The Structure of "Can animals cure us? #5

#6まで続きそう...
検索でこのページに飛んできた人は(いないでしょうけど) The Structure of "Can animals cure us!?”#1 からどうぞ。
そうそう、いちたかさんに頼んで富士昴先生のwikiページ作ってもらいました。


8) キャラ描写の改善案 その3 萌え


『動物がお医者さん!?』 3巻 p165 富士昴

#3,#4でキャラ描写の改善案を出してみましたが、『おすもじっ!』でヤンデレ妹の彩香が登場した途端に
人気が出たように、何だかんだ言って一番キャラにファンを付けるのに最も効果的なのは「萌え」でしょう。
特にサンデーならば。
「萌え」を一番出しやすい要素は間違いなくラブコメでしょう。
別にラブコメ導入しなくても構わないとは思うんですが、作者がやりたがってるのならば話は別
個人的には作者がやりたい事とやらなきゃいけない事の摺り合わせをするのが編集者の大事な仕事じゃないか
と思ってるので、正直この辺りはどうかなぁという気はします。


結局のところ、キャラにファンが付くか否かはそのキャラに萌えるかどうかでしょうし。
あんまりキャラに萌えない人なので想像なんですが。


8-a) 絵で表現
漫画なので、萌えるかどうかはまず絵ありきでしょう。
絵に関しては動きのある絵以外はほぼ問題ない作家さんなので、
状況を考慮すると、いかに萌えを惹起する絵をストーリーの中に挟み込めるかが課題かもしれません。
例えば。
『動物がお医者さん!?』 サンデーS 2012年7月号 p752 富士昴

サンデーS 7月号の記事で書くよと予告してたシーン。
ここは#3で書いた「ロールプレイ」「カップリング」に当たる描写です。
キャラの立場を反映させた意見と、渚へのアピールで張り合う、ラブコメ的演出としては良いシーンだとは思います。
ただまぁ、張り合うのは後でもやってますから、ここでは渚へのアピールを表現する必要は無かったんじゃないかと。
どうすべきか文章で書いて伝わるのかなぁと悩んでたんですが、
『時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。』 ゲッサン2012年7月号 p234 田中ほさな

ちょうどいい感じに該当するような演出が。
ここでは犬猫の可愛らしさをアピールすべきだったんじゃないかと思うんですよね。
自分なら1コマ目と2コマ目の後にふたりとも「それに犬可愛いし」「猫の方が可愛いし」と付け加えつつ、
言い争いしてる間に話しがどんどんズレて行き、渚に「星乃と美空のどっちが可愛い」かを詰め寄ったりしたら
突っ込みどころもあって面白いと思うんですけどね。(これは個人の好みですし、この文章自体も話がズレてきてますが)


『動物がお医者さん!?』 サンデーS 2012年7月号 p753 富士昴

そしてこのシーン。

ハヤテのごとく!』 5巻 p35 畑健二郎

例えばオーラで表現すればどちらが犬派か猫派かひと目で分かります。
または、



fujisubaru
@mitsupage3 田村先生、BURSTラグちゃんかわいいです!かわいいです・・・(*´Д`)ハアハアハアハア イラスト描きたいので色設定とか決まっていたら今度教えてくださいねー! 
link
こういう風につぶやいてたり、 こういう風にpixivでも画像upするくらいですから、オーラではなく星乃が犬、美空が猫のきぐるみを着るような (というかBURST) 表現にすれば、犬耳や猫耳好きな人にもアピールできますし、絵で犬派・猫派が分かったんじゃないかと。 このようにして文章を読まなくても絵でも分かるというのはとても大切なことで、 読み飛ばしてる人がそのページに目が止まれば読んでくれるきっかけにもなります。 パラパラめくっても文字は頭に入りませんけど、絵なら入りますし。 まぁEPISODE:16にはそういうシーンがありましたけどねw 『動物がお医者さん!?』 少年サンデーS 2012年8月号 p493 富士昴 このシーンはひと目で何が言いたいか分かることもさることながら、仕草が印象的なのも重要です。 というか超UZEEEEEEEEEEEEwww 以前『PLUG』の批評でしぐさが大切と書いたことがありますが、 『動物がお医者さん!?』でもフーが人気になったのは間違いなくあの腹ばいになった時の仕草ですし。 初期のフーやシロにはそれがありましたから、もうちょっと仕草を入れてもいいんじゃないかと思いますね。 特に主人公の渚やヒロインの星乃・美空にはキュンと来るような仕草が必要でしょう。ストーリーの邪魔にもなりませんし。 話がまたズレますが、上の画像も「ロールプレイ」という意味でも素晴らしい演出です。

