クラブサンデー 新人王決定戦 第2週前編

1週目は後回し。まずは2週目から。
もうさんのブログS&Dさんのブログも併せてどうぞ。
評価するために何本も漫画読んでると、「最初から読み直す」のボタンが欲しいなーとオモタ。
まぁ作品紹介に戻って読むを選べばいいんですけどね。




バカ兄コンプレックス

バカ兄コンプレックス

村市
(C)Muraichi/Shogakukan 2009

見た目コワイけど優等生の弟・砂月は、人気者でバカな兄・陽達に密かなコンプレックスの日々。そんな2人の前に死神が現れ言った。「あなたがたのどちらかを殺します」。逃げる2人の胸に湧き上がる想いとは…?キュートな画で勝負のルーキーが描く、心揺さぶる兄弟コメディー!

posted with EmbedSunday on 2009-08-08

★★☆☆☆
なかなか評価の難しい漫画。
突っ込み所は「鎌はどこ行ったんだ?」くらいで、手法的なものに関してはハードルを下げれば無いんですよね。
習作としては悪くないです。
ハードル上げて述べると、構図の問題で戦闘シーンがどうも迫力不足。例えば
『バカ兄コンプレックス』p9 村市

ミサイルが向かって行くのと、ミサイルが向かって来るのと、どちらがより緊迫感がでると思いますか?
少し前の『絶チル』にそういうシーンがあったと思うので比べてみるといいじゃないかな。(画像貼れたらよかったんだけどねぇ)
あと、よく若木先生が書いている「ただ立って喋ってるだけの状況」が多いですな。
理由を丁寧に説明してから攻撃するんじゃなくて、攻撃再開しながら理由を説明するとか、何かしら工夫できたとは思います。
その辺りは神セカ5巻レビューで触れてるのでここでは省略。
内容ももう一ひねり欲しい感じ。バカと地上の物質が伏線になってるのは良いんですがね。
セリフやコマにもムダが多いように思えます。
削って問題ないところは一旦削って、その後肉付けしてみるのもいいかもしれません。



OH!MYマザー

OH!MYマザー

富士昴
(C)Subaru Fuji/Shogakukan 2009

うちのオフクロが、もうすぐ死ぬ。オレのせいで・・・・‥の、はずが! 美少女サイボーグになって帰ってきちゃったり、大好きなアイドルに激似だっだり、当然同居したり。家族のありかたをちょっとだけ考えつつ、チラリズムについての考察が主なカンジのヒューマンコメディー!

posted with EmbedSunday on 2009-08-08

★★★☆☆
『バカ兄』に比べれば割とすっきりしてます。その分評価を若干上に。
ただ、何か物足りない感じ。
印象としてはサイボーグの母親になった『葵デストラクション』ですが、
葵は父親なのに容姿がショタ萌え属性向けというかなりハードルの高いキャラが独特でした。
まぁあそこまでブッ飛んだセンスを求めるのはアレですし一般的ではないのですが、サイボーグらしさをもう少し出せれば解消できたかも。
鉄骨切るシーンだけですもんねそれっぽいの。跳躍力があるとか力が強いではねぇ。
目からビームとか、何か必殺技的なものがあれば少しは物足りなさが解消...されるって訳でもなさそうだなぁ。
息子の愛情を感じ取るとパワーアップする、ってのも考えましたが、
それって『超昂天使エスカレイヤー』(18禁PCゲーム)の「ドキドキダイナモ」と同じだしのぉ。
まぁ無理にオリジナリティ出す必要ないのかもしれませんが。
『OH!MYマザー』p17 富士昴

なんか『あいこら』のヒロイン、天幕桜子(ブルーの瞳の娘)に似てる気がするけど関連あるんですかね。




梅田卓球場物語

梅田卓球場物語

夾竹桃ジン
(C)Jin Kyochikuto/Shogakukan 2009

梅田卓球場の一人息子の中学生・虎鉄は、一流選手になって日本に卓球ブームを巻き起こすことを家族全員に期待されている。(それで卓球場の経営もV字回復!)幼い頃から卓球をやってきた虎鉄は、もちろんワルドナーのような選手になる気満々。だけど、超過保護な家族の手を借りず、自分ひとりの力で成し遂げたいのだ。おりしも全国大会の予選が始まる。虎鉄は、実力を見せ付けられるか!! パワフル卓球ストーリー36P!!

