ポップコーンアバター 〜#25 その2

その1の続きです。



ポップコーンアバター

ポップコーンアバター - 第25話

星野倖一郎
(C)Kouichiro Hoshino/Shogakukan 2009

学校の体育館で、ラーヴァナとのバトルをクラスメート達に目撃された蔵人達は?

posted with EmbedSunday on 2011-04-05

#9の段階で「人気で『DCD』に抜かれかれない」と書いてましたが、現状は頭一つリードされてると見て間違いないでしょう。
とは言え、内容的には少なくとも肩を並べてるとは思います。


その1では〜#9の記事で批判した点がどれだけ改善されたかを書きました。
今回はそれ以外に関して。


1) キャラ描写が良くなった
どこまで意図的なのかは分かりませんけども、
#1-2辺りはセカイ系というか、唐突というか、説明不足というか、どうも独りよがりな印象を受けました。
『ポップコーンアバター』 1巻 p9 星野倖一郎

蔵人の厭世観にマッチしてたのは確かですがね。


蔵人が打ち解けていき、キャラが増えるにつれキャラ描写が良くなってる印象です。
『ポップコーンアバター』 3巻 p8

個人的にこういうシーンは好きですね。
同じシチュエーションでキャラごとに対応が違うというか。条件を揃えて発言や行動が違うことでキャラを出す。
以前『ハヤテ』考察で書いたような
「ロールプレイ」「カップリング」「ミスディレクション」の要素を出してもらいたいですね。
『ポップコーンアバター』 4巻 p24

既にそういったシーンもありますし、その演出も中々上手いです。
ブコメ特化した作品ではなく、バトルとのハイブリッドな上に月1連載なのでキャラにフォーカス当てるシーン
ばかりとは行かないでしょうが。


2)設定回りが改善している
正直言って初期設定にいくつか問題があり、それが多少足を引っ張ってる感がありますが、
何とか誤魔化しつつ続けられてると思います。
『ポップコーンアバター』 2巻 p96

ただ、この設定もちょっと問題アリですな... インド神話ではそうなってるのかもしれませんが。
圧倒的に少ない魔族の雑魚キャラがバンバン消滅し、神族は消滅せずにローカパーラしか出てこない。
派手にするには『戦国BASARA』のように向かってる敵をちぎっては投げするかの方がいいので、
魔族が多いに越したことはないんですけどね。
まぁ局所的に逆転してるからいい...のかな?


設定を何とか誤魔化してる箇所は、例えば最も問題だった「負けたら即消滅」の設定だと
『ポップコーンアバター』 4巻 p79

このシーン。ジャガーナント神の裁定によって「なかったことにする」。
こういったいわゆる「設定の上書き」は、問題のある設定を解消するにはベストの方法でしょう。


個人的には「設定の上書き」には二通りあると思ってます。
一つはここにあるような「例外の設定」。もう一つは「ルールの改正」。
「例外の設定」は非常に使い勝手が良い解消方法ですが、欠点が二つ。
一つ目は例外一つにつきそれなりの説得力がある説明を考える必要があること。
具体的に言うと、対ヴリトラ戦ではジャガーナント神の裁定、対ラーヴァナ戦では「負ける前に逃亡」と
いった感じです。
二つ目は、同じ項目に例外の設定をどんどん追加していくと「元の設定は何だったのか」という印象と
ご都合主義感がどうしても出てしまいます。


個人的には「負ける前に逃亡」の設定はご都合主義な印象を受けますね...
一応ラーヴァナのキャラクターとマッチしてることは確かなのですが。


この作品に関してはラブコメモードとバトルモードが交互に来てるのでマンネリ感は薄いんですが、
マンネリを避けるためには「ルールの改正」が必要になってくるでしょう。
いずれMS・DOLLSの纏めをするときに書きたいとは思っていますが、いつになることやら。


バトルシーンの設定は足枷になる方が多かった印象ですが、ようやく設定を演出に活かせるようになってきました。
『ポップコーンアバター』 #24 p19

個人的にはこのシーンで意外性は感じませんでしたが、そういうのを出せればもっと良くなるかなと。



何にせよ、本誌栄転なり別作品を新連載とかになった場合、「この設定は漫画の面白さに繋がるのか?」
という事を念頭に置いて設定を組む必要があるでしょう。
まー実際動かしてみないと分からない面はあるでしょうけれど。


3)手堅いラブコメ・ギャグ
ぶっちゃけ、星野先生の一番のウリはココだと思います。
『ポップコーンアバター』 2巻 p144

サンデーでやっていくには必要不可欠と言っても過言ではない要素ですが、ここがしっかりしてるんですよね。
ハズレがないです。


4) なぜリサはコスプレしないのか?
まぁチアのコスそんなにしてる訳ではないんですが、何故そこでチア単なのかと。
もちろん応援してるって意味があるのは判ってますけれど、ポンポン持ってればとりあえずチアっぽくなるんですから
色んな格好させりゃいいのになーと思いますね。
まぁいかにも制服フェチな人間の意見ですがw


何にせよ、クラサンはまだ3年目。今後の方針がどうなるか予断を許さないので、
最低限なんとか続けて、あわよくば本誌栄転へと向かって欲しい作家さんです。
その為にも何かインパクトのある事をやる必要があるのかもしれません。