コミックナタリー Power Push - ハレルヤオーバードライブ!

コメントしだすと止まらないので要点だけにすると
自重するなとのお達しが来たのでフル突っ込みでいきます。

星野 編集部としては、ゲッサンのラインナップを考えてるときに文化部ものが絶対必要だって話があって、バンドマンガ欲しいね、と言っていたんです。じゃあ高田君バンド大好きだし来てくれ、と。
コミックナタリー Power Push - ハレルヤオーバードライブ!(以下引用同じ)

まず引っかかったのがここ。
ラインナップを見ても、また2chで『月刊市原』とも呼ばれてるように、
編集部の市原派閥から引っ張れる作家が誰かというのが先にあって、そこからラインナップを決めていくものだと思ったので。
まぁ、ラインナップを決める以前を省略して発言してるのかもしれませんがね。
この文脈だとバンドマンガが要らないとなるとお声が掛からなかった、という風にも読めなくはないですし。
元々誰が担当だったかというのも気になります。

──そのネーミングについて、ちょっと聞きづらいのですが、ゲッサン創刊号の別冊付録に収録されたゼロ話にあたる読み切りでは「メタりか! Track 0 Heartbeat.」というタイトルでした。これが変更になった理由は、ファンも聞いておきたいと思うのですが。


星野 ご想像のとおりデリケートな話題ですが(笑)、まあマンガという別のジャンルですから本家本元(バンドのMETALLICA)と競合するわけでもないし、あまりにビシッと来てたタイトルだったので、高田先生はずっと心配していたんですが、僕の独断で企画段階のまま突き進んでみたわけです。


──まあ怒られない範囲だろう、と踏んだわけですね。


星野 ええ。でもやっぱり怖いから、念のため一応やっておくか、と思って調べ始めたんですよ。そしたらMETALLICAというのが異様に権利意識が高い人たちだということがわかってきまして。もう日本の商標とか、英字からカタカナだろうが平仮名だろうが、全部取ってあるんですよ。ここまで本気出してくる人たちとなると……。


──これは難しいかも、と。


星野 もうひとつにはですね、その頃に上がってきた第1話が想像以上に良かったんですよ。非常にイケる! これは化けるかも! と思ったんで、やっぱりやめておこう、と(笑)。もし話が大きくなってから問題になったのではシャレになりませんからね。「高田先生すいません」って謝って。

まぁ間違いなくインタビューで聞いてくれって箇所はここでしょう。
えーと。
担当さんえらいおっちょこちょいw
後思ったのは、割と作家を持ち上げるタイプの人ですね。市原軍団は割とそのタイプが多いようにも思いますが。

星野 ただ考え込んじゃうとこう(視野狭窄ジェスチャー)なっちゃうタイプなので、そこで「いやいや」って方向修正するようなことはあります。

高田先生がこういうタイプなら担当との相性は良いんだと思いますが、編集者全部がこのタイプだとしたらちょっと不安ですね。
サンデー自体、他の雑誌に比べて打ち切りがヌルいところに良くも悪くも特徴がありますが、
ゲッサンも2巻出る辺りで2〜3作品打ち切りにするようでないと新陳代謝が働かなくなりそうなのが懸念材料です。
どの作品かは言わなくても分かるでしょうが、「どうぞウチでリハビリしてって下さい」ではねぇ。
まぁ月刊雑誌立ち上げるとしたら、他の派閥より市原軍団がベターなんだろうなとは思ってますけれども。

高田 そうですね、割と考え抜いて作っているところはあります。僕は「ハヤテのごとく!」の畑健二郎先生のところで3年近くアシスタントをしていたので、そこで学ばせてもらったことが出てるかもしれないですね。畑先生のマンガイズムというか。


──それは具体的に言うと?


