クラブサンデー 新人王決定戦 第4週前編



アカメ―今ボクは夕陽を見る―

アカメ―今ボクは夕陽を見る―

嵐真吾
(C)Shingo Arashi/Shogakukan 2009

ある日突然、瞳が変色する奇病。通称“アカメ”。その眼は、不思議なことに、瞳に映るすべての命の寿命が視えるという。寿命というのは、最も重要な個人情報。そのため、アカメを発症した者は、特別な保護施設に隔離されていた。そんなある日、余命半年を宣告された少年・トウヤは、橋の上でアカメの少女・アヤと出会う。自分の正確な寿命を教えて欲しいトウヤは、アヤの頼みを叶える約束をする…

posted with EmbedSunday on 2009-08-18

★★★★☆
客観的に見れば星2〜3なんでしょうけども、読後感が妙に爽やかなのが好印象。ゆえに個人的に星4つ。
画力はかなり上げる必要はあるでしょうね。
内容的にはそこそこ評価します。まー『イキガミ』系のよくある話ですけどね。


嘘をついてミスディレクションを誘ってるのはいいのですが、
『アカメ―今ボクは夕陽を見る―』p25 嵐真吾

「僕の寿命もウソ?」って聞いて「ウソじゃない」と答えてるのに
『アカメ―今ボクは夕陽を見る―』p31

「引っかかった。トウヤくんの寿命だなんて一言も言ってない」というのはねぇ(苦笑)
これではミスディレクションではなく、単に辻褄が合ってないだけですわ。
こういうミスディレクションされると私は納得しかねます。一般的にどうかは分かりませんが。
「寿命があと6日というのもウソ?」と訊くか、「ごめんね。アレも本当はウソだったの。トウヤくんの寿命については何も言ってない」にするかでしょう。




エンジ

エンジ

河西孝裕
(C)Takahiro Kawanishi/Shogakukan 2009

15歳の高校生ナオキは運動神経抜群だが、まじめに生きることがめんどくさいイイ加減なヤツ! ところがなぜか幼い子供を助けるために車の前に身を投げ出してしまった!?気がついたら・・・アレレ? なんと赤ちゃんになってしまっていた!!いったい神様はナオキに何をさせようというのか!?

posted with EmbedSunday on 2009-08-18

★★☆☆☆
絵がそれなりに上手い分星2つ付けましたが、心情的には星0でもいいくらい。
カーチェイスのシーンにリアリティが無さすぎです。
そもそも運転手が意識を失ってアクセル踏んでないんですから、バスは減速しつつ勝手に止まるはずですわ。
エンジンブレーキも掛かりますしね。
一旦バスから脱出してわざわざ乗り込むという展開も微妙です。作者が「こういうシーンを描きたい」という都合に理屈が合わなさすぎです。
犬が手を引っ張るってのもねぇ。あの体勢でとても幼稚園児を引っ張れるとは思えないですし。
脚踏ん張ってないし、バスの上なら滑って主人公共々落ちるのが関の山でしょうよ。
と、突っ込む箇所がありすぎるからお話しに入っていけませんわ。
突っ込みどころが多い点を解消するか、逆にギャグになるような方向で解消するかですな。
漫画のリズムや起承転結のフレーム自体は問題なし。




ゼンの神話

ゼンの神話

中西真智子
(C)Machiko Nakanishi/Shogakukan 2009

人類が“人”になる以前…人類は欲望のままに生きていた。争いの絶えぬ世を変革すべく、ある一人の男が立ち上がった。その男の正体とは?そして、その男の意志とは!?

posted with EmbedSunday on 2009-08-18

★★★★★
個人的に平和主義やジェンフリっぽさが鼻につくのがどうも好きになれませんし、最後のオチがベタすぎるのも微妙ですが、
逆に言えばそれくらいしか批判するところがないほど完璧。
『ゼンの神話』 p5 中西真智子

絵に関しては文句ないですね。ファンタジー系小説の挿絵でもやれそう。
逆に連載してもこのクオリティ維持できるのか?と心配するほどです。
意外とキャリア長そうと思ったら18歳から持ち込みしていて6年目ですか。
4週目に限らず、エントリー作品全体からみても頭一つ抜けてる印象があります。
割と小川麻衣子ファンの私ですが、この人が『とある飛行士の追憶』の作画担当やった方が良かったかなぁとも思いますね。




冥途から。

冥途から。

葛城一
(C)Hajime Katsuragi/Shogakukan 2009

幼い頃から、他人がついた嘘を見抜くことができる主人公・永真のもとに、ある日やってきたのは冥途からやって来たメイドの冥子。どうやら永真の実の父・閻魔大王から、教育兼世話係として派遣されてきたらしく…? スーパールーキーが描く、ありがた迷惑おしかけメイドコメディー!

posted with EmbedSunday on 2009-08-18

★★★★☆
この作者は『三年契約』とのダブルノミネート。基本的には同じパターンを踏襲してます。
この作品、web上だと明朝体の文字が拡大しないと読めない箇所がある分、ハンデが付きそうです。
動きのあるシーンが無い分ボロは出てませんが、こちらも『三年契約』とほぼ同じ印象ですね。
割とベタな展開でもそれを読ませる構成力はある、立ち話だけのシーンを何とかしろ、若干物足りない、ってな所でしょうか。
キャラ的にはこっちの方が立ってますけどね。
安定感はありそうですから、後は能力の底上げでしょう。




玩具修理師

玩具修理師

小澤淳
(C)Atsushi Ozawa/Shogakukan 2009

戸井理兵衛は、壊れた玩具を修理することを生業としている。実は理兵衛には、玩具に込められた想いを引き出し、彼らの声を聞ける能力があるのだ! そして、彼の元にまた、いわくつきの玩具が持ち込まれてきて…? 心の絆も直してしまう、玩具修理師を描く、ハートフルファンタジー

posted with EmbedSunday on 2009-08-18

★★★★★
うーむ、夢がありますね。これぞ「漫画」という感じ。
『玩具修理師』 p16 小澤淳

この辺りの雰囲気だけでも星5つ付ける価値はあるかなぁと。
構成も割といい感じですし、後は絵のレベルアップと上のコマの後のベタすぎる親子の会話を何かひとひねりほしいところ、くらいですかね。
個人的には飛び出して車に轢かれそうなのを助けるっていうシチュエーションは禁止にしたいですわw
まぁ『俺たちのフィールド』とかでもやってるんですけどね...
星4に限りなく近い星5つということで。