週刊少年サンデースーパー増刊号201102


田島七枝先生の新連載は予想の範疇ではありました。まぁ希望的観測だったんですが。
「ワンピのパクリ」とvip辺りで叩かれはしましたが、自分の好きな漫画に似るのはある程度仕方のないところ。
もちろんこれからはきっちり自分のカラーを出して貰わないと困りますけれども。プロですし。
実力的にはきっちり熱血描ける人ですし、若いので、次世代のサンデーを担う逸材として期待してます。
というか田島先生は前回のクラサン新人王で2位だったんですが、1位の人の連載はいつになったら始まるのかw


意外だったのはなにわ小吉先生の連載ですね。
サンデー以外全く漫画読んでない時期だったので、ジャンプ本誌で連載経験があることをぶっちゃけ知らなかったのですが。
サンデーは今のところ純粋ギャグ路線が弱いので(黎明期はギャグ漫画といえばサンデーだったのに...)
それを補強する存在になる可能性があるという意味でも試みとしては面白いとは思います。
ただ、正直なところギャグ漫画家は消耗が激しいと思ってるので、
一度終わったとされる作家さんが奇跡の復活をする可能性については懐疑的にならざるを得ませんが。
まぁ、判断は漫画読んでからですけれども。


◎ CRIMSONS
正直なところ、菅野先生に関してはあまり期待してませんでした。
『カラミストSHIN』は、熱血はあるけどどこか空回りしてる感があり、構成的にも微妙だったので。

内容がHPとか見てもさっぱり分からない
まー『銀牙伝説WEED』的なものになるのかなーというおぼろげな想像はしますけど、
バトル的なものをするのか、ギャグ多目で来るのかというところはまだ分かりませんね。

一応『WEED』的なものでしたね。
『銀河伝説WEED』 1巻p29 高橋よしひろ

「『WEED』的」と書いたのは、動物視点で描きつつ、人間社会との関係をほとんど描かないという意味を含んでのものでした。
『流れ星 銀』は(特に初期)人間に飼われた犬の話ですし。まぁ『WEED』でも人間はちょろっと出てはいますけれど。
銀牙シリーズ』自体は非常に完成度の高い熱血漫画です。
同系統に別冊マガジンの『どうぶつの国』もありますが、こちらは個人的に見て正直微妙ですし、
売上的も作者のネームバリューを考えると苦戦してるというのが実情でしょう。