別に誰がリベラリストで誰がコミュニタリアンかとかを区別する必要は無いですが、
どういう思考を持ってるか?というのはもう一度洗い直す必要があるでしょう。

#3でこう書きましたが、理事長は功利主義者と言えるでしょう。
キャラの意見をこのようにカテゴライズできるようにする利点は、それの長所や欠点が論理的に導き出せ、
解決方法も具体例を山ほど見いだせる点にあります。
サンデル教授の『ハーバード白熱教室』でやってるような事です。
某スレで「理事長の意見も一理ある」的な書き込みがありましたが、
キャラごとにいろんな主義主張が出せると、意見の対立を産み、それが伏線やミスリード・意外性に繋がり、
解決策の源泉になり、この漫画の肝である多様性を導き出せるというのがまた素晴らしい。


8-b) ドS描写
※ ここからはまた個人的な趣味が前面に出ます。



fujisubaru
@GRGR_ ドMなので、ハードル上げて叩かれるかもとドキドキするのが快感なのです!!(`・ω・)」☆ 
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こうつぶやいてるだけあって、結構な割合でキャラがドSになるシーンがあります。 『動物がお医者さん!?』 週刊少年サンデースーパー増刊号2012年1月号 p392(3巻 p32) 富士昴 渚も結構放置プレイ好きですが、叔父の風太も結構な割合で放置プレイをしてます。 親戚なので性格が似てるというのはいいキャラ付けですし、 放置プレイをするとそのキャラに後のことは任せるということなので、 ロールプレイ的にも、ストーリー展開的にも使いやすい方法だとは思います。 ただ、これでは萌えには繋がらんのですよね... 放置プレイがダメだとは言いませんが、放置プレイだけなのがちょっと問題です。 例えば「ツンデレ」だと、成立する経緯はともかく、現状は恥ずかしいからあえてキツめの言葉を使うという記号です。 ツンデレが萌えの全てだとは言いませんが、少なくとも恥ずかしがる描写が「萌え」の最大勢力なのは間違いないでしょう。 『動物がお医者さん!?』 3巻 p89 富士昴 これ以外にそういうシーンはほとんど無いんですよね。 読切の『落第キューピッド』は一応ラブコメとカテゴライズされてますが、 そちらにも恥ずかしがるようなシーンは無いですし... 要するに、放置プレイより羞恥プレイをすべきだと言いたかったんです。


fujisubaru
ハレルヤオーバードライブ!」は麗ちゃんが好きです。こんなシーンがあったような・・・?
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これなんかは正にそんなシーン。元ネタはコレ。 『ハレルヤ オーバードライブ!』 ゲッサン2011年1月号 p63 (4巻 p53) 高田康太郎 富士先生に『ハレルヤ』のキャラ描いてと言ったらこのシーンを取り上げたように、 何だかんだ言ってこういう恥ずかしがる、萌えなシーンは印象に残るんですよね。 まー中々ストーリーに織り込むのは難しいのかもしれませんけど。 でもこれを要素として入れておかないとキャラにファンは付かないと言っても過言じゃないでしょう。 萌えについては本来このくらいの軽い内容で済ませられないんですけど、 ラブコメ要素を入れることは支持しますが、ラブコメ漫画に変更されても困るのでこのくらいで。 #6では記事を書いてるうちに改善された点について触れます。今回理事長の所で一つ触れちゃいましたが。 おまけ 高田先生が上の麗のお返しで描いた画像がコレ。