FLAG.79

若木先生のtwitterアカウントはこちら angelfrench
まずは言い訳から。
前回こう書きました

何だか次で終わりそうな勢いですが、今までは必ず「エンディングが見えた」というセリフの次の回で終わるというパターンだったので
恐らく違うんでしょう。

ええ、思いっきり外しましたとも。
今までのように「エンディングが見えた」のセリフが無いのは、恐らく#77の段階で見えてるからなんでしょう。
神のみぞ知るセカイ』 #77 週刊少年サンデー2009年52号 p183 若木民喜

それにまんまと引っかかった形になりましたが、
あえて言わせてもらうと七香編の本当の目的は天理を桂馬の学校に転校させつつ2B PENCILSの一員となることだと決めウチしてます。
なので、次々回でそこまで話が展開すれば読みは当たったという方向で考えたいです。


おうちにかえるまでがえんそくです。


まぁそれでも外しそうですがねw
12/3の::HoneyDippedではお誕生日ということでちひろの画像がupされてましたが、
ネーム締め切りが2週前の火曜、原稿の締め切りが2週前の金曜っぽいので、これが雑誌に掲載されるのは次号。
1話で桂馬とディアナの会談+転校+メンバー入りまで入らなくはないですし。


#77の段階で七香の描写に関して懸念を抱いてましたが、残念ながらあっさりとしたものになりました。

逆に七香が霞んでしまってますが、たぶん後で挽回するシーンを出してくるとは思います。
ただ、スミレのようにイマイチ読者の支持が得られないキャラもいますので、若干不安ではあります。

若木先生は『ラブプラス』に寄せたメッセージのなかでこう述べていました。

彼女と友達の中間を書いてないのが不満。付き合う前は楽しかった温度差が、付き合った後はイラっとする。その温度差を埋める「引継ぎ部分」があればよかった
ゲーマガ2009年12月号 p56

最近は4話構成だと「関係の履歴」、または「記号からキャラへ」、上の引用だと「引継ぎ部分」の描写が薄いように感じます。
今回の七香編や、以前のスミレ編のように攻略とは別の(作者からみた)目的、七香編なら天理、スミレ編なら親子の関係を描写する
というタスクが増えるとより濃度が薄まるのは必然です。
で、正直七香にファンが付くとはあまり思えません。
まぁ実際どうなのか、自分が想像してるのとは違う可能性が高いので、もうさんが今やっている
神のみぞ知るセカイで好きなキャラクターを教えてください!第1回は非常に意味のある企画だと思います。
まだ投票してない方は参加していただけると私も色々助かります。


何にせよ、今回の「記号からキャラへ」...過程の描写はこのくらいでした。
神のみぞ知るセカイ』 #79 p7

イベント的には4日も合宿してたので関係が深まっても不思議ではないという説得力はあるのですが、
キャラに萌えて楽しむ類のファンからとってみればかなり物足らないシリーズではないかと考えます。
私はぶっちゃけあまりその辺りに関心がないので、あくまで想像ですけども。


と、アンチな立場だとそこを批判して劣化しただの色々言うのかもしれませんが、
私は意図的にやってるのだとすればこの方針は「アリ」だと思ってます。

一つ目の問題点は直列方式の宿命ですが、キャラが使い捨てになってる点です。
これまでの直列方式とは違い、主人公が変わらないので感情移入を維持し易くなり、物語に発展性を持たせることは出来るようになりましたが、
ヒロインに付いたファンをオミットするという構造には変わりありません。
The Structure of "The World God Only Knows" #2

逆に言えば、攻略ヒロインをそれほどファンが付かない軽い存在にすればキャラを使い捨ててもさして問題はありません。
神のみぞ知るセカイ』 #74 週刊少年サンデー2009年50号 p100

再三書いているように、今シリーズの目的が天理を2B PENCILSの一員になる過程を描くだとすれば、
七香よりもディアナと天理の方に「彼女と友達の中間」の描写を割くべきですし、実際そうなってます。

ディアナvs桂馬→七香との修行→天理とのお話と、今回桂馬は三人の女の子を同時に相手をしている訳で、これを三人三様18ページで描くのはなかなかスピード感があって、描いてる側としてもテクニカルな満足感があるというか、気持ち良いものです。意識した訳じゃないけど、ちゃんと6ページずつで交代してる。
::HoneyDipped:: 12/7:FLAG78「寄せは俗手で」

どのキャラにも魂込めていたのが、キャラの重要度を考慮に入れて差を付けるようになったと考えれば、
この方針転換はあながち悪くないのではないでしょうか。
「記号からキャラへ」「彼女と友達の中間」の描写はパターン増やすのは難しいでしょうが、
記号に近いキャラを量産するだけならさほど難しくないでしょうし。


キャラ読みな人にとっては七香編は物足りない存在だったかもしれませんが、
個人的には以前懸念を表していた部分が解消されていたので割りと好きですね。
神のみぞ知るセカイ』 #79 p17

大枠では桂馬が七香に勝ち、天理が桂馬に勝ち、最後に七香が天理に勝つというシナリオ通りには進んでいるのですが、
その過程において桂馬にとってイレギュラーな出来事を起こすことによってご都合主義な印象を与えてません。
この辺りは非常にいいと思います。
「現実へのリハビリ」に即してますし、イレギュラーな要因が桂馬の感情の揺れによるもの、というのがさらにいいです。


何にせよ、ヒロイン攻略の目的が変わりつつあるという意味において、七香編はひとつの指標になるかもしれません。