漫画家主導の新しい漫画雑誌が登場! 『コミックギア』特集

まぁ、○ー○さんにはリンクは控えてね!って書いてるにも関わらずリンク貼られた恨みはあるんですがw
いい仕事してるんですよね本当に。


漫画家主導の新しい漫画雑誌が登場!『コミックギア』特集 前編
漫画家主導の新しい漫画雑誌が登場!『コミックギア』特集 後編
記事タイトル見た瞬間に思い描いたのは「編集にイチイチ文句言われるのが面倒だから、編集者が口出ししないシステムを作ろう」
と思ったのかしら、でした。
一応編集者はいるみたいですけどね。にしてもこれは面白い試みです。


一番気になるのはコスト面。残念なことにインタビューでは全く触れられてませんが。
個人事業主である漫画家が各々必要経費を自前で出すのではなく、光熱費とテナント代は編集部持ちなんでしょうか?
交通費(及び移動時間)の負担が編集部から漫画家になるんですけど、これは担保されるんですかね?
何にせよ諸経費がこのシステムで浮くのであれば、ある程度は機能するかもしれません。逆なら厳しそうです。
漫画家がデビューする際の道具なりの初期投資がどのくらい掛かるのかは知りませんが、その負担が減るんであればいいんですが。


二つ目は編集方針ですね。

画家同士がお互いにアイディアを出し合い、ネームを複数人で検討しながら練り上げていき、絵やコマ割の指導をしながら技術を磨いて、漫画を完成させていく「工房」のような一面を持つ。これにより、すべての作家陣が雑誌の誌面そのものについて意識を高めることや、技術や知識の伝達による全体的なスキルアップにも繋がるというメリットが生まれるということらしい。
漫画家主導の新しい漫画雑誌が登場!『コミックギア』特集 前編

技術の伝達は今まで漫画家とアシスタントという師弟関係で伝わってきたと思うのですが、
これを作家陣で担保しようという試みはなかなか興味深いです。
師弟関係ならどの師匠に付くかで明暗を分けかねませんが、この弊害を取り除ければかなりのメリットになる可能性はありそうです。
ただ、この批判がどの程度適切に行われるかは未知数です。
漫画家という職業は良くも悪くも社会性に欠ける面があると思いますが、これを補正するために社会人である編集者が口を出す意義があったと思います。
まぁ編集者が本当に常識人か?という疑問はともかく。
で、この役目を果たして漫画家が担えるものなのかどうか。


そして雑誌である以上、ある程度の色は付きつつも作家の個性も出さないと微妙な雑誌になりかねません。
この塩梅を誰がどう判断するのかが非常に興味あります。
編集長や編集会議から編集者を通じて漫画家へと伝えるトップダウン方式から、漫画家同士が考えるボトムアップ的な方式への転換とも受け取れますが、
果たして同業者同士で批判的なものいいが出来るのかどうか。馴れ合いや傷の舐め合いをいかに防ぐかが鍵でしょうね。
逆に、同じ職場で働いてるけども意見の出し合いが疎かに、って事もあり得ます。むしろこっちの方が確率高そうですが。



何にせよ、新しい試みですので色々予想外の出来事が出てくるでしょう。
理想主義でシステムを立ち上げた分、現実的な壁にぶつかった際にその問題をフィードバックして良い方向へと持っていけるかでしょうね。
まだ雑誌読んでないので現時点での評価はできませんが。