クラブサンデー 第四回新人王決定戦 Bブロック

クラブサンデー 第四回新人王決定戦が開催中です。


Aブロックは村一先生の『ぎゃんぐすパニック!』でした。



ぎゃんぐすパニック!

ぎゃんぐすパニック!

村市
(C)Muraichi/Shogakukan 2011

フツーな少年・沢邑は、ある日、ひょんな事からヤクザの娘・花雪の胸もんじゃった! だけど花雪はなぜか沢邑にベタぼれし、ストーカーまがいなノリで交際を迫られることに! 2人の恋の運命は…!? キュートな絵柄の作者が贈る、ハイテンションラブコメディー!

posted with EmbedSunday on 2011-07-29

まーある意味一番サンデーらしいというか。田口先生が残ったのと似たような傾向というか。
「この作品なら残っても全く違和感ないですね。」と書いてたように、予想としては一番手でした。
やはり「女の子が可愛い」のと、「長所があるよりも欠点が少ない作品」でないとクラサン新人王は厳しいかもしれません。
まぁクラサン新人王はそれでもいいと思います。ファン投票はどうしても完成度の高い作品が選ばれがちですし。
ポテンシャルはあくまで編集者が見極めるべきです。


ということでBブロック。

えーと、誰だか分かりませんw



3A WORKS

3A WORKS

高野智
(C)Tomo Takano/shogakukan 2010

高校生の大樹は、一見金髪のチャラ〜い高校生。しかし実は病弱な母親を抱えた、勤労青年、そしてその仕事とは…危ない、暗黙、荒稼ぎ、頭文字をとって「3A」の仕事をこなす、特殊派遣社員だった! そんな大樹のもとに、観葉植物研究所から「駆除」の依頼が舞い込んで…? 新世代の”男気”作家、渾身のデビュー作!

posted with EmbedSunday on 2011-08-09

★★★☆☆
『こわし屋我聞』のマイナーチェンジ版?
オチを絵で魅せようという意図は買いますが、ロジックがイマイチ。
例えば、生物の特性なりに合わせた対応とかすれば面白くなったとは思います。
ただ、細かい点で文句がある箇所はないので、デビュー作としては上出来でしょう。
人物絵を伸ばすか、内容を伸ばすかは本人次第。

第一回クラサン新人王に『薬女』でエントリー。バトル漫画で、個人的には高く評価してました。
※追記:険持ちよ先生のアシスタント。BLOGでは「仁」の表記。



絡手

絡手

磯西仁
(C)Jin Isonishi/Shogakukan 2010

人気歌手の紡は、常に人に囲まれる窮屈な生活にウンザリ。逆に孤独感を感じていた。そんな彼が出会ったのは、人の「縁」を切ることができる能力を使えるという不思議な少女だった……一期一会なサスペンティックヒューマンドラマ!!

posted with EmbedSunday on 2011-08-09

★★★★★
絵も内容も大分良くなってます。縁を切る能力、縁を紡ぐ能力というのも中々面白かったです。
ただ、意外性の出し方には疑問。
もっと前に殺れるだろうというのもありますし、実は敵だったっていうのもありふれてますしねぇ。
例えば、ヒロインが主人公を守る役目を与えられていて、悪い縁を必死に切ろうとしてた、
けれどもヒロインと主人公の縁を切らないとヒットマンとの縁も切れないというダブルバインドで...
とかの方が面白かったかもしれません。
このままだと意外性出ませんけれども、せっかく「絆」がテーマなんですから。
とは言え、22pまでは完璧なので★5つ。
才能はあるのに、あともう一つのところで足踏みしてる感があります。

クラサンでは4作品目ですが、何故かこの作品以外は読んでませんね...



