サンデーS 201405

次号からは『キャラクタイムズ』が週刊とサンデーSとのW連載になるそうです。
サンデーS 2014年5月号 p714

キャラクタイムズ』は一応4月に1巻が重版されるみたいですが、
最短ではないものの打ち切りになった『正しいコドモの作り方』も重版はされてたので、
ひょっとしたらW連載を経ての移籍になるんじゃないかなぁと思っています。
上層部が動いての企画なので、簡単には打ち切りできない事情があるのは確かですし。
漫画自体は某ネズミネタなどでたまーに面白かった事はあったんですが、
個人的には刺さらないタイプのギャグかなぁと。『小学ににゃんせい』もそうでした。


ひっそり奥先生の新連載も公表されました。
twitter奥英樹
前作『アップセット15』はそれなりに熱血は描けていたものの、
キャラが多い漫画だったという事もあるのかもしれませんが、
キャラの掘り下げが弱いという印象でした。
今回は団体スポーツではなく個人種目で、嫌でもキャラにフォーカスを当てざるを得ないでしょうし、
ブログによるとメインはラブコメの漫画らしいですので、その辺りが改善されるかどうかに注目。
見栄えもあと一歩ですけど、その辺りは恐らく大きくは変わらないのかも...


そして川原章史先生の読切が1本。
恐らく川井章史先生が改名したのでしょう。

まんがカレッジ2010年12・1月期『御江戸防人おたすけ小虎』佳作
クラブサンデー 2010年10月12日 『シンケン少年』掲載
クラブサンデー 2010年12月10日 『サイコロマキビ〜遣唐記〜』掲載
クラブサンデー 2012年04月03日 『ストラック・ボァ』掲載

『シンケン少年』はもひとつだったような記憶が何となく。
『サイコロマキビ』はロジックに難があったような...
『ストラック・ボァ』は読んでる筈なんですが全く覚えてません。


とある飛空士への追憶
殺すのではなく島流しにする理由は理に適ってました。
ただまー感心したのはソコくらいで...


THE UNLIMITED 兵部京介
原作:椎名高志とはなってますが、確かシナリオは脚本家が書いてたような記憶が。
それでもきっちり椎名イズムである「異能者の疎外感」が描かれてるのは素晴らしいなと。


今際の国のアリス
一つ設定が明かされました。
という事はクリア報酬は...?


アパートメント・オブ・ガンダム
前回と同じ感想。

相変わらずクスリとも来ませんが、一応ストーリーはちゃんとしてたかなと...


機動戦士ガンダム アフタージャブロー
キャラ絵は旧い、格闘シーンが分かりにくい、シナリオはもひとつ...
特に、主人公を生かした上に内通者がいるという情報をプレゼントするシーンに問題があったりと、
(何らかの理由があって故意に流したのならまだいいんですが)
概ね想定通りのクオリティではあったんですが、
機動戦士ガンダム アフタージャブロー』 サンデーS 2014年5月号 p268 新井淳也 原作:矢立肇富野由悠季

