クラブサンデー 新人王決定戦 第3週前編



今日も小吉!

今日も小吉!

遠藤和之
(C)Kazuyuki Endou/Shogakukan 2009

弱小卓球部は、活動スペースを台の幅しか与えられていない。そんな悪環境で、日々練習に励む主将・小吉に廃部の危機がふりかかる! 顧問・セカチュー先生にも励まされつつ、部の存続をかけ挑んだ試合で発揮されたのは・・・あの場所で培われた驚くべき能力だった…!! アイディア光る痛快卓球読切40P!

posted with EmbedSunday on 2009-08-16

★★★☆☆
球漫画その2。
言うまでもないことでしょうが、最大の課題は絵でしょうねぇ。全キャラがmobっぽいイメージ。
青年誌ならともかく、少年誌ではもっと格好良かったり可愛かったりするキャラ描けないと厳しそうです。
ただ、動きにや構図に関しては及第点に達してると思います。


内容ですが、部室の狭さを前フリに使ってる辺りは説得力があり、非常に良かったと思います。これが無かったら星1〜2かなぁ。
回想シーンで補完はしてますが、できれば試合のシーンで架空の壁を作り、そこに当たらないように打ってるというイメージを描ければ
もっと良かったかな?とも思います。
ただ、それ以外はちょっと微妙ですね。そろばん練習も絡んでないですし。
そろばんのリズムを意識したら自然とスタイルが出来た、となれば絡まるんですけども。
セリフももう少し工夫を。イマイチ熱血の熱さが足らない印象です。
『今日も小吉!』 p38-39 遠藤和之

決め台詞なんですから、「まだまだ卓球がやり足りないんだ」は大ゴマに入れるべきでしょう。
力の入る台詞は力の入ったコマで使わないと整合性が取れません。
他にも理由はあるでしょうが、どうやったれ熱血が伝わるのか再考すべきかもしれません。
また、熱血オンリーでは厳しいので、ラブコメ要素を少しは絡める訓練はした方がいいでしょうね。漫画の1割でいいですから。




紳士競艇

紳士競艇

森園フミコ
(C)Fumiko Morizono/Shogakukan 2009

どんな頼みも断れない高校生・水上文吾が、ある日勧誘されたのは、「西高の海賊」の異名を持つ問題児たちの揃ったボート部!! 唯我独尊な生徒達の集うボート部は、個人競技では無敵だが、集団競技はダメダメ。そんな彼らを指揮する役目を押しつけられた文吾の未来は…!!? 煌めきの超新鋭が贈る青春部活読切32P!!

posted with EmbedSunday on 2009-08-16

★★★★★
女の子のマネージャーがいないくらいですかね少年誌的に足りないものは。
まぁ読みきりですからそこまでのタスクを入れるのは厳しいかもしれません。
個人的に、個性的なキャラが織り成すケミストリー的な展開には元々弱いので評価が多少甘くなってるのかもしれませんが、
少なくとも新人レベルで見ればほぼ完璧に描けてると思います。
もう少し個性の出し方に工夫があればもっと良かったんですが。
今週のハヤテの記事で

誤解があるからこそ話し合う必要性が生まれ、誤解が解けて通じ合ったからこそカタルシスが得られる。

と書きました。この作品は誤解ではないですが似たような展開です。
『紳士競艇』 p24 森園フミコ

エスの二つ名の使い方も上手いですし、タイトルも考えられてます。ベタではありますが文句なく星5つですわ。




蒼空のサンタマリア

蒼空のサンタマリア

団野博人
(C)Hiroto Danno/Shogakukan 2009

聖夜、子供たちにプレゼントを配るサンタはとってもワガママな少年だった! 飛空挺を操り、同乗者のマリアとともに何不自由ない贅沢な暮らしをしていたがある時、自身の故郷へのプレゼントを頼まれ…!? 昨年、サンデーR増刊で1位を獲得した実力派が描くアドベンチャー!!!

posted with EmbedSunday on 2009-08-16

★★★★☆
伏線などのヒネリがほとんど無い点で個人的には星4つですが、それなりに完成された作品。
もうちょっとコメディ分があればなーとか、背景ちょっと白いなーとか思わなくもないですが、
熱血は描けてますし、デザインも割りとそれっぽい感じになってます。
『金色のガッシュ』以降本誌にリアル少年向けの漫画が『コナン』しか存在してないので、それを補う存在に育って欲しいものです。




花は散れども

花は散れども

小野ハルカ
(C)Haruka Ono/Shogakukan 2009

人の“未練”が鎖の形になって現れたもの…“練鎖”。連鎖は長く引きずれば、邪鬼を呼びよせてしまう。邪鬼につかれた人間は、破滅的な行為に走り、最後は命を落とす。寅吉は、そんな“練鎖”を見ることができる修行僧。ただ、あまりに優しく繊細なため、いまだに独り立ちできない。そんな寅吉が、故郷の村に帰ってきた。そこで初恋の少女・桜花に再会する。だが、桜花には“練鎖”が…!! ハートフルファンタジー読切38P!!

posted with EmbedSunday on 2009-08-16

★★★★☆
こちらはどうも地味な印象がある分星4つ。ただ、客観的に見れば突っ込む要素はないですね。
雰囲気のある絵ですし、内容もそれにマッチしてます。ストーリー的にも問題なし。
もう少し派手にしたらこの雰囲気もブチ壊しそうなので、ある程度地味なままの方がいいでしょうし。
もし本誌掲載されたとして、『いつわりびと』並に自分的には空気だけどそこそこ人気でるのかもしれません。




シヴァっ娘!

シヴァっ娘!

広嶋トウジロウ
(C)Toujiro Hiroshima/Shogakukan 2009

ある日、とことん運のない男・月無九郎の前に現れたのは、天界から下界を滅ぼすためにやってきたシヴァだった…そんなシヴァだったが、九浪のあまりの不運さに同情し…? 破壊力バツグンの神様コメディー!

posted with EmbedSunday on 2009-08-16

★★★☆☆
破壊力が微塵も感じられないフツーの作品。
この漫画にも『あいこら』の雰囲気が感じられるんですがアシスタントでもしてるんでしょうか?
基本的な漫画のテクニックはきちんと押さえられているという感じですが、それ以上でもそれ以下でもないですな。
キャラも外見が『うる星やつら』のラムちゃんっぽく、性格が『ケロロ軍曹』のアンゴルモアですし。
何かこうぶっ飛んだアイデアがある訳でもなさそうなので、ロジカルに漫画を組み立てていく方向で頑張る必要があるかもしれません。
新人で本歌取りに手を染めるのは止めたほうが無難なので、コメディ描写で天丼とミスディレクションをいかに組み込むか、とか。
色気もアングルや記号に拘ってみるとか、ストーリーも伏線を貼ることに意識するとかですかね。