ゲッサン201008

とある飛空士への追憶
課題だったドッグファイトの描写がかなり良くなってます。
とある飛空士への追憶ゲッサン2010年8月号 p70-71 原作 犬村小六 イラスト原案 森沢晴行 作画 小川麻衣子

もちろん上を見ればキリがないですが、このキャリアでここまで描ければ上出来でしょう。
以前からドッグファイトが課題だとは言え、アングルに問題は無く、要は書き込みの問題だったので
アシスタントさんの腕さえ上がれば何とかなると思ってましたが。
これでこの漫画、死角は無くなりましたね。


ここが噂のエル・パラシオ
前回同様の感想になりますが、やはりイタ回は手堅いですな。
ここが噂のエル・パラシオゲッサン2010年8月号 p118 あおやぎ孝夫

後ろのキャラの表情に個性が出ていて実にいいです。
それに、浴衣もいいですねー。
個人的には色っぽい=肌の露出よりも、チラリズムにその価値を見出すのでこういったお色気の方が好きですね。
もちろん布面積が小さければ小さいほどいいと考える人もいるでしょうから、その辺りはバランスですが。
ここが噂のエル・パラシオ』 p126

浴衣にカウボーイハットのギャップに加えてチラリズム。これですよこれ。
基本的に私はキャラ萌えしませんが、この漫画に限っては桜花と万里子さんどっちも好きですねー。
まぁ万里子さんはどっかの女神さまによく似てるという話も無くはないですが。(ただ、あちらの女神さんはピンとこない不思議)


とまぁベタ褒めですが、それでも◎付けないのは若干物足りなさを感じるが故。
今回熱血入れるには不適切なので考慮に入れないにしても、ラブコメ描写のコメディ部分が若干弱いかなーという気がします。
まぁニヤニヤできる箇所は今まででいくつかありはしましたが、笑える箇所は記憶にありません。
はじめてのあく』や『オニデレ』、『ハレルヤ』のようなギャグ要素までは出しにくいからか、どうも突っ込みが弱い気がします。
(まぁ『オニデレ』は作者も述べてるように、突っ込み担当が普通の人なのでやはり弱いんですが)
特に『ハレルヤ』が熱血もギャグもラブコメも(たまにお色気も)出せてる分、余計物足りなさを感じるんですよね。
いきなり高度なことやると失敗しそうなので、とりあえずノリツッコミや天丼といったベタな事からやってみるのも手かもしれません。


○ BULLET ARMORS
かなり甘めですがとりあえず○を。
前回課題に挙げていたバレットの表情(というかしぐさ)は割りといい感じでだせてますし、オッサンキャラちゃんと描けてるのもいいですわ。
『BULLET ARMORS』 ゲッサン2010年8月号 p253 森茶

確かに絵はまだまだですが、確実に伸びてますね。基本がしっかりしてるっぽいので伸びしろもありそうです。
冒険漫画に必須な勢いもありますし、20歳でこんだけ描ければ上出来でしょうよ。


問題はストーリーですなー。
大した伏線も張ってないんで意外性がなく、これ以上ないくらいにベタな展開です。
せっかく「炭鉱の街 テレンデ」と書いてるのにそれっぽい要素もなく。
例えばトレマを廃坑におびき寄せて、燃やすとか閉じ込めるとか粉塵爆発させるとか、バトルに何かしらの工夫が欲しかったですな。
とりあえず、今回のようにただ単に殴ってるだけのバトルシーンではワンパターン化するのは目に見えてるので、
戦術的な要素や必殺技などで何かしらの変化を出す必要がでてくるでしょう。
まぁ森茶先生の場合はこの作品が打ち切られてもまだまだ先があるので、今後に繋がるような作品にさえなればくらいで読んでますけれども。


FULL SWING
こちらも確実に絵は上手くなってますなー。
#1なんて初めの方と最後の方を比べて既にレベルが上がってたりしましたがw
全体的に絵がスッキリして読み易くなったように感じます。
私の琴線に触れるタイプのストーリーではないので、詳しい考察はたぶんしませんけれども。


アオイホノオ
読んでてさすがに今回は微妙かもなーと思った矢先に
アオイホノオゲッサン2010年8月号 p453 島本和彦

コレだもんなぁw
この考えがどう覆されるのか、今から楽しみです。


まねこい
正直新キャラの富永先生は「ビッチ+ロリ」という個人的には全く受け付けないキャラではありますが(腹黒はOK)、
まぁそういうのも好きな人いるでしょうからそれはそれで良し。
正直笑せようとしてる箇所で笑えなかったので評価は下げましたが、端役にするには勿体無い有井を巻き込む展開になりそうで、今後の期待は持てそうです。
構成自体はさすがにしっかりしてるんですよね。


