クラブサンデー 新人王決定戦 第4週後編



幸子

幸子

空詠大智
(C)Daichi Sorayomi/Shogakukan 2009

「幸子はターくんと愛を語りたいの!」「寂しいからターくんの両腕で温めて!」連日連夜、拓也に猛アタックをかける幸子は、物置を掃除中にたまたま開けてしまった箱から出てきた呪いの人形! 身の丈は30cmくらい。人の言葉を理解し、純粋な乙女の心を持つ幸子。幸子の一途なラブアタックは拓也に届くのか!?

posted with EmbedSunday on 2009-08-23

★★★★★
キャラが『ハイド&クローサー』っぽいのはどうなのかなぁというのはあるのですが、『ハイクロ』自体『縫製人間ヌイグルマー』っぽい
となるんですけども。
縫製人間ヌイグルマー (ダ・ヴィンチ ブックス)

縫製人間ヌイグルマー (ダ・ヴィンチ ブックス)

まぁこれをキャラのパクリと糾弾するか、インスパイアとして認めるかは難しいところ。
個人的には容認して欲しいなぁと思うのですが。元々こういったデザインされているぬいぐるみがある訳ですし。


『幸子』 p4 空詠大智

食べ物っぽさが薄いのが若干残念ですが、キモさは十分伝わるのでいい感じ。
食事ネタは『神セカ』でもありますけど、こっちのほうが面白いですわ。
『幸子』 p16

これもいいですねぇw 思わず吹きますわ。
2週目エントリーの『ぼくらのヒーロー』も割とこの手のギャグでしたが、こちらの方が面白いですね。
デザインの違いもあるでしょうが、差が出てるのは突っ込みの有無かなぁ。あちらで「突っ込みが足りない」と書くべきでしたね。
『幸子』 p24-25

迫力のある絵もかけますし、コマ割り、構図もグッド。
デザインとギャグのセンスもありますし、星5つでしょうなぁ。
あえて批判するとするなら、ストーリーに何のヒネリもないところでしょうか。伏線の類がないのでどうも一本調子。
襲われるシーンもちょっと迫力不足。怖さがイマイチ伝わって来ません。
襲われてる人目線の描写が無いので、迫ってくる感じが出ていないのが原因かもしれません。




エガオノカタチ

エガオノカタチ

一銀
(C)Gin Hajime/Shogakukan 2009

乗っていた飛行機の不具合により、単身ジャングルに放り出された大財閥の一人娘・リコ。そこに待っていたのは、生まれながらの野生児・ビワと、数多の動物たちだった!! 高級な食事に綺麗な服… そんな普段の生活とは程遠い森での生活を嫌い、都会に帰りたがるリコだったが…!?

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★☆☆☆☆
絵も構図もキャラデザも微妙すぎますなぁ。
試行錯誤を繰り返して頑張ってクオリティ上げてくださいな、としか申し上げられません。
ストーリー的にもある程度画力が要求される素材ですし。


で、そのストーリーですが。
伏線が一本だけで内容も微妙なのはともかく、どうも楽しさが伝わりません。
同じ4週目にエントリーされている『玩具修理師』に比べても歴然。まぁ絵や構図の問題が関係してるというのもありますが。
最後の飛行機を追いかけるシーンも何だか余計な印象。
再び襲われるシーンで助けて手渡しすることによって飛行機のシーンを削り、もう少し二人っきりのシーンを多目にとって、
狩りをしたり、料理したりとか、森の生活をエンジョイしてる様子の描写に当てれば少しはマシになったんじゃないかと。
『エガオノカタチ』 p16 一銀

このシーンでヒロインのリコの表情をアップで描写してないのが致命的です。これでは共感を得られません。
『玩具修理師』『はじあく』と比べると一目瞭然ですわ。
はじめてのあく週刊少年サンデー2009年37号 p362 藤木俊

表情がちゃんと見えるからこそ「楽しそうだなー」と思えるでしょう?
初めは嫌がってたのに、だんだん楽しくなってくる...そういう変化も付けれたら尚更良いです。


何にせよ、モノになるにはまだまだ経験が足りない感じですね。




薬女

薬女

磯西仁
(C)Jin Isonishi/Shogakukan 2009

未知のウイルスが蔓延する近未来・・・・‥人々は薬を求め争いを繰り広げていた。そんな時代に、薬女(ドラッグ・レディー)と呼ばれ、人々から追われ続ける女がいた。その女の正体とは…? そして、望みとは…? 哀しきサバイバル読切!

