ハレルヤ オーバードライブ! #5

ぶっちゃけ今回は微妙だったと思います。
『ハレルヤ オーバードライブ!』 #5 ゲッサン2009年11月号 p209 高田康太郎

相変わらずタンポポは面白いんですけどね。愛葉がイマイチなのも相変わらずですが...
というか柱に「ギターを弾くと人格が変わる。」って書いてるけど全く活かされてないような。


ただまぁ、今回は仕方ないのかなと見てます。
前回の記事ではこう書きました。

懸念されるのは『はじめてのあく』同様、こじんまりと纏まった漫画になってしまうことでしょうか。
(中略)
そもそも主題が今のところぼやけてますしね。
小雨の成長を描くのが一番王道だと思うので、それをどう出せるかでしょう。
新たにバンドを作るのなら今のメンバー5人の描写を終えてからでいいと思いますけども。

ハレルヤが連載される前(まだタイトルが『メタリカ』だった#0の反応)では
読者はラブコメ路線と、本格的バンド漫画を期待してた読者に二分されてたように思います。
理想はどちらの読者の要求にも応えうる漫画ですが、#4まではどちらかと言えばラブコメ要素が大きかったように見えます。
連載が始まった段階では新規参入し易いように一話完結にし、本格的なストーリーは難しいのでラブコメ展開で引っ張るという意図が
あったかどうかは分かりませんが、個人的には正しい方向性だと思います。
ただ、以前の展開を続けていけば本格的バンド漫画を期待していた読者をオミットしてしまいます。
なので、ラブコメ要素を減らしてストーリー展開を重視するのは必然です。


ハルと九森兄との関係を間接的に表現しつつ、九森弟である冬夜と小雨をいがみ合わせる。
その中でいろいろ残念な要素も入れつつ、熱血も出し、カップリングの組み合わせに変化をつけるなど、
テクニック的な面ではやはりやれる人だなぁというのは感じます。
今回ストーリー展開重視だったためどうしても微妙な印象になりますが、それはあくまで今回だけを切り取った時の話。
冬夜が仲間になるまで何話使うか分かりませんが、今回はあくまで起承転結の起の部分だと見た方がいいと思います。


もちろんその中でも面白さを出してくれたらそれに越したことはないんですけどね。
少なくとも要素だけ取り出すとよく描けているんですよ。
何度か引用してますが::HoneyDipped:: 8/5:頭と身体のズレにある
「セカンドデビュー」の壁に突き当たる可能性があるので、何とか乗り越えて欲しいものです。


自分なりの言葉で書くなら、例えば農作物ってのは基本的に「窒素、リン、カリウム」の肥料三要素が必要になります。
(他にもカルシウム、マグネシウム、イオウ等も必要ですし、水やphなど肥料以外にも重要な指標もあります)
この三要素が無いと農作物は育ちません。
ただ、この三要素が揃っていれば作物が育つかと言うとそうではない訳で。土壌が良くないと要素が揃ってもダメなんですね。
漫画でもテクニック的が無ければ漫画として成立はしませんが、テクニックがあればとりあえず漫画としての体裁は整えられるものの、
面白い漫画になるか?となると必ずしもそうはなりません。
時にはテクニックを無視した方がいい場合さえあるでしょう。その判断力をどう上げていくか。
恐らく連載経験を通じて、試行錯誤して鍛え上げていくしかないんでしょうね。