アサギロ
びっくりするくらい地味な展開。大丈夫なのかなぁコレで。
確かに近藤勇のセリフは格好良かったりするんですが、完璧に青年誌の漫画になっとりますな。
話のテンポをもうちょっと上げる必要があるんじゃないかとは感じます。


マコトの王者
青が熱血になると赤がロジカルに。バランス取れてます。
内容的にもかなり面白いと思うんですけど、不思議と一般的な評価はあまり高くない感じなんですよねぇ。
個人的に満足してる分、その解決策が見当たりません。ヒロインの問題なのかねぇ。


◎ 月の蛇
王進△
『月の蛇』 ゲッサン2010年8月号 p660 中道裕大

やっぱりオジサンには目尻にシワですよね!(そこじゃない)


王進の漢っぷりだけで個人的には今回十分満足できますが、格闘シーンも以前に比べて格段に良くなってます。
時間の「間」と距離の「間」がどちらも描けてますし、お互いがどのような意図を持ってるのかも説明できてます。

昔のベイビーステップを「ぐっと構えてサッと引いてパーン」の「パーン」の部分しか描いてないから描写がワンパターン、
といったような事を書きましたが、こちらもその傾向が。とどめの前だけだもんな引いてるシーン。
懐に飛び込ませるシーンももう一工夫というか、説明が欲しかった。
「このまま間合いを取って戦うのも悪くないが、面倒だな… さて、どうやって奴の動きを止めようか」
とモノローグで書いてくれたらもうちょっと印象が良かったかもしれない。

#2をこのように批判しましたが、その辺りは完璧に修正されてますね。
(追記:昔からそういうシーンもありました。#2がちょっと微妙だったのかもしれません)


さらには攻撃を全て受け流しつつ一撃で打破することによって格の違いも出せてます。
また、翠華が出てない分のお色気も補填(個人的にはあまり要りませんが)しつつ、さらにコメディ交えてる辺りはかなりいいですね。
内容的にも無理がないですし。
個人的には今までで最も満足した回でした。


今後の課題として、一番のネックはこのクオリティを維持できるかどうかですね。今のところ割と波がある感じなので。
あと、オッサンがバラエティ豊富なのは作品的にも非常に良いんですが、女性キャラにそれを感じさせないのが若干不安ではあります。
最後に、過去編終わった後に味方キャラはもう少し増やした方がいいかもしれませんね。(男1女1くらい)
お色気担当を翠華だけに任せるのは多様性に鑑みても不安ですし、パーティ的にも情報収集担当やメイドとは言いませんが身の回りの世話する人が必要っぽいですし。


リンドバーグ
うーん、各話ごとに考えてみるとクオリティ自体は高いと思うのですが、レース編全体で見るとどうもイマイチなんですよね。
ストーリー進める上での伏線なりはちゃんと張ってるんですけれども。
この漫画、欠けてる要素は「共感」のような気がします。


信長協奏曲
正直ぶっ飛びました。 ここで明智光秀が出てきて、なおかつ信長の中のひとがやってるとはw
しかしこれは良い設定。

足利義昭が姉婿の武田義統を頼り若狭国に、さらに越前国の朝倉氏に逃れると、光秀は義昭と接触を持った。朝倉義景の母は若狭武田氏の出であり、光秀の母は武田義統の姉妹と伝えられることから、義昭の接待役を命じられたものと考えられる。義昭は朝倉に上洛を期待していたが義景は動かなかった。そこで義昭は光秀を通して織田信長に対し、京都に攻め上って自分を征夷大将軍につけるように要請した。光秀の叔母は斎藤道三の夫人であったとされることから、信長の正室である斎藤道三娘(濃姫)が光秀の従兄妹であった可能性があり、その縁を頼ったともいわれる。

wiki明智光秀の項にこうあるように後で濃姫接触する可能性がある訳ですが、身分を偽ってかつての妻と接触するシチュエーションはかなり面白そうですし、濃姫を奪い返す為に信長に反旗を翻すというシナリオも面白そうです。
信長協奏曲ゲッサン2010年8月号 p758 石井あゆみ

そうなるとこのコマが伏線になる訳ですが、果たしてどうなるか。
それにしてもタイトルが何故協奏曲なのかはずっと謎でしたが、こういう理由があったんですね。


設定面以外では、今回表面上gdgdな感じが戻ってきたので、それも良かったですね。
課題は光秀と信長の顔が部下から見ても似てるのは問題なので、変装させつつ読者には元々は同じ顔だったと分かるようにどう表現するかでしょう。