背景とMS、特にフランケンなガンダム (?) は迫力がありました。
いかにもアシスタントとしては有能な作家さんだという印象を受けました。


意外性を出そうとはしてるのでしょうけど、
もう少し読者と駆け引きをする事を意識した方がいいのかもしれません。



若木民喜
@koutensugano 読ませないってのも色々あって、「想像もできない」ものと、「まず想像させておいて裏切る」ものと、「何パターンか提示しておいて、そのうち何を選ぶか、ないしは選ばないか」というもの・・・ボク的には展開そのものより、展開の前の議論が大事なんじゃなかろうかと。
link
ぬいぐるみクラッシュ うーん既にマンネリ気味に... ギャグ漫画なのでどうしても好みが分かれるのは確かなのですが、 せめて自分が描けるネタにはどういうパターンがあるかを分析して、 それを1話の中にいかにバラエティ豊かに出すか?という視点があれば、 ある程度幅広い支持が得られそうな気はするのですけども。 ◎ 女子高生刑事 白石ひなた いやー相変わらず面白いですなぁ。 『女子高生刑事 白石ひなた』 サンデーS 2014年5月号 p309 早坂ガブ トリックを暴く過程はいつもの事ながら、こういう手癖が証拠たりえるシナリオは個人的に好きです。 証拠を隠すために犯人は色々手を尽くすでしょうけど、 「自分では当たり前だと思ってることがそうではない」ってのは盲点になるでしょうから、 その分隠しそこねた事に説得力が増すと思うんですよね。 キュピコ! 個人的には面倒臭いキャラが増えたなーといった印象ではあるのですが、 ベタでケレン味が無いのがウリの漫画でしょうから客観的にみればこれはこれで。 最後は? ストレート!! いやー見事に地味で盛り上がらない... 地味にいい漫画ではあるので、このままでいいんでしょうなぁ。 ◎ 名無しは一体誰でしょう? 以前のように脳内議論だけでは無くなったので、ご都合主義が薄れはしましたが、 まだまだ付き纏ってる印象はあります。 上の若木先生のつぶやきにもありますし、『ひなた』にもこの辺りは当てはまるのですけど、 「何パターンか提示しておいて、そのうち何を選ぶか、ないしは選ばないか」 これが少ないんですよね。脳内議論の時には少し出してたのですが。 ご都合主義な印象が出るか出ないかは説得力の問題で、 それを出す方法の一つとして、どう論理を絞り込んだかという事を表現する必要があると思います。 とは言え、 『名無しは一体誰でしょう?』 サンデーS 2014年5月号 p433 原作:山田鐘人 作画:岡崎河亮 このシーンは見応えがありました。やはり実力はある作家さんだとは思います。 (くろ)の天使 キャラにフォーカスが当たりだして、多少はマシになりましたが、 枷やら伏線やら意外性がほとんど無いのはどうにかならんもんかと。 夏空エンドラン 枷やら伏線やら意外性がほとんど無いのはどうにかならんもんかと。 とは言え、ヤマなしオチなし意味なしからヤマは出るようになってますし、 別のキャラ視点が出てきたので多少はマシになりました。 ◎ バディ!!!

枷の外し方もちと問題で、
折角シューズの紐を切るなんていうミミちい事やるんだったら、
切れた紐の代わりに千明が持ってる紐的な何かで代用して、
(どの紐を使うかによっては色気を出す演出にもなりうるでしょう)
その紐が絆を象徴する感じに持って行くとかすれば、もう少し面白くなった気がします。
アイテムというのはキャラ描写にも繋がりますし。
また、過去にあった千明と龍堂との「関係の履歴」を描写するのもいいんですが、
この枷自体が「関係の履歴」となりうる題材なんですから、そこを生かさないと。
サンデーS 201401

以前こう批判的に書きました。
『バディ!!!』 サンデーS 2014年5月号 p527 西園フミコ

そしたらこのようなシーンが。
薄々思ってたけど、作者このブログ読んでるような...


また、

キャラクターがある出来事を通して改心したり成長する様を描くというのも、
作品のセオリーの一つではあるのですが、こういう人間のクズを描いた場合には、
セオリーとしては改心すべきではないと考えます。
ゲッサン201403

以前ゲッサンの読切『雨追さん家に行ってみた。』に対してこう批判しましたが、
『バディ!!!』 サンデーS 2014年5月号 p527 西園フミコ

まさに人間のクズを描いた場合のセオリー通りな描写。やはりこういう演出の方がスカっとしますよねw
天丼の面白さも出てますし、下っ端と同じ状態になる事で小物感も演出できてます。
まぁこのシーンに関しては、このブログを参考に出来るようなスケジュールではありませんけども。


何にせよ、今回お色気はありませんでしたが、熱血もラブコメもやれる特長を出しつつ、
明らかにオカシイ描写もなくなったりと、連載を通じて成長してる感があります。
そろそろ一話完結ではなく、ちゃんとしたヒキを用意しての2〜3話構成が読んでみたいです。