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★★★★★
まずは細かい突っ込みを。作品の評価とは関係ないですが。
○付いてきて ×着いてきて(p6)  まぁ誤植は担当の問題なのかもしれません。
『薬女』 p4 磯西仁

「ぐっ」ってキャプションも付いてるのにつま先立ちなのは違和感ありまくりですわ。
力を溜めてる状態なのですから、太ももから下の絵で、ひざを曲げてる描写を入れるべきでしょう。


戦闘シーンがやはりキャラ目線がないためかいまひとつ切迫感がない印象。絵自体には迫力はあるんですけどね。
『薬女』 p29

演出面でもミサイル当たる、床が崩れる、ミサイル当たる、鉄柱ブン投げるだけというのも。もう少し工夫が欲しかったです。
タフネスが高いとするなら、弾が何発当たってもびくともしない、にするとか。
身体能力の高さも表現するなら、初めのシーンのようにフェイントかけたり、攻撃を避けつつ殴るとか。
何かしらプロレス的な演出を入れて欲しかったなぁと。
説明するシーンと戦闘シーンを分割してるから尺が足りなくなるんで、喋りながら戦闘すればもう少し余裕が出来たと思いますね。


とは言え、基本的には絵も構図も連載して不思議じゃないレベル。
最後にちょっとだけ意外性を出してるのも好感が持てます。
戦闘シーンが少し物足りない分悩みましたが一応星5つ付けました。




サンシャインスケアクロウ

サンシャインスケアクロウ

今山我楽多
(C)Garakuta Imayama/Shogakukan 2009

魔女の子孫、という理由でいじめられている占い師・ニニィは唯一の友達・ウィノナを頼りに生きている。そんなニニィの前に不思議なカカシ・ロデオが現れる! 誰もがロデオを見ると逃げてしまうのに、なぜか平気なニニィを見て、ロデオは友達になってほしいとせがむが…? 友情とは何か、真っ向から描いた中世マジカルファンタジー!!

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★★★☆☆
藤田和日郎っぽい絵ですが、クオリティ的には中の下といった所でしょうか。まだまだ伸びるとは思いますけど。


内容的にはテンポありますし、起承転結もついてます。
裏切る時の表情も中々良いんですが
『サンシャインスケアクロウ』 p26 今山我楽多

惜しむらくはこの前の説明が丁寧すぎて裏切られるのが予想付く辺りが微妙かなぁと。
信じていたのに裏切られたという展開がミスリードになってないんですよね。
「あれ、何だかおかしいぞ?」と、あくまで匂わせるような描写に抑えて、このコマの直後にすぐ仲間を呼ぶのではなく、
火あぶりにしてる時の回想シーンをダイレクトに描き、火あぶりの際に文献漁ってるシーンを回想で入れた方が良かったかもしれません。


『サンシャインスケアクロウ』 p6

中世設定なのにベースボールキャップとか。違和感ありまくりですわ。


順位予想
『ゼンの神話』が頭一つ抜けてる印象ですが、女性向け漫画テイストで一般ウケするのかが少し懸念材料。
2位は『玩具修理師』『薬女』『幸子』に絞られるとは思います。
個人的には『玩具修理師』も捨てがたいですが、絵のクオリティ考えると『薬女』『幸子』のうちのどっちか。
ギャグが切れてる分『幸子』に掛けます。『薬女』はギャグ分が薄く、恋愛要素もあまりないので支持が得られにくいかなぁと。
ただ、『幸子』はキモさをギャグにしてる分、一部の人に嫌悪感を与えて足引っ張る可能性もあるので何とも言えません。


追記:1位『冥土から。』2位『薬女』ですか。
予想は外れましたがまぁ納得。絞る段階で初めは『冥土から。』を削ったのが少々惜しまれます。
平均取るとなると、どうしてもアクが強い作品は不利なのかもしれません。
ただ、『バカ兄』だけは未だに納得できないですけどねw