将貴


偏ったものさしが真実を照らす場合もあるという事ですよ。
まぁこのブログが真実を照らしてるかどうかはともかく。偏ってるのは間違いないですがw
さらに、プレッシャーの描写に気を取られ全く気づけませんでしが、
確かにサンデーSに移籍してからはアゴの採点全くしてませんね...
最初から意図的なものだったのか、そういう批判があったからなのかは判りませんが、こういう形で伏線に使う。
何にせよ脱帽です。


ノゾ×キミ


ガンダムAGE 〜追憶のシド〜
腐ってもガンダムなのか(腐女子的な意味ではなく)、裏表紙にもあるように1巻が増刷。
まぁこの内容では2巻も買ってくれるかどうかは定かではないですけども...


侵入の描写は個人的に微妙でしたが、それでも全体的にみれば大分良くなってるとは思います。
色々制約がある(MS戦闘は必ず入れる、等)中ではよくやってるんじゃないかと。


◎ G
初期の設定が活かされる展開。いいですねぇ。


○ PLUG
内容的には悪くないと思います。


『PLUG』 少年サンデーS 2012年9月号 p367 こじまたけし

ただ、個人的には今回斜めの顔が概ね可愛くないような...
描き方変えたのなら、変化自体は好ましいんですが、これは別の表現に変えた方がよさそうかなと。


○ ロック
ノローグが無いのが特徴になりそうな漫画になりつつありますが、今回は2シーンほど。
好みとしてはモノローグ多い方がいいんですが、必要ならば使う感じでいいんじゃないかと。
要は選択してるかどうかです。
絵もだんだん見易くなってますし、立ち話が絵的に単調にならないような工夫も見受けられます。
元々実力が付いてる作家さんではありましたが、さらに伸びてますね。
内容的に起承なこともあり◎付けるまではいかないなーと思いましたが、いずれ付けるようにはなるんではないかと。


電脳怪奇譚 サイバーワン
この漫画に関しては、内容的にピンと来ないと散々書いてきましたが、今回のコメディ部分は良かったですね。
『電脳怪奇譚 サイバーワン』 少年サンデーS 2012年9月号 p437 杉戸アキラ

良かったコメディ描写がこのシーンに限らない辺り、実はこの作者バトルよりコメディの方が向いてるんじゃないか疑惑。
漫画のジャンル的に、コメディが多少良くてもバトルでの熱血や伏線や意外性のある描写が無いと、印は付けづらいです。


◎ 氷の国の王子様
オッドアイの描写が個人的にはちょっと微妙。
『氷の国の王子様』 少年サンデーS 2012年9月号 p465 小野ハルカ

個人的には薄いトーン貼った方がいいんじゃないかという気はします。
内容的には相変わらずキャラの特長・立場がきちんと描かれてて自分好みの漫画だなぁという、いつもの感想。
このギャグも良いですしね。


◎ 動物がお医者さん!?
個別記事が完結しましたので、今回からはがっつり書こうかなとも思いましたが...
この作品だけで一つの記事の分量になったので、別記事にしました。
残念ながら、この回含めて残り3回ですしね...
まぁクラサン更新無くなった段階で予想はしてたのですけれども。
『動物がお医者さん!?』の個別記事はコチラ。 The Structure of "Can animals cure us!?" #1


◎ AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜
原作を忠実に再現したという事にはなるんでしょうけど、(原作未読です)
妄想だという体で進めつつ、実は何かあるかも?と匂わせていた内容にだんだん真実味が帯びてくる
という展開は非常に気持ち良かったです。これは素晴らしい。
でもってまだミスリードが隠されてる感があって、非常に面白いですね。
原作読んじゃうとそういう見方ができなくなるので、あえて読んでないんです。
まぁ終わったら買って読みますが。


My Sweet ウマドンナ 馬きゅ〜ん☆
オッサンにとってはタイトル打つだけで既に羞恥プレイなのですが、コピペで済むので心理的には多少マシ。


作者がやってるのか担当さんが担当してるのかは分かりませんが、柱でのツッコミが増えました。
これ、悪くないですね。続けられるなら続けた方が良さそうです。
7Rは個人的に面白くなかったですが、それ以外はまーまーかなぁと。
作画はがっつり手を抜いてる印象ですが、キャラ大きめ背景ほぼ省略してる今の状態が
ゆるゆるコメディのテイストには合ってると思いますね。


芸術捜査班!!!

まぁ一番ワンパターンなのはこの漫画なんですけども。
1話完結を止めて多少和らいだ感はあるのですが、根本的には何も解決されてませんしね。

前回こう書きました。ワンパターンなのは1話完結を止めたことで多少和らいだ程度だという感想は変わりませんが、
着火装置のロジックに説得力があったので、×付けるほどではないかなと。
メット脱いだら実は女だったという展開は個人的にはあまり感心しませんでしたが、
何かしら意外性を出そうと試みてるのは見て取れます。


根本的な問題というのは、ワンパターンと黄金パターンをどう峻別するか。
ただ単に同じことを繰り返してもワンパターンにしかならないので、構造的には同じ事の繰り返しになってもいいですが、
その中でもどう新味を出していくか。
現状は小さな枠内に収まってる感があるので、漫画の面白さにどの要素が必要なのかを考えていけば
殻を破るきっかけになるのかもしれません。保証はしませんが。
基本的に読者は現状から想像するしかないんで、新展開とかは考えづらいんですよね。


