FLAG.73

で、こちらは『ハヤテ』のオマージュという訳ではありませんが、『ハヤテ』の影響がいくつか見受けられます。


まずは時間軸の管理。
前作『聖結晶アルバトロス』もそうでしたが、『神セカ』も初めは季節感のない、もしくは季節を曖昧にしてるのがある意味特徴でした。
この辺りは以前ちょろっと触れましたが。
時間経過についてでさえ触れられたのはハクア編が最初。
神のみぞ知るセカイ』 3巻 p95 若木民喜

季節的な表現が最初に出たのがちひろ編(ただし具体的な記述はなし。雨が多かったので梅雨かも?という程度)
具体的な記述が出たのがいかにも夏な、みなみ編でした。


季節を曖昧にすれば、以前書いたように

「季節感のなさ」が「学園モノに付きまとう無限ループor学校を卒業した時の舞台設定の変更」を回避する為の手段

となり得ますが、季節を明確にすれば学校の各種イベントや誕生日等をシナリオに組み込むことができます。
ただし、これらのイベントを組み込もうとするならば、漫画の時間軸を管理する必要がでてきます。


神のみぞ知るセカイ』 #73 週刊少年サンデー2009年48号 p86

ここからは単なる決め打ちなので話半分で読んで欲しいのですが(まぁ話半分で...というのはこのブログ全体に言えることですが)
火田先生の影響も多少あるのかなぁと。例えばバックステージにはこんな記述があります。

なので試験開始が月曜日の3月7日なので、メカ執事13号が来た
のがテスト二日目の午後。3月8日火曜日。


ハヤテやナギが動画研究部に行ったのはこの次の日の夕方。
3月9日水曜日の出来事です。


そして特別な生徒、つまりハヤテのような編入生徒やヒナギク
ような特待生、そてナギのような飛び級の生徒のみ、四日目の
午前中、それぞれ違う試験を受けるという仕組みになっていた
のです。


で、結構その試験がうまくできたのか鼻唄混じりにおつかいを
こなすハヤテだったわけですが気が付けばファミレスで強盗に……。
これが3月10日木曜日の昼の出来事になり、その一方での
お留守番話をナギがしていた感じです
サンデーまんが家バックステージ 畑 健二郎 Vol.110

時間の経過がどうなっているかの設定資料をちゃんとこさえてるんですよね。ハヤテって。
過去年表もあったりするみたいですし。
この辺りのノウハウというか、例えばエクセルデータを見せてもらって参考にした可能性があるんじゃないかなぁと。


また、以前ハヤテ考察で述べたカップリング」の変化も見られます。
ここも話半分でおねがいします。
キャラの組み合わせに変化をつけることによって各キャラが持っている情報に差を付けたり、
対応を変えることによって各キャラのロールプレイを表現するテクニックです。
『神セカ』では基本的に桂馬+LC+攻略キャラの3人で回していたのであまり用いられませんでしたが、
天理編からは積極的に用いられるようになったように思います。
特にLCをハクアに駆け魂を借りに行かせたシーンなんかは象徴的でした。
雪枝さん登場回でLCと麻里さんが買い物に出かけてたりしてましたが、二人ともハクアや雪枝さんと絡みませんでしたしね。


今回はまるで『ハヤテ』かと思うくらいにこのテクニックを多用してます。
想像するに、今回の核は天理(むしろディアナ)とハクアの絡み。
神のみぞ知るセカイ』 #73 p101

このパーティを組むためにどうやってプロットを組み立てて行くか?という視点で考えてみます。


天理が桂馬に会いに行く動機は、単に「会いたいから」。至ってシンプルです。
何の理由もなしに行くのは躊躇われるので、新しい手品を見せに行くという理由を付けてます。
ハクアの場合はLCに会いに行くという理由をつけて、でしょう。
桂木家には桂馬、LC、麻理さん(桂馬母)と3人家族なので、LCと麻理さんが邪魔になります。
雪枝編と同様、LCと麻理さんで買い物に行かせるというパターンもありますが、後でLCが必要になってくるので却下。
麻理さんは喫茶店にいるでしょうから、そこに出入りしなければ回避できます。
となると、LCを一旦退場させる必要があります。桂馬がゲームに集中する為にという理由を付けてます。
神のみぞ知るセカイ』 #73 p88

単にLC退場させるのではなく、そこにギャグを絡めたり、この後のハクア登場シーンでの伏線にしてる辺りはさすがですが。


そして天理とのペア。
神のみぞ知るセカイ』 #73 p91

このディアナはちょっとおかしい気もしますけどね。
天面と側面に映ってるのにこの角度からみて綺麗に見えてるということは、天理から見るとかなりオカシな感じに映ってるはずです。
天面だけにするか、箱の角度変えるかの方が自然かなぁと。


天理を無碍に扱って、次にハクアとのペア。
神のみぞ知るセカイ』 #73 p92

なんですが...これはあざといなぁ(苦笑)
個人的にはおパンツ様を下げる前くらいが許容範囲なんですけど、この方が反響はあるでしょうから正解なんだろうなぁ。
もうすっかりハクアは木村カエレ的ポジションに。
恐らく、以前引用した『ぼくなつ4』プレイみたいなのがやりたかったんでしょうな。以下再引用。

ぼくなつはワンプレイ短いし、ハードル低いし、遊びやすい感じで面白かったっす。まあ、キミコちゃんとか朋子姫のセリフ量もうちょっと増やしてくれたらもっと楽しかったっすけど!ストーカープレイ的には。別にキミコちゃんと風呂に入れなくてもいいから。

::HoneyDipped:: 7/27:一足お先に夏終わり・・・。

この後の突っ込みの騒音で天理が戻ってきて、めでたく3人のパーティ編成完了。
さらにLCが戻ってきたところにノーラがやって来て悪魔+天使勢ぞろい。
まことに構成が『ハヤテ』的だと思います。
神のみぞ知るセカイ』 #73 p97

LCが帰ってくるときもネタにする辺りもさすがです。