posted with EmbedSunday on 2009-08-08

★★☆☆☆
まず、試合のシーンがだめですね。
『梅田卓球物語』 p21 夾竹桃ジン

ベイビーステップ』や『月の蛇』のレビューで何度か同じことを述べてますが、動きが硬すぎます。
ベイビーステップ』 1巻 p105 勝木光

特に、この「サッと引く」シーンを描かないと「スパーン」なシーンの単なる羅列になります。
引いたシーンと打ち切ったシーン、この2つさえ描けば「動き」きになります。最も単純なパラパラ漫画です。
常に引いたシーンを入れる必要はありませんが、常に打ち切ったシーンだけというのも問題ですね。
マッハ!!!!!!!!』を観て、引いたシーンの大切さを痛感するといいじゃないかな。『梅田卓球物語』 p31

唯一の引いたシーンですが、これは2時10分の角度を描きたいが為に入れたんでしょうねぇ。
このシーンで溜めてるからこそ、次の見開きでのスマッシュが生きる訳ですし。
また、一つ目の画像から調子こいて決めまくってるラリーを4本も入れる必要ないですし、ラリーの様子をほとんど描写する必要も感じません。
ボールの軌道の描き方もワンパターンです。
せっかくアドバイスを受けてよくなったんですからそれが伝わるような描写をしないと。
例えば対戦相手に「こういう軌道だ」と読ませ、その軌道に対応するような構えを取った後、
思ったよりも曲がったような描写をしつつ対戦相手が体勢を崩せば、より凄くなった感が出ると思います。


内容的にも伏線の一つや二つ欲しいですし(例えば、ある練習をしていたのは踏み込みの甘さを克服するためのものだった、とか)
ギャグももうちょっと練って欲しいですね。




ぶっとべ! フィーエルヤッペン部

ぶっとべ! フィーエルヤッペン部

猫砂一平
(C)Ippei Nekosuna/Shogakukan 2009

クラスメートの星野エミの「フィーエルヤッペンって、すごくカッコいいんだよ!」という一言につられて、それがどんなスポーツかもわからず、鈴木太郎はフィーエルヤッペン部に入部してしまった。入ってみると、変態の部長や不審人物の先輩とひとクセもふたクセもありそうな連中だらけ。おまけにフィーエルヤッペンってば、ものすごく恐ろしいスポーツだし…奇才・猫砂一平が放ついきあたりばったりコメディー32P!!

posted with EmbedSunday on 2009-08-09

★★★★★
意外とレビューするのが難儀で、心が折れかかってたんですが何とかなりましたよw
課題は絵だけでしょう。
うる星やつら』の時代からコメディ単体では読者層が狭いのでラブコメというジャンルが出来ましたが、
色気が出てないので萌える感じが出てません。
コマ割にももう一工夫欲しいですし、高い所の恐怖感出すには目線が重要ですがそれもなし。
登った時の主人公から見た視線で景色を描きつつ、比較対象し易いように人物を小さく描けばいかに高くて怖いかを表現できたかと。
内容に関してはラブコメのラブの部分が物足りないくらいで、ほぼ文句なし。
ギャグは冴えまくってますし展開も良いです。
まぁこの作者さんの最大の課題は小説家になるか漫画家になるかの選択でしょうなw




ぼくらのヒーロー

ぼくらのヒーロー

佐倉準
(C)Jun Sakura/Shogakukan 2009

内田まさる…普段はごく平凡な高校生だが、悪の怪人が現れると、正義の味方“バーンヒーロー”に変身するのだ。てな具合で、日々戦っていたのだが、最近怪人“キリカーマン”の様子がおかしい。花壇を踏み散らかしたり、女の子をさらったりと、ライバルとして切磋琢磨していた面影がないのだ。悩むまさるに、怪人“アリアリア”が告げる。キリカーマンは、お前に恋していると! 悩めるヒーローコメディー読切24P!!

posted with EmbedSunday on 2009-08-09

★★★★☆
で、締めは『葵デストラクション』並にぶっ飛んでる漫画。
あちらは絵は普通にショタ受けするところに異端な属性を添加して「この記号を超えてみよ」といった意欲作(?)でしたが、
こちらは普通というか、あえて陳腐な萌え要素を入れてるにも関わらず器が怪人で「この記号を超えてみよ」といった意欲作(?)
片桐はいり的な首から上はかなりアレだけどスタイルは抜群、というジレンマまで出してくれればなぁと思うと残念。
当然、あざとさの方向が『あねどき』方面に...例えば胸を押し付けてきたりとかいう描写があれば、ほら想像するだけでキモいw
ストーカーの表現もイマイチ怖さが伝わらない点も残念です。
とは言え、ネタに関してはいいと思いますねが、問題は一般受けしそうにないところですね。
単純に受け付けない人が多そうです。


追記:『幸子』(第4週エントリー)みて気づきました。どうも突っ込みが弱いかもしれません。