◎ 中巌寺家の隠密
かなり評価甘めです。次回以降はまた○に戻すかも。


ロールプレイが良くなってますし、今回特にミスリードが格段に良くなってるんじゃないかと。
次回への伏線も貼ってますしね。
まぁ個人的に一番好きなのは爽のツッコミですけども。


○ クックドッポ
子どもの顔がいくらなんでもデカすぎやしませんかねw
『クックドッポ』 少年サンデーS 2012年9月号 p657 原作 魚柄仁之助 作画 山仲剛太

マコトの王者』でも子どもの顔がデカすぎと書きましたが、いくら何でも顔と肩幅がほぼ一緒ってのはねぇ。
デフォルメするタイプのギャグ漫画ならともかく。
それだけ子どもを描くのは難しいって事なのかもしれませんけども。
この作品もそろそろ終了でしょうかね。
単行本に何話まで掲載されてるかとか調べると分かるんじゃないかな。


○ 二ノ前しいの使い方
今回悪くなかったですね。
ウブなラブの雰囲気が一番の原因でしょうが、
白鳥が正反対の事を言っても、しいの言ってる事が全く変わらないって辺りがキャラクターの描写になりつつ
天丼になってたりといったコメディ描写も良かったんじゃないかと。
ストーリー的にも漫画的にも迷走してる感があったのですが、そのかいがあったのかもしれません。
まぁこのテイストが最終到達地点だとは思いませんけどね。パターンの一つとしてならアリかなと。


○ WONDERLAND MUSEUM

一応ムカつく人を成敗する辺りに達成感を出してますが、面白さにまでは繋がってない感じはします。
ちょっとコレはヤバいかもしれません。

前回こう書きましたが、3回目にしてヤバい域からは脱出した感。


誤解のネタは陳腐すぎてお話にならないレベルではありますが、キャラの立場と特徴を描けてたのではと。
これくらいなら『芸術捜査班!!!』でもやれてる訳ですけども。
結局のところ、良かったのは最後の方にムチャな作戦を持ってきたことによって意外性が出せた事ですが。


相変わらず絵の方はまだまだ見栄えを良くする必要はありますし(決して下手ではないと思います)、
内容も過去の読切を考慮するとポテンシャルはこんなもんじゃないと思ってるので、
まだまだ切磋琢磨してもらわないと困りますね。


迫力を出したいからってのはあるでしょうけど、単純に襲われて突っ込んでくる動物の視界を確保するだけ
ってな展開はどうにかした方が良いかもしれません。
いかに視界を確保するかが鍵だとか1話目で書いておいて何ですが...
肉食獣が獲物を取る際に、力やスピード、俊敏さなどのフィジカルも必要になりますが、
それと同じくらい探査能力や隠密行動が重要になりますから。
他にも色々ありますが、その辺りを漫画の面白さに繋げられたらもう少し良くなりそうな気はします。


CRIMSONS 紅き航海者たち
特攻は男の美学。


× 奥山文雄の叫び!! (コラム)
ナニコレ
JKとは言え、単なる素人出されてもねぇ... グラビアとか誰得。
素人好きにはたまらないのかもしれませんけどねw
彼女達を貶めるつもりはありませんが、荷が重いと言わざるを得ません。


× ちいさいひと
うーん、タイトルのネタバレ回がこれではなぁ...前回よりはマシなのは確かなんですけども。
キャラ周りもマシにはなってきてるんですけどね。
解決編でどう達成感出せるかですね。


ともだちテトラ
地味ですけどそれも味ですし、話も比較的ベタですが雰囲気やキャラの愛らしさは少し出てきたので
以前と比べても悪くはないかなぁと。
カテゴリー的にはファンタジーですから、もうちょっとワクワク感が欲しいですね。
ツバメドリの設定もその方向ではあるんですが。
どうやってワクワク感というか、夢を広げるかってのは『はるまげ』と同じ課題ということで。


◎ 青いね芝くん!
相変わらずのデキですが、ちょっと慣れてきちゃった感。
そろそろ多少の変化も欲しいかも。
あと、愛染さんの神々しさ(芝くんの妄想込み)が無いと物足りなさを感じますね。


はるまげ

できれば現在ではできないようなモノがあればもうちょっと夢が広がりそうなんですけれども。
てな事言うとだんだん『ドラえもん』っぽくなっちゃいますが。

6月号の批評に同じ。『ともだちテトラ』も同じ課題を抱えてるのではないかと。
新聞に取り上げられたから新聞出てきたのなら安直かなぁという気がしなくもないですが、
感謝の意味を込めてというのならまぁアリなの...かなぁ。
まぁこのネタ大して面白く無かったですけども。


ゴルフも単にゴルフやるんじゃなくて何かしら工夫する余地はあったんじゃないかと。
現実に無いようなユニークなアイデアを出すのが無理だとしても、
例えば別の競技と混ぜる、笑いが取れるような変なポーズで打つ、等々。


ギャグを解説することくらい寒いことは無いんですが、説明しないと話が進まないので仕方なく書くと、
サンデーS創刊号の洗濯機ネタと野球ネタが個人的に面白かったのは、
洗濯機は「中がスゲー回転する」のを、危ないという見方だけでゴミ捨て場に捨てるという発想の違い。
『はるまげ』 少年サンデーS 2012年3月号(新装刊) p235 なにわ小吉

野球はこのページの1コマ目で木でもフツーの野球とはあまり変わらないとミスリードしつつ、
最後のコマでは木なのでフツーの野球とは違ってることと、コンと跳ね返る天丼。
要は意外性を使って、どうやってギャグの面白さへと導き出すかだと考えます。
現実と全く同じだと意外性もへったくれも無いですしね...