ハレルヤオーバードライブ! #4

スレでは批判的なレスが出てますが、個人的には◎付けようか悩んだくらいのデキでした。


以前『ハヤテ』考察で触れていた要素のうち、ストーリーが進むに連れて人数が増えたり減ったりする演出とミスリードが見られました。
この辺りは上手くなってる気がします。
まず部長、タンポポ、愛葉、小雨の4名から、部長が退室。
『ハレルヤ! オーバードライブ』 ゲッサン2009年10月号 p71 高田康太郎

残ってるのは2年のタンポポ、愛葉と、1年の小雨の3人。
ここで写真とCDを見つける。
3人とも写真とCDの情報は持ってないので、「この二人、つきあってたりして」とミスリード
ハルさんが誰かと付き合ってるって話聞いたことないという注釈付きではありますが。
そして、ハルと同じく愛葉が鈍感キャラだと示しつつ、ギャグにしつつ、愛葉に小雨がハルを好きだという情報を与える。
『ハレルヤ! オーバードライブ』 p78

ハヤテ考察で書いた「カップリングを変えることによって情報に差をつける」です。


そしてハル登場。
「この人のこと………悲しくなるから何も言えないな……」とミスリードの追い討ち。
一旦解散した後、毎回入れてる小雨とハルのツーショットシーン。


で、最後のオチで全員集合。また解散してハルを部長が眺めるシーン。
「リリーパスカル」の伏線を半分だけ回収して引き。


まことにシナリオとキャラの組み合わせとがマッチした構成だと思います。
誰が入って誰が抜けたかというのに意味があるんですよね。若干愛葉は空気ですが、これは相変わらずだしなw
#3でもシナリオとキャラの組み合わせの傾向は多少見えてましたが、今回はより顕著です。


『ハレルヤ! オーバードライブ』 p75

写真の伏線もいいですね。ネタばらしした時、思わずページ戻って写真見直して「やられた」と思いましたもの。
この伏線にあえて触れないのもいいです。
こういった伏線を張った場合、どうしても仕掛けを説明したくなるものですが(私なら確実にやります)、
スリードさせた上に説明してしまうと読者が騙されたと感じさせてしまいかねません。
素直に「そうだったのか」と受け取る人にはスルーさせて、
「ご都合主義だ」と文句言いそうな人(私か)相手にはちゃんと伏線張ってたでしょ?と言える演出。
仕掛けが説明しなければ分からないものではなく、ぱっと見ただけで分かるだけに、触れないのは大正解だと思います。
どんな伏線か分からない人は、一番下にヒント書きましたのでそれを参考に。


『ハレルヤ! オーバードライブ』 p78

表情やポーズのパターンも増えてますし、それがちゃんと笑いに繋げられてます。
このシーンだと、さらにキャラの個性も出せてます。
懸念材料のうちの一つにギャグがすべってることを挙げてましたが、克服しつつあるようです。
個人的には今回のネタは一つもすべってないように感じました。
まさかこのブログで批判されてたから、それを克服すべく作品に生かしたということではないでしょうが、
確実に批判できる箇所が減ってきています。この辺りの学習能力は素晴らしいですね。
最後の方の見開きへの展開も上手いと思います。一話目で「リズム感が」みたいな事書いてたんですけどね。


工夫で人気を底上げできる要素は、まだお色気を少し出すとかいう手段も無くはないですが、
基本的に揚げ足とるところはほとんど無いので、後はいかに面白いストーリーを描けるかでしょうね。
もはや批判された箇所を克服して簡単にレベルアップできるような段階ではないように思います。
懸念されるのは『はじめてのあく』同様、こじんまりと纏まった漫画になってしまうことでしょうか。
単行本収録分を消化したら、2〜3話くらいの短編にチャレンジする時期なのかもしれません。
そもそも主題が今のところぼやけてますしね。
小雨の成長を描くのが一番王道だと思うので、それをどう出せるかでしょう。
新たにバンドを作るのなら今のメンバー5人の描写を終えてからでいいと思いますけども。


『ハレルヤ! オーバードライブ』 p88

密かにマタタキとミライ。個人的には非常に嬉しい演出でした。
お礼として『銀塩少年』にも小雨やハルを...出してくれないかなぁ。
まぁぶっちゃけ『ハヤテ』のキャラ出した方がPV的には効果ありそうなんですけどね。
そのうち『ハヤテ』を『銀塩少年』や『ハレルヤ』でも出して欲しいというのは個人的な要望ですけども。
それよりは単行本で火田先生が一筆書いてくれた方が売上的にも貢献しそうですが。


ヒントは、写真の胸ポケット。これで部長だと分かった人がいるかどうか謎ですが。