]エンゼルバンク #76 その2

興味深いレスが付いたので新たに記事立ち上げます。
設問はこちら。

片面に数字、もう片面にはローマ字の書かれているカードがあります。
もし「カードの片面にローマ字の母音が書いてあれば、その裏面の数字は偶数である」というルールがあるとします。
上の4枚(A,K,4,5)のカードで、このルールが成立してるかどうかを確かめるには、最小限どのカードをめくってみればよいでしょうか?
カードは何枚めくってもよいですが、出来るだけ少ない枚数をめくって、ルールを確認してください。

制限時間は1分です。




で、この記事にこういうコメントが付きました。

実はこの問題ってA一枚だけめくればいい気がしませんか?
片面に母音が書いてあれば裏面は偶数なんですから、上記の4枚の中で片面が母音なのはAだけですから。つまりそれをめくればよい。


ちなみに5をめくって反証を確かめるならば、「カードの裏表に区別をつけない」という前提を暗に含むことになります。もしそれが前提とされるならば、結局、Kも4もめくらなければならいないことになります。


つまり答えは「Aだけ」もしくは解釈によっては「全部」ということになります。

答え自体は間違いです、、「カードの裏表に区別をつけない」という前提を暗に含むことになります の部分が姿勢として素晴らしいと思いました。
なぜなら、最も大きな「確証バイアスの罠」である、前提条件を疑っているからです。


例えば、「日中友好を深めるには、紗綾をイメージガールにするのが効果的」という仮説があるとします。
ここで、2005年の反日暴動を例にあげたりして、ポジティブな情報ばかりを挙げ仮説が正しいと思うのが確証バイアスの罠。
本当に「紗綾をイメージガールにするのが効果的か」を疑うのが普通の懐疑的思考。
ここでさらに、「そもそも日中友好を深める必要があるのか」と疑うのが真の懐疑的思考でしょう。


「まずは前提を疑え」
単純に解答を導き出すよりもよっぽど意義のあることだと私は思います。


で、どこに誤りがあるかは指摘できると思うのですが、納得できる指摘をできる自信は全くありませんw
一応やるだけやってみます。


問題の1行目をもう一度読んでみましょう。

片面に数字、もう片面にはローマ字の書かれているカードがあります。

これが前提条件です。もちろん「カードの裏表に区別をつけない」という前提をは含んでいません。
あえて入れるとするなら、「カードの裏表は問わない(区別をつけてもつけなくても構わない)」です。
なので、ここでは今見えてる面、A,K,4,5を表、見えない面を裏としましょうか。
もしも「カードの裏表に区別をつけない」という前提が含まれて成立する条件なら、区別をつけることによって成立しなくなるはずです。


2〜3行目を読みます。

もし「カードの片面にローマ字の母音が書いてあれば、その裏面の数字は偶数である」というルールがあるとします。

前提条件では「片面に数字、もう片面にはローマ字」と書いているのに、こちらは「カードの片面に」「その裏面」と表記しています。
ここに誤解の種があるように思えます。
こうふうもこれに気づいたのかもしれません。「片面が偶数であれば、反対は母音」と置き換えてますし。
趣旨は変わらないので、こう書き換えてみます。

もし「カードの片面にローマ字の母音が書いてあれば、もう片面の数字は偶数である」というルールがあるとします。


残りを読みます。

上の4枚(A,K,4,5)のカードで、このルールが成立してるかどうかを確かめるには、最小限どのカードをめくってみればよいでしょうか?
カードは何枚めくってもよいですが、出来るだけ少ない枚数をめくって、ルールを確認してください。

後は「かつ」と「ならば」の違いに気をつけて、めくるシミュレーションをするだけです。


表がAの場合、「カードの片面にローマ字の母音が書いて」あるので、ルールの条件に含まれます
前提条件から、裏面は数字が書かれています。
数字が偶数ならルールは成立しますが、逆に奇数なら「もう片面の数字は偶数」の点がルールに反しています。
Aをめくる必要があるのは分かるでしょう。


表がKの場合、「カードの片面にローマ字の母音が書いて」ある場合ではないので、ルールの条件には含まれません。
よって、裏が奇数であろうと偶数であろうと、ルールには関係ありません。めくる必要もないです。


表が4の場合、前提条件から裏面はローマ字です。
裏面が母音の場合はルールの条件に含まれ、成立します。子音の場合はルールとは関係がありません。めくる必要はありません。


表が5の場合、前提条件から裏面はローマ字です。
裏面が母音の場合はルールに含まれつつ、反しています。子音の場合はルールとは関係ありません。
A同様、ルールに反する可能性があるので、めくる必要があります。


これで分かって頂けるか甚だ怪しいですがねw
結局のところ、「裏面」という表現に躓いたのかなぁと思いますが、どうでしょうか。




ちなみに、めくってシミュレーションしてる箇所に、罠が仕掛けられています。
普通に読んでいて気づいたあなたは素晴らしい。答えは下に反転して書いておきますね。



前提条件には、片面に数字としか書かれていません。一桁の数字でさえありません。
マイナスの数字もありえますし、小数点以下を持つ数字でも構いません。さらに言うなら虚数でも構いません。
書かれている数字は偶数と奇数以外にもありえるので、「逆に奇数なら」「裏が奇数であろうと偶数であろうと」という部分が罠です。
どこをめくるかという答えは同じですけどね。
まぁ、前回


その裏面の数字が奇数である」場合があるかどうか。


と書いてしまった反省だと思ってくださいな。