和妻師・一蝶

和妻師・一蝶 1 (ヤングジャンプコミックス)

和妻師・一蝶 1 (ヤングジャンプコミックス)

前作、『マナゴコロ』の2巻は発売中止になったりと、結構苦心してる作家さんという印象がありましたが、
新雑誌グランドジャンプでの連載が発表された時には結構驚きました。
いきなり『ダシマスター』のトレス発覚でミソがついちゃった雑誌、という印象が未だ拭えませんがw
一応20万部強は発行してる雑誌なので、そこそこ売れたら『マナゴコロ』2巻も出るかもとか
淡い期待をしてたんですが、いやー刷ってないですねぇ...本屋4件回ってようやく見つけました。


『マナゴコロ』の1巻は結構批判的に書いたんですが、その後内容が良くなってただけにそこそこ期待してました。
概ね期待通りの作品にはなってると思います。


『マナゴコロ』に関して、最大のボトルネックは絵だと思っていたんですが、絵はほとんど変わってません。
『和妻師・一蝶』 1巻 p35 藪野続久

書き込みはホント凄いんですけどね。
まぁラブコメでもなく、青年誌ですし(フラッパーが青年誌かどうかは知りませんけど)、
絵に関してはそれほどトレンドを追う必要は無いとは思います。
環境を変えることによってボトルネックは解消されたんではないかと。


内容に関して、『マナゴコロ』1巻の場合はほぼネタバレから入ってたので、その辺りがワンパターンかつ
意外性が無いという欠点がありました。
たぶん藪野先生は親切な人なんだろうな、とは思いましたがw


2巻掲載予定分ではかなり解消されてたのですが、『和妻師・一蝶』ではその辺りは完璧です。
例えば、呑馬術のシーンだとタネは最後に持ってきてますし、
水芸のシーンだとタネをまず最初にバラした後、演出で魅せるといったパターンを使っています。
『和妻師・一蝶』 1巻 p35 藪野続久

漫画の面白さに繋げるにはどうすればいいのか? をちゃんと考えて、選択してるって事でしょう。


題材に和妻を持ってきたのもいいですね。
単純にタネを意外性に使えますし、タネを明かしてからでも演出でストーリーを引っ張っていけますし。
この辺りはMr,マリックもたまにやりますね。タネをバラしても、その手際の鮮やかさで感心させるような。
さすがに派手さはありませんが、地味に良作だと思います。


ただ、『マナゴコロ』もそうでしたが、ヒロイン以外のキャラにもう少し魅力が欲しいですね。
やはりmobっぽいなーという印象がどうしてもあります。
青年誌なので記号に寄せる必要は無いですが、もう少しサブキャラにもファンが付くようにするには
どうすればいいのか? を考えた方がいいのかもしれません。