HoneyDipped 5/13:ゲッサン

ここからは、またもや自分の今の立場を全く考えない描き手と読者目線半々の感想だけど。

ん?以前

若木先生個人のblogだから別に自由に書いてもいいじゃね?と思われるかもしれませんが、最早公式blogになってるので社会的な発言を要求されると思うのです。
火田先生のように、無難に書いた方がいいとは思いますね。

ってな事を書きましたが...
似たような事誰かに言われたんですかね。
まぁ、今回もまた物議を醸しそうな内容ですがw
ブログの方はある程度個人的な事を書いて、公式的なものはバックステージに書く、といった棲み分けするのもいいかもしれませんなぁ。

そこで僕は、これからの新しい才能を集める方法として、「編集部の魅力によって呼ぶ」というアプローチはないのか?って思ってるのです。漠然と「持ち込み来たれ!」じゃなく、具体的に編集部がどうやって作家を育ててるとか、編集部の育成体制(編集部員の一人一人の人柄とか、今まで立ち上げた連載とか、平均の担当作家人数とか)なんかを全部公開して透明性を高めて、「うちに来れば、あんたは持ってるポテンシャルを全開にできるよ!」と宣言して、それで呼ぶ。

まんま『バクマン。』じゃないですかw
アレはフィクションとノンフィクションまぜこぜにしてるけども。


編集部の透明性を高めるというのは基本的には賛成。なかなか難しいなぁとは思いますけどね。
三菱のリコール隠しパロマの湯沸器死亡事故と松下(パナソニック)のFF式石油温風機の対応の違いがその後どう響いたかというのを考えると、
問題を隠して無謬性(間違いを起こさない)を装うよりも、問題を公開して危機管理能力を認めてもらうのが解決策、というのが最近の風潮ではあるのですが。
トレーサビリティも然り。
某RさんやFさん、ひょっとしたら久米田先生もこの範疇に入るのかもしれませんが、最近の小学館の編集部には問題が出ています。
これを正すために透明性を高めようという意見と、問題があるから透明性を確保なんてできやしないという意見が出るかもしれません。
最終的には透明性を高めざるを得ないとは思いますけど、その前にある程度内部の問題を処理する必要はあると思います。
信頼を揺るがしかねない情報だけ流出しても何の特にもなりませんから。
恐らく若木先生「自分の今の立場を全く考えてない」とは書いてますが、内部批判は行ってませんし、この辺りは分かって書いているのでしょう。
ある意味きちんと暗黙のルールは守ってます。(さよなら絶望先生#180『暗黙童話』)
まぁ私は「作者本人に本音で感想を言わない」という暗黙のルールには接触してる気がしますが。


個人的には、透明性を高めれば信頼が担保できるとは思ってません。
大切なのは、透明性を高めた後の問題。何故透明性を高める必要があるのか。
編集のプロセスを公開することによって議論を起こし、読者の意見をフィードバックすること。これに尽きると思います。

官の詭弁学―誰が規制を変えたくないのか

官の詭弁学―誰が規制を変えたくないのか

この本に書かれているように、「情報は公表すべし」「議論は公開ですべし」。
コーポラティズムの堕落を解消するにはリベラリズムによるチェックが必要。このあたりはM台氏の受け売りなのですが。


では、どうやって透明性を高められるのか。

なぜなら、漫画が漫画で漫画を表現し始め、縮小再生産を始めたからです。

「創刊によせて」の文章にこのような一文がある「ゲッサン」に『アオイホノオ』が載ってるのは皮肉としか言いようがありませんが、
アオイホノオ』『バクマン。』は一つの方法でしょう。
二番煎じ感漂いますが、例えば『もう、しませんから』の対象を漫画家ではなく編集者にしてみる、というのはどうでしょう。ダメかなぁ。


やれる範囲からと考えると、編集部ブログというのは一つのアイデアだと思います。
単純に「サンデー編集者バックステージ」って作ったらどうですか?
読者は見ないかもしれませんが、少なくとも漫画家志望の人は読みそうな気がします。
コストもほどんど掛かんないですし、リスクも少ないでしょう。
どれだけの頻度で書くかを自主裁量にしたら簡単に廃れる恐れはありますが。
とりあえず、暗黙のルールに接触しないようにするのは楽ですしね。
文章だけではアレなので、漫画家の誰かに似顔絵書かせてリストの横に表示したりして。
実際対面したときに「ああこの人か」と思ってくれるでしょうし。

せっかくサンデーの編集部は各雑誌が全部同じフロアでやってることだし(編集部行ってないけど、今もそうだよね)、派閥だの何だの乗り越えて、全部連携してさ。で、新人は、大サンデー編集部として全雑誌合同で募集したりすればいいのにって思う。少なくとも育成なんかは売り方関係なく、作家の個性を伸ばして技術を育てるだけなんだから。だから育成専門の部署作って、もっとも有能な編集者を当てて統一基準で一遍に見る(編集の個性と1対1の上下関係が、島本先生言うところの「会話力のない」新人を抑圧することが多いし、その他モロモロの言えないネガティブな事情でもって、新人に個別担当はいらないと僕的には思う)。で、1〜2年ぐらいで新人が作家として自分をある程度表現できるレベルになったら、個性にあった雑誌と担当編集がそれぞれ待ってて、編集部と作家が話し合って、どの担当で、どこの雑誌で載せるか選択できる。読者もウェブなんかで、その過程が全部見えてる。新人でも連載を取った時にはみんなが知ってる。これ、僕的にはかなり理想のシステムなんだけど・・・。

要するに、漫画にもサッカーのユースみたいなのを作れという話なんですかね。
漫画家というのはかなり特殊な職業だと思いますが、サッカー選手と漫画家は個人事業主だという点で相似性もありますし。
でも実質超やゲッサンがこの役割を担ってるとは思いますけどねぇ。
派閥を乗り越えるってのは...まぁ難しいとは思いますねw
せめて人事異動以外で何か連携を取って、風通りを良くする方法があればいいんですが。


とりあえず、ゲッサンのふろくのモリタイシ先生の漫画が面白かったので、漫画家の中堅どころと編集者(実名で)集めて、
ゲッサンに2〜3回くらいに分けてこういう内容の対談を載せるってのはどうですか?
多少漫画付けて。
「言えない話」はオミットされるでしょうが、正直若木先生と火田先生の対談、これ雑誌に載ってたら買うよなぁと思いましたし。
まぁ個人的には小林よしのりを呼んで対談し、ゲッサンでごーまんかましてもらうというのが一番面白そうだと思いますねw