菅野孝典 @GRGR_ 有難うございます!ですね、作品作りに関して銀牙シリーズは参考にしてる部分があります。もちろんそれとは別の作り方を模索していくつもりですので、今後もよろしくお願いします。 link
ただまーカテゴライズするなら菅野先生が仰られてるように、正確には銀牙シリーズと言った方が良いかもしれません。 『WEED』を参考にしつつ、自分なりのアレンジはする。少なくともこの姿勢は素晴らしいと思います。 まぁ問題は内容ですけれども。 パラ見してるだけなので間違ってる可能性はありますが、個人的な見方をすれば『どうぶつの国』は 共感に問題があるような印象を受けます。 『WEED』自体は非常に面白いのですが、リアリティの面で問題があるように思えます。 まぁリアリティ無視、熱血重視の漫画もあっていいので、このまま突き進んでもらっていいんですけれども。 結局面白ければいいんですし。 『CRIMSONS』はこの辺りにメスを入れているような気がします。 『CRIMSONS』 週刊少年サンデースーパー増刊号 2011年2月号 p42 菅野孝典 一つに、魚のリアル描写を随所に入れてるところ。 デフォルメ描写で人間っぽさを出して共感を引き出しやすくしつつ、ギャグを演出しやすくする。 一方、リアル描写でリアリティを描きつつデフォルメとのギャップを出す。 構成的にはよく考えられてると思いますし、個人的にはこの辺りを高く評価します。 また、監修を付けてるのもいいですね。 生物学的なトリビアや門前書的な側面が出てくると、そこで一つ面白さが出てきそうです。 熱血を出しつつ、ミジンコの辺りのようにギャグもちょっと絡める。 構成的にも『WEED』とは少し違った面でオリジナリティを出している。 意外とこの漫画、面白いかもしれません。 ただ、一つだけ突っ込ませてもらうと、リアリティとフィクションの境界に課題が残ってるのかもしれません。 この辺りは『タッコク!!!』や『トリコ』が非常に上手いのですが。 画像引用したシーン、「魚が木に当たったからと言って木屑が散乱しねーだろ」と思ってしまいました。 リアルとフィクションを共存させつつ、どう折り合いをつけるか。課題はそこかもしれません。 ◎ G 引き続き面白いです。 先月分にレース知ってる人は疑問に思う箇所があったみたいなので、 マニアに突っ込まれないような演出をきちんとするのが課題なのかもしれません。 内容がロジカルな分、そこに間違いがあると致命的ですから。 まぁ知らない私にとっちゃぁどうでもいいことではあるのですが。 今際の国のアリス 読んでないので知りませんでしたが、『GANTS』的な漫画らしいですね。 構造的にどうかはともかく、漫画の面白さの肝はロジック。 今回のは素晴らしかったです。 國崎出雲の事情』プロトタイプ版 婦女子対応の漫画なので印は打ちませんでしたが、客観的に見れば○ランク。 プロトタイプ版だけ読んでも「バトル展開イラねー」「出雲もちっと可愛くすればいいんじゃね?」 という感想を持ったんじゃないかなーと思わせるくらい連載ではいい感じに修正されてるなという事が分かりました。 ◎ M・S DOLLS さんざんマンネリマンネリ言ってますが、その構造は変わらず。 彌縫策としてパロディ解禁したんでしょうかね?彌縫策の方向性としては間違ってないと思います。 武論尊先生はゲッサンで原作書いてますので無碍には断らんでしょうしw 『M・S DOLLS週刊少年サンデースーパー増刊号 2011年2月号 p293 菅原健二 この辺りのロジックに説得力(納得力?)があるから、マンネリでも享受しちゃえるんですよね。 あくまで個人的には、ですが。 タッコク!!! 素晴らしい最終回でした。 改めて、超連載するには勿体無い、本誌で掲載すべき作品だったなーと痛感しました。 『蟲』とは違って最後までやっちゃったので本誌移籍の可能性は低いとは思いますが、 別にそのままやっても良くね?とは思います。 まぁ卓球に拘る必要もないので、構造はそのままに、別のスポーツでやるってのもアリですが。 個人的に魔球漫画としては最高峰だった思っているのですが、ネックがあるとすればやはりラブコメの演出でしょうか。 このくらいでも十分ラブコメと言い張れると思いますが、触れたらNGという設定がラブコメ的演出においては 単に阻害設定にしかなってなかったんですよね。 言ってみればキスシーンの無い『神のみぞ知るセカイ』でしたから。 タッコク!!!』 1巻 p57 福地翼 ブコメの設定には障害が付き物ですが、その障害をどう演出として工夫するかを掘り下げて欲しかったです。 要するに上のシーンの応用です。 例えばラケットを介してシェイクハンドするとか、ガクに触れずにネクタイ締めるとか... 新たな萌え演出を開拓できる余地があっただけに、その点は若干残念ではあります。 魔法のいろは! 『葵DESTRUCTION』はともかく、『美鳥の日々』『あいこら』は正直さほど面白いと思ってなかったのですが、 どちらの作品も纏め方は上手いなーとは感じてました。 その辺りは相変わらず。今作も綺麗に纏めてくれました。 やはり手堅さはあるんですよね。 今までの作品は設定で意表を突いてインパクトを出すパターンでしたが、『いろは』ではそれもなく 単にこじんまりとした作品という印象になっちゃいました。 地力はある作家さんなのですが、設定以外でもどうインパクトを出していくのかが課題でしょうか。 とは言ってもじゃぁ具体的にどうやるかってのも難しいんですがね... そんなもの思いつく才能あったら原作者になれますしw ◎ 微笑みの奇術師 新人コミック大賞受賞作。 絵柄的にも内容的にもクオリティは文句なしです。 強いて挙げるとすれば、もうすこしスッキリした方がいいかなーくらいですが、これも好みの範疇ですし。 連載向きのストーリー作れるかどうかはまだ分かりませんが、 連載用読切→短期集中連載→連載というステップを踏んで本誌連載させていいかもしれません。 DTM SSさんの所でも書いてたように、京都精華大学マンガ科4年という事なので、その点では問題なさそうです。