KING GOLF
KING GOLF』サンデーS 2014年5月号 p551 漫画:佐々木健 技術指導&監修:谷将貴

マチュア相手に本気で潰しに掛かってる辺りに小物感がひしひしと。
そして蒼甫が同じ土俵に立っても「売られた喧嘩は買う」というキャラ描写になって、
蒼甫の小物感に繋がらないようになってる辺りはなるほどなぁと。
「人を呪わば穴二つ」な展開になって欲しいと読者に思わせているからこそ、達成感も出るのでしょう。
さすがです。


覚の駒
やはり一話完結が最大のボトルネックだったようで、大分マシに。
意外性もちょろっとあり、以前のように箸にも棒にもかからない感じではなくなりました。
ただまー面白いと思わせる所までにはまだまだ遠い印象。


ジゼル (読切) ねこぐち
★★★★★
ちと甘めですが。
踊りをテーマに持ってくるなんてのは、よっぽど画力に自信が無いと出来ない事だと思うのですが、
『ジゼル』サンデーS 2014年5月号 p616 ねこぐち

その辺りは完璧。絵に関しては見栄えを含め既に本誌レベルではないかと。
キャラが活き活きと表現できてるだけでも良いなぁと思わせるのですが、
何より素晴らしいのは、バレエとストリートダンス、安来節の特長をきちんと捉えてること。
ストリートダンスに関しては知識皆無なので置いとくとして、
(バレエと安来節の知識がある訳でもないですが)
西洋の踊りと東洋の踊りの間には、明確な違いが一つあります。


ソースとなる文献が不明なのであやふやなのが申し訳ない上に、
原因については正直眉唾ものですが、
西洋の踊りは「いかに神に近づくか」を表現するために、身体を伸ばす美しさを追求します。
フットボールネーショ』 2巻 p161 大武ユキ

結果として、身体の軸が垂直になります。
東洋の踊りは「いかに気を取り込むか」を表現するために、身体を曲げる美しさを追求します。
『ジゼル』サンデーS 2014年5月号 p639 ねこぐち

結果として、腰を落とした姿勢が多くなります。
作者はここを意識してる訳では無いのでしょうけど、
踊りの描写がしっかりとしてるため、違いもしっかり描写されてます。
それに付随してもう一つ良い点があって、
『ジゼル』サンデーS 2014年5月号 p637 ねこぐち

ジゼルの踊りにのみバレエ的な身体を伸ばす動きが見られること。
そして、それを安来節に新たな風を吹き込む描写に繋げています。
ただまー、そこまで意識してないからでしょうが、
西洋的な踊りと東洋的な踊りとの違いをきちんと読者に伝えていないのが勿体無いです。
また安来節がダサイとは書いてますが、例えば古臭いとも書いていれば良かったような。
枷がストーリーにおいて有効なのは、枷を外した時に達成感が出るからです。
古臭いから安来節をやらないと思っていたのであれば、
新しい安来節を開拓する余地があると気づいた時に、達成感が出ると。


ストーリー的には若干物足りないとは言え、基礎はしっかりしてますし、
動きも非常に見栄えがするので、次は是非サンデーSの連載で読んでみたいです。


◎ LASBOSS×HERO
いやー面白い。
前回のいわゆる「嫌ボーン」含め、ベタで微妙な解決策を出しまくってそれを真っ向から否定。
もちろん最後にちゃんと素晴らしい解決策が出てこなければ微妙なオチだったねで終わるのですがw


うろんな3人共
この漫画の復興はなりませんでしたね...
連載を通じて若干絵の見栄えは良くなったかなぁといった点を除いては
ほとんど成長らしい成長もありませんでした。
全体的にみても無印。
ベタなコメディではなく、読切のようなオリジナリティある作品の方が良さそうです。


ネッコロ
マシな回でした。