高田 「女性キャラはとにかく可愛く」そして「いっぱい出せ!」(笑)。もっと言えば、畑先生の師匠にあたる久米田(康治)イズムなのかもしれません。

やっぱここだろうなぁw
となると、いずれハーレム系へとシフトするって事になるんですかねぇ。まぁ女性がいっぱい出てくれば必ずハーレム系とは限りませんが。
今の所、タンポポと部長にフラグが立ってるように、恋愛を複数連立させるパターンだと思われますが、そっちの方が良さそうな気はします。

高田 あと「BECK」のハロルド作石先生がどこかのインタビューで「バンドマンガは95%コケる」っておっしゃっていたんですよ。


星野 そんな縁起の悪いことを(笑)。


高田 や、なのでとにかくできるだけのことは何でもしておかなきゃって。キャラ作りもそうだし、演奏シーンも、他の音楽ものをいっぱい読んでみて、淡々と描写するものから、音符が舞うものとかいろいろあったんですけど、僕はむしろスポーツものとか、別ジャンルの躍動感を参考にして描いてみたりしてます。

BECK』のインタビューと今とは状況が違うんじゃないかなと思います。
バンドマンガがジャンルとして確立してなかった時代ではということ、バンドオンリーの漫画という前提があれば95%という数字も納得しますが。
今でも80%くらいはコケそうな気はしますけど。


ハロルド作石先生の場合、動きはあまりない作品になってると思います。
BECK』よりも『ストッパー毒島』を読むと分かり易いんですが、選手の動きで特徴的な一瞬を捉えて漫画にするタイプのように見えます。
写真的なんですよね。
こういう表現方法もアリだとは思いますが、個人的には動いてる作品の方が好きですね。
と言ってもやたらと集中線入れてこれでもかと動きを出す作品ではなく(それはそれで味がありますが)
動くために止まる絵を、止まるために動く絵を入れるような躍動感のある感じにして欲しいです。
前にクラサン新人王でちょろっとお勧めしましがた、映画『マッハ!!!!!!!!』のような感じで。



懸念材料はここ。

星野 や、面白かったよ! 結局バンド関係ないんだけど、それが高田先生のバンドライフだったんだなー、と。だったら変にマンガ的なスーパースターだのやんないで、等身大な身の回りの話を描こうと決まったんです。例えば「タッチ」が野球マンガかと言ったら、野球はやってるけどあれは青春群像劇ですよね。それと同じで。


高田 だからプロを目指す、成り上がるみたいな話じゃなくて、小雨とハルさんの恋愛が軸で、そのために音楽に傾倒していくって流れなんです。

等身大は構わないんですけど、「タッチ」の路線は正直勘弁して欲しいなぁ(苦笑)
恋愛が軸なのは正しい判断だと思います。ラブコメとバンド、どちらがパイの大きいカテゴリーかと言うとやはりラブコメでしょう。
NANA』だって(読んでませんが)バンドを舞台としたラブストーリーでしょうし。


ただ、別にバンドじゃなくても構わないような漫画には個人的にはして欲しくないですね。

星野 編集部としては、ゲッサンのラインナップを考えてるときに文化部ものが絶対必要だって話があって、バンドマンガ欲しいね、と言っていたんです。じゃあ高田君バンド大好きだし来てくれ、と。

先にも引用しましたが、こう書いてあるんですから、バンド経験者でないと描けない部分を期待してのことでしょう。
『タッチ』には野球の面白さを読者から求められてないでしょうけど、『ハレルヤ』はそうではありません。


例えば、『のだめカンタービレ』はラブコメとクラシックどちらが主軸か悩む所ですが、
この2つの軸は密接にリンクしていました。
漫画と音楽という組み合わせは、漫画からは音が出ない、音楽からは映像は出ないと、決して良いものではありません。
しかし、漫画は物語を絵で表現したものであり、音楽と物語はそこそこ親和性があります。オペラはその融合ですし。
恋愛と音楽を紡ぎ合わせるような作品になるとより楽しめるのですけれども。

高田 連載を始めてみてわかったのが、結局独りでやってても限界があるってことですね。もともとはバンドや会社の人付き合いが煩わしくって、マンガ家なら独りでやれるだろう、って選んだところがあったんですけど……もちろん独りで突破できる作家さんもいるとは思うんですが、僕はそのタイプじゃなかったですね。星野さんと夜中に電話したりして「なるほど」って思ったりっていう。

もちろん独りでやるのは難しいでしょうけど、漫画家は自分の裁量権が及ぶ範囲の広い分、やり易いんじゃないでしょうかね。
バンドの人間関係の煩わしさは上手いことやればバンド経験者にとって「あるある」なネタになるので、漫画に生かせるかもしれません。
冬夜は今のところそれを出してるんでしょうか。
まぁ、あまり鬱展開になっても困りますけれどもw