ガラスの楽艶

ガラスの楽艶

牧山博隆
(C)Hirotaka Makiyama/Shogakukan 2011

不良に絡まれてる女の子を助けたら、お礼の代わりに園芸部に誘われちゃった!? 安らげる居場所を欲しがっていた竜二にとっては、願ってもない話だけど… それにしても園芸部の温室で健康な男女が2人きりなんて…ア・ブ・ナ・イ!!

posted with EmbedSunday on 2011-08-09

★★★★★
絵は『DEFENCE DEVIL』の梁慶一っぽい感じはします。背景はよく見せますし、人物絵も一見、見栄えはしますが...
『ガラスの楽艶』 p18 牧山博隆

正面以外の顔が微妙です。とくにこのシーンはヒドイの一言w
まぁ慣れの問題でしょうから、積極的に難しい構図を練習するべきでしょう。
正面絵ばっかり描いてると桐幡歩先生(『ジオと黄金と禁じられた魔法』作者)みたいになっちゃいますよ。
とは言え内容的には文句なし。
温室が綺麗になってる所なんてワクワク感ありますし、植物の説明にもそれなりに説得力が。

まんカレの作品がそのままノミネートって初じゃないですかね?
※追記:険持ちよ先生のアシスタントさんです。BLOGでは「阿」または「AK2」とも表示されてます。



皇帝+ペンギン

皇帝+ペンギン

阿久津少林
(C)Shorin Akutsu/Shogakukan 2011

幼いながらもロード帝国の皇帝に君臨する少年・ネオ。そんなネオのお目付役は、なぜかペンギンの着ぐるみを着た少女・パン。パンに振り回されっぱなしのネオがある日、拉致されてしまい…? パンの魅力が光る、怪力ヒロインコメディー! まんカレ9・10月期佳受賞作!

posted with EmbedSunday on 2011-08-09

★★★☆☆
コメディっぽい部分はあったけど笑える箇所はあったか?と考えると微妙です。
サンデーはギャグの層が薄いんですが、これだとギャグにシフトというのは難しいかもしれません。
とは言えいかにも佳作、基礎的な点はしっかりしてると思います。デビュー前の作品という点を考慮すれば上出来。
畑健二郎先生や夏川結真先生の後に続けって感じでしょうか。

全く分かりません。



アララギ譚

アララギ譚

雲峰はつ
(C)Hatsu Unpo/Shogakukan 2011

ひねくれた性格でみんなに疎まれている委員長・中山。彼のクラスにやってきた転校生・蘭は、武士の格好してるヘンなやつ。たちまち人気者になった蘭が面白くない中山だが、蘭はなぜか中山に、”闇人”という鬼を対峙する手伝いをしてくれと頼む…… センス抜群の新鋭が描く、ハートウォームなものがたり♪

posted with EmbedSunday on 2011-08-09

★★☆☆☆
蘭のキャラはそれなりに立ってるんですが、ストーリー、内容共、いかにも地味です。
センスも旧いです。20年前の作品ですと言われても納得しそうな感じ。
クラサン新人王にエントリーするレベルにはほど遠い気がしますが...

神のみぞ知るセカイ若木民喜先生のアシスタントさんです。



0512

0512

山田鐘人
(C)Kanehito Yamada/Shogakukan 2011

5月12日16時57分22秒、その日、全世界の人類は、鏡の中から姿を消した。そして併発して起こる、全世界規模の集団失踪事件。なぜそのようなことが起こっているのか。この謎を、解くことは可能なのか… 誰にも暴くことができないと思われる究極の謎と真実を追求する、黙示録読切38P!!

posted with EmbedSunday on 2011-08-09

★★★★★
絵柄は微妙、ツッコミどころもいくつかあります。
例えばネットを使ってるのにも関わらず、日本だけ報道されてないという縛り。
中国の鉄道事故の顛末を見れば分かるように、「日本人でなければ知っていて当然の知識」てのを作るのは難しいと思いますね。
英語読める日本人もいることですし。ここに何かしらの説得力が欲しかったです。
とは言えこの発想力はお見事。
まだまだ荒削りではありますが、今回エントリーされた作家さんの中では一番素質があるのは間違いないでしょう。


結論として、全体のレベルで言えばAブロックより落ちると思います。
とは言え、『絡手』『ガラスの楽艶』『0512』はAブロックに入っても遜色ない出来ではありますが。


作品的には『ガラスの楽艶』を推しますが、作家さんとしては山田先生、磯西先生を推したい感じでしょうか。
山田先生はまだデビューする時期ではないと思いますが、磯西先生はあともうちょっとなので何とか頑張って欲しい所です。
予想は『皇帝+ペンギン』にしときます。
当たってしまったら「所詮可愛らしい絵柄だったらいいのかYO!」